目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 栄養素
  4. 旬の「たけのこ」は何の”栄養”が高くなる?白い粉の正体や注意点も管理栄養士が解説!

旬の「たけのこ」は何の”栄養”が高くなる?白い粉の正体や注意点も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/03/17
旬の「たけのこ」は何の”栄養”が高くなる?白い粉の正体や注意点も管理栄養士が解説!

たけのこの栄養は?メディカルドック監修医が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

堀越 千聡

監修管理栄養士
堀越 千聡(管理栄養士)

プロフィールをもっと見る
病院で委託栄養士として調理業務を担当。その後管理栄養士の資格を取得後身体障害者支援施設で、多職種と連携しながら食事介助やミールラウンドを通じて、利用者の食事状況を観察し、直接的にフィードバッグを得ることで、利用者一人ひとりに合わせた食事を提供し、より適切な栄養管理を行っています。

たけのことは?

たけのことは?

たけのことは、イネ科タケ亜科に属するタケ類の若芽の総称です。芽が出てからわずか10日間(一旬)ほどで竹へと成長し、食用に適さなくなるという驚異的な成長速度がその名の由来です。食品学的にはカリウムや不溶性食物繊維、さらに神経伝達物質の原料となるチロシンを含む、低カロリーかつ整腸作用の期待できる春の代表的な食材です。

たけのこに栄養はない?実際にある栄養素とは

たけのこに含まれる栄養素

食物繊維

たけのこ(ゆで)には100gあたり3.3gの食物繊維が含まれており、その大部分は水に溶けにくい不溶性食物繊維(セルロース等)で構成されています。この不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して便の容積を増やすことで大腸を物理的に刺激し、ぜん動運動を促して排便をサポートする働きがあります。

カリウム

たけのこはミネラルの一種であるカリウムを豊富に含んでおり、ゆでた状態でも100gあたり470mgを保持しています。カリウムは細胞内の浸透圧を調整する役割を担い、腎臓でのナトリウム(塩分)の再吸収を抑制して尿中への排出を促す働きがあるため、塩分の摂り過ぎを調節し、血圧を正常に保つ助けとなります。

チロシン

たけのこの切り口に見られる白い結晶状の物質は、非必須アミノ酸の一種であるチロシンです。チロシンは体内でドーパミンやノルアドレナリンといった、意欲や集中力に関わる神経伝達物質の原料(前駆体)となることが生理学的に明らかになっています。特定の食品を食べるだけで劇的に精神状態が変化するわけではありませんが、神経伝達物質を合成するための重要な材料を補給するという栄養学的な意義があります。

アスパラギン酸

アスパラギン酸は体内にも存在するアミノ酸の一種で、エネルギー産生に関わる代謝経路(TCA回路)や、アンモニアの解毒に関わる尿素回路などに関与しています。こうした働きから、体内の代謝を支える成分のひとつとされています。ただし、特定の食品から摂取しただけで疲労が大きく改善するわけではなく、あくまで日々の食事の中でたんぱく質やアミノ酸を補う一要素と捉えることが大切です。アスパラガスなどの野菜にも含まれており、旬の食材を通して無理なく取り入れることができます。

亜鉛

たけのこ(ゆで)には100gあたり1.2mgの亜鉛が含まれており、野菜の中では比較的多くの亜鉛を含んでいます。亜鉛は数百種類に及ぶ体内の酵素の構成成分であり、新陳代謝やたんぱく質の合成、さらには味覚を正常に保つために不可欠なミネラルです。細胞分裂が活発な部位で特に必要とされるため、成長期の子どもや、日々の健康を維持したい世代にとって、旬の野菜から摂取できる貴重な供給源となります。

栄養素 含有量(100gあたり) 期待される主な働き
食物繊維 3.3g 整腸作用、便通の改善
カリウム 470mg 塩分排出、血圧の調整
亜鉛 1.2mg 新陳代謝の促進、味覚の維持
チロシン (白い粉状) 神経伝達物質の原料(意欲・集中力)

たけのこの効能は?

