アボカドなどに含まれる「オレイン酸の摂りすぎ」で現れる症状は?管理栄養士が解説!

本記事では、オレイン酸を摂りすぎた際の影響や適切な摂取目安、不足した時に現れる症状や効率的な取り入れ方について、メディカルドック監修の管理栄養士が詳しく解説します。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「オレイン酸」とは?

脂質を構成する脂肪酸は、炭素同士の結合の違いにより、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。このうち、不飽和脂肪酸は炭素間に二重結合をもつ脂肪酸であり、さらに二重結合の数によって分類されます。オレイン酸は、二重結合を1つもつ一価不飽和脂肪酸に分類され、動物性油脂や植物性油脂に広く含まれています。特にオリーブ油は主要な脂肪酸として知られています。
オレイン酸の一日の摂取量

厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査(令和6年)」によると、一価不飽和脂肪酸の1日あたりの平均摂取量は、20歳以上の男性で20.71〜27.12g、女性で17.67〜21.7gと報告されています。一価不飽和脂肪酸の代表であるオレイン酸は、食品から摂取されるほか、体内でも飽和脂肪酸から合成される脂肪酸であるため、必須脂肪酸には分類されていません。そのため、日本人の食事摂取基準(2025年版)において一価不飽和脂肪酸の推奨量は設定されていません。なお、脂質の摂取量については、総エネルギー摂取量の20〜30%の範囲内で摂取することが目標量として示されています。
オレイン酸の効果

LDLコレステロールが気になる方
オレイン酸は、融点が比較的低く、常温で液体になりやすい性質をもつ一価不飽和脂肪酸です。オレイン酸を多く含む食品を取り入れることは、血中のLDLコレステロールが上がりにくい食事づくりに役立つ可能性があるとされています。
抗炎症作用
オレイン酸は、多価不飽和脂肪酸と比べて比較的酸化されにくい性質をもつ一価不飽和脂肪酸です。また、オリーブ油にはポリフェノールなどの抗酸化成分が含まれていることも特長です。これらを含む食品を日々の食事に取り入れることは、血中脂質の酸化に配慮した食生活につながると考えられています。なお、抗炎症作用についてはオレイン酸単独の働きだけでなく、食品全体の成分や食事パターンの影響も受けるため、バランスよく取り入れることが大切です。
便通をサポート
脂質は便のすべりを良くする働きがあり、適量を摂ることで便がやわらかくなり排便をサポートすることがあります。ただし、これはオレイン酸に特有の作用というより脂質全般に共通する性質であり、摂り過ぎるとかえって便がゆるくなる場合もあります。
満腹感の持続
脂質は、炭水化物やたんぱく質に比べて消化・吸収に時間がかかるため、適量を取り入れることで食後の満足感が続きやすくなります。特にオレイン酸を含む脂質は、朝食や昼食に取り入れると血糖値の急な上昇を抑え、間食が増えにくくなるなど、食事量の調整にも役立つと考えられています。
オレイン酸の多い食品

オリーブ油
オリーブ油は大さじ1杯(約12g)あたり約108kcalで、一価不飽和脂肪酸を約8.88g含んでいます。主成分であるオレイン酸を多く含むオリーブ油を中心とした地中海食は、心血管リスクを下げる可能性が示されています。地中海食の特長はオリーブ油だけではなく、新鮮な魚介類、野菜、豆類などを豊富に取り入れる点にあります。さらに、オリーブ油に加えてニンニクやトウガラシなどの香味野菜を活用することも良いとされています。一価不飽和脂肪酸が多いだけでなく、飽和脂肪酸が少ないことも地中海食の大きな特長です。特に、魚介類に含まれるn-3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)と組み合わせることで、より効果が高まります。
アボカド
アボカドは可食部約70gあたり約123kcalで、一価不飽和脂肪酸を約6.97g含んでいます。オレイン酸を多く含む食品の一つであり、日常の食事に取り入れやすい食材です。脂質はエネルギーが高いため、摂取量に配慮しつつ、飽和脂肪酸の多い食品の一部を置き換える形で活用すると、脂質の質を整えることにつながります。サラダや和え物などに取り入れることで、無理なく継続しやすい点も特長です。
ナッツ類
ナッツ類はオレイン酸が比較的多い食品です。例えば、アーモンド/乾は25粒(約25g)約152kcalで一価不飽和脂肪酸を約8.4g、ヘーゼルナッツ/フライ/味付けは15粒(約15g)約105kcalで一価不飽和脂肪酸を約8.21g、マカダミアナッツは10粒(約20g)約150kcalで一価不飽和脂肪酸を約11.85g含みます。ナッツ類は脂質を多く含むため、エネルギー量も比較的高い食品です。間食や食事に召し上がる際は、一回量を決めると調整しやすくなります。
オレイン酸を過剰摂取すると現れる症状

