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「カカオポリフェノールには何の効果」がある?過剰摂取すると現れる症状も解説!

 公開日:2025/12/24
「カカオポリフェノールには何の効果」がある?過剰摂取すると現れる症状も解説!

カカオポリフェノールの効果とは?メディカルドック監修医がカカオポリフェノールの一日の摂取量・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

會田 千恵美

監修管理栄養士
會田 千恵美(管理栄養士)

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認定こども園で管理栄養士として給食管理・調理・食育を行っています。離乳食アドバイザー(一般社団法人母子栄養協会)・食育インストラクター1級(NPO日本食育インストラクター協会)・和食文化継承リーダー認定を取得し、子供たちが食に興味をもち、おいしいと笑顔で言ってもらえるように励んでいます。

「カカオポリフェノール」とは?

「カカオポリフェノール」とは?

チョコレートの主な原料「カカオ豆」に含まれるポリフェノールです。ポリフェノールは、抗酸化作用、抗炎症作用などの機能性を有します。機能性表示食品の届出には、「冷えにより低下した末梢血流を改善し、手先の表面温度をあたたかく保つ機能があります」と表示する旨の報告がされています。

カカオポリフェノールの一日の摂取量

カカオポリフェノールの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準にポリフェノールの摂取目安量が記載されていませんが、カカオポリフェノールの一日の摂取量は、カカオポリフェノール含有量200~500㎎を目安と推奨されています。600㎎程度のカカオポリフェノール(日本の公定法)を摂取した試験で血圧に良い結果が出たとの報告があります。カカオポリフェノールが含まれているものは、菓子・嗜好品が多いです。菓子・嗜好飲料の摂取エネルギーが200㎉/日を超えると,食事のバランスの偏りを生むだけでなく,生活習慣へも影響を及ぼす可能性が示唆され,菓子の摂取エネルギー量を10%程度(160~200㎉)にすることが望ましいと考えられています。

カカオポリフェノールの効果

カカオポリフェノールの効果

血圧低下作用

血管が詰まったり、血管壁に炎症が生じて血管が狭くなり流れが悪くなることで血圧が上昇します。カカオポリフェノールは、血管を拡げ血流を改善することで血圧低下の効果が期待されています。

動脈硬化予防

動脈硬化を引き起こす原因に、体内に生じる活性酸素によってコレステロールが酸化されることがあります。カカオポリフェノールは、LDLコレステロールの酸化を抑える働きがあります。さらに血管の柔軟性が保たれる可能性があります。ポリフェノール量の増加に伴い、HDLコレステロールも増加するため、動脈硬化の予防に働きます。

脳の活性化

脳の栄養といわれるBDNF(Brain Derived Nutrophic Factor:神経細胞の活発化を促すとされる、脳由来神経栄養因子)に働きかけ、認知機能を高める可能性があります。

アレルギー症状の緩和

アレルゲンに対して抗体がつくられるのを防いだり、肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを防ぐなど、アレルギーの発症を防ぎます。また好酸球の働きを抑えるなど、アレルギー症状を防ぐためにいろいろ働くため、アレルギーの予防や軽減が期待されます。

美肌効果

しみやそばかすなどの原因は紫外線による活性酸素です。カカオポリフェノールには抗酸化作用があるので、活性酸素を除去し、肌のダメージを保護します。
肌の水分量を調整したりキメを整えたりする効果も期待できます。

カカオポリフェノールはダイエットに効果的?

カカオポリフェノールはダイエットに効果的?

カカオポリフェノールは、脂肪の蓄積を防いだり、血糖値のコントロールをしたり、満腹感を持続させることで間食を減らしたりすることでダイエットの効果が期待されます。ポリフェノールには抗酸化作用や血行を促進する働きもあるため、冷えの改善やむくみ解消にも役立ち、代謝を上げてダイエットの効果を高めてくれる作用も期待できます。カカオポリフェノールは、食物繊維が豊富に含まれ、糖質の吸収を抑えてくれるため、血糖値の上昇を防いだり血糖値を下げるためのインスリンの働きを助ける役割があることもわかっています。 ただし、カカオ製品には糖分や脂肪分を多く含んでいるものが多いため、摂取量に注意が必要です。

カカオポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

カカオポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

下痢・腹痛

カカオに含まれる食物繊維や脂質の過剰摂取による消化不良や、カフェインによる腸の刺激などの原因で下痢する場合があります。

体重増加

カカオ製品には糖質や脂質も多く含まれるため、エネルギー過多となり、体重増加につながります。

肌荒れ

カカオ製品には脂肪分が含まれているため、食べ過ぎると皮脂の分泌が活発になり、毛穴を詰まらせることで、ニキビができてしまう可能性があります。

カカオポリフェノールを多く含む食品

カカオポリフェノールを多く含む食品

チョコレート

チョコレート及び準チョコレートの生地は、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ又はココアパウダーを原料として、必要により糖類、乳製品、他の食用油脂、香料等を加えたもので、配合によって分類されます。カカオ分が多いものにカカオポリフェノールは多く含まれています。