たけのこの効能

便通の改善と整腸作用

たけのこ(ゆで)に100gあたり2.9gと豊富に含まれる不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して便の容積を増やす働きがあります。これにより大腸が物理的に刺激され、ぜん動運動が活発になることで、スムーズな排便を促す整腸効果が期待できます。

塩分排出による血圧の調節

たけのこにはミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれており、ゆでた状態でも100gあたり470mgを保持しています。カリウムには体内の過剰なナトリウム(塩分)の排出を助ける重要な役割があり、血圧の上昇を抑える効果や、むくみを和らげる効果が期待できます。ただし、カリウムは水溶性の性質を持ち、生の段階(520mg/100g)からゆでる過程で一部が煮汁に溶け出しています。そのため、煮汁も一緒に摂取できる若竹煮やスープなどの料理にすることで、より効率的にカリウムを取り入れることが可能です。

新陳代謝のサポートと活力維持

たけのこに含まれるアスパラギン酸や亜鉛は、体内のエネルギー産生やたんぱく質の合成に関わる栄養素です。アスパラギン酸は代謝経路の一部に関与するアミノ酸であり、亜鉛は多くの酵素の構成成分として細胞の増殖や修復、味覚の維持などに関わっています。ただし、これらの成分を特定の食品から摂取するだけで疲労回復や活力向上が直ちに得られるわけではありません。日々のバランスのよい食事の一環として取り入れることで、体の機能維持を支える栄養素の補給につながります。

脳内の神経伝達物質の補給

たけのこの節に見られる白い粉状の成分「チロシン」は、アミノ酸の一種です。チロシンは脳内で意欲や集中力に関わるドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の原料(前駆体)となることが生理学的に知られています。特定の食品の摂取のみで精神状態が劇的に変化するわけではありませんが、神経伝達物質を合成するための重要な材料を補給するという栄養学的な意義があります。

たけのこを食べる際の注意点

たけのこを食べる際の注意点

「シュウ酸」による結石やえぐみへの注意

生のたけのこにはえぐみの原因となる成分が含まれており、主にホモゲンチジン酸などのフェノール性化合物が関与しています。また、シュウ酸も一定量含まれており、体内でカルシウムと結合して結石の一因となる可能性が指摘されていますが、たけのこだけが特別に多い食品というわけではありません。通常の食事量で直ちに問題となることは多くありませんが、尿路結石の既往がある方などは摂取量に配慮すると安心です。えぐみを軽減し、成分の一部を減らすためにも、購入後はできるだけ早く下ゆでし、米ぬかなどを用いたアク抜きを行ってから調理することが望ましいとされています。

食べ過ぎによる消化不良

たけのこは不溶性食物繊維が非常に豊富です。適量であれば整腸に役立ちますが、過剰に摂取すると胃腸に負担をかけることがあります。特に胃腸が弱い方や、消化機能が低下している時に大量に食べると、腹痛や下痢、あるいは便秘を悪化させる原因となる場合があります。よく噛んで、適量を守って食べることが推奨されます。

「アセチルコリン・ヒスタミン」によるアレルギー様症状(仮性アレルゲン)

たけのこには、アレルギーのような症状を引き起こす「アセチルコリン」や「ヒスタミン」といった物質が含まれています。これにより、免疫反応によるアレルギーではないものの、食べた後に喉のイガイガ感やかゆみ、あるいはじんましんに似た症状(仮性アレルゲン反応)が出ることがあります。特に鮮度が落ちたたけのこや、体調が優れない時に起こりやすいため注意が必要です。

たけのこの栄養素を効率的に摂取する方法

たけのこの栄養素を効率的に摂取する方法

白い粉(チロシン)を洗い流さず調理する

たけのこの節に付着している白い粉状のものは、アミノ酸の一種であるチロシンです。チロシンは脳の神経伝達物質(ドーパミンなど)の原料となり、集中力の向上や自律神経の調整を助ける働きがあります。このチロシンは水に溶けにくいという性質があるため、水に浸けておくだけでは失われませんが、その分、粒状の固まりとして付着しているだけなので、強く洗い流すと物理的にポロポロと剥がれ落ちてしまいます。栄養を効率よく摂取したい場合は、白い粉を汚れと勘違いして落としすぎず、そのまま煮物や炊き込みご飯にするのがおすすめです。

カリウムを逃さない「汁物」での活用

たけのこに豊富なカリウムは、ゆでる過程で一部が煮汁に溶け出す性質があります。若竹煮のように煮汁を含ませる料理や、お味噌汁・スープにすることで、溶け出したカリウムも余さず摂取できます。

