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「変色した牛肉」は”何色”なら食べても大丈夫?加熱不足NGな肉も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/01/16
「変色した牛肉」は”何色”なら食べても大丈夫?加熱不足NGの肉も管理栄養士が解説!

牛肉の変色したら危ない?メディカルドック監修医が牛肉の健康効果・含まれる栄養素・変色する理由・効率的な摂取方法・保存方法などを解説します。

山口 恵里

監修管理栄養士
山口 恵里(管理栄養士)

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病院や高齢者施設で5年、給食管理、栄養管理業務に従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は育児をしながらフリーランスとして地域の方の家事・育児サポートをさせていただいています。日々の生活を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。

「牛肉」とは?

「牛肉」とは?

牛肉とは、食用として処理された牛の肉のことを指します。一般的には、「和牛」「国産牛肉(乳用肥育牛・交雑牛など)」「輸入牛肉」「子牛肉(ヴィール)」の4つに分類されることが多く、牛の品種や育て方、産地、部位によって味わいや栄養成分に違いがあります。また、同じ牛肉でも部位によって脂質やたんぱく質の量が異なり、さらに和牛・国産牛・輸入牛・子牛肉といった分類によっても、脂肪のつき方や栄養成分に差がみられます。牛肉は、良質なたんぱく質をはじめ、脂質、鉄、亜鉛、ビタミンB群などを含む栄養価の高い食品で、鶏肉や豚肉と同様に、さまざまな料理に幅広く利用されています。本記事では、牛肉に含まれる栄養素や健康効果に加え、変色の理由や腐敗の見分け方、保存時の注意点、美味しく安全に食べるためのポイントについて解説します。

牛肉に含まれる栄養素

牛肉に含まれる栄養素

記事中の数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より、乳用肥育牛の値を参照しています。

たんぱく質

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚など身体の主成分として重要な栄養素です。酵素やホルモンの材料にもなり、生命維持には欠かせない栄養素です。
食肉には良質なたんぱく質を含む特徴があります。特に牛肉のたんぱく質は「もも」や「ヒレ」に多く、「もも」には100gあたり21.9g、「ヒレ」には100gあたり20.8g含まれています。

脂質

牛肉の脂質は、部位によって大きく異なるのが特徴で、肉のやわらかさや風味を決定づけるのに大切です。牛肉には脂質の一種である飽和脂肪酸が多く、過剰摂取は血中コレステロール値を高めるため、摂りすぎには注意が必要です。
「リブロース」や「かたロース」などの霜降りの多い部位は脂質が多く、「リブロース」には100gあたり17.8g、「かたロース」には100gあたり13.9g含まれています。また、「ヒレ」や「もも」などの赤身中心の部位は低脂質です。

鉄は筋肉中のミオグロビンや赤血球中のヘモグロビンの構成成分として重要なミネラルで、全身に酸素を供給しています。また、エネルギー生産に必要なATPの生成や、酵素の活性化にも関与しています。鉄は牛肉の「かた」や「ヒレ」に多く、「かた」には100gあたり2.5㎎、「ヒレ」には100gあたり2.4㎎含まれています。

亜鉛

亜鉛は体内で合成できないミネラルで、多くの補酵素の構成成分になります。DNAやインスリンなどの合成や、骨の代謝にも関与しています。不足すると味覚障害や皮膚炎、免疫機能の低下につながる栄養素です。牛肉の「かたロース」や「かた」に多く、「かたロース」には100gあたり5.7㎎、「かた」には100gあたり5.5㎎含まれています。

ビタミンB群

水溶性のビタミンで、多くは補酵素として働きます。体内で使われないと排泄されるため、毎食摂ることが望ましいです。
糖質の代謝を助けるビタミンB1や脂質の代謝を助けるビタミンB2、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6や赤血球の生成に関わるビタミンB12などが含まれています。

牛肉の健康効果

牛肉の健康効果

良質なたんぱく質の供給

牛肉に多く含まれる良質なたんぱく質は筋肉や臓器など、身体を構成する細胞の主成分です。酵素やホルモンの材料にもなるため、生命活動を円滑にする需要な働きがあります。
牛肉を食べることで、筋肉の強化や身体機能の調節をすることにつながります。

貧血予防

貧血は、血液中のヘモグロビンの減少によって起こります。そのほとんどが、ヘモグロビンの材料となる鉄が不足することによる「鉄欠乏性貧血」です。
牛肉に含まれる鉄は「ヘム鉄」という吸収されやすい形になっているため、牛肉の摂取により貧血予防が期待できます。

免疫力の維持

牛肉に含まれる亜鉛は適量を摂取することで免疫機能を正常にし、風邪やウイルスから身体を守ります。しかし、過剰摂取により銅や鉄の吸収障害などを引き起こす可能性があるため、摂りすぎには注意が必要です。

なぜ牛肉は変色するの?

