「コーヒーの効果」はご存知ですか?ブラックコーヒーやダイエット効果も解説!

コーヒーの効果とは?Medical DOC監修医がブラックコーヒー・ダイエット・カフェインレスの効果・食後や朝に摂取するとどんな効果があるか解説します。

監修管理栄養士:
前原 尚子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「コーヒー」とは?
コーヒーは、コーヒー豆と呼ばれるコーヒーノキの種子を焙煎して砕いた粉末から、湯または水で成分を抽出した飲料です。コーヒー中にはカフェインなどの興奮作用成分や薬理活性成分が含まれることから医学・薬学の面から研究の対象となっています。また、世界各国において、コーヒーを提供する場の喫茶店は、憩いの場として文化的な大きな役割を果たしています。
カフェインの一日の摂取量
日本ではカフェインの摂取量について明確な基準はありませんが、WHO(世界保健機関)などの国際機関の見解に基づき、以下が一般的な目安とされています。
18歳から65歳の成人 1日当たり400mg
(コーヒーカップ(150ml)3〜4程度)
妊婦 200mg
(コーヒーカップ(150ml)1〜2杯程度)
また、カフェインは既存添加物名簿に記載されており、厚生労働省により食品添加物として認められています。さらに、医薬品として使用されることもあり、さまざまな食品や飲料に含まれているため、知らずに過剰摂取してしまうリスクがあるため注意が必要です。
コーヒーの効果
集中力を高める
良く知られているカフェインの効果として覚醒作用があります。中枢神経を刺激することで、脳内のドーパミンやノルアドレナリンといった物質を放出させ、神経の興奮状態を高めます。
抗酸化作用
コーヒーには、ポリフェノールが多く含まれていることが知られています。このポリフェノールの代表はクロロゲン酸で、活性酸素の発生や働きを抑える抗酸化作用があります。活性酸素は増えすぎると体の健康な細胞が酸化(錆び)し、シミやシワの原因となったり、様々な疾患を引き起こすと考えられています。
脂肪を分解し吸収抑制効果
食事に含まれる脂肪の吸収を緩やかにする可能性があることが確認されています。ただし、脂肪の吸収抑制効果については、さらなる研究が進められています。
ブラックコーヒーの効果
代謝の促進
ブラックコーヒーに含まれるカフェインは、特に運動前に摂取すると、脂肪をエネルギー源として活用する効果があり、さらにカフェインは筋肉の収縮を助け、運動能力を向上させる働きがあります。
血糖値のコントロール
ブラックコーヒーに含まれるポリフェノールやクロロゲン酸は、血糖値の急激な上昇を抑制し、インスリンの効果をサポートし、血糖値をコントロールする効果があると考えられています。しかし、砂糖をたくさん入れてしまっては意味がないため、ブラックコーヒーで飲むのがおすすめです。
肝臓や心臓疾患の予防
ポリフェノールのクロロゲン酸には強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去することで細胞の酸化を防止します。それにより、心血管系の予防にも効果が期待できることが分かっています。また、脂肪肝への影響として、クロロゲン酸などの抗酸化物質が、肝臓の線維化を遮断する作用があり、肝硬変の悪化を防ぎ、肝がんの発生率を低減させることが国立がん研究センターの研究でも示唆されています。
コーヒーのダイエット効果
食欲の抑制
コーヒーに含まれているカフェインが、中枢神経系に影響を与え、食欲抑制に係るホルモンのバランスを変えることにより起こります。具体的には、カフェインが脳内の神経伝達物質であるアドレナリンの分泌を促し、ドーパミンといわれている「快感ホルモン」の活動が促進され、これが満腹感のシグナルとなります。
脂肪の燃焼
カフェインには交換神経を刺激し、心拍数を上げ、体温を上昇させる作用があります。体温が上がると基礎代謝が上がるため、エネルギー消費が活発化し、脂肪燃焼が促進されます。
運動を組み合わせる
ポリフェノールやクロロゲン酸はインスリン感受性を高める効果があり、糖質の消化・吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑え、脂肪をつきにくくする作用があるといわれています。また、適度な運動と組み合わせるとより多くのエネルギーを消費し、脂肪の分解も進むこともわかっています。運動の1時間前にコーヒーを飲んでおくことがポイントです。
カフェインレスコーヒーの効果
授乳中や妊娠中でもアロマ効果
一般的なコーヒーに比べてカフェインが非常に少ないコーヒーのことをカフェインレスコーヒーといいます。カフェインに敏感な人や、カフェイン制限の推奨をされている妊娠中や授乳中の方にとっては味方になります。しかし、コーヒーの苦味成分であるポリフェノールに含まれるタンニンは、鉄の吸収に影響を与えるとされています。カフェイン抜きのコーヒーにも、依然として含まれていますので、1日の飲む量や回数を決めるなどコントロールすることが必要です。
健康志向としての効果
カフェインレスコーヒーはカフェインの覚醒作用はありませんが、ポリフェノールの抗酸化作用など他の効果は期待できます。カフェインの摂取を控えたい方でも安心して楽しむことができます。
睡眠への影響が少ない
夕食後のリラックスタイムとしてコーヒーを楽しむこともありますが、カフェイン効果がピークになるのが1時間後、半減するのには3〜5時間後とされ、それが入眠の妨げになったり睡眠の質を下げる結果につながります。カフェインレスコーヒーの場合は、リラックス効果はそのままに、睡眠への影響が少ないといわれています。しかし、カフェイン耐性には個人差がありますので調整することが大切です。
食後に摂取するコーヒーの効果
食事の消化を助ける
食後のコーヒー摂取には、消化機能を促進する効果があり、カフェインには胃酸の分泌を促進し、食べ物の消化を助ける作用があります。さらに、クロロゲン酸という成分は、腸の動きを活発化させ、消化過程をスムーズにします。これらの作用により食後の不快感や重苦しさを軽減することができます。しかし、胃が敏感な方や、胃酸過多の症状がある方は、食後すぐの摂取は避ける方が良いでしょう。
