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「しいたけ」の”どこに日光を当てる”と「栄養」が増加する?注意点も医師が解説!

 公開日:2026/03/10
「しいたけ」の”どこに日光を当てる”と「栄養」が増加する?注意点も医師が解説!

しいたけの栄養は?メディカルドック監修医が健康効果・保存方法について解説します。

池田 早苗

監修管理栄養士
池田 早苗(管理栄養士)

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委託給食会社勤務後、企業での商品開発や食品表示作成などを経て、現在は介護施設にて栄養管理業務に従事。

しいたけとは?

しいたけとは?

しいたけは、日本や東アジアで広く親しまれている代表的な食用きのこです。主にシイ(椎)の倒木や切り株に発生することから「椎茸」と名付けられたとされています。日本では室町時代にはすでに人工栽培が始まっていたとされ、江戸時代に栽培技術が広く普及したといわれています。現在の主な栽培方法は「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類です。原木栽培はクヌギやコナラなどの原木に種菌を打ち込み、自然に近い環境で育てる伝統的な方法で、春と秋に収穫されます。一方、菌床栽培はおがくずなどを固めた培地で育てる方法で、通年で安定した生産が可能です。また、干ししいたけは傘の開き具合によって、肉厚で歯応えのある「冬菇(どんこ)」、薄く開いて出汁が出やすい「香信(こうしん)」などに分類されます。このように、しいたけは栽培方法や加工の違いによって風味や食感が異なり、料理や用途に合わせて選ぶことができます。

しいたけに含まれる栄養素

しいたけに含まれる栄養素

ビタミンB群

しいたけには、ビタミンB₁、B₂、ナイアシンなどのビタミンB群が含まれています。これらは体内で糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える際に補酵素として働き、エネルギー代謝を支える重要な栄養素です。特にナイアシンはきのこ類の中でも比較的多く含まれています。ビタミンB群は水溶性で体内に蓄えにくいため、継続的な摂取が推奨されます。

カリウム

しいたけには、ミネラルの一種であるカリウムが含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を促し、血圧の調整に関わる栄養素です。また、筋肉の収縮や神経伝達にも関与し、体の機能を正常に保つ働きがあります。

エルゴステロール

しいたけには、エルゴステロールというきのこ類特有の成分が含まれています。エルゴステロールはビタミンDの前駆体で、紫外線(日光)を浴びることでその一部がビタミンDへと変化します。ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を助け、骨の形成や骨密度の維持に関わる重要な栄養素です。

レンチナン

レンチナンは、しいたけに含まれるβ-グルカンという多糖類の一種で、消化酵素では分解されにくい成分です。腸管を介して免疫細胞の働きに関与することが報告されており、免疫機能を支える成分として注目されています。

エリタデニン

エリタデニンは、しいたけに含まれる特徴的な成分のひとつで、脂質代謝に関与することが報告されています。主に血中コレステロール値、とくにLDLコレステロールの低下に関連する可能性が示されており、肝臓でのコレステロール代謝に影響を与えると考えられています。ただし、これらの知見は主に動物実験や基礎研究によるものであり、ヒトにおける明確な効果については今後さらなる研究が必要です。日常の食事の中で適量を取り入れることが、バランスのよい食生活の一助となります。

栄養素・成分 期待される働き・特徴
ビタミンB群 エネルギー代謝のサポート、補酵素として働く
カリウム 余分な塩分の排出、血圧の調整、神経伝達の維持
エルゴステロール ビタミンDの前駆体。日光でビタミンDに変化する
レンチナン しいたけ特有の多糖類。免疫機能の維持に関与
エリタデニン 脂質代謝への関与、コレステロール値への影響

干ししいたけの栄養素は?

干ししいたけの栄養素

ビタミンD

しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線を浴びることでビタミンDに変換されます。特に天日干しされた干ししいたけは、生しいたけと比べるとより多くのビタミンDを含みます。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨や歯の健康維持、骨粗鬆症予防に重要な栄養素です。

食物繊維

しいたけには水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれており、特に不溶性食物繊維が比較的多いのが特徴です。不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の蠕動運動を促し、排便をサポートします。一方、水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きが期待されます。また、干ししいたけは水戻し後も生しいたけと同じ水分量にはならないため、100gあたりで比較すると食物繊維量はやや多くなる傾向があります。ただし、両者は大きな差が出るほどではありません。

グアニル酸

しいたけには、うま味成分のグアニル酸が含まれています。昆布に含まれるグルタミン酸と組み合わさることで相乗効果が生まれ、より強いうま味を引き出します。さらに、かつお節や煮干しに含まれるイノシン酸とも相性が良く、組み合わせることで一層深みのある味わいになります。干ししいたけは乾燥の過程でグアニル酸が増加するため、生しいたけよりも濃いうま味を感じやすくなります。