なぜ牛肉は変色するの?

牛肉の色は、筋肉中に含まれる「ミオグロビン」という鉄を含む色素たんぱく質によって決まります。ミオグロビンに含まれるヘム鉄の状態や、酸素との結合状態の違いによって、牛肉の色は時間とともに変化します。
処理直後の新鮮な牛肉は、ミオグロビンが酸素と結合していない状態(デオキシミオグロビン)であるため、紫がかった赤色をしています。その後、空気に触れることでミオグロビンが酸素と結合し、「オキシミオグロビン」となり、鮮やかな赤色へと変化します。
さらに長時間空気にさらされると、ヘム鉄が酸化して二価鉄から三価鉄へと変化し、「メトミオグロビン」となります。この状態では、牛肉は赤褐色から茶色、灰色がかった色合いになり、見た目の鮮度が低下して見えることがあります。
このような牛肉を加熱すると、ミオグロビンのたんぱく質部分(グロビン)が熱によって変性し、暗い褐色になります。これは加熱による自然な変化であり、必ずしも腐敗を示すものではありません。
なお、亜硝酸塩や硝酸塩による発色は、主にハムやソーセージなどの加工肉で用いられる仕組みであり、一般的な生鮮牛肉の変色とは異なります。

牛肉が灰色に変色した場合は?

牛肉が灰色に変色した場合は?

牛肉が灰色に変色する原因

牛肉が灰色に変色する原因として、酸素に長時間触れている、保存温度が高く、保存期間が長い、光にあたっている、などの理由があります。

灰色になった個所の対処法

灰色になるのは「酸化による自然な現象」の可能性が高いです。
色だけで判断せず、灰色になりはじめたら早めに加熱調理をして、早めに食べましょう。

腐敗の見分け方はある?

牛肉に異臭(酸っぱい臭い、アンモニア臭など)があったり、表面に強い粘りやぬめりが見られる場合は、細菌が増殖している可能性が高いため、食べない方が安全です。また、肉から出てくる赤い液体は、血液ではなく、筋肉中の水分と色素たんぱく質であるミオグロビンが混ざったものです。透明感のある赤色~赤褐色であれば正常な状態と考えられますが、液体が濁った茶色になっている、灰色や緑色を帯びている場合は、腐敗が進んでいる可能性があります。 

牛肉が茶色に変色した場合は?

牛肉が茶色に変色した場合は?

牛肉が茶色に変色する原因

真空パックやラップをせず空気にふれている状態や、冷蔵庫に入れず常温や高温で保存した場合、酸化を早めるため茶色く変色します。

茶色くなった個所の対処法

色だけでなく「匂いや表面の粘り、肉汁の濁り具合」をみて判断し、異常がなければ早めに加熱調理し、早めにたべましょう。

腐敗の見分け方はある?

酸っぱい、アンモニア臭がしたり、触ってみてぬめりがある場合は微生物が増殖している可能性が高いため、食べない方が安全です。

牛肉の栄養素を効率的に摂取する方法

牛肉の栄養素を効率的に摂取する方法

たんぱく質を効率的に摂取する方法

牛肉に多く含まれるたんぱく質の代謝にはビタミンB群が欠かせません。特にビタミンB6が不足していると、たんぱく質を摂取しても体内でうまく利用されないため、たんぱく質を効率的に摂取するためにはビタミンB6と一緒に摂ると良いでしょう。

鉄を効率的に摂取する方法

ビタミンCには鉄を吸収しやすい形にし、ヘモグロビンの合成を促す作用があります。
鉄は牛肉に多く含まれており、効率よく摂りたい場合はビタミンCを含む食品と一緒に摂りましょう。

牛肉を食べる際の注意点

牛肉を食べる際の注意点

生食

牛肉や内臓には、食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌(O157など)、サルモネラ菌、カンピロバクターなどの細菌が付着している可能性があります。これらの病原体は肉の表面だけでなく、調理や取り扱いの過程で内部に入り込むこともあり、重い症状を引き起こすことがあります。また、E型肝炎ウイルスは主に豚や野生動物での感染が知られていますが、加熱不足の肉全般においては感染症リスクを完全に否定することはできません。そのため、牛肉や内臓は鮮度に関関係なく、生や加熱不十分な状態で食べることは避け、中心部まで十分に加熱してから食べることが重要です。

