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乳酸菌は摂りすぎても大丈夫? 1日の摂取量目安を管理栄養士に聞く

 更新日:2023/03/27
乳酸菌は摂りすぎても大丈夫? 1日の摂取量目安を管理栄養士に聞く

最近よく耳にする「乳酸菌」や「腸活」という言葉。「自分も乳酸菌を摂取して腸活してみたい!」と思っている方も多いでしょう。しかし、乳酸菌を摂取するといっても、どのように摂取するのがいいのか、どのくらいの量を摂取すればいいのか、迷ってしまう方もいると思います。そこで今回は、管理栄養士の永野さんに乳酸菌の事やおすすめレシピについて伺いました。

永野 ゆう子

監修管理栄養士
永野 ゆう子(管理栄養士)

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病院、老人ホーム、保育園で管理栄養士として従事。現在は子育てをしながら、「わかりやすく、続けやすく、お手軽に!」をモットーに、正しい食事・健康法を執筆し、ユーザーにわかりやすく情報を届けている

体内で乳酸菌はどのような働きをしているのか? 乳酸菌と体の仕組み

体内で乳酸菌はどのような働きをしているのか? 乳酸菌と体の仕組み

編集部編集部

はじめに乳酸菌について教えてください。

永野 ゆう子さん永野さん

乳酸菌の説明をする前に悪玉菌善玉菌について説明させてください。まず悪玉菌ですが、その名のとおり腸内で人に悪さをする菌です。たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。主に大腸菌などの事を指しますね。

編集部編集部

なるほど。というと善玉菌は体内に有益ということですか?

永野 ゆう子さん永野さん

そのとおりです。善玉菌は乳酸や酢酸などを作り腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にします。食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ることができるのです。また、善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。この善玉菌の代表としてよく挙げられるのが乳酸菌です。

編集部編集部

乳酸菌は体内でどのような働きをしていますか?

永野 ゆう子さん永野さん

発酵によって糖類から乳酸を作り出す働きをしています。乳酸菌などの腸内細菌は小腸で消化吸収を受けなかった物質を分解(発酵)して糞便を形成しています。乳酸菌を摂取することで、便通の改善や整腸作用、コレステロールの低減、免疫機能を高めるなどの働きがあると言われています。

乳酸菌の摂りすぎは要注意?栄養士が推奨する1日の摂取量と上限は?

乳酸菌の摂りすぎは要注意?栄養士が推奨する1日の摂取量と上限は?

編集部編集部

乳酸菌の効果はわかりましたが、摂取目安量が気になります。乳酸菌は摂りすぎても大丈夫でしょうか?

永野 ゆう子さん永野さん

乳酸菌が多く含まれているヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬかづけ、キムチなどの食品には乳酸菌以外の成分も多く含まれています。乳脂肪や糖分、塩分、エネルギー量などの摂りすぎを防ぐためにも、適量がいいでしょう。サプリメントなどで摂取する場合は、そのサプリメントの目安量を守ってください。

編集部編集部

ヨーグルトは一日何個まででしょうか?

永野 ゆう子さん永野さん

農林水産省の「食事バランスガイド」には牛乳・乳製品は2つ(SV)と記載されています。健康な方でほかに牛乳や乳製品をとっていない方であれば、多くても2つまでが良いのではないでしょうか。1日にまとめてたくさん摂るよりも継続して摂ることが大切です。糖尿病など生活習慣病がある方は、糖分控えめや無糖のものを選んでください。

参照:農林水産省「食事バランスガイド」について

編集部編集部

ヨーグルトなどに書いてあるビフィズス菌とは何ですか?

永野 ゆう子さん永野さん

乳酸菌の一種で、主に人間や動物の腸内に存在する代表的な善玉菌のことです。整腸効果だけではなく、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑える効果があると考えられています。

編集部編集部

乳酸菌を調べていると、プロバイオティクスっていう言葉をよく聞きますが何ですか?

永野 ゆう子さん永野さん

プロバイオティクスは乳酸菌や酵母など、腸内環境を整える微生物のことです。プロバイオティクスと別にプレバイオティクスという言葉もあります。プレバイオティクスとは大腸で乳酸菌の餌となり、プロバイオティクスを増殖させる働きのある食品のことです。

管理栄養士が薦める乳酸菌の上手な摂取方法とおすすめの食べ物・飲み物

管理栄養士が薦める乳酸菌の上手な摂取方法とおすすめの食べ物・飲み物

編集部編集部

腸内の善玉菌はどのようにしたら増えますか?

永野 ゆう子さん永野さん

腸内の善玉菌の割合を増やす方法は、大きく分けて二つあります。まず一つめは、「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。食品ではヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を多く含むものですね。ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。

編集部編集部

もう一つの方法はどのようなものですか?

永野 ゆう子さん永野さん

二つめは、腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する方法です。食品成分としてはオリゴ糖や食物繊維などで、これらの成分は野菜類や果物類、豆類などに多く含まれています。

編集部編集部

乳酸菌を増やすおすすめのレシピを教えてください。

永野 ゆう子さん永野さん

今回は「バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー」をご紹介します。ヨーグルトの乳酸菌と、バナナに入っているオリゴ糖や食物繊維と、さらに直接オリゴ糖で甘味を調整したプロバイオティクスとプレバイオティクスを両方摂取できるおすすめレシピです。簡単なレシピですので、ぜひ作って召し上がってみてください。

【バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー】

材料(1~2人分)
ヨーグルト:50g
バナナ:1本
オリゴ糖:小さじ2
牛乳:50ml
ブルーベリー50g(冷凍でも可)
※ブル―ベリーがない場合はバナナの量を増やして代用しても構いません
ブルーベリー:飾りつけ用適量(あれば)
ミント:飾りつけ用適量(あれば)

【作り方】

① 飾り付け用のブルーベリーとミント以外の材料を全てブレンダーに入れて撹拌する。

バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー作り方
バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー作り方

② 味見をしてオリゴ糖で甘さを調整する

③ グラスに注いで、ブルーベリーとミントで飾りつけて完成

バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー作り方

編集部編集部

ありがとうございました。早速作ってみたいと思います。最後に読者へメッセージをお願いします。

永野 ゆう子さん永野さん

このスムージーは小さいお子様から妊娠中の方、おじいちゃん、おばあちゃんどなたでも召し上がれるスムージーです。ぜひご自宅で作って召し上がってみてください。

編集部まとめ

今回は乳酸菌について教えて頂きました。乳酸菌には便通の改善、整腸作用、コレステロールの低減、免疫機能を高める、がん予防など、様々な働きがあることがわかりました。健康な毎日のためにも、プロバイオティクスである乳酸菌とそれを増やすプレバイオティクスの食材、両方を継続して摂っていきたいですね。

この記事の監修管理栄養士