【動画付き】ケミカルピーリングの効果やアフターケアを医師が解説

田宮先生

ケミカルピーリングは、化学薬品によってお肌のターンオーバーを促進する治療方法です。ニキビ治療に用いると、自然に毛穴から角栓や膿を出やすくする働きが望めます。また、皮膚表面の殺菌効果も期待できます。殺菌によってお肌にとって好ましい「常在菌」の環境が整い、トラブルの起こりにくい肌になります。

田宮先生

そうかもしれませんね。ケミカルピーリングの主な目的は、「毛穴汚れの分解」、「良い常在菌の繁殖」、「古い角質を除去し、新しい角質が上がってきやすくなること」の3つでしょうか。

田宮先生

ケミカルピーリングだけでは効果が弱く、別の治療方法を推奨します。お肌の構造は、表面に0.2mmほどの“表皮”があって、その下に5mmほどの“真皮”が存在しています。ケミカルピーリングが有効なのは、主に表皮に対してです。「赤ニキビ」は、奥の真皮が炎症して色素沈着を起こしている状態です。一種のシミともいえるので、むしろシミの治療が有効でしょう。

田宮先生

へこんでいるということは、下の層である真皮の「コラーゲン」が少なくなっているということです。そのコラーゲンを“生成しやすくする”か、“新たに補充する”治療が必要ですね。お肌のへこみをコラーゲンで盛り上げるイメージです。

田宮先生

やはり、紫外線ケアが大事ですね。お肌の角質は有害な紫外線をブロックしています。ケミカルピーリングにより、その角質をはがしているわけですから、日焼け止めクリームの塗布に努めましょう。加えて、保湿もしていただきたいです。

田宮先生

まずは、今までお使いの市販品で様子を見ましょう。ただし、お肌が荒れてきたら使用を中止し、ケミカルピーリングを受けた医療機関へご相談ください。また、UVケアクリームは、重ね塗りを繰り返すだけでなく、帰宅後にしっかりクレンジングで落としきる必要があります。普段は平気でも、ケミカルピーリング後のお肌に悪影響を与える成分が含まれているかもしれません。

田宮先生

難しいですよね。好ましくない結果が進んでいるにもかかわらず、「ケミカルピーリングが順調に進んでいる」と誤認しないためにも、遠慮なくクリニックへお問い合わせください。とくに“赤み”が出た場合は要注意です。炎症などの影響なのか、血行がよくなって赤くなっているのか、慎重に見極める必要があります。

田宮先生

担当医師の技術にもよりますが、「通いやすい医療機関」を推奨します。ケミカルピーリング後は、できれば紫外線などの余計な刺激に出会わないまま、ご自宅へお戻りいただきたいです。なお、当院の立地は紫外線の影響を考慮し、「地下鉄利用可で駅直結」という環境になっています。

田宮先生

はい。大きく3つの治療方法があります。1点目は、レーザーやお薬などで意図的に与えたダメージにより、真皮の修復機能を活性化する方法です。2点目は、再生治療などにより、ダメージなしに真皮の修復機能を回復させる方法。3点目は、自己細胞の働きと無関係に、直接、コラーゲンを注入する方法です。ただし、最後の方法は、「傷が残ったまま盛り上がる」場合もあり、適応を問われますね。

田宮先生

炎症性の赤ニキビに対しては、殺菌効果があるため有効だと思います。「白ニキビ」がまだまだあって、あくまで治療の順番として「最初にケミカルピーリング」なのであれば、あり得る話です。また、ケミカルピーリングの種類によっては、コラーゲンの生成に寄与するものもあります。

田宮先生

日本皮膚科学会では、「治療中の病気がある人や妊娠中、授乳中の人、傷跡が残りやすい人」へのケミカルピーリングを注意喚起しています。なお、「ニキビを治して、屋外でスポーツやレジャーなどを楽しみたい」という人もいらっしゃいます。紫外線が懸念されるものの、人それぞれのお考えですから、そこまでは踏み込みません。紫外線ケアをしっかりしてください。

田宮先生

保険診療を否定はしないものの、きれいに治したかったら、やはり自費診療が効果的なのではないでしょうか。とくに審美に関しては、カウンセリングやご説明に時間を割きたい分野です。保険診療の限られた治療費の中では、十分な時間を充てられません。ぜひ、専門性に特化したクリニックの受診をご検討ください。