「しいたけの食べ過ぎ」で現れる症状は?1日の摂取量や乾しいたけの注意点も解説!

本記事では、栄養素、一日の適切な量や健康効果、食べ過ぎてしまった時の症状や対処法について、メディカルドック監修の管理栄養士が詳しく解説します。

監修管理栄養士:
會田 千恵美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
しいたけとは?

「しいたけ」は、傘は茶褐色から黒褐色、柄の上部は白色、肉は白色のきのこです。きのこを含む農産物の品質表示基準において、「生しいたけ」は、栽培方法別(菌床栽培、原木栽培)の表示が求められている数少ない農産物の一つです。国内生産量の約9割は菌床栽培品が占めています。なお、近年、中国から輸入された植菌済み菌床を栽培し、国産と表示した「生しいたけ」の流通量が増加しています。この「生しいたけ」については、消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会を提供する観点から、菌床の製造地と採取地が異なる場合には、菌床の製造地を併せて表示することが望ましいとされています。
国内産「乾しいたけ」は、主に原木栽培品であり、屋外で栽培され、春及び秋・冬に発生した「しいたけ」を乾燥させたものです。その形状により、どんこ(冬菇:傘があまり開かないうち採取したもの)と、こうしん(香信:傘がかなり開いてから採取したもの)に大別されます。どんこ、こうしんは品種名ではありません。
しいたけの一日の摂取量

しいたけの一日の摂取量の明確な指標はありません。厚生労働省と農林水産省の共同により平成17年6月に策定された「食事バランスガイド」からみていきます。食事バランスガイドは、望ましい食生活についてのメッセージを示した「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるものとして、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したものです。
生しいたけの一日の摂取量
しいたけは、食事バランスガイドで副菜にあたります。副菜は野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理です。副菜1つ(SV)の基準は主材料の重量が約70gです。年齢や活動量によって違いはありますが、基本的に副菜は一日5〜6つ(SV)を目安としています。単一食材を一度に食べるのではなく、他の野菜も取り入れることを考え、生しいたけは、中サイズ3〜5個(約60〜100g)を目安にするとよいでしょう。
乾しいたけの一日の摂取量
食事バランスガイドの副菜の中の「切干等乾燥野菜、きのこ(乾物)」に含まれる乾しいたけは、1つ(SV)は、約10g前後が目安です。乾しいたけ約2個分になります。
| 種類 | 1日の摂取量目安 | 個数の目安 |
|---|---|---|
| 生しいたけ | 約 60 〜 100g | 中サイズ 3 〜 5個 |
| 乾しいたけ | 約 10g 前後 | 約 2個 |
生しいたけに含まれる栄養素

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版と日本人の食事摂取基準(2025年版)を参照
食物繊維
生しいたけの100g中の食物繊維の量は菌床栽培で4.6g、原木栽培で5.5gあります。
※数値はプロスキー変法により測定された食物繊維の総量です。
しいたけには「β-グルカン」という食物繊維に分類される成分が含まれています。
β-グルカンとは、グルコース(ブドウ糖)のみが化学的に結合して連なった多糖類を指します。グルコースにはα型とβ型があり、β-グルコースから成る多糖類をβ-グルカンと言います。α-グルカンはヒトの体内の消化系酵素で分解できますが、β-グルカンは消化されにくいため、グルコースを供給源として利用することはできません。日本食品標準成分表では、食物繊維を「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。
カリウム
生しいたけの100g中のカリウムの量は菌床栽培で290mg、原木栽培で270mgあります。
カリウムは、細胞内液の主要な陽イオン(K⁺)であり、体液の浸透圧を決定する重要な因子です。酸・塩基均衡を維持する作用があります。神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。カリウムは、正常な血圧を保つのに必要な栄養素です。
ビタミンD
天日で乾燥させた乾しいたけは、プロビタミンDであるエルゴステロールがビタミンDに変化するため、生しいたけよりもビタミンDの含有量が増えます。
ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
乾しいたけ100g中のビタミンDは17.0μgが含まれています。なお、乾燥方法や日光照射の有無により含有量は変わります。
葉酸
生しいたけ100g中の葉酸の量は菌床栽培で49μg、原木栽培で75μgあります。
葉酸の1日の推奨量は大人で240μgです。通常の食事からは過剰摂取による健康障害の報告はありませんが、サプリメントや葉酸を強化された食品から過剰に摂取すると健康障害を引き起こす可能性があるため、耐容上限量が設定されています。
葉酸は赤血球の形成を助ける栄養素であり、胎児の正常な発育に寄与する栄養素でもあります。
ビタミンB群
ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンなどのビタミンB群が含まれています。これらは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
生しいたけを食べ過ぎて現れる症状

腹痛や吐き気
食物繊維の摂りすぎによる消化不良を起こし、腹痛や吐き気が起こる場合があります。
下痢や便秘
食物繊維は、腸内環境を整えてくれる栄養素ですが、食べ過ぎてしまうと逆に消化不良による下痢や不溶性食物繊維が便を硬くし便秘を引き起こす可能性があります。
発疹やかゆみ
十分に加熱されていないしいたけに含まれるレンチナンにより、皮膚炎様の発疹がでることがあります。十分に加熱すれば、レンチナンは分解され、発症リスクは下がります。
生しいたけを食べ過ぎた時の対処法