成分 生しいたけ 干ししいたけ 主な変化・特徴
ビタミンD 標準的 豊富 紫外線により大幅に増加
食物繊維 標準的 やや多い 乾燥による濃縮の影響
グアニル酸 標準的 大幅増 乾燥工程で生成され、うま味が強まる

しいたけの健康効果

しいたけの健康効果

免疫力の向上

しいたけに含まれるレンチナンやビタミンDは、免疫機能に関与する栄養成分です。レンチナンは腸管免疫系を介して免疫細胞の働きに関わることが報告されており、体の防御機能を支える成分として注目されています。また、ビタミンDは免疫調整に関与する栄養素で、腸管のバリア機能の維持にも関わっています。

骨の健康を支える

しいたけは、骨の健康を支える働きが期待できる食材です。しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線によってビタミンDに変化します。特に干ししいたけは、乾燥させる際に日光に当たることで、生しいたけよりもビタミンDが豊富になります。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨の形成や維持に重要な役割を果たします。

腸内環境を整える

しいたけに含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるうえで重要な役割を果たします。また、レンチナンは腸管を介した健康維持に関わる成分として注目されています。これらの働きにより、腸の動きと腸内細菌の両面から、腸内環境の改善に役立つと考えられています。

生活習慣病予防

しいたけに含まれる食物繊維やエリタデニンは、脂質代謝に関与することが報告されています。また、カリウムはナトリウムの排出を助け、血圧調整に関与する栄養素です。これらの成分を含むしいたけを食事の一部として取り入れることで、生活習慣病予防を意識した食生活のサポートにつながると考えられます。

しいたけを食べる際の注意点は?

しいたけを食べる際の注意点

食べ過ぎに注意

しいたけは食物繊維が豊富な食材で、特に不溶性食物繊維を多く含みます。そのため、一度に大量に食べるとお腹の張りや腹痛を起こすことがあります。体質によっては下痢をする場合もあり、水分摂取が少ない状態で多く食べると、かえって便が硬くなり便秘につながることもあります。適量を心がけ、水分もあわせてしっかり摂ることが大切です。また、プリン体については、しいたけは肉類や魚の干物、レバーなどと比べると含有量は少ない部類に入ります。干ししいたけは乾燥している分100gあたりのプリン体量は高いですが、実際の摂取量は数グラム程度であることが多く、通常の食事量であれば過度に心配する必要はありません。ただし、尿酸値が高い方や痛風のある方は、干ししいたけなど乾燥品を大量に摂取することは控え、全体の食事バランスの中で量を調整しましょう。明確な上限量は定められていませんが、目安としては中くらいの大きさで1日2〜4個程度を目安に、体調に合わせて取り入れると安心です。

十分加熱する

生や加熱が不十分なしいたけを食べた後に、強いかゆみを伴う線状の赤い発疹が出る「しいたけ皮膚炎」が起こることがあります。みみず腫れのような発疹が、背中やお腹、腕、脚などに現れるのが特徴です。原因のひとつとして、しいたけに含まれるレンチナンなどの成分が関与すると考えられており、これは一般的な食物アレルギーとは異なる反応です。
予防のためには、十分に加熱してから食べることが大切です。もし強いかゆみや発疹などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

アレルギー体質の人は注意

しいたけによるアレルギーは多くありませんが、まれに食後に症状が現れることがあります。主な症状として、口の中の違和感やのどのイガイガ感、じんましん、咳や息苦しさなどの呼吸器症状が挙げられます。症状は食後数分〜1時間以内に現れることが多いとされ、異変を感じた場合は早めに医療機関を受診しましょう。
また、初めて食べる場合やアレルギー体質で不安がある方は、十分に加熱したものを少量から試す、あるいは事前に医師へ相談するとよいでしょう。

しいたけの栄養素を効率的に摂取する方法

しいたけの栄養素を効率的に摂取する方法

日光に当ててから調理する

生しいたけは、調理前に傘の裏側(ヒダ部分)を上にして日光に当てることで、ビタミンD量の増加が期待できます。しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線を受けることでビタミンDに変化する性質があります。特に直射日光に当てる方法が効果的とされ、天気のよい日に屋外で30分~2時間程度干すと増加しやすいと報告されています。ただし、増加の程度は日照時間や紫外線量、季節、しいたけの状態などによって大きく異なります。ベランダなど屋外で日光が当たる場所でも効果が期待できますが、ガラス越しの日光では紫外線が十分に届かないため、ビタミンDの生成は限定的になります。無理のない範囲で日光に当ててから調理すると、効率よくビタミンDを補うことにつながります。

カルシウム源と組み合わせる

しいたけに含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨の形成や維持に重要な役割を果たします。そのため、カルシウムを多く含む牛乳や小魚、大豆製品などと組み合わせることで、より効率的に骨の健康維持に役立つと考えられます。

