「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」?過剰摂取すると現れる症状ついても解説!

亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる?Medical DOC監修医が亜鉛の効果・過剰摂取すると現れる症状・亜鉛サプリの選び方・服用する際の注意点・服用に向いている人などを解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「亜鉛」とは?

亜鉛の一日の摂取量

成人男性
18~29歳:9.0mg/日
30~64歳:9.5mg/日
成人女性
18~29歳:7.5mg/日
30~64歳:8.0mg/日
*妊婦(中期)の付加量:+2.0mg
*授乳婦の付加量:+3.0mg
また、亜鉛は耐容上限量も定められています。
成人男性
18~29歳:40mg、30~64歳:45mg
成人女性
18~64歳:35mg
亜鉛の効果

【男性】生殖機能の改善
亜鉛は男性の前立腺や精子に多く含まれ、精子形成に必須とされています。特に男性ホルモンである「テストステロン」の合成と分泌に関与し、精子の数や運動性、形態の維持にも重要な役割を果たします。亜鉛は精子の質においてもその働きが重要であると考えられています。【女性】ホルモンバランスのサポート
亜鉛は、細胞の新陳代謝や酵素の働きをサポートするミネラルであり、体内のさまざまな生理機能に関与しています。不足するとホルモンバランスが乱れる可能性があり、一部の研究では亜鉛がホルモンのバランス維持に関与する可能性が示唆されています。ただし、亜鉛を摂取することで生理周期の乱れや生理痛が直接的に改善されるという確固たる証拠は限られています。また、抗酸化作用や免疫機能の維持を通じて、女性の健康をサポートする可能性はありますが、更年期症状(ホットフラッシュやイライラなど)の軽減に明確な効果があるとは言えません。亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる?

銅の吸収障害
亜鉛サプリを長期的に摂取していると、銅の吸収が妨げられ、銅不足が起こることがあります。これにより貧血や免疫力低下が生じる可能性があるため、バランスよく摂取することが重要です。胃腸への負担
亜鉛サプリは、空腹時に摂取すると胃に刺激を与え、胃痛や胸やけ、吐き気などの症状を引き起こすことがあります。食事と一緒に摂取することで、これらの不快感を軽減することができます。免疫機能の低下
適量の亜鉛は免疫機能をサポートしますが、長期間の過剰な摂取は免疫機能を逆に抑制する可能性があります。免疫機能の働きが低下すると、病気にかかりやすくなる可能性があり注意が必要です。亜鉛を過剰摂取すると現れる症状

胃腸症状
亜鉛を過剰に摂取すると、胃が刺激され、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などが起こることがあります。亜鉛サプリを服用している場合、まずは服用を中止することが大切です。嘔吐、下痢がある場合は脱水症状を防ぐために水分補給が有効です。特に、スポーツドリンクや電解質飲料がおすすめです。内科を受診するのが一般的です。神経系への影響
長期間の過剰摂取は、神経系に悪影響を与えることがあります。神経障害や感覚異常が現れることがあり、例えば手足のしびれや、歩行の不安定さなどの症状が出ることがあります。内科もしくは神経内科を受診すると良いでしょう。銅不足による症状
亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を妨げることがあります。これにより、銅不足が引き起こされ、貧血や免疫機能の低下などの症状が現れることがあります。銅不足による貧血や免疫系の問題が疑われる場合は、血液内科を受診することも検討します。血液検査を通じて、貧血や銅不足の診断が行えます。味覚異常
過剰な亜鉛摂取は味覚に異常を引き起こすことがあります。亜鉛は味覚に影響を与えることがあり、特に過剰摂取によって「金属的な味」や、味覚の鈍化が感じられることがあります。内科、神経内科、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。亜鉛が不足すると現れる症状

味覚障害
亜鉛は味蕾細胞の新陳代謝に関与し、不足すると味覚が鈍くなります。牡蠣や牛肉、レバー、大豆製品、ナッツ類など、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取することをおすすめします。食事だけでは補いきれない場合は、医師に相談して亜鉛サプリメントを検討してください。味覚に異常を感じた場合は耳鼻咽喉科を受診し、いつから異常を感じたか、どの味が感じにくいかをメモしておくと診察がスムーズです。免疫力の低下
亜鉛は免疫機能維持に重要で、不足すると風邪や感染症にかかりやすく、傷の治りが遅くなることがあります。バランスの取れた食事を心がけ、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取し、偏食や過度なダイエットは避けた方が良いでしょう。頻繁に感染症にかかる、または傷の治りが遅い場合は内科を受診し、病歴や食生活、服用中の薬剤を医師に伝えることで、適切なアドバイスや治療が受けられます。皮膚や髪のトラブル
亜鉛不足は皮膚炎、口内炎、脱毛症、褥瘡などの皮膚や毛髪の問題を引き起こします。亜鉛を多く含む食品の摂取に加え、清潔を保ち、保湿を心がけてください。ストレス軽減や十分な睡眠も重要です。脱毛が主な症状の場合は、皮膚科や専門の脱毛外来が適しています。成長や発育の遅れ(特に子ども)
亜鉛は成長に必要な栄養素で、不足すると身長や体重の増加が遅れることがあります。特に乳幼児や小児では発育障害が現れることがあります。成長に関する診断やアドバイスを受けるために、小児科を受診し、成長曲線のデータや食事内容、家族の成長歴を持参すると診断の参考になります。亜鉛サプリの選び方

