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オミクロン株対応ワクチン接種開始 今後のワクチン接種の方向性については「年1~2回の接種が妥当」

 更新日:2024/03/08
オミクロン株対応ワクチン 9月20日から接種開始

厚生労働省は9月14日に開催したワクチン分科会で、新型コロナウイルスのオミクロン株対応型のワクチン接種の費用を公費で負担することを了承しました。9月20日から接種が開始されています。このニュースについて甲斐沼医師に伺いました。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

分科会の議論の内容とは?

厚生労働省のワクチン分科会の議論の内容について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

9月14日に開催された厚生労働省のワクチン分科会では、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新しいワクチンについて、予防接種法上の特例臨時接種に位置づけることで費用を公費で負担することを了承しました。これにより、ワクチンの接種を希望する人は無料で接種を受けることができるようになりました。オミクロン株対応の新ワクチンは、従来のワクチンで3回目接種が完了した60歳以上の高齢者らを対象に、9月20日から接種が開始されています。

今回のオミクロン株対応ワクチンの接種対象は、従来のワクチンで2回目の接種を終えた12歳以上の全ての人で、前回の接種から少なくとも5カ月以上経過していることが条件となっています。分科会に出席した国立感染症研究所の感染症疫学センター長である鈴木基氏から、今後のワクチン接種の方向性について「年に1~2回の接種をすると考えておくのが妥当だ」とも指摘されています。

オミクロン株対応ワクチンとは?

オミクロン対応ワクチンについて教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

WHO(世界保健機関)によると、従来使用されてきたワクチンでもオミクロン株を含む全ての新型コロナウイルスに対して高い重症化予防効果があるとされています。ただ、従来のワクチンは「オミクロン株への感染や発症予防の効果が低い」「接種から時間が経つと効果が弱まる」といった懸念があったため、オミクロン株対応のワクチンの開発が進められてきました。

2022年6月には、ファイザー社がFDA(アメリカ食品医薬品局)に臨床試験の結果を提出しました。臨床試験では「56歳以上を対象にBA.1対応型のワクチンを4回目に接種した人は、従来型のワクチンを4回目に接種した人と比べてオミクロン株の派生型BA.1に対してウイルスの働きを抑える中和抗体の値が平均で1.56~1.97倍上昇した」ことが示されました。また、現在流行しているBA.5に対しては「BA.1には劣るものの中和抗体の値の上昇がみられた」と報告されました。また、モデルナ社の臨床試験では「従来のワクチンと比較して、中和抗体の値がBA.1に対して平均で1.75倍上昇を示した」と報告されています。

今後の接種体制については?

分科会では「年に1~2回の接種をすると考えておくのが妥当」との意見も出されたということですが、今後のワクチン接種体制についての考えを教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

9月14日に開催された厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)では、オミクロン株対応ワクチンの接種を予防接種法上の特例臨時接種に位置づけることが了承されて、その対象者や接種間隔などについても一定の方針が示されました。オミクロン株対応ワクチンの接種は、今後必要な法令改正などを経て開始されるでしょう。円滑に接種を拡大するためには、分科会での議論を踏まえたオミクロン株対応ワクチン接種の方針に応じて、各都道府県や市町村などの自治体において速やかに接種体制の準備を進めていくことが重要です。

新型コロナウイルスがこれまで年末年始に流行していることを踏まえて、令和4年中に全接種対象者がオミクロン株対応ワクチン接種を順調に受けられるよう、2022年10月から11月にかけて全国で1日あたり100万回を超えるペースでの接種が可能となる体制をとるために、段階的な接種券の送付や接種会場などの整備を進めることが求められています。

まとめ

厚生労働省は9月14日に開催したワクチン分科会で、新型コロナウイルスのオミクロン株対応型のワクチン接種の費用を公費で負担することを了承したことが今回のニュースでわかりました。9月20日から始まった接種の対象は高齢者などですが、自治体ごとの判断で順次10月半ばまでに対象が拡大されるとのことです。

この記事の監修医師