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「ビタミンCサプリ」の効果や服用に向いている人はご存知ですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2025/04/24
「ビタミンCサプリ」の効果や服用に向いている人はご存知ですか?管理栄養士が解説!

ビタミンCのサプリとは?Medical DOC監修医がビタミンCサプリの選び方・妊娠中、授乳中の服用・服用する際の注意点・服用に向いている人などを解説します。

正留 昭子

監修管理栄養士
正留 昭子(管理栄養士)

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病院・介護付き老人ホームで給食管理・栄養管理業務に従事しました。人生経験を積んで管理栄養士資格取得し、食に関して周囲の方が笑顔になれるよう努めています。

「ビタミンC」とは?

「ビタミンC」とは?

人体に必要な水溶性のビタミンの一つです。皮膚や血管のコラーゲン合成に不可欠な栄養素です。また鉄の吸収促進、免疫力増強、ストレスに対する抵抗力向上などに深く関係し、抗酸化作用があります。体内に入ると数時間で吸収・排泄されるため、毎日食品から摂っていく必要があります。さまざまなサプリがありますので利用してもよいかもしれません。

ビタミンCの一日の摂取量

ビタミンCの一日の摂取量

年齢や性別に関係なく、18歳以上のビタミンC推奨量は100mg/日と統一されています。65歳以上の高齢者は64歳以下の成人に比べ必要量が高いと考えられていますが成人男女と同量です。妊婦の付加量は10mg、授乳婦の付加量は45mgとされています。これにより妊婦の推奨量は110mg/日、授乳婦は145mg/日です。 成人男女:100mg/日 妊婦:110 mg/日(付加量10mg) 授乳婦:145mg/日(付加量45mg)

ビタミンCの効果

ビタミンCの効果

ビタミンCには抗酸化作用・メラニン生成抑制・コラーゲン合成を助ける・免疫力向上・ストレスに対する抵抗力の向上などの効果があります。

ニキビ

ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が繁殖することでできます。 ビタミンCには抗酸化作用や抗菌作用があり、ニキビの原因となる過酸化脂質の生成を防ぎ、アクネ菌の繁殖を抑える働きをします。また、ビタミンCのメラニン生成抑制作用はニキビ跡の色素沈着予防に、コラーゲン合成を助ける作用はニキビ跡の凹みやクレーター化予防に効果が期待できそうです。

皮膚や血管などの細胞のコラーゲン合成

ビタミンCはコラーゲン合成に必要です。コラーゲンは皮膚や血管などの構造を支えるもとになっており、年齢を重ねるとともに少なくなるといわれます。

ストレスに対する抵抗力向上

私たちは、暑さや寒さ、仕事、人間関係など、日常生活でさまざまなストレスに直面します。このような状況に対応するため、副腎ではストレスホルモン(コルチゾール)が分泌され、心身のバランスを保つ役割を果たしています。ビタミンCは、このホルモンの生成に関与しており、適切な摂取によって、ストレスが体に及ぼす影響を軽減し、精神的・身体的な抵抗力を高める効果が期待されます。ストレスが多い日々を過ごしている方にとって、ビタミンCは頼もしいサポーターとなるでしょう。

免疫力向上

ビタミンCは白血球やリンパ球に多く含まれることから、ビタミンCを摂取することで免疫機能が強化され、病気への抵抗力が向上すると考えられています。白血球が細菌やウィルスと戦う際、フリーラジカルが産生します。フリーラジカルの過剰産生により正常細胞まで攻撃されることがありますが、ビタミンCの抗酸化作用でフリーラジカルを抑制しています。「風邪をひいたときビタミンCを摂るとよいよ。」と言われる所以です。

ビタミンCが不足すると現れる症状

ビタミンCが不足すると現れる症状

食事のビタミンCが不足してくると疲労感や筋力低下を感じ、怒りっぽくなります。青あざができやすくなり、歯ぐきからの出血もみられるときもあります。皮膚が乾燥しかさかさしたり、貧血を引き起こしたりもします。免疫力低下により、感染症にかかりやすく、治りにくくなるといわれています。