汁ごと食べる

しいたけに含まれるビタミンB群やカリウムなどの水溶性栄養素を無駄なく摂るには、スープや煮物など汁ごと食べられる料理にするのが効率的です。干ししいたけは冷蔵庫内などの低温でゆっくり水戻しすると、うま味成分であるグアニル酸をより多く引き出すことができます。戻し汁にも水溶性の栄養素やうま味成分が溶け出しているため、出汁として活用しましょう。ビタミンB群は水に溶けやすく、長時間の加熱や茹でこぼしによって失われやすいため、加熱は必要最小限にするのが望ましいです。

しいたけの保存方法や期間

しいたけの保存方法

冷蔵保存

生しいたけを冷蔵保存する際は、水分による傷みを防ぐことが大切です。購入後はパックから取り出し、キッチンペーパーで包んでから通気性のある袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。保存期間の目安は3〜5日程度です。
また、保存や調理前の水洗いは傷みやすくなる原因となり、香りやうま味の低下につながることがあります。汚れが気になる場合は、濡らさずにキッチンペーパーや乾いた布で軽く拭き取る程度にしましょう。

冷凍保存

冷凍保存は、長期間保存したい場合に適しています。石づきを落とし、使いやすい大きさに切ってから、表面の水分を軽く拭き取り、冷凍用保存袋に入れてそのまま冷凍します。下茹では不要です。
保存期間の目安は約1か月です。調理の際は解凍せず凍ったまま加熱すると、余分な水分(ドリップ)の流出を抑、うま味を活かしやすくなります。

保存方法 期間の目安 保存のポイント
冷蔵保存 3 〜 5日程度 ペーパーで包み、通気性のある袋に入れ野菜室へ。洗わない。
冷凍保存 約 1か月 石づきを落としカット。凍ったまま調理。下茹で不要。

「しいたけの栄養」についてよくある質問

「しいたけの栄養」についてよくある質問

ここまでしいたけについて紹介しました。ここでは「しいたけの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

しいたけにしかない栄養素はなんでしょうか?

池田 早苗池田 早苗

しいたけの特徴的な成分として知られているのがレンチナンです。レンチナンはβ-グルカンの一種ですが、その中でもしいたけ特有の構造をもつ多糖類である点が特徴です。β-グルカン自体は他のきのこ類にも含まれていますが、レンチナンという名称で知られる特有の成分はしいたけ由来のものです。人の消化酵素では分解されにくく、腸管を介してマクロファージなどの免疫に関わる細胞の働きに関与することが報告されています。なお、その作用に関する研究の多くは基礎研究や医療分野での検討によるものです。レンチナンは生しいたけ・干ししいたけのいずれにも含まれ、通常の調理加熱で大きく失われにくいため、日常の食事にも取り入れやすい成分といえます。

しいたけを毎日食べ続けるとどんな効果が得られますか?

池田 早苗池田 早苗

しいたけを日常的に取り入れることで、まず期待できるのは食物繊維による腸内環境のサポートです。特に不溶性食物繊維が便のかさを増やし、便通の改善に役立ちます。また、しいたけに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の健康維持にも関与します。さらに、低カロリーで食物繊維が豊富なことから、料理のかさ増しに活用しやすく、満足感を得やすい点も特徴です。なお、しいたけに含まれるエリタデニンには脂質代謝に関与する可能性が報告されていますが、主に基礎研究段階の知見であり、特定の効果を期待して大量に摂取するものではありません。健康維持のためには、しいたけだけに偏らず、他のきのこ類や多様な食品と組み合わせたバランスのよい食事を心がけることが大切です。

まとめ

しいたけは、食物繊維やビタミンD、ビタミンB群、カリウムなどを含む栄養価の高い食材です。腸内環境のサポートや骨の健康維持に関わる成分を含み、低カロリーでかさ増しにも活用しやすいことから、日常の食事に取り入れやすい点が特徴です。また、レンチナンなどしいたけ特有の成分も含まれており、健康維持の観点から注目されています。エリタデニンについても脂質代謝に関する研究報告がありますが、いずれの成分も特定の効果を期待して過剰に摂取するのではなく、バランスのよい食生活の中で取り入れることが大切です。栽培方法や加工の違いによって風味や食感が異なるため、煮物や炒め物、スープなどさまざまな料理に活用し、毎日の食事を楽しみながら健康管理に役立てましょう。

「しいたけ」と関連する病気

「しいたけ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • しいたけ皮膚炎

内科系の病気

  • しいたけアレルギー
  • 高尿酸血症

「しいたけ」と関連する症状

「しいたけ」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

しいたけに関連する症状

この記事の監修管理栄養士