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「超加工食品は寿命を縮める」身近な食べ物の摂り過ぎによる恐ろしい“健康被害”

 公開日:2024/07/24

アメリカ国立がん研究所の研究グループは、「清涼飲料水、ポテトチップス、クッキーなどの超加工食品を多く食べる人の早死リスクは、10%以上高くなる可能性がある」と明らかにしました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

研究グループが発表した内容とは?

アメリカ国立がん研究所の研究グループが発表した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

アメリカ国立がん研究所の研究グループは、超加工食品の健康リスクについて調査しました。研究グループは、1995年に収集された50~71歳のアメリカ人54万1000人の食事データを分析しました。食事データとその後20~30年間の死亡率を関連づけたところ、「超加工食品の消費量が下位10%の人と比べて、最も過度に加工された食品を食べている人は、心臓病や糖尿病で死亡する可能性が高かった」とのことでした。超加工食品の多い食事に頼っている人は、バランスの良い食事を心がけている人と比べて、早く死亡する可能性が10%以上高くなりました。

研究グループは「加工の程度が高い肉や清涼飲料は、死亡リスクが最も高い超加工食品のグループに分類されることがわかった。疾病予防と健康増進のために、これらの食品をなるべく摂らない食事がすでに推奨されている」とコメントを発表しています。また、今回の研究結果の意義や課題については「私たちの研究結果は、超加工食品の摂取が健康と長寿に悪影響を及ぼすことを示す、観察と実験の両方による研究を含む数多くの文献を裏づけるものだ。しかし、超加工食品の何が潜在的な健康リスクをもたらすのかなど、わかっていないことがまだたくさんある」とコメントしています。

研究結果以外の超加工食品に関する健康リスク

超加工食品による健康リスクは、ほかにもあるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

今回の研究テーマとなった超加工食品は、砂糖、脂肪、塩分を多く含み、タンパク質や食物繊維が少ない食べ物ですが、ほかにも健康リスクに関する研究は多く実施されています。例えば、アメリカのハーバード大学らが発表した研究では、1日あたりの超加工食品の摂取量が上位20%のグループは、下位20%のグループと比べて、「うつ病」のリスクが49%高かったことを明らかにしています。超加工食品の内容別に検討すると、うつ病のリスク上昇と関連していたのは人工甘味料のみだったとのことです。また、同じくハーバード大学らの研究によると、超加工食品を多く摂取することで、記憶力や思考力の問題や脳卒中のリスクが高くなる可能性も示されています。

研究グループが発表した内容への受け止めは?

アメリカ国立がん研究所の研究グループによる発表への受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

本研究は、超加工食品が「長生き」と「健康」に悪影響があることを証明した大変有意義な研究であると考えられます。ただし、具体的に超加工食品のどの要素が最も健康リスクに影響を与えているかは不明です。また、「ミネラル」や「ビタミン」などが多く含まれている超加工食品もありますし、日常生活において一律に超加工食品を避けることは現実的ではありません。超加工食品の摂取量が多くなりすぎないように、バランスの良い食事を心がけていただければと思います。

まとめ

アメリカ国立がん研究所の研究グループは、「清涼飲料水、ポテトチップス、クッキーなどの超加工食品を多く食べる人の早死リスクは、10%以上高くなる可能性がある」と明らかにしました。超加工食品は日本でも身近に存在しているので、健康リスクをしっかりと認識することが重要です。

この記事の監修医師