消化しやすい食事にする
食べ過ぎで胃腸に不快感があるときは、無理に食べず胃を休ませ、胃腸に負担をかけないように消化の良い食べ物を食べるようにしましょう。
皮膚科に受診
赤い線状の発疹や強いかゆみが出たら、早めに皮膚科に受診してください。
処方された薬で改善することが多いそうです。
乾しいたけを食べ過ぎた時の対処法

乾しいたけ特有の栄養成分
しいたけは、乾しいたけに加工(日光照射含む)すると、ビタミンDやうま味成分であるグアニル酸などが増加します。また、レンチオニンという成分によって乾しいたけ特有の香りを出しています。また、乾しいたけには生しいたけより多くプリン体が含まれます。
乾しいたけを食べ過ぎて現れる症状と対処法
生しいたけと同様の症状が出ます。
プリン体を多く摂取すると尿酸値が上昇し、関節の炎症を起こす場合があります。症状がある場合は医療機関を受診してください。
生しいたけの健康効果

骨の形成を助ける
ビタミンDはカルシウムの吸収に関与するため、骨の形成を助ける働きがあり、骨の健康を維持する可能性があります。
腸内環境を整える
食物繊維は排便を促すとともに、腸内の善玉菌のエサとなるため、善玉菌が増え腸内環境を整えてくれる可能性があります。
体の調子を整える
ビタミンB群は体の代謝を促進し細胞を活性させる働きがあり、ビタミンDにも免疫機能を調整する働きがあります。β₋グルカンも免疫細胞を活性化させる効果が期待されています。
そのため体の調子を整える働きがあるとされています。
しいたけの栄養素を効率的に摂取する方法

日光浴させてから使う
生しいたけのひだの部分を上にして数時間日に当ててから使用すると、ビタミンDを効率よく摂取することができます。
汁ごと食べる
汁に溶け出てしまう栄養素が多く含まれているので、汁ごと食べることで効率よく摂取することができます。乾しいたけの戻し汁は捨てずに料理に使うと旨みもアップします。
油を使う
乾しいたけに含まれるビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。戻した乾しいたけを炒め物やバター焼きにするなど、日常の調理に取り入れることで効率よく摂取できます。ただし、油の摂りすぎにならないよう適量を心がけましょう。
しいたけの保存方法や期間

生しいたけの保存方法や期間
冷蔵:洗わずにキッチンペーパーに包んで、保存袋に入れて冷蔵庫に保管し、約1週間
冷凍:冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫に保管し、約1カ月
乾燥:天日干しなどでしっかり乾燥させた場合は保存期間を延ばせますが、家庭での乾燥は状態に差が出るため早めに使い切るのが安心です。
水分はしいたけが傷む原因になるので、注意が必要です。
乾しいたけの保存方法や期間
高温多湿を避けて常温で保存し、未開封のもので約1年
湿気はカビの原因になり、密閉していないと害虫が入ってしまう恐れがあります。
製造元が示している賞味期限を確認して保管し、開封後は早めに使い切る様にしましょう。
| 種類 | 保存方法 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 生(冷蔵) | キッチンペーパーで包み保存袋へ | 約 1週間 |
| 生(冷凍) | 冷凍用保存袋へ密封 | 約 1カ月 |
| 乾(常温) | 高温多湿を避けた密封空間 | 約 1年(未開封) |
「しいたけの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまでしいたけについて紹介しました。ここでは「しいたけの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修栄養士がお答えします。
しいたけを食べ過ぎるとどのような症状が現れますか?
會田 千恵美
しいたけを食べ過ぎると腹痛や吐き気、下痢や便秘などの症状が現れます。
痛風の方の場合、しいたけは1日何個までなら大丈夫でしょうか?
會田 千恵美
日本痛風・核酸代謝学会による『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』によると、プリン体の1日の摂取量は400mgを超えないようにするとされています。
生しいたけには100g中約20.8mg、乾しいたけには100g中約379.5mg含まれています。
プリン体の多い乾しいたけを数字上だけでみると、1日約20個まで食べられるとなりますが、実際には他の食品からもプリン体を摂取するため、この数値はあくまで目安です。
まとめ
生しいたけ1個(約20g)で5~7kcal、乾しいたけは1個(約5g)で13kcalと低エネルギーなのと、腸内環境を整えてくれるため、ダイエット中やエネルギー制限のある方に、取り入れやすい食材の一つです。ただし、大量に摂取してしまうと胃腸の不快感を招いたり、便秘になってしまったりします。一つのものを大量に食べるのを避け、いろいろな食材を取り入れてバランスの良い食事をしてください。
「しいたけ」と関連する病気
「しいたけ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「しいたけ」と関連する症状
「しいたけ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。



