アストラゼネカ製新型コロナワクチン、熊本でも生産開始=9000万回分以上が国内産に
熊本市の製薬会社「KMバイオロジクス」は、イギリスの大手製薬会社「アストラゼネカ」から新型コロナウイルスワクチンの原液の提供を受け、国内で生産を始めたことを発表しました。今回は、アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの国内生産開始について、中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
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今回の発表の詳細は?
今回、アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンをKMバイオロジクスが生産を開始した件について、詳しく教えください。
中島先生
イギリスの大手製薬会社「アストラゼネカ」が開発した新型コロナウイルスワクチンを、日本の製薬会社「KMバイオロジクス」が国内で生産を始めました。アストラゼネカから提供を受けた新型コロナウイルスワクチンの原液の成分を調整し、製剤化する工程を熊本県内の工場で行います。国内大手の製薬会社「第一三共」もアストラゼネカから原液の提供を受けて、埼玉県内の工場で製剤化を始めています。
アストラゼネカは、新型コロナウイルスワクチン1億2000万回分(6000万人分)を日本に提供することを日本政府と契約しており、そのうち9000万回分以上は国内工場で生産される予定です。現在、新型コロナウイルスワクチンの薬事承認の申請を受け、効果や安全性などを審査しています。
KMバイオロジクスとは?
第一三共は国内大手の製薬会社のため、知名度は高いと思われますが、KMバイオロジクスについては知らない方が多いと思います。どのような製薬会社なのか詳しく教えください。
中島先生
KMバイオロジクス株式会社は、明治ホールディングス株式会社の連結子会社で、2018年に設立されました。一見、歴史が浅く思えるかもしれませんが、1945年に母体が作られ、これまでに免疫グロブリン製剤や遺伝子組み換えB型肝炎ワクチン、小児用4種混合ワクチンなど、さまざまな薬剤を開発しています。このことから、十分な信頼性と実績がある製薬会社だということがわかるでしょう。
まとめ
アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン1億2000万回分が日本に供給されることが決定しています。そのうち約7~8割にも及ぶワクチンが、KMバイオロジクスと第一三共の国内工場で製剤化されます。国内工場で速やかに製剤化が進めば、より早くワクチンを多くの人が接種できるようになるでしょう。アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンは薬事承認の申請中のため、動向を見守りたいところです。