ここで紹介する影響の多くは、オレイン酸に特有のものというよりも脂質全般に共通する特徴です。オレイン酸は比較的健康的なイメージのある脂肪酸ですが、摂り過ぎた場合には他の脂質と同様にエネルギー過多や体調への影響につながる可能性があります。そのため、種類にかかわらず脂質全体の摂取量とバランスを意識することが大切です。
体重増加
オレイン酸に限らず、油脂類は摂取量が多くなるとエネルギー過多につながりやすいです。脂質は1gあたり9kcalとエネルギー量が高く、大さじ1杯で約108kcalとなります。日々の食事の中で無意識に使用量が増えると、総摂取エネルギーが過剰となり、結果として体重増加につながる可能性があります。体重管理を意識する場合には、調理に使用する油の量だけでなく、バター・牛脂・マーガリンなどに含まれる脂質とのバランスも考慮しながら、全体の食事量を整えると良いです。
体調不良
オレイン酸は消化・吸収に時間がかかるため、摂取量が多くなると胃もたれや腹部の不快感、便がゆるくなるなどの体調変化が起こることがあります。特に胃腸が敏感な方は、少量から様子を見ながら召し上がると安心です。
脂質のバランス
オレイン酸を多く含む食品は体に良い働きがあるとされていますが、特定の脂質に偏りすぎると、青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)などの摂取量が不足する可能性があります。また、バター・牛脂・ラードなどの動物性脂質が多くなると、血中コレステロールに影響を与える場合もあるため注意が必要です。
オレイン酸を過剰摂取した時の対処法は?

油の種類を置き換える
市販のドレッシングやマヨネーズ類は、油の量が多くなりやすいため、控えめにすると調整しやすくなります。代わりに、オリーブ油・塩・酢(またはレモン)といったシンプルな組み合わせにすると、油の使い過ぎを防ぎながら風味も楽しめます。また、パンやトーストに塗る脂質を見直すことも一つの方法です。バターを使う習慣がある場合は、オリーブ油に置き換えることで、全体の脂質量を調整しやすくなります。
たんぱく質の量を確認する
オリーブ油やナッツ類は脂質を多く含むため、摂取量が増えると全体のエネルギーが過剰になりやすくなります。食事を見直す際には、脂質だけが多くなっていないか、たんぱく質がしっかり摂れているかなどを確認することが大切です。目安として、エネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)がたんぱく質13〜20%、脂質20〜30%の範囲に収まっているかをチェックしてみると、食事全体のバランスが把握しやすくなります。食事記録アプリを活用すると、日々の摂取状況を確認しやすくなります。
目安使用量を決める
脂質の量を抑えたいときは、あらかじめどれくらい使うかという目安を決めておくと調整しやすくなります。例えば、オリーブ油の摂取量は、一般的には1日あたり大さじ1〜2杯程度(約12〜24g)が目安とされています。無理なく続けるためには、計量スプーンを使って量を確認しながら調理することがポイントです。日々の食事の中で、脂質の使い方を少し意識するだけでも、全体のバランスが整えやすくなります。
オレイン酸が不足すると現れる症状

