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【高齢者は大幅に低い】ファイザー製ワクチンの副反応の発生率

 更新日:2023/03/27

アメリカの製薬会社大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチンの副反応が現れる頻度について、全体に比べて高齢者の割合が大幅に低いことを厚生労働省研究班が報告しました。今回は、ワクチンの副反応の頻度に年代間で大きな差があることについて、中島先生に詳しくお伺いします。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の報告の詳細は?

ワクチンの副反応の頻度に年代間で大きな差があった件について、詳しく教えください。

中島 由美 医師中島先生

厚生労働省研究班は、2月から優先接種を受けている医療従事者のうち約2万人を対象に、ワクチンの副反応の強さと発生率を調査しました。今回の報告では、1回目の接種を受けた約1万9000人と2回目の接種も受けた約1万6000人のデータを集計しています。

調査の結果、高齢者の副反応の発生率が他の年代と比べて大幅に低いことがわかりました。37.5℃以上の発熱の発生率は全体で38%であるのに対し、高齢者は9%と4分の1に留まっています。また、1回目よりも2回目の接種の方が強い副反応が現れる傾向があることがわかりました。

2回目の接種で38℃以上の発熱があったのは、全体で21%であるのに対し高齢者は4%です。身体のだるさと頭痛は全体で1回目が69%、2回目が54%であるのに対し、高齢者は1回目38%、2回目20%と優位に低い結果が出ています。

これらの調査結果から、副反応は抵抗力のある若年層に強く現れる傾向がありますが、「予想以上に年代間に差があった」と厚生労働省研究班は報告しています。

副反応の現れやすさに男女差はある?

副反応の発生率は年代間の差が大きいとのことですが、男女差はあるのでしょうか。

中島 由美 医師中島先生

副反応については、男性よりも女性の方が強く現れる傾向があることがわかっています。調査結果では、頭痛を訴えた女性が62%であるのに対し男性は37%と大きな差があります。さらに、37.5℃以上の発熱が現れた女性が42%であるのに対し、男性は30%でした。

今後、ワクチンの接種範囲が拡大され、医療従事者以外の若年層や中年層も接種できるようになった際には、副反応の発生率を考慮し仕事や私生活への影響を加味して接種を受けるタイミングを決めることが大切と言えるでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスワクチンの副反応の発生率は、年齢が上がるほど低くなることがわかりました。これは、年齢が若いと抵抗力があるためだと考えられています。また、男性よりも女性の方が強い副反応が現れることもわかりました。このように、年齢や性別で副反応の発生率や強さが異なるため、ワクチン接種を検討している方はご自身の年代・性別のデータをチェックしておくことがおすすめです。

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