血糖値の上昇を抑える
カフェインを摂取すると血糖値のバランスや脂肪を分解するコルチゾールが分泌されます。また、ポリフェノールのひとつであるクロロゲン酸にも、糖が血液中に吸収されるのを抑制する可能性があると考えられています。
リラックス効果
コーヒーのカフェインには、覚醒作用があり、食後の仕事などに影響しないために眠気覚ましとして飲むことも効果があります。また、文化として人との会話を楽しんだりリラックスすることで、やる気が起きたりすることも暮らしの中で健康を維持するためのコーヒー効果といえます。
バターコーヒーの効果
腸内環境の改善
バターコーヒーとは、温かいブラックコーヒーに「良質なバター」と「MCTオイル」を加えたものです。この「MCTオイル」に含まれる中鎖脂肪酸が腸の蠕動運動を促して便通を改善し、腸内環境を整える効果が期待されます。
認知機能向上
バターコーヒーのМCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸(MCT)は、体内への消化吸収が早く、「ケトン体」というエネルギー源に変換されやすくなります。脳のエネルギー源としてブドウ糖が必要ですが、このケトン体は素早く脳のエネルギー不足を解消することが、最近の研究などでも発表されています。
ダイエット効果
朝食の空腹時にバターコーヒーを飲み、昼と夕食は糖質を控えめにするダイエット法があります。血糖値上昇が抑制され、ケトン体効果により体内に蓄積された脂肪をエネルギーに変えるため体重減少が期待されます。しかし、喉が渇くことや、お腹がゆるくなりやすいなどの症状がでることがありますので、体調に合わせて調整することが大切です。
朝に摂取するコーヒーの効果
覚醒作用
カフェインは、脳内のアデノシン受容体をブロックし、覚醒感を高める効果があります。この作用により、スムーズな朝の目覚めがサポートされます。集中力や注意力も向上します。また、朝のコーヒーを飲む行動が、プラセボ効果となる研究も報告されています。
血行の促進
カフェインの交感神経刺激により、血管が拡張し、血行が改善されます。血行が良くなると、酸素や栄養素が全身に行き渡りやすくなり体が活発化します。
腸の動きを活性化
カフェインは腸の動きを活発化し、胃酸の分泌を促進します。そのはたらきにより、食欲が増進し、朝食をしっかり摂る意欲が高まります。しかし、コーヒーだけを摂取すると、下痢や、腹痛を引き起こすことがありますので注意が必要です。
コーヒーに蜂蜜を入れた場合の効果
疲労回復
はちみつにはビタミンB1やミネラルなど150種類以上の栄養素が含まれています。ビタミンB1は、疲労やストレスの緩和、ミネラルは、体の調子を整えるなどの働きがあります。また、蜂蜜は、消化吸収も良く、効率よくエネルギーを吸収できます。
風邪予防
風邪は、免疫力が低下することで引き起こされます。蜂蜜には、免疫力を高めるために必要なビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富といわれています。しかし、基本的には、バランスの良い食事や適度な運動、質の良い睡眠などを心掛けることが大切です。
喉の痛みや咳を抑える
蜂蜜には、保水力と殺菌力があり、炎症や腫れなどが起きた喉の粘膜を、保護するはたらきがあるといわれています。また、コーヒーに含まれるカフェインなどの成分にも、喉の粘膜の炎症を鎮める抗炎症作用や気管支を、拡張させる作用があるとされ、一緒に摂取することでより効果が期待されます。
「コーヒーの効果」についてよくある質問
ここまでコーヒーの効果を紹介しました。ここでは「コーヒーの効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
コーヒーの摂取量は一日何杯までにした方がいいですか?
前原 尚子
日本ではカフェインの摂取量についてはカフェイン耐性に個人差が大きいことなどから、明確な基準はありませんが、WHO(世界保健機構)などの国際機関や各国の見解を元に情報が提供されており、カップ(150ml)を1日3〜4杯が適量とされています。妊婦や授乳中の女性の場合は、1日1〜2杯程度に抑える事が推奨されています。
コーヒーを多量に摂取すると、体にどんな影響を及ぼしますか?
前原 尚子
コーヒーを過剰に摂取すると、カフェイン作用により中枢神経が過剰に刺激され、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が引き起こされます。長期的な過剰摂取の影響として、高血圧リスクが高くなることや、妊婦においては貧血を引き起こし、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。
編集部まとめ
コーヒーの効果とは、目覚めを良くし香りによるリラックス効果をはじめ、中枢神経の刺激による血行の促進、脂肪燃焼作用によるダイエット効果、ポリフェノールの抗酸化作用により生活習慣病発症抑制効果と、様々な効果があることがわかりました。また、バターや蜂蜜などの食品と一緒に摂取することで、健康や美容にさらに良い効果が発揮されます。
コーヒーは覚醒作用や抗酸化作用、ダイエットサポートなどさまざまな効果が期待できますが、日々のバランスの良い食事や適度な運動が基本です。コーヒーを適量取り入れ、健康的な生活をサポートしていきましょう。
「コーヒー」と関連する病気
「コーヒー」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
婦人科の病気
「コーヒー」と関連する症状
「コーヒー」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
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関連する症状
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