「カツオ」の肌や血圧への”効果”はご存じですか?注意点も管理栄養士が解説!

カツオの効果は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・食べる時の注意点・効率的な摂取法・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
曽田 久美子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
カツオとは?

かつおはサバ科、カツオ属の魚で、19℃〜23℃程度の暖かい外洋に世界的に広く分布しています。日本近海では主に太平洋側に多くみられ、季節ごとに回遊するのが特徴です。初夏に水揚げされる「初ガツオ」は、黒潮に乗って三陸沖まで北上し、秋になると脂ののった「戻りカツオ」として南下してきます。このように季節によって味わいが異なり、それぞれの時期においしく楽しめる魚です。体長は大きいもので1メートル、体重は18㎏にもなりますが、一般的に流通するのは50㎝前後のものが中心です。刺身やたたきなどで食べられる他、かつお節の原料でもあり、日本の食文化を代表する魚でもあります。
カツオの健康効果

肌の健康維持
かつおに含まれるたんぱく質や、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンは、肌の健康維持に役立ちます。たんぱく質は肌を作る材料となり、ビタミンB群は新陳代謝に関わり、健康な肌を保つ働きがあります。
むくみや血圧の調整
かつおに含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあるため、むくみや血圧の調整に役立ちます。
鉄の補給
かつおには、ビタミンB12や鉄が多く含まれています。ビタミンB12は赤血球の形成に関わる栄養素で、鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まり、鉄の補給に適しています。
カツオに含まれるエラスチンの効果は?

体の弾力性やハリの維持に関わるたんぱく質としてコラーゲンが知られていますが、同様に重要な成分にエラスチンがあります。コラーゲンは引っ張りに強く組織の強度を保つ役割を持つ一方で、伸縮性はほとんどありません。これに対してエラスチンは、しなやかで伸縮性があり、力を外すと元へ戻る性質を持つ弾性繊維です。コラーゲンが「強さ」、エラスチンは「弾力性」を担うといえます。血管や肺など、伸縮が必要な組織ではエラスチンが重要な働きをしており、コラーゲンを束ねて構造を安定させる役割も担っています。かつおにもエラスチンが含まれていますが、食品から摂取したエラスチンは体内で消化・分解されてアミノ酸として吸収されるため、そのまま体の弾性組織に利用されるわけではありません。そのため、エラスチン単体の摂取によって直接的に体の弾力性が高まるといった効果は限定的と考えられています。
カツオにダイエット効果はある?

かつお自体に脂肪を直接減らす特別な効果があるわけではありませんが、ダイエット中に取り入れやすい食品です。
かつおは、高たんぱく低脂質で、エネルギー量も比較的控えめな食品です。たんぱく質は、筋肉の材料となり、体づくりや基礎代謝の維持に関わるため、ダイエット中の体づくりをサポートします。特に、春が旬の初ガツオ(かつお/春獲り/生)は100gあたり108kcal、戻りカツオ(かつお/秋獲り/生)は100gあたり150kcalと、初ガツオの方がエネルギーが控えめです。たんぱく質はどちらも約25gと豊富に含まれています。
また、かつおに多く含まれるDHAやEPA等の多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪の合成を抑えたり、脂質代謝の改善に関わることが知られています。これらは、体内の脂質バランスを整えることで、ダイエット中の健康管理や体づくりをサポートする栄養素です。
カツオの出汁には何の効果がある?

かつお出汁には、うま味成分であるイノシン酸が豊富に含まれており、料理の風味を高める働きがあります。このうま味により、塩分を控えても満足感のある味に仕上げやすくなり、減塩の工夫に役立ちます。また、温かい出汁は食事の満足感を高める一因になると考えられていますが、食欲の調整や食べ過ぎ予防への効果については個人差があり、明確なエビデンスは十分とはいえません。そのため、あくまで食事を楽しみながら減塩をサポートする方法のひとつとして取り入れるのがおすすめです。
カツオに含まれる栄養素

たんぱく質
かつお/春獲り/生には100gあたり25.8gのたんぱく質が含まれています。魚の中でもトップクラスのたんぱく質量です。体内で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)が含まれるため良質のたんぱく質と言われています。
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪、骨などを作る主要な栄養素です。また酵素やホルモンなど体の機能を調節する役割も担っています。そのため、たんぱく質は体の調子を整えるうえで重要な栄養素です。
ビタミンB群
かつおにはビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB1は糖質の代謝に、ビタミンB2は脂質や炭水化物の代謝に、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わり、三大栄養素をエネルギーに変える働きをサポートします。ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける働きがあります。
ビタミンB群は水に溶けやすく、体内に蓄積されにくいため、日々の食事からの摂取が大切です。
カリウム
かつお/春獲り/生には、100gあたり430㎎のカリウムが含まれています。カリウムはナトリウムとのバランスに関わり、体内の水分バランスを保つ働きがあります。また、筋肉の収縮・弛緩に関わるミネラルであり、不足すると筋肉の不調につながることがあります。
鉄
かつお/春獲り/生には、100gあたり1.9㎎の鉄が含まれています。かつおに含まれる鉄はヘム鉄で、比較的吸収されやすいことが特徴です。さらにビタミンCを含む食品と一緒に摂取すると吸収率が高まるとされています。
DHA、EPA
かつお/秋獲り/生には、n-3系脂肪酸であるEPAが400mg、DHAが970㎎含まれています。これらは体内でほとんど合成できないため、食事からの摂取が重要な脂質です。
DHAは主に脳や神経に多く存在し、EPAは血小板の凝集を抑えたり、炎症を抑えたりする働きがあります。また、どちらも中性脂肪を低下させる働きや脂質代謝の改善に関わることが知られており、血管や心臓の健康を支える栄養素です。
カツオを食べる時の注意点

