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「コラーゲンの多い食べ物」はご存じですか?過剰摂取すると現れる症状も管理栄養士が解説!

 公開日:2025/10/06
「コラーゲンの多い食べ物」はご存じですか?過剰摂取すると現れる症状も管理栄養士が解説!

コラーゲンの多い食べ物とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

佐藤 直美

監修管理栄養士
佐藤 直美(管理栄養士)

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病院・老健・老人ホーム・障害者施設などで給食管理・調理・栄養管理・衛生管理などに携わってきました。
2015年管理栄養士免許取得。

「コラーゲン」とは?

「コラーゲン」とは?

コラーゲンは、皮膚や筋肉、内臓、血管、骨・関節、眼、髪などの組織に存在する繊維状のたんぱく質で、からだを構成する全たんぱく質の約30%を占めています。そのため、コラーゲンが不足してしまうと、人体に様々な影響が現れてきます。  コラーゲンは様々な構造で存在し、加熱により変性したものがゼラチン(変性コラーゲン)で、主にスープなどの食品から摂取しています。 ゼラチンは、肌のハリや弾力を保ち、保湿効果を高めることで乾燥を防ぎ、肌の老化を遅らせる効果が期待できます。また、関節の動きをスムーズにしたり、骨を丈夫にする効果も報告されています。さらに、睡眠の質を高めたり、消化を助ける効果もあるとされています。  サプリメントから利用しているものの多くは、コラーゲンの加水分解物(コラーゲンペプチド)です。ゼラチンを分解し、低分子化した高純度のたんぱく質で、低分子コラーゲンと記載されることが多いです。

コラーゲンの一日の摂取量

コラーゲンの一日の摂取量

日本や欧米の公的機関による摂取推奨量は定められていませんが、臨床試験では1日2.5〜10gのコラーゲンペプチドを継続摂取することで効果が見られた報告もあります。一方で、たんぱく質を構成するアミノ酸は20種あり、ヒトはそのうち、11種を他のアミノ酸または中間代謝物から合成することができます。それ以外の9種は食事から直接に摂取しなければならず、それらを不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)と呼びます。不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)は特に、筋肉の合成や修復、免疫機能の維持、神経伝達物質の生成など、様々な生命活動に関わる重要な役割を担っているため、食事から十分に摂取することが大切です。また、コラーゲンの合成やその他のアミノ酸代謝には、様々なビタミンやミネラルも必要なため、食事全体のバランスを意識していきましょう。

コラーゲンの効果

コラーゲンの効果

肌への効果

コラーゲンペプチドを継続的に摂取することで、肌の水分量や弾力性の改善が見られたという研究報告があります。これにより、乾燥やシワ、たるみの予防・軽減が期待されますが、作用には個人差があり、すべての人に同様の効果が得られるわけではありません。

毛髪への効果

毛髪自体はケラチンというたんぱく質からできていますが、頭皮の健康維持が毛髪の成長に関係すると考えられています。コラーゲンペプチドの摂取により、頭皮の血行や保湿状態の改善が報告されており、結果として髪のハリやコシの維持に寄与する可能性があります。

爪への効果

一部の研究では、コラーゲンペプチドを摂取することで爪の割れやすさが軽減される可能性が示されています。これは爪の水分保持や弾力性の改善に関与するためと考えられますが、科学的な知見は限定的であり、さらなる研究が求められます。

骨への効果

骨はカルシウムやリンに加えて、コラーゲンを主成分とする有機基質を含んでいます。近年の研究では、コラーゲンペプチドの摂取が骨密度の維持や骨代謝マーカーの改善に有用である可能性が指摘されています。ただし、カルシウム、ビタミンD、運動習慣などの他要因とあわせた生活全体の見直しが重要です。

全身・血管への効果

コラーゲンは血管や内臓の構造維持にも関わる重要なたんぱく質です。血管壁を構成する要素の一つとして、弾力や強度の維持に寄与しており、不足すると動脈硬化や血管の脆弱化に影響を及ぼす可能性があるとされています。なお、こうした影響はあくまで間接的であり、食事・生活習慣全体との関連で考慮する必要があります。

コラーゲンの多い食品

コラーゲンの多い食品

牛すじ

コラーゲンが非常に豊富で、煮物やスープによく使われます。

鶏皮

あっさりと食べたい場合は、さっと茹でてポン酢をかけるだけでも美味しいです。 鶏皮を焼くと油が出るので、その油で焼くとパリッとした歯ごたえの鶏皮せんべいができます。油で揚げるよりもヘルシーに仕上がり、サラダのトッピングとしてもおすすめです。

鶏の手羽

手羽元・手羽先いずれも調理法が多く、煮ても焼いても美味しく食べられます。 スープにすると、コラーゲン以外の栄養素もスープの中に溶け込みます。

フカヒレ

サメのヒレで、コラーゲンが非常に豊富で、姿煮やスープ、あんかけなどによく使われます。

ゼラチン

ゼリー、ババロア、グミなどのお菓子類によく使われます。 ゼラチンには匂いや味がなく、ハム・ソーセージ・スープなどの加工食品にも利用されています。ジュレやテリーヌなど、おしゃれなお料理にも使われています。

コラーゲンが不足すると現れる症状

コラーゲンが不足すると現れる症状

肌の弾力低下

肌の弾力が保てず、シワやたるみ、乾燥、肌のハリ低下、毛穴の開きなどの症状が現れます。 肌のハリやツヤの源となっているコラーゲンを増やすには、バランスのとれた食事、特にビタミンCと鉄分を意識した摂取が重要です。症状が悪化した場合、皮膚科または美容皮膚科を受診するとよいでしょう。肌の弾力低下は、適切なケアや治療で改善が期待できるので、早めに医療機関を受診し、専門医のアドバイスを受けることが大切です。

