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「炭水化物をとりすぎると現れる5つの症状」はご存知ですか?管理栄養士が解説!

 更新日:2025/09/19
「炭水化物をとりすぎると現れる5つの症状」はご存知ですか?管理栄養士が解説!

炭水化物を取りすぎるとどうなる?Medical DOC監修医が炭水化物を過剰取りすぎると現れる・不足すると現れる症状・一日の摂取量・効果・多く含む食品・コントロールする方法などを解説します。

寺下 博美

監修管理栄養士
寺下 博美(管理栄養士)

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高齢者の方の日々の食事を、美味しく、楽しんで召し上がっていただける様、栄養管理、栄養相談に従事しています。
東京糖尿病療養指導士、食事アレルギー分野管理栄養士、フレイルサポート栄養士、東京JDA-DATスタッフ、終末期ケア専門士、フードコーディネーター

「炭水化物」とは?

「炭水化物」とは?

炭水化物は体の主要なエネルギー源であり、消化・分解されてブドウ糖となり、血液を通じて全身に運ばれます。特に脳や神経系、赤血球などはブドウ糖を主要なエネルギー源として利用します。

炭水化物の一日の摂取量

炭水化物の一日の摂取量

炭水化物の摂取量は、総エネルギー摂取量の50~65%が推奨されています。(例:1日の必要エネルギーが2000kcalなら、炭水化物は2000kcal中1000~1300kcal分になりますので、約250~325gとなります。)

炭水化物の効果

炭水化物の効果

エネルギー源

炭水化物は、1gあたり4kcalのエネルギーを供給する、体の主要なエネルギー源です。特に脳や神経系、筋肉の動きにはブドウ糖が必要不可欠です。炭水化物が不足すると、一時的に集中力が低下したり、ぼんやりすることがあります。

疲労回復

運動後や活動後に炭水化物を摂取すると、消費したグリコーゲン(筋肉や肝臓に蓄えられるエネルギー)が補充され、疲労回復しやすくなります。

炭水化物を過剰摂取すると現れる症状

炭水化物を過剰摂取すると現れる症状

脂肪としての蓄積

余ったブドウ糖は肝臓や筋肉に「グリコーゲン」として蓄えられますが、それでも余ると中性脂肪に変換され、脂肪として蓄積されます。運動と組み合わせる、タンパク質や脂質と一緒に適量を摂取するなど、種類と摂取量を意識することで、脂肪の蓄積を防ぐことができます。

肥満

ご飯やパン、麺類などの主食を過剰に摂取すると肥満のリスクが高まります。たまに食べ過ぎる程度なら問題ありませんが、頻繁に炭水化物を摂りすぎる習慣があると、糖尿病や肥満のリスクが上がるので注意が必要です。

消化不良

炭水化物を過剰に摂取すると、胃腸に負担がかかります。激しい腹痛や膨満感、ひどい下痢や嘔吐が続くことがあります。消化不良が続く場合は、消化器内科の受診をお勧めします。

急激な体重増加やむくみ

炭水化物は水分を溜め込む性質があり、短期間で体重が増えたり、浮腫が現れることがあります。体重の急増やむくみが見られる場合は、他の代謝異常の可能性もあるため、医療機関への相談が必要です。

極端な高血糖状態

炭水化物の過剰摂取が続き、高血糖状態が長引くと、糖尿病のリスクが高まります。異常な喉の渇き、頻尿、極度の倦怠感、視界がぼやける、意識がぼんやりするなどの症状が現れた場合は、内科や糖尿病専門外来を受診することをお勧めします。

炭水化物が不足すると現れる症状

炭水化物が不足すると現れる症状

エネルギー不足

炭水化物は、脳と体の主なエネルギー源なので、不足するとすぐに影響が出ます。疲れやすい、だるさが続く、集中力の低下、頭がぼーっとする、めまいや立ちくらみ、眠くなるなどの症状が現れます。

筋力の低下

炭水化物が不足し、エネルギーが欠乏すると、体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとするため、筋力が低下し、筋肉が落ちやすくなる、運動しても力が出ない、筋肉痛が長引くなどの症状が現れます。

イライラや気分の落ち込み

炭水化物が不足すると、脳内のセロトニン(幸せホルモン)の分泌が減り、精神的に不安定になりやすくなります。

便秘や消化不良

炭水化物の中でも、食物繊維が豊富なもの(玄米、オートミール、野菜など)を取らないと、腸内環境が悪化しやすくなり、便秘になりやすい、お腹の張りが気になるなどの症状が現れます。

