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「ラーメンの炭水化物量」はどれくらい?摂取する際の注意点も管理栄養士が解説!

 公開日:2025/12/16

ラーメンの炭水化物量はどれくらい?メディカルドック監修医がラーメンのカロリーが高くなる原因・食べ過ぎると現れる症状・含まれる栄養素・健康的な食べ方・摂取する際の注意点などを解説します。

神尾 澄恵

監修管理栄養士
神尾 澄恵(管理栄養士)

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病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームにて15年にわたり給食管理業務に従事。管理栄養士取得後は病院で栄養管理業務に従事。栄養指導、特定検診保健指導、他NST、褥瘡回診など幅広く活躍中。東京都糖尿病療養指導士取得。患者さん、入居者さんが楽しめる食事提供を心がけています。

「ラーメン」とは?

「ラーメン」とは?

ラーメンは小麦を原料とした中国発祥の中華麺とスープを主とする食べ物です。日本の中華麺は「かん水」というアルカリ塩水溶液を使って作ります。「かん水」はアルカリ性なので、麺の弾力が増し、歯ざわりやコシが良くなり、小麦粉のフラボノイドが黄色に変化します。スープは、豚骨、鶏がら、牛コツ、昆布、魚介など様々なものがあり、お店や地域によって様々です。具は、チャーシューやメンマ、海苔、ネギ、卵などですが、こちらもお店や地域によって様々です。中国の麺料理にも「かん水」を使うものと使わないものがあり、拉麺や刀削麺のようにコシの強いものから、うどんに近い柔らかな食感の麺まで幅広く存在します。そうした背景の中で、日本に伝わった麺料理は、スープや具材と組み合わさり、日本独自のラーメン文化へと発展してきました。

ラーメンの炭水化物量はどれくらい?

ラーメンの炭水化物量はどれくらい?

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、中華めん(生・ゆでる前)の炭水化物量は、可食部100gあたり55.7gと記載があります。

カップラーメンの炭水化物量はどれくらい?

カップラーメンの炭水化物量はどれくらい?

主なカップラーメンの炭水化物は以下のようになります。
中華スタイル即席カップめん/非油揚げ/乾:62.6g
中華スタイル即席カップめん/油揚げ/塩味/乾:58.6g
中華スタイル即席カップめん/油揚げ/焼きそば/乾:57.5g
中華スタイル即席カップめん/油揚げ/醤油味/乾:54.6g
和風スタイル即席カップめん/油揚げ/乾:56.1g

ラーメンのカロリーはどれくらい?

ラーメンのカロリーはどれくらい?

中華めん100gあたりのエネルギーは約249Kcalです。一般的なラーメンは400〜600kcalと言われています。種類ごとの平均的なカロリーは以下の通りです。
塩ラーメン:約420~426kcal
醤油ラーメン:約432~459kcal
とんこつラーメン:約437~456kcal
味噌ラーメン:約475~540kcal
つけ麺:約595kcal
家系ラーメン:約800kcal
二郎系ラーメン:約1500kcal

ラーメンのカロリーが高くなる原因

ラーメンのカロリーが高くなる原因

麺の量

麺の量と種類が影響すると考えられます。
生麺(ゆで):100gあたり約133kcal 1玉(約230g)で約306kcal
ノンフライ麺:100gあたり約139kcal 1玉(約230g)で約320kcal
フライ麺:100gあたり約189kcal 1玉(約230g)で約435kcal
家系ラーメンの麺:約160gで約395kcal

スープの種類

家系ラーメンは豚骨や鶏がらをベースにしたスープで濃厚な味わいです。脂の量を調整できるお店もあり、カロリーが高くなる場合があります。
脂の量普通(20g):約250kcal
脂の量多め(40g):約360kcal

具材の選択

具材は種類や量によってカロリーが変動します。
チャーシュー(豚もも):1枚あたり約18kcal
煮卵:1個あたり約71kcal
背脂:約54kcal
バター(12g):約84kcal

ラーメンを食べ過ぎると現れる症状

ラーメンを食べ過ぎると現れる症状

肥満

脂質は1gあたり9kcalです。過剰摂取は体脂肪の蓄積を促進します。
特にラーメンのスープには脂質や塩分が多く含まれています。塩分はむくみの原因にもなります。気になる方は体重を計測し、BMI(体重(kg) ÷ [身長(m)]²)の計算をしてみましょう。BMI24.5以上は肥満傾向になりますので、体重を測るように心がけましょう。

血中脂質の上昇

ラーメンスープや背脂には、豚骨や鶏がらをベースにしているため、動物性脂質が多く含まれています。動物性脂肪の摂取過多は、血中のLDLコレステロールを増加させ、動脈硬化のリスクを高めます。
一般的なラーメンスープは約100〜200kcalです。家系ラーメンのスープは約90〜360kcalです。スープを飲み干すことで、カロリーや脂質が増加するため、スープを残すことや、脂の量を調整することをお勧めします。
また、トッピングのチャーシューやバターなども脂質を多く含むため、具材も野菜のトッピングに変更することで、脂質量を抑えることができます。