油と組み合わせて満足感と代謝をサポート

たけのこは低脂質・低カロリーですが、不溶性食物繊維が豊富なため、油(植物性オイルや豚肉など)と一緒に調理することで腹持ちが良くなります。また、たけのこに含まれるパントテン酸などのビタミンB群は、一緒に摂取した脂質や糖質をエネルギーに変える代謝プロセスをサポートします。

たけのこの保存方法や期間

たけのこの保存方法

水煮(下処理済み)の場合の保存:冷蔵

市販の水煮や、アク抜きをした後のたけのこは、乾燥と酸化を防ぐことが重要です。
• 方法: 清潔な容器に入れ、たけのこが完全に浸かるまでたっぷりの水を注いで冷蔵庫で保管します。
• 期間: 2〜3日程度が目安です。毎日水を入れ替えることで最長1週間ほど保存できますが、香りが抜けるため早めに食べ切るのが理想です。

長期保存したい場合の保存:冷凍

たけのこはそのまま冷凍すると、食物繊維の影響でスカスカした食感(「す」が入った状態)になりやすいのが難点です。
• 方法: 薄切りや細切りにしてから、だし汁や砂糖を少量まぶして冷凍用保存袋に入れ、空気を抜きながら冷凍します。味付け調理済みの状態で冷凍するのも食感を損なわないコツです。
• 期間: 約1ヶ月程度保存可能です。

生(未処理)の場合:即座に下処理

生のたけのこは、収穫後時間が経つにつれてえぐみが強くなります。これは主にホモゲンチジン酸などの成分によるもので、鮮度が落ちると風味も損なわれやすくなります。また、保存環境によっては水溶性の栄養素が徐々に減少することもあります。注意点として、生のまま長時間放置すると食味が低下するため、購入後はなるべく早めに下ゆでしてアク抜きを行うことが大切です。米ぬかなどを加えてゆで、「水煮」の状態にして保存しておくと、えぐみを抑えつつ風味を保ちやすくなります。

状態 保存方法 期間の目安 ポイント
水煮(冷蔵) たっぷりの水に浸して保存 2 〜 3日(最長1週間) 毎日水を入れ替える
冷凍保存 薄切りし、だしや砂糖をまぶす 約 1か月 「す」が入るのを防ぐ工夫を
生(未処理) (保存不可) 即座 時間とともにえぐみが強まるため即加熱

「たけのこの栄養」についてよくある質問

「たけのこの栄養」についてよくある質問

ここまでたけのこについて紹介しました。ここでは「たけのこの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

旬のたけのこは何の栄養が高くなりますか?

堀越 千聡堀越 千聡

旬の生たけのこは、水煮製品と比べて加工工程が少ない分、アミノ酸や水溶性ビタミン、カリウムなどが比較的保持されやすいと考えられます。特にアスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸は、鮮度が高いほど風味やうま味として感じやすい成分です。ただし、「旬だから特定の栄養素が大幅に増える」というよりも、収穫後すぐに下処理・調理することで、成分の損失を抑えやすい点が利点といえます。掘りたてのものは加熱時間も比較的短く済むため、水溶性栄養素の流出を抑えやすく、香りや食感も楽しみやすいことが旬ならではの魅力です。

まとめ

たけのこは、驚異的な成長スピードが名前の由来となった春を代表する食材で、食物繊維やカリウム、チロシン、代謝を助けるアスパラギン酸や亜鉛といった、お腹の掃除やむくみ解消、活力維持に役立つ栄養素を低カロリーで豊富に含んでいますが、一方で「えぐみ」や結石の原因となるシュウ酸や、食べ過ぎると胃腸の負担になる強い繊維質、さらにアレルギーに似た症状を招く物質も含まれるため、米ぬか等での丁寧なアク抜きと新鮮なうちの下処理、そして適量をよく噛んで食べることが大切であり、特に節にある白い粉(チロシン)を洗い流しすぎず、カリウムなどの栄養素が溶け出した煮汁ごと食べられる煮物やスープなどで賢く取り入れるのが、その優れた健康効果を安全に最大限に享受するためのポイントです。

「たけのこ」と関連する病気

「たけのこ」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

泌尿器系の病気

消化器系の病気

皮膚科・アレルギー科の病気

「たけのこ」と関連する症状

「たけのこ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

たけのこに関連する症状

  • 喉のイガイガ
  • 膨満感
  • 吹き出物

この記事の監修管理栄養士