ケトン体増加による体調不良

極端に炭水化物を減らすと、体が脂肪を分解してケトン体と言う物質を作るようになります。この状態が続くと体調を崩す原因になります。口臭が強くなる(アセトン臭)、吐き気や頭痛がする、脱水症状が出るなどの症状が現れます。

炭水化物を多く含む食品

炭水化物を多く含む食品

穀物類

主食として食べられている白米やパンは炭水化物の主な供給源です。玄米や全粒粉パンは食物繊維も多く、食後の血糖値の上昇が緩やかにするため、お勧めです。

野菜や芋類

サツマイモやかぼちゃは甘みがあり、糖質が多めです。じゃがいもは炭水化物源として主食の代わりになります。

果物

果物は果糖を含むため、エネルギー補給に適しています。食物繊維が多いりんごやベリー類などの果物は、血糖値の急上昇を抑えるためお勧めです。

豆類

豆類は炭水化物だけでなく、タンパク質も豊富です。食物繊維も多いため、血糖値の急上昇を抑えます。

お菓子、飲料

砂糖を多く含む食品は、血糖値を急上昇させやすく、脂肪として蓄積しやすい食品です。白砂糖などの精製された炭水化物は血糖値を急激に上げやすいため注意が必要です。白米も精製食品ですが、主食として摂取する場合は量や組み合わせに気を配りましょう。

炭水化物の取りすぎをコントロールする方法

炭水化物の取りすぎをコントロールする方法

未精製の食品を選ぶ

玄米、全粒粉、パン、オートミールなどの未精製の炭水化物、食物繊維の多いものを選ぶようにしましょう。

組み合わせを意識する

野菜や豆類は食物繊維が豊富ですので、その他の炭水化物と組み合わせて摂取するようにしましょう。

お菓子や飲料は控えめに

糖質の多いお菓子や飲料は控えめにしましょう。健康的な食生活を意識するなら、炭水化物の質と量のバランスを考えることが大切です。

「炭水化物の取りすぎ」についてよくある質問

「炭水化物の取りすぎ」についてよくある質問

ここまで炭水化物の取りすぎを紹介しました。ここでは「炭水化物の取りすぎ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

炭水化物と脂質はどちらの方が太りやすいですか?

寺下 博美寺下 博美

炭水化物と脂質のどちらが太りやすいかは、摂取量や種類、生活習慣によって変わりますが、一般的には脂質の方が太りやすいといえます。それは脂質は1gあたり9kcalで、炭水化物1gあたり4kcalの約2.2倍のエネルギーを持つため、同じ量を摂取した場合に脂質の方がエネルギー過多になりやすいからです。また、体脂肪として蓄積される仕組みが違います。脂質の摂りすぎはそのまま体脂肪になり、炭水化物の摂りすぎは余剰分が脂肪になります。脂質は直接体脂肪になりやすく、燃焼されにくい性質があり、炭水化物は脂肪に変換されるのに、エネルギー消費が必要なため、すぐに太るわけではありません。

編集部まとめ

炭水化物は、糖質の代謝に関わるビタミンB1と一緒に摂るのがお勧めです。ビタミンB1が不足すると糖質代謝がスムーズに進まず、エネルギー産生効率が下がる可能性があります。例えば、白米より玄米、全粒粉パンやライ麦パン、雑穀を多く含んだパンなどを選ぶことにより、ビタミンB1や食物繊維も同時に取ることができ効率的です。また、食物繊維が豊富な野菜やキノコなどと一緒に摂ると、血糖値の上昇スピードが穏やかになるとされています。芋類は糖質がやや多めですが、ビタミンCや食物繊維も含まれるため、量に注意しながら適度に取り入れましょう。糖質を効果的に消費するには、ウェイトトレーニングなどの筋力トレーニングがお勧めです。

「炭水化物」と関連する病気

「炭水化物」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

炭水化物の摂りすぎで起こる病気

炭水化物が不足すると起こる病気

「炭水化物」と関連する症状

「炭水化物」と関連している、似ている症状は14個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 眠気、だるさ
  • 体重増加、浮腫
  • 胃腸の不調
  • めまい、ふらつき、冷や汗、動悸
  • 集中力の低下、ぼーっとする
  • 強い空腹感、手の震え
  • 疲れやすい、体が重い
  • 運動するとすぐにバテる
  • 筋肉が落ちやすい
  • 頭が締め付けられるような痛み
  • イライラしやすい
  • 仕事や勉強がはかどらない

この記事の監修管理栄養士