高血圧

脂質の高い食事、塩分の高い食事は血圧の上昇をまねき、高血圧の原因となります。
消費者庁の調べによりますと、普段よく食べる塩分の多い食品ではラーメンが上位にランクインされており、ラーメンからの食塩摂取量は5.4〜5.5gです。国民健康・栄養調査では日本人は依然としてとりすぎの傾向にあり、男性で10.8g、女性で9.2gという結果が出ています。日本人の食事摂取基準2025年版では18歳以上の食塩摂取量の目標値は男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満と設定されています。塩分を減らすポイントとしては、脂質やカロリー同様にスープを残すことで、摂取量を減らすことができます。スープの種類にもよりますが、半分に減らすことで塩分摂取量を約2g減らすことができます。

ラーメンに含まれる栄養素

ラーメンに含まれる栄養素

炭水化物

ラーメンに含まれる炭水化物でもふれましたが、中華麺には約50〜60gの炭水化物が含まれています。

脂質

脂質は、麺にも含まれていますが、スープにも多く含まれています。脂をトッピングすることで、さらに増えます。

タンパク質

炭水化物や脂質ほどではありませんが、麺やスープにたんぱく質が多少含まれています。一般的なラーメンには、約15〜20gのタンパク質が含まれています。

ラーメンのカロリーを抑えて健康的に食べる方法

ラーメンのカロリーを抑えて健康的に食べる方法

麺の種類を変える

中華麺はカロリーが多いです。糸こんにゃくやこんにゃく麺で代用すると、カロリーがおよそ1/19、糖質は100gあたり0.1gとかなり抑えることができます。

たんぱく質をトッピングする

たんぱく質は筋肉の材料となります。たんぱく質豊富な煮卵をプラスして、具材を増やしましょう。チャーシューは脂質の多いものより、鶏むね肉で作った鶏ハムに変更すると脂質やカロリーが抑えられます。

食物繊維を増やす

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維には、血糖の上昇を抑える作用があります。血糖値の上昇を穏やかにすることで、肥満対策につながります。また、不溶性食物繊維は、よく噛んで食べることで、食べ過ぎを抑えることができます。
ほうれん草、きくらげ、わかめ、もやしなど、野菜の多いラーメンやトッピングを注文してみてはいかがでしょうか。

ラーメンを食べる際の注意点

ラーメンを食べる際の注意点

遅い時間に食べない

ラーメンは脂質や糖質が多く、カロリーも高いため、食べる時間にも注意が必要です。体内では、BMAL1(ビーマルワン)という脂肪合成に関わるたんぱく質の働きが、夜間から深夜にかけて高まることが知られています。そのため、夜遅くにラーメンを食べると、摂取したエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなり、肥満のリスクを高めます。できるだけ日中に食べることをおすすめします。

スープは飲み干さない

ラーメンスープには、脂質や塩分が多く含まれています。スープを飲み干すのは控えて、少量にとどめるように心がけましょう。

追い飯・替え玉は控える

糖質を多く含む「追い飯」「替え玉」は糖質やカロリー過多の原因になります。摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように注意しましょう。麺類はのど越しがよく、あまり噛まずに食べてしまいがちです。早食いは満腹感を感じにくく、食べ過ぎてしまう原因になります。よく噛んで、ゆっくり食べるように意識しましょう。

「ラーメンの炭水化物量」についてよくある質問

「ラーメンの炭水化物量」についてよくある質問

ここまでラーメンの炭水化物量などを紹介しました。ここでは「ラーメンの炭水化物量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ラーメンと白米どちらが太りやすいですか?

神尾 澄恵神尾 澄恵

結論から申しますと、食べ方次第でかわると考えらえます。理由としましては、白米(炊き)100gは約168kcal。ラーメン(ゆで)100gは約150kcal。ラーメンは具材・スープも考慮すると約500〜700kcalになることが考えられます。食べ方では、白米はよく噛む必要があるため、満腹中枢を刺激しやすいです。一方ラーメンは早食いになりがちで、食べ過ぎる傾向がみられます。しかし、トッピングや、量を調整することで、カロリーも調整できて、よく噛むことにもなりますので、一概に断定することは難しいと感じます。

ラーメンで一番太りにくい味について教えてください。

神尾 澄恵神尾 澄恵

一般的なラーメンでは、塩ラーメンがあっさり系で脂質も控えめのため、カロリーが低く、同じ量、同じトッピングなら太りにくいといえるのではないでしょうか。

まとめ

ラーメンと聞くと、炭水化物や脂質が多く含まれる食事ですが、それだけで健康によくないと決めつけてしまうのは、もったいないかもしれません。好きなものを食べるときは、心の健康にもつながります。「たまの楽しみ」として味わうことは、満足感を高めてくれます。野菜や海藻、卵、鶏肉などをトッピングすれば、食物繊維やたんぱく質、ビタミン類を補うことができます。スープを控えめにするだけでも、塩分や脂質の摂取量を調整できます。ラーメンを頻繁に食べる場合でも、ほかの食事で野菜やたんぱく質をしっかり摂ることで、食事のバランスを保つことができます。

「ラーメン」と関連する病気

「ラーメン」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

ラーメンと関連する病気

「ラーメン」と関連する症状

「ラーメン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 血圧が高い
  • 肥満
  • メタボリックシンドローム
  • LDLコレステロール上昇
  • 血中脂質上昇

この記事の監修管理栄養士