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塩野義製薬の新型コロナウイルス飲み薬 「最終段階の治験で症状改善の効果を確認」

 更新日:2023/03/27
塩野義製薬の新型コロナ飲み薬 ”治験で症状改善の効果”

塩野義製薬が開発を進める新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」が、最終段階の治験で発熱などの症状を改善する効果が確認されたことが発表されました。このニュースについて中路先生にお話を伺います。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

塩野義製薬が発表した内容とは?

塩野義製薬が発表した最終段階の治験結果の内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

9月28日、塩野義製薬は新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」の最終段階の治験の速報結果を発表しました。治験は重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症の新型コロナウイルス患者1821人を対象に、2022年2月~7月中旬まで治験が実施されました。治験では1日1回、5日間ゾコーバを服用するグループと、服用しないグループに分けられました。ゾコーバを服用したグループは、せきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、倦怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなりました。また、ゾコーバを服用したグループは、服用していないグループに比べて、5つの症状がなくなるまでの時間が約24時間短くなりました。さらに、投与を始めて4日目の段階でウイルス量が大きく減少したほか、重篤な副作用はなかったとのことです。

新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」とは?

ゾコーバについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ゾコーバは、塩野義製薬が開発を進めている新型コロナウイルスの治療薬です。ウイルスの増殖を抑制する薬で、軽症者や無症状者向けの飲み薬になります。感染初期に1日1回、5日間自宅などで服用することで重症化を防ぐ効果が期待されています。これまで塩野義製薬は、中間段階の治験の結果を用いて日本国内での緊急承認制度の活用を目指してきました。しかし、厚生労働省が7月に開いた専門家による会議では、中間段階の治験で設定していた目標の1つである新型コロナウイルスに特徴的な12症状全ての改善が確認できなかったなどの理由で承認が見送られて継続審議となっていました。

最終段階の治験結果への受け止めは?

今回、塩野義製薬が発表した最終段階の治験結果の内容についての受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ゾコーバは、重症化リスクのない人も服用できる点が最大のメリットです。承認されて臨床使用可能となれば、医療のひっ迫を防ぐ意味でも新型コロナウイルスの革新的な対策となる可能性があります。ただし、これまでと同様に基本的な感染対策をすることは念頭に置いておくべきでしょう。

まとめ

塩野義製薬が開発を進める新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」が、最終段階の治験で発熱などの症状を改善する効果が確認されたと発表したことが今回のニュースでわかりました。塩野義製薬は今回得られたデータを、改めて厚生労働省などに提出するとしています。

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