骨・関節

関節炎や関節の痛みの原因となる他、骨粗鬆症のリスクを高めたり、骨折しやすくなる可能性があります。 骨の主成分の1つであるたんぱく質と一緒に、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなども積極的に摂取することが大切です。症状が悪化した場合、整形外科、内科、婦人科を受診すると良いでしょう。特に整形外科は骨折治療の専門家であるため、骨粗鬆症の治療経験も豊富です。

眼精疲労

コラーゲンは、眼球の硝子体や角膜、強膜などの構造を支える成分のひとつとして存在しています。しかし、コラーゲンの不足が直接的に眼精疲労や老眼、動脈硬化を引き起こすという明確な科学的根拠は現時点では確認されていません。ただし、目の健康を保つためには、栄養バランスの取れた食事や十分な休息が重要です。

コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状

コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状

消化器系の負担

消化不良による便秘や下痢を引き起こす可能性があります。すぐにできる処置、症状の落ち着かせ方として、まず胃腸を休ませ、消化の良い食事を心がけることが大切です。症状が悪化した場合、消化器内科を受診すると良いでしょう。 消化不良が繰り返される場合は、病気が隠れている可能性もあるため、早めに受診することが望ましいです。

肌トラブル

コラーゲンを多く含む食品は脂質も多い場合があり、過剰な摂取はニキビなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。脂質の多い食品・糖分の多い食品を少し控え、バランスのとれた食事を心がけましょう。症状が悪化した場合、皮膚科や美容皮膚科を受診するとよいでしょう。

食物アレルギー反応

魚由来のコラーゲンはアレルギー反応を引き起こすことがあります。症状としては、かゆみ、じんましん、呼吸困難などが考えられます。すぐにできる処置として、口をすすぎ、手や顔を洗うなどして、アレルゲンを洗い流すようにしましょう。アレルギー反応がある場合、皮膚科や内科を受診しましょう。小児の場合は、小児科のアレルギー専門医に相談してください。アナフィラキシーショックが疑われる場合、アドレナリン自己注射薬(エピペンなど)を使用し、速やかに救急車を要請する必要があります。医療機関での迅速な治療が必要です。

コラーゲンの効率的な摂取方法

コラーゲンの効率的な摂取方法

コラーゲンと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

コラーゲンの合成を効率的に行うためには、ビタミンCや鉄などの栄養素を一緒に摂ることが重要です。 ビタミンCは、コラーゲンを構成するアミノ酸(プロリンやリジン)を水酸化する反応に必要な補酵素として働き、安定したコラーゲンの生成に欠かせません。 鉄は、この水酸化反応を行う酵素(プロリルヒドロキシラーゼやリシルヒドロキシラーゼ)に必要な補因子として機能します。また、バランスの良い食事を心がけることで、コラーゲン合成に必要な他の栄養素(亜鉛、銅、ビタミンB群など)も補うことができます。さらに、就寝前にコラーゲンを摂取することで、睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きにより、より効果的なコラーゲン生成が期待できるとされています。

コラーゲンと一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品

糖質の摂りすぎによって、コラーゲンなどのたんぱく質が糖と結びつき、終末糖化産物(AGEs)として蓄積されることがあります。これにより、肌のくすみやシワなどの老化現象が進行するとされています。

コラーゲンの効果を高める摂取タイミング

コラーゲンの効果を高める摂取時間帯は、就寝1時間〜1時間半前がおすすめです。睡眠中に成長ホルモンが分泌され、コラーゲンの生成を促すためです。ただし、夜に脂質や糖質が多いものを摂取すると太りやすくなるため、コラーゲンドリンクを選ぶ際は注意が必要です。

「コラーゲンの食べ物」についてよくある質問

「コラーゲンの食べ物」についてよくある質問

ここまでコラーゲンの食べ物などを紹介しました。ここでは「コラーゲンの食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

コラーゲンを手軽に摂取する方法はありますか?

佐藤 直美佐藤 直美

コラーゲンを手軽に摂取する方法として、コラーゲンペプチドを多く含むサプリメントやドリンク、またはコラーゲンを多く含む食品を食事に取り入れるのがおすすめです。

まとめ

コラーゲンは、肌だけでなく、骨や血管、関節など身体の様々な組織に存在しています。肌の弾力やハリを保つ、関節をスムーズに動かす、骨を強くする、血管のしなやかさを保つ、目の硝子体を保つ働きなど、コラーゲンの働きには様々あり、人間にとって大切な成分となっています。体内のコラーゲン量は年齢と共に減少すると言われているため、健康的な身体づくりのためにも意識して摂取することをおすすめします。食事やサプリメントで摂取することができますが、過剰摂取は副作用を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。コラーゲンの合成にはアミノ酸、ビタミンC、鉄分が不可欠で、これらをバランスよく摂取することが重要です。

「コラーゲン」と関連する病気

「コラーゲン」と関連する病気は8個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

婦人科の病気

「コラーゲン」と関連する症状

「コラーゲン」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肌のたるみ
  • シワ
  • 乾燥肌
  • 肌荒れ
  • 関節痛
  • 変形性関節症
  • 骨粗鬆症
  • 難聴
  • 小顎症
コラーゲンは、身体の様々な組織に存在するたんぱく質の一種のため、関連する症状は様々な部位に現れます。

この記事の監修管理栄養士