ここで紹介する内容は、オレイン酸に特有の欠乏症というよりも、脂質全般の摂取不足や栄養バランスの偏りに関連するものです。オレイン酸は体内で合成される脂肪酸であり、単独で不足が問題となるケースはほとんどありません。そのため、不足による影響を考える際には、脂質全体の摂取状況や食事バランスを含めて捉えることが大切です。
脂質不足による影響
脂質の摂取量が極端に少ない場合、エネルギー不足につながりやすくなるほか、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収効率が低下する可能性があります。また、食事からのエネルギーが不足すると、体重減少や体力低下を招くこともあります。
栄養バランスの偏り
健康日本21(第三次)では、特定の栄養素の不足や過剰といった個々の問題だけでなく、生活習慣や環境、行動など、より広い視点から健康づくりを進めることが重視されています。例えば、若年女性のやせを減らすことや、国民全体の栄養バランスを改善することが目標として掲げられています。脂質の摂取についても、総エネルギーに対する脂質の割合など、食事全体のバランスを踏まえた目標量が示されています。オレイン酸についても、特に不足が問題とされているわけではなく、日々の食事の中で脂質を含めた栄養バランスを整えていくことが大切とされています。
オレイン酸の効率的な摂取方法

オレイン酸を含む油の上手な摂り入れ方
オレイン酸は、オリーブ油、ひまわり油、菜種油などに多く含まれています。加熱や保存の過程でも酸化しにくい性質があり、普段の料理にも使いやすい油です。揚げ物よりも、炒め物やドレッシングとして使うと風味を生かしやすくなります。また、保存方法によっては風味が落ちてしまうことがあるため、開封後は直射日光や高温を避けて保存し、早めに使い切れる量を選ぶと安心です。
オレイン酸とビタミンE
ビタミンEは、脂質の酸化を抑える働きをもつ脂溶性ビタミンの1つです。オレイン酸を多く含む食品には、ビタミンEもあわせて含まれていることが多く、日々の食事に取り入れやすい組み合わせといえます。例えば、サラダにナッツを加えたり、野菜をオリーブ油で軽く炒めたりと、無理なく続けられる工夫がおすすめです。
ビタミンの吸収補助
成長期はエネルギーの必要量が高く、脂質はその中でも大切なエネルギー源の一つです。オレイン酸は、比較的消化・吸収されやすい脂質とされています。脂質には、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・K・E)の吸収を助ける働きがあり、オレイン酸を含む脂質もその働きに関わっています。これらのビタミンを含む食品は、適量の脂質と組み合わせて摂ることで、体内での利用効率が高まりやすくなります。日々の食事の中で、無理のない範囲で取り入れてみましょう。
「オレイン酸の摂り過ぎ」についてよくある質問

ここまでオレイン酸を紹介しました。ここでは「オレイン酸の摂り過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
オレイン酸を摂りすぎた時に現れる症状は何でしょうか?
田中 純子
体脂肪の蓄積による肥満や、胃もたれ・腹部の不快感などがみられることがあります。
過剰に摂取すると余分なエネルギーが体脂肪として蓄積し、肥満の一因となる可能性があります。肥満は高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病のリスクにも関係すると考えられています。また、消化管に負担がかかり、胃もたれや腹部の不快感などがみられることもあります。
編集部まとめ
オレイン酸は、オリーブ油や菜種油、ナッツ類に多く含まれており、日常の食事から自然に摂取しやすいです。一方で、脂質はエネルギーが高い栄養素です。オリーブ油も大さじ1杯で約108kcalあるため、使い過ぎるとエネルギーの摂り過ぎにつながり、体重増加の一因となる可能性があります。また、オレイン酸に偏ると、魚に多く含まれるn-3系脂肪酸等とのバランスが崩れやすくなる点にも注意が必要です。和食は魚や豆類を取り入れやすく、脂質バランスを整えやすい食事スタイルです。その特長を生かしながら、油は計量して適量を心がけることが大切です。
「オレイン酸」と関連する病気
「オレイン酸」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「オレイン酸」と関連する症状
「オレイン酸」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 排便を整える
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- 胃もたれ
- 腹部の不快感
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