「カフェインの取りすぎによる症状」はご存知ですか?カフェイン中毒の初期症状も解説!

カフェインの取りすぎによる症状とは?Medical DOC監修医がカフェインの一日の摂取量・致死量・効果・考えられる病気・対処法などを解説します。

監修管理栄養士:
若尾 愛加(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「カフェイン」とは?

コーヒーや茶に含まれる苦み成分で、アルカロイド(メチルキサンチン類)の一種です。
カフェインの一日の摂取量

日本では明確な基準や摂取量の目安は示していません。ただ、海外における情報によると、悪影響を避けるための最大摂取量として、健康な成人は400mg/日以下(コーヒーマグカップ3杯程度)、妊婦300mg/日以下(コーヒーマグカップ2杯程度)、授乳中の女性200mg/日以下、健康な子供および青少年3mg/kg体重/日となっています。
カフェインの致死量

致死量とは一度に摂取した場合に死に至る量のことです。
個人差はありますが、一般的には5~10gとされています。
これはエナジードリンク(100mlあたり約32mg含有)の場合で150本以上、コーヒー(120mlあたり約80mg含有)なら約60杯以上に相当します。
カフェインの効果

眠気を覚ます
私たちが眠気を感じるのは、脳内で「アデノシン」という物質がアデノシン受容体に結合し、神経の活動を抑えるためです。 カフェインは、このアデノシン受容体に結合できる構造を持っており、アデノシンの代わりに受容体に結合してその働きを妨げます。
その結果、神経の活動が活発になり、眠気が抑えられて覚醒しやすくなるのです。
疲労軽減
運動機能調節と密接に関係しているアデノシン受容体をカフェインが遮断すると、運動能力が改善され、疲労感が軽減することがあります。
頭痛の軽減
頭痛は血管が拡張したときに起こります。カフェインには軽度の血圧上昇を引き起こす事があるため、それによって血管が収縮され、片頭痛などの緩和に役立つことがあります。
利尿作用
腎臓の尿細管でのナトリウム再吸収が抑制されることで、利尿作用が促進されます。
ダイエット効果
脂肪の代謝を促進し、基礎代謝を向上させることでダイエットのサポートになります。
カフェインを取りすぎると現れる症状

睡眠の質に影響
カフェインの効果としていわれている「眠気を覚ます」ことが、個人差はありますが、睡眠潜時の延長と睡眠時間の短縮につながってしまい、睡眠の質に悪影響を与えてしまう可能性があります。
疲労感の上昇
疲労感の軽減が期待できるカフェインですが、カフェイン摂取を中断するとかえって疲労感が増幅したりすることもあります。また、生理的防御反応の抑制により身体への負荷が増し、循環器系や筋骨格系に悪影響を及ぼす可能性があります。
めまい、不安、震え
カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されることにより、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震えなどが起こります。
下痢や吐き気、嘔吐
消化器官への刺激もあるため、下痢、吐き気、時には嘔吐を起こす可能性があります。
カフェインの取りすぎで考えられる病気・疾患

低カリウム血症
カフェインは利尿作用があるため、体内のカリウムが尿と一緒に体外に排出されすぎてしまうことがあります。
意識障害
カフェインが神経を鎮静させるアデノシンの作用を阻害することにより、神経を興奮状態とする働きがあります。大量のカフェイン摂取により、まれに妄想、幻覚、意識混濁といった深刻な中毒症状が現れることがあります。これは非常に高用量の場合に限られます。
慢性的な頭痛
カフェインの効果の一つとして、頭痛の軽減がありますが、過剰摂取すると血管収縮作用が大きくなります。よって、血流が悪くなり、カフェインが体外から抜けた時に血管が拡張して血流が増加します。頭痛は血管が拡張した時に起こる為、この時に頭痛が発生しやすくなります。
高血圧
カフェインは血管収縮を引き起こすことによって、末梢血流が低下し、収縮期血圧と拡張期血圧の上昇がみられます。カフェインは一時的に血圧を上昇させる可能性がありますが、長期的に高血圧を引き起こすかどうかには個人差があり、明確な因果関係は確立されていません。
胎児への影響
妊娠中は非妊娠時よりも血中カフェイン濃度が高い状態が続きます。胎盤を通じて、母体から胎児へのカフェインの影響が起こりやすく、低出生体重児や流産のリスクを高める可能性があるとされています。
カフェインを取りすぎてしまった際の対処法

カフェイン摂取の中止
カフェインを摂りすぎてしまった場合、一定期間カフェインの摂取を中止することで体内での解毒を促すことができます。
水分補給を積極的に行う
水による水分補給によって、血中のカフェイン濃度を緩和することができます。
またカフェインの利尿作用によって、体外へ水分が排出されやすくなっているので脱水予防にも水による水分補給を積極的に行いましょう。
消化の良い食事を摂る
カフェインの取りすぎによって、消化器官への刺激が起こり、下痢などを引き起こします。そのような場合は、胃や腸に負担がかからない消化の良い食事を摂ることで症状の緩和が期待できます。
医療機関を受診
カフェインの過剰摂取で呼吸困難や心拍異常、筋肉のけいれんなどが治まらない場合は直ちに医療機関を受診しましょう。
「カフェインの取りすぎによる症状」についてよくある質問

ここまでカフェインの取りすぎによる症状を紹介しました。ここでは「カフェインの取りすぎによる症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
カフェインを毎日摂取するのは体に良くないのでしょうか?
若尾 愛加
カフェインを毎日摂取しても問題はありません。カフェインは過剰に摂取しなければ、身体にとって良い効果を発揮することができます。明確な基準や摂取量は決められていませんが、健康に悪影響が出ないとされる上限量を目安に調整しましょう。
カフェイン中毒の初期症状について教えてください。
若尾 愛加
緊張や興奮、いらつき、不安などによる焦りや不眠などの精神症状や胸の痛み、めまい、嘔吐や下痢などの身体症状が見られます。
編集部まとめ
カフェインは、コーヒーや茶葉だけでなく市販のエナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水にも含まれています。そのような商品には食品添加物として表示に関するガイドラインに沿って、1本あたりのカフェイン量の表示がされています。また飲料だけでなく、カフェイン錠剤に含まれるカフェイン量にも注意が必要です。
身体にとって良い効果を発揮するカフェインは、手軽に取れる反面、過剰摂取にも簡単に陥ってしまいます。1日の摂取量が悪影響の最大摂取量を超えないよう、意識し、普段の生活を健康的に過ごせるよう活用していきましょう。
「カフェイン」と関連する病気
「カフェイン」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「カフェイン」と関連する症状
「カフェイン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 吐き気
- 震え
- 心拍数の増加
- 落ち着きがなくなる
- 焦燥感を感じる




