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「うつ病」のセルフチェックポイント8選! 予防法・注意すべき人について精神科医が解説

 更新日:2024/03/26
「うつ病」のセルフチェックポイント8選! 予防法・注意すべき人について精神科医が解説

うつ病」は誰でも発症する可能性がある病気ですが、予防できる病気であると専門家は言います。うつ病になりやすい人・なりにくい人には、それぞれどのような特徴はあるのでしょうか。また、うつ病と間違われやすいほかの病気もあるようです。今回は、うつ病の予防やセルフチェックの方法について精神科医の種市摂子先生に詳しく教えて頂きました。

種市 摂子

監修医師
種市 摂子(医師)

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Dr.Ridente株式会社代表取締役。筋トレ産業医・精神科医として医療に従事。“心と体を最強に”をモットーに、筋力増強・体力増強を通した能力開発を推進している。ストレングスファインダー認定コーチ・産業精神保健学会優秀賞受賞・TPEC優秀専門医。YouTube配信もおこなっている。

うつ病リスクのセルフチェックポイントは?

うつ病リスクのセルフチェックポイントは?

編集部編集部

うつ病は、誰でもなる可能性がある病気なのでしょうか?

種市 摂子先生種市先生

うつ病は誰にでも起こりうる可能性のある病気です。心の健康に関する一般的な問題であり、世界中の多くの人が経験しています。さまざまな要因によって引き起こされる可能性があり、性別や年齢、社会的地位に関係なく発症します。しかし、早期に発見し適切な治療を受ければ、多くの人が症状を改善し回復することができます。

編集部編集部

「うつ病のリスクがあるか」をセルフチェックする方法はありますか?

種市 摂子先生種市先生

  • 気分が沈んでいる、悲しい、無気力、または絶望的である
  • 以前楽しんでいた活動に対する興味や喜びがなくなる
  • 睡眠障害(過剰または不足)
  • 食欲の変化や体重の変動
  • 疲労感やエネルギーの低下
  • 価値がないと感じる、自己嫌悪
  • 集中困難や決断を下すのが難しい
  • 死にたいと思う

このような症状が2週間以上続いている場合、うつ病の可能性があります。その他、標準化された質問票「PHQ-9(Patient Health Questionnaire-9)」などのスクリーニングツールを用いて症状を評価することができ、自分の精神状態に関する質問に回答する形式になっています。

編集部編集部

うつ病と間違えられやすい病気にはどのようなものがありますか?

種市 摂子先生種市先生

まず、「不安症」が挙げられます。不安症は、不安や緊張、睡眠障害など、うつ病と似た症状を持つことがあり、うつ病を併発することもあります。また、「双極性障害(躁うつ病)」は、うつ状態と躁状態を繰り返す病気で、うつ状態のときにはうつ病と間違えられることがあります。さらに、「甲状腺機能低下症」も考えられます。この病気は、疲労感や気力の低下、体重増加など、うつ病と似た症状を引き起こすことがあります。その他、「貧血」や「睡眠時無呼吸症」「脳血管疾患」など、全く別の病気が隠れている場合もあります。

うつ病になりやすい人・なりにくい人の特徴を紹介

うつ病になりやすい人・なりにくい人の特徴を紹介

編集部編集部

うつ病になりやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか?

種市 摂子先生種市先生

うつ病の発症には、生物学的な体質が関与していると言われています。ストレスに対する耐性が影響しており、ストレスを感じやすい人は、うつ病になりやすいと考えられています。また、完璧主義や自己批判が強い人、ネガティブな思考傾向を持つ人も、うつ病になりやすい可能性があります。

編集部編集部

うつ病のリスクになり得る日常生活での習慣はありますか?

種市 摂子先生種市先生

はじめに、運動不足が挙げられます。1日に20分のウォーキングをすることでうつ病リスクを減らせるという研究もあり、うつ病と運動不足は密接な関係にあると考えられています。また、不規則な生活もうつ病のリスクになります。起床・就寝時間が不規則になり睡眠の質が低下すると、うつ病のリスクが高まるので注意しましょう。食事についても、栄養不足やジャンクフードの過剰摂取、アルコールの過度な摂取などがうつ病を引き起こすこともあります。さらには、社会的なつながりが少ない人や孤立もうつ病のリスクを高めます。人間は社会的な生き物であり、他人との関わりは心の健康に不可欠です。

編集部編集部

うつ病になりにくい人にはどのような特徴がありますか?

種市 摂子先生種市先生

うつ病になりにくい人は、困難な状況でもポジティブな面を見つける能力があり、誰かに相談したり視野を広げたりして、ストレスを前向きに捉え成長に繋げていく傾向があります。また、良好な社会的つながりを活かせる人は、うつ病のリスクが低いとされています。親しい友人や家族、同僚からの支援は、ストレスや困難を乗り越えるために役立ちます。ほかにも、定期的な運動や余暇活動をしている人もうつ病になりにくいとされています。

うつ病は予防できる? 日常生活でのアドバイスを精神科医に聞く

うつ病は予防できる? 日常生活でのアドバイスを精神科医に聞く

編集部編集部

うつ病は予防ができる病気ですか?

種市 摂子先生種市先生

可能です。規則正しい生活や睡眠、食事、運動、社会的なつながりやサポートを持つことなど、適切な予防方法を知っていることで防ぐことができます。

編集部編集部

うつ病は、どのような方法で予防できるのでしょうか?

種市 摂子先生種市先生

ストレス管理が大切です。長期間にわたる過度のストレスはうつ病になるリスクを高めることが知られているため、ストレスを効果的に軽減するためにリラクゼーション技法(瞑想、ヨガ、ディープブリージングなど)、適切な生活リズムの獲得やポジティブな考え方を身につけることが重要です。また、症状が出てから早いタイミングでカウンセリングやサポートグループなどを用いることで、うつ病の早期回復に繋がります。

編集部編集部

その他、予防方法として有効な方法はありますか? 日常生活でのアドバイスを教えてください。

種市 摂子先生種市先生

うつ病の予防には健康的なライフスタイルが重要で、バランスの取れた食事、定期的な運動や余暇活動、趣味活動、十分な睡眠が大切です。生活習慣病予防とも共通しており、体と心の両方に良い影響を与え、ストレスを低減させることがわかっています。また、仕事や日々の活動を通して、人との繋がり・成長の実感を持つことも大切です。成長することや何かを愛することは心の健康にとても大切と言えます。

編集部まとめ

うつ病は誰でもなる可能性がある病気ですが、適切な予防方法を知っていることで、防ぐことができると教えて頂きました。様々な生活習慣病の予防と同様に、食事や睡眠、運動といったすぐに始められる健康的なライフスタイルが重要とのことです。気になる症状がある方はセルフチェックをして頂き、本稿をきっかけにうつ病の早期発見・回復に役立てて頂けましたら幸いです。

この記事の監修医師