アニサキス対策
アニサキスは寄生虫の一種で、その幼虫は、長さ2〜3㎝くらいで白色の糸のように見えます。アニサキスの幼虫は魚介類の内臓に寄生していますが、魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。
アニサキスによる食中毒を防ぐためには、新鮮なうちに内臓を取り除くことが大切です。また、加熱調理(70℃以上で1分以上)や、マイナス20℃以下で24時間以上の凍結が有効とされています。
ヒスタミン対策
ヒスタミンによる食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。
かつおに含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンは、ヒスタミン産生菌の酵素の働きによってヒスタミンに変換されます。ヒスタミンの生成を防ぐためには、細菌の増殖や酵素の働きを抑えることが重要であり、原材料から喫食までの適切な温度管理が求められます。常温での放置を避け、購入後は速やかに冷蔵庫のチルド室で保管し、できるだけ早く消費することが大切です。
なお、一度生成されたヒスタミンは、加熱調理によっても分解されないため、生成させないようにすることが重要とされています。
食べすぎによる影響
かつおは1食分(80〜100g程度)で約169〜211㎎のプリン体が含まれています。食べ過ぎは高尿酸血症や痛風のリスクにつながることがあるので注意が必要です。
カツオの栄養素を効率的に摂取する方法

生やたたきで食べる
ビタミンB群やカリウムは水に溶けやすいため、刺身やたたきで食べることで、これらの栄養素を効率よく摂取できます。また、DHAやEPAは加熱によって一部が減少したり酸化する可能性があるため、生やたたきで食べることで、これらの脂質もより無駄なく摂取しやすくなります。ただし、通常の加熱調理で大きく失われるわけではないため、調理法に応じて無理のない範囲で取り入れることが大切です。
ビタミンCを含む食品と組み合わせる
かつおに含まれる鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まります。薬味としてねぎや、大葉、またレモンやゆずなどの果汁をかけて一緒に食べるのがおすすめです。
血合いも食べる
かつおの血合いには鉄やビタミンB群が豊富に含まれています。取り除かずに一緒に食べることで、これらの栄養素をより効率よく摂取することができます。
カツオの保存方法や期間

冷蔵保存する場合は1~2日
キッチンペーパーでかつおの水気を拭き取り、一尾(または1切れ)ずつキッチンペーパーで包み、さらに上からラップで包みます。そのまま保存袋にいれ、冷蔵庫で保存します。購入時のパックの状態のままおいておくと、余分な水分に浸かったままになり、かつおが生臭くなってしまいます。すぐに調理しない場合でも、早めにパックから取り出して水分を拭き取るようにしましょう。
冷凍保存する場合は約2~3週間
キッチンペーパーでかつおの水気を拭き取り、柵の場合は一柵ずつ、刺身の場合は一切れずつラップで空気が入らないように包み、冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。解凍する際は、冷蔵庫での自然解凍、または流水解凍をしてください。一度冷凍すると、水分が出て風味がやや損なわれるため、加熱調理で食べるようにすると安心です。
「カツオの効果」についてよくある質問

ここまでカツオについて紹介しました。ここでは「カツオの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
カツオを食べると、体にどのような効果が期待できますか?
武井 香七 管理栄養士
たんぱく質や鉄、ビタミンB群、EPA・DHAなど豊富な栄養素により、体づくりや血液・血管の健康維持が期待できます。
かつおにはたんぱく質が豊富で、筋肉や基礎代謝の維持にも関わり、体づくりに適しています。吸収されやすいヘム鉄が含まれており、鉄の補給にも役立ちます。また、ビタミンB群が豊富で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。さらにEPAやDHAなどのn-3系脂肪酸が含まれており、血液や血管の健康を保つ働きが期待できます。
カツオは毎日食べても大丈夫ですか?摂取量の目安を教えてください。
曽田 久美子
適量であれば毎日食べても問題ありませんが、1食あたり80〜100g程度を目安にプリン体の摂りすぎに注意しましょう。
かつおは、高たんぱく・低脂質でビタミンB群も豊富な、栄養価の高い魚です。適量であれば毎日食べても問題ありませんが、食べすぎには注意が必要です。一日の摂取量は、食事バランスガイドに照らし合わせると、1食あたり80〜100g程度(刺身だと5〜6切れ程度)が目安です。一方で、かつおは比較的プリン体が多い魚であり、1食分(80〜100g程度)で約169〜211㎎のプリン体が含まれます。高尿酸血症・痛風治療のガイドラインによると1日の摂取量は400㎎程度が目安とされているため、毎日食べる場合は量を守ることが大切です。野菜と組み合わせることで栄養バランスが整いやすくなります。栄養価の高い食品であっても、同じものに偏るのではなく、さまざまな食品を組み合わせて摂取することが大切です。
編集部まとめ
かつおは、高たんぱく・低脂質でエネルギー量が比較的控え目な食品です。ビタミンB群が糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助け、エネルギーに変える働きをサポートします。鉄は吸収されやすい形で含まれているため、鉄の補給にも役立ちます。春と秋に旬があり、春では脂質が控え目でさっぱりと、秋では、積極的に摂りたいn-3系の脂質が多く含まれています。鉄やたんぱく質は季節を問わず豊富に含まれますので、旬の時期を活かして、日々の食事に取り入れてみましょう。
「カツオ」と関連する病気
「カツオ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「カツオ」と関連する症状
「カツオ」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- ヒスタミン食中毒
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