加熱不足

多くの細菌やウイルス、寄生虫は加熱に弱いため、加熱することで死滅します。お肉や内臓は食べるときによく火を通すことが大切です。特にひき肉やタレなどに漬け込んだ肉を使った料理では、料理の内部まで細菌が入ってしまい、さらに中まで火がはいりにくいため、中心部までしっかり火を通すようにしましょう。

食器や調理器具の使い分け

飲食店やバーベキューなどで、自分で肉を焼きながら食べる場合は火加減が難しく、生焼けになることがあります。意識的に中心部まで充分に加熱しましょう。
また、箸やトングなどの食器や調理器具を通じて細菌などが口に入ることがあるため、生の肉をつかむ調理器具と、加熱後の食品や料理を取り分けたり、食べたりするときに使う箸は、わけて使いましょう。

牛肉の保存方法や期間

牛肉の保存方法や期間

保存方法 期間の目安
冷蔵(冷蔵室・チルド室) 2~3日以内(ひき肉は1~2日)
冷凍(-18℃以下) 約1か月程度

牛肉の保存方法や期間

牛肉を冷蔵保存する場合、酸化を防ぐため、空気に触れないようぴったりラップをし、さらに密閉容器にいれ、10℃以下で保存しましょう。また、チルド室がある場合は、同じようにラップでぴったりと包み、空気に触れないようにし、チルド室で保管し、酸化や菌の繁殖を防ぎましょう。冷凍する場合は-18℃以下で保存しましょう。新鮮なうちに1回分ずつ小分けにラップで包み、さらに冷凍用の保存袋にいれ保存すると良いでしょう。

牛肉の保存期間について

牛肉の保存期間は保存方法によって異なります。冷蔵庫やチルド室で保存する場合は、購入後できるだけ早く、目安として2~3日以内に使い切るようにしましょう。ひき肉の場合は傷みやすいため、1~2日以内に調理するのが望ましいとされています。
冷凍保存する場合は、1回分ずつ小分けにして空気に触れないように包み、冷凍庫(-18℃以下)で保存することで、品質を保ちながら約1か月程度保存することができます。ただし、冷凍焼けや風味の低下を防ぐためにも、できるだけ早めに使い切ることが大切です。

「牛肉の変色」についてよくある質問

「牛肉の変色」についてよくある質問

ここまで牛肉の効果を紹介しました。ここでは「牛肉の変色」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

牛肉が傷んでいるサインはどういうものでしょうか

山口 恵里山口 恵里

牛肉が傷んでいるサインとして、新鮮な牛肉は臭いがほどんどないため、酸っぱい臭いや、アンモニア臭などの異臭がある場合は腐敗している可能性が高いです。また、表面にぬめりがあったり、糸を引く場合も細菌が繁殖している可能性が高く、肉汁が透明ではなく濁ってきている場合も劣化しているサインです。変色については茶色や灰色は酸化の可能性があり、黒や緑色、斑点など、不自然な色が見られる場合には傷んでいる可能性があります。
これらの異常を総合的に判断し、少しでも不安があれば食べない方がよいでしょう。

まとめ

牛肉は世界中で広く食べられている食肉で、様々な料理に使用できます。たんぱく質が豊富で筋肉の強化や身体機能の調節に役立ち、鉄分や亜鉛、ビタミンB群が多く、貧血の予防や代謝に関わる栄養素が含まれています。脂質は部位によって大きく異なることが特徴です。脂質を構成する成分の一種に「飽和脂肪酸」があり、こちらを多く含んでいるため、摂りすぎると血中脂質のバランスを崩します。
牛肉の変色は「ミオグロビン」という筋肉中にある色素たんぱく質が、酸化や加熱によって変化したもので、鮮度や保存状態によっても色が変化します。茶色や灰色に変色したら腐敗していると判断せず、臭いや触った感覚など、総合的に判断しましょう。
牛肉を食べる際には加熱不足や食器・器具の使いまわしに気を付け、食中毒を防ぐことが大切になります。

「牛肉」と関連する病気

「牛肉」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科系の病気

  • 肥満症
  • 高LDLコレステロール血症

消化器系の病気

「牛肉」と関連する症状

「牛肉」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • かぜ
  • 下痢
  • 肥満
  • 疲労
  • だるさ

この記事の監修管理栄養士