カカオパウダー

カカオパウダーは、カカオ豆を加熱せずに粉末状にしたもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素をそのまま残しています。ココアパウダーはカカオ豆を焙煎してから粉砕しています。飲み物にしたり、ティラミスの上に振りかけて食べたり、クッキー生地に混ぜたりして食べることができます。

カカオニブ

カカオニブとはカカオ豆を焙煎し、外皮と胚芽を取り除いて砕いたものです。そのままでも食べれます。ヨーグルトやシリアルにトッピングして食べると食べやすくなります。

カカオマス

カカオマスとは、カカオニブをすり潰してペースト状にしたものです。主にココアパウダーやチョコレートの原料として使われます。抗酸化作用の強いカカオポリフェノールやリラックス効果の高いテオブロミンが豊富に含まれ、さらにミネラルや食物繊維も含まれているため体に良い食品として見直されています。生チョコやチョコレートケーキにして食べられています。

カカオエキス

カカオエキスには、豊富なポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは、強力な抗酸化作用を持ち、肌の老化やダメージを防ぐ効果があります。また、カカオエキスにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの栄養素も含まれており、肌の保湿や明るさを促進する効果もあります。

カカオポリフェノールの効果的な摂取方法

カカオポリフェノールの効果的な摂取方法

カカオポリフェノールを多く含む食品の摂取

チョコレートやココアにカカオ〇〇%と書いてあるものを選びましょう。パーセンテージの高いものほど多く含まれますが、苦味がきつくなってしまいます。
・カカオ70%前後のチョコレート
1枚あたり約100mg前後のカカオポリフェノールが含まれています。
・カカオ80~90%台のチョコレート
1枚あたり約140~170mgのカカオポリフェノールが含まれています。

カカオポリフェノールと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

ナッツ類:抗酸化作用のあるビタミンEや整腸作用のある食物繊維が豊富で相乗効果が期待されます。ドライフルーツ:果物に含まれるビタミン・ミネラル・食物繊維を一緒にとることができます。

カカオポリフェノールの効果を高める摂取タイミング

刺激が強く胃腸の負担となる場合もあるため、食後に摂取するのが良いでしょう。脳の活性化を促進し、朝食後は目覚めを助けてくれ、昼食後は午後の仕事や勉強の効率を上げてくれます。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑制してくれます。就寝前はリラックス効果で睡眠を促進する一方で、過剰に摂取してしまうとカフェインも含まれているため睡眠の質を低下させてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

「カカオポリフェノールの効果」についてよくある質問

「カカオポリフェノールの効果」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「カカオポリフェノールの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

毎日カカオポリフェノールを摂取するとどんな効果がありますか?

會田 千恵美會田 千恵美

アルツハイマー型認知症や記憶・学習などの認知機能と関連性が報告されているBDNFが増えることで、脳の活性化につながります。また、高血圧の方には血圧の低下する効果も報告されています。

高カカオチョコレートを摂取する際の注意点を教えてください。

會田 千恵美會田 千恵美

糖質や脂質やカフェインなどが含まれているため、過剰に摂取してしまうと、肥満や肌荒れを起こしてしまったり、カフェインの中毒症状である吐き気やめまい、不眠などの症状が出る場合があります。妊娠中の方は胎盤を通じてカフェインが移行してしまうため注意が必要です。また、喘息治療薬・MAO阻害薬・アデノシン受容体拮抗薬を服用されている方は、薬の効果に影響を与える可能性があるため注意が必要です。

カカオ何%以上だと体に良い影響を与えますか?

會田 千恵美會田 千恵美

カカオ含有量が70%以上のものが体に良いとされています。カカオの割合が高いほど効果が上がりますが、苦味も強くなります。

まとめ

カカオポリフェノールは、脳の活性化や動脈硬化の予防、美肌効果などのメリットがある一方、過剰に摂取してしまうと、肥満や睡眠阻害、肌荒れなどのデメリットもあります。チョコレートを食べると心も満たしてくれるので、食べ過ぎには注意して美味しく健康的に楽しんでください。

「カカオポリフェノール」と関連する病気

「カカオポリフェノール」と関連する病気は8個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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「カカオポリフェノール」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 不眠
  • 消化不良
  • 下痢
  • 体重増加
  • 依存症
  • 皮膚のかゆみや発疹
  • 呼吸困難などのアレルギー症状

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