含有量を確認する
亜鉛サプリメントを選ぶ際には、まずその含有量を確認することが重要です。適切な摂取量は、性別、年齢、体調によって異なります。 食事摂取基準における推奨量を参考に、サプリメントの含有量を選ぶとよいでしょう。体質や生活に合ったものを選ぶ
亜鉛サプリは、体質や生活習慣に合ったものを選ぶことが重要です。少量から始めて、体に合うか確認しましょう。ベジタリアンやビーガンの方は、植物性食品に含まれるフィチン酸が亜鉛吸収を妨げるため、吸収率の高い形態のサプリメントを選ぶことが推奨されます。続けやすい形状を選ぶ
サプリメントには錠剤、カプセル、粉末、リキッドなどがあり、錠剤やカプセルは持ち運びに便利で摂取が簡単です。飲み込みにくい方や吸収を早めたい方には、粉末やリキッドタイプが適しており、水やジュースに混ぜて摂取できます。試供品を試して、自分に合った形状を見つけると良いでしょう。亜鉛サプリを服用する際の注意点

過剰摂取に注意
亜鉛サプリを服用する際は、過剰摂取に注意が必要です。推奨摂取量を守らず過剰に摂取すると、亜鉛中毒を引き起こし、吐き気や腹痛、下痢などの症状が現れます。また、銅の吸収を妨げ、免疫力低下や貧血を招くこともあります。食事からの亜鉛摂取が不足している場合のみサプリを利用し、必要に応じて医師に相談すると良いでしょう。食事とのバランスを考える
亜鉛サプリは食事と一緒に摂取することが推奨されます。空腹時に摂取すると胃に刺激を与え、消化不良を引き起こすことがあるため、食後に摂ることをおすすめします。他のサプリメントとの相互作用に注意
亜鉛は、鉄分やカルシウム、銅、マグネシウムといった他のミネラルと相互作用を持つことがあります。特に鉄分やカルシウムとの摂取を一度に行うと、亜鉛の吸収が妨げられることがあるため、それぞれのサプリメントの服用時間をずらすことが推奨されます。亜鉛サプリの服用に向いている人

亜鉛不足が疑われる人
食事から十分な亜鉛を摂取できていない場合、亜鉛サプリメントを補うことが有効です。特に、亜鉛が多く含まれる食品(肉や魚、ナッツなど)をあまり食べないベジタリアンやビーガンの方に向いています。妊活中の女性
妊娠を希望する女性にとって、亜鉛は生殖機能の向上や胎児の発育に重要です。亜鉛の不足が生理不順や不妊の原因になることもあるため、補うことが助けになります。高齢者
高齢者は食事からの栄養摂取が減ることが多く、亜鉛不足に陥りやすいです。免疫力や筋力維持、褥瘡の予防をするためにも、亜鉛サプリの摂取が推奨されることがあります。「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」についてよくある質問

ここまで亜鉛サプリを毎日飲むとどうなるかについて紹介しました。ここでは「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
亜鉛サプリは朝と夜、どちらで飲むと効果的ですか?
都々地尾 ゆき
亜鉛サプリは、基本的に食後に摂ることが推奨されています。朝でも夜でも、食事と一緒に摂取することで、吸収がスムーズに行われます。また、他のサプリメント(特にカルシウムや鉄分)と一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が阻害されることがあるため、これらとは時間をずらして摂るのがベターです。
亜鉛サプリの服用で髪の毛は増えるのでしょうか?
都々地尾 ゆき
亜鉛サプリが髪の毛に与える影響については、一定の研究結果が示唆されていますが、個人差があります。亜鉛不足の場合、サプリで髪の成長をサポートできる可能性がありますが、脱毛の原因によって結果は異なります。亜鉛サプリを使う際は、過剰摂取を避け、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。髪の健康が気になる場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。
編集部まとめ
亜鉛は免疫力向上や美容、ホルモンバランスの調整に重要な栄養素ですが、通常の食事では不足しやすく、亜鉛を多く含む食品を食事に取り入れることが大切です。しかし、食事だけで十分な亜鉛を摂取できない場合は、医師に相談の上、サプリメントの使用を検討することもあります。亜鉛欠乏症は多岐にわたる症状を引き起こしますが、早期の対策と適切な医療機関の受診により、改善が期待できます。日頃からバランスの良い食事を心がけ、体調の変化に注意を払うことが大切です。「亜鉛」と関連する病気
「亜鉛」と関連する病気は15個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。小児科の病気
- 成長障害
- 免疫不全
耳鼻咽喉科の病気
皮膚科の病気
- 皮膚炎
- 脱毛症
血液内科の病気
- 銅欠乏症
精神科・心療内科の病気
- うつ症状・精神的不調




