「成人スチル病」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
成人スチル病についてあまり聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか?
本記事では成人スチル病について以下の点を中心にご紹介します!
・成人スチル病の症状や診断方法
・成人スチル病の治療方法
・成人スチル病の方の日常生活における注意点
成人スチル病について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
成人スチル病とは
成人スチル病とは一体どんな病気ですか?
一般的に、成人スチル病は、高熱、発疹、関節の痛みなどの症状が特徴とされます。
成人スチル病の原因は不明ですが、自己免疫疾患の一種であると考えられています。
治療は、症状を緩和するために、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬を使用することが一般的です。
重症の場合は、生物学的製剤や免疫抑制剤などの治療法が用いられることもあります。
成人スチル病の症状にはどんなものがありますか?
高熱:
体温が38℃を超え、毎日のように現れる可能性があります。高熱が持続することで、疲労感や筋肉痛を引き起こす可能性があります。
発疹:
体幹から四肢にかけて広がり、色素沈着性の斑点や丘疹が特徴です。成人スチル病の特徴的な症状の一つであり、多くの場合、高熱とともに現れます。
関節痛:
大きな関節(膝、手首、足首、肘、肩など)に痛みや腫れが現れる可能性があります。関節は熱を持ったり、赤くなったりする可能性があります。
体重減少:
病気になる前と比べて体重が減少する可能性があります。食欲不振や疲労感、炎症反応などが原因で体重が減少するようです。
筋肉痛:
疲労感や高熱によって筋肉痛を引き起こす可能性があります。痛みやこわばりが発生することもあります。
成人スチル病は、自己免疫疾患の一つであり、症状は個人差がありますが、上記の症状が現れる可能性があります。
早期の診断と治療が重要であり、適切な治療によって、症状の緩和が期待されます。
成人スチル病になる原因は何ですか?
現時点では以下のような可能性が考えられています。
ウイルス感染:
成人スチル病の患者の血液中にウイルスが検出される場合があるため、ウイルス感染が原因となる可能性があります。
免疫異常:
自己免疫疾患である成人スチル病は、免疫異常が原因となると考えられています。
正常な免疫系が体内の異物(細菌やウイルスなど)を攻撃することで防御するのに対して、自己免疫疾患では、体内の正常な組織や細胞を誤って攻撃する場合があるため、炎症反応が引き起こされると考えられます。
成人スチル病の治療
成人スチル病の治療方法を教えてください
具体的な治療内容を以下に紹介します。
ステロイド薬の投与:
炎症を抑えるため、高用量のステロイド薬が使用されます。
初期治療には経口ステロイド薬が使われ、症状が改善した後は徐々に減量していきます。
ステロイド薬は長期間使用することで副作用が現れる恐れがあるため、最小限の投与量で抑えるよう注意する必要があります。
炎症を抑える薬剤の投与:
ステロイド薬だけでは炎症を完全に抑えられない場合は、免疫抑制剤やバイオロジック薬が使用されます。
症状に合わせた対症療法:
高熱や痛み、関節の腫れなどの症状に対して、解熱剤や鎮痛剤、関節のサポーターなどが使用されます。
継続的なフォローアップ:
ステロイド薬の副作用や成人スチル病の再発を予防するために、継続的なフォローアップが必要です。
成人スチル病の治療後の留意点はありますか?
以下に紹介する留意点は、再発を防ぎ、治療成果を持続させるためにも重要です。
継続的なフォローアップ:
治療後も定期的な医師の診察を受け、病気の再発や合併症の発生をチェックする必要があります。
薬剤の減量や中止については医師の指示に従う:
ステロイド薬などの薬剤を減量する際は、医師の指示に従い徐々に減量する必要があり、急激な減量は再発を招く恐れがあります。
副作用については注意する:
ステロイド薬などの治療に伴って副作用が現れる恐れがあります。
特に、骨粗鬆症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に注意する必要があります。
健康的な生活習慣を維持する:
十分な睡眠や適度な運動、バランスの良い食事、禁煙など健康的な生活習慣を維持することで、病気の再発予防が期待されます。
感染症に対する注意:
免疫抑制剤やバイオロジック薬を使用している場合は、感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。
特に、インフルエンザや肺炎球菌感染症などの予防接種を受けることが推奨されます。
成人スチル病は完治しますか?
適切な治療を行い、症状が軽減され、再発を防ぐことが目標となります。
症状が改善された場合でも、定期的なフォローアップや治療の継続が必要となります。
治療がうまくいかない場合や、治療を中止した場合は、再発や合併症の発生があり得ます。
成人スチル病には、個人差があるため、患者さん一人ひとりに合った治療方法の選択が重要です。
成人スチル病でよくある質問
成人スチル病の余命について教えてください
病気の進行度合いや症状の重さ、治療成果などによって、患者さんごとに異なる場合があります。
ただし、成人スチル病は重篤な疾患であり、合併症が発生することもあります。
早期の診断と治療が重要であるとされています。
適切な治療を行い、症状の改善や合併症の予防を行うことが、患者さんの生命予後を改善することにつながります。
日常生活で気を付けることはありますか?
望ましい日常生活習慣について以下に紹介します。
睡眠を十分にとる:
十分な睡眠をとり、疲れを蓄積しないようにすることが重要です。
疲れがたまると、病気の症状が悪化する恐れがあります。
食生活の改善:
健康的な食生活を心がけ、バランスの取れた食事を摂ることが重要です。
また、肥満や過食を避けるようにしましょう。
ストレスの軽減:
ストレスを溜め込まないように心がけ、ストレス解消法を見つけることが大切です。
運動:
適度な運動をすることで、身体を健康に保ちましょう。
ただし、運動のしすぎには注意が必要です。
医師の指示に従う:
定期的な受診や治療、薬の服用など、医師の指示に従うことが重要です。
自己判断や治療の中止は避けましょう。
成人スチル病の症状は個人差があり、患者さんによって異なるため、日常生活で気をつける点についても、医師と相談しながら適切な方法を見つけることが大切です。
編集部まとめ
ここまで成人スチル病についてお伝えしてきました。
成人スチル病の要点をまとめると以下の通りです。
・成人スチル病は高熱、発疹、関節痛の症状を特徴とする自己免疫疾患の一つであり、原因は未だわかっていない。
・成人スチル病の主な治療法はステロイド薬の投与や対症療法であり、病状によって異なる。
・成人スチル病の方は医師の指示に従い、健康な生活習慣を意識することが大切。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。