疲労感

コラーゲン合成や鉄の吸収などに関与しているためビタミンCが不足すると、疲労感や、筋力低下を感じてくるかもしれません。血管がもろくなり、青あざや出血を起こすことがあります。貧血や壊血病となる場合もあります。症状が続くようであれば内科の受診をお勧めします。

イライラ

ビタミンCはストレスに抵抗するホルモンが作られるときに必要です。ちょっとしたことが気になったり、イライラしたときはビタミンCが不足しているのかもしれません。

お肌のかさかさ

コラーゲン合成に必要なビタミンCなので不足すると、お肌がかさかさ、シミ・そばかす・ハリがなくなったりとお肌のトラブルが気になってくることでしょう。食事にビタミンCが含まれるものを摂り入れてみるのもよいでしょう。

ビタミンCを過剰摂取すると現れる症状

ビタミンCを過剰摂取すると現れる症状

ビタミンCは通常の食事から摂りすぎても、水溶性であるため体内に蓄積されず、余剰分は尿として排泄されるため、健康障害を引き起こす可能性は低いとされています。ただし、一日に数グラム以上の大量摂取を行うと、吐き気や腹痛、下痢などの胃腸障害が現れる場合があります。

胃腸障害

一日に3~4gのビタミンCの大量摂取で人により吐き気、腹痛、下痢などの胃腸障害が起こる場合もあります。

腎機能障害を持つ方の尿管結石のリスク

腎機能障害をお持ちの方が一度に多量のビタミンCをとると蓚酸の尿中排泄量が増加し、結石の発生リスクが高まるとの報告もあるようです。

鉄過剰症の悪化

体内に鉄が過剰に蓄えられるヘモクロマトーシスと呼ばれる疾患の患者では、高用量のビタミンC摂取によって鉄過剰症が悪化し、体組織が損傷する可能性があります。

ビタミンCサプリの選び方

ビタミンCサプリの選び方

ビタミンCは体内に取り込まれるとすぐに血液中に吸収され余剰分は尿中に排泄されます。排泄までの時間が2時間といわれており短いです。ビタミンCサプリの中にはこの時間を長くする処理をしたものがあります。また、ビタミンCの吸収や体内での効果の助けとなるものなどを配合し、その配合率も様々です。用途に応じて注意して選ぶとよいでしょう。

効力持続時間

サプリの中にはビタミンCが体内に吸収から排泄されるまでの時間が長くなる特殊な処理をした持続型ビタミンCを使用しているものがあります。持続型ビタミンCの効果持続時間は製品によって異なり、8~24時間とされるものもあります。選ぶ際はメーカーが提示するデータを確認することをおすすめします。

美容

ビタミンCはコラーゲンの合成に関与し、しみを薄くしたり、美白効果もあるようです。ビタミンCの作用を助けるビタミンBやビタミンEなどが配合されたものもあり、美容の気になる方は選ぶとよいかもしれません。

形状

ビタミンCサプリにはタブレット・カプセル・パウダー・液体と様々な形状があります。グミタイプもあり、水なしでおやつ感覚で摂ることができます。携帯に便利であったり、量が調節出来たりとあり、形状の特徴にあわせて選ぶとよいでしょう。

妊娠中にビタミンCサプリを服用してもいい?

妊娠中にビタミンCサプリを服用してもいい?

成人女性のビタミンC摂取量は101mgと推奨量に達しており、妊娠中の推奨量の付加量は10mgとされているので少し気にかけた食事での摂取が可能と思われます。つわりで食事摂取が難しい時などビタミンCサプリを補助的な利用が良いでしょう。妊娠中のしみなどお肌のトラブルにも良いかもしれません。

授乳中にビタミンCサプリを服用してもいい?

授乳中にビタミンCサプリを服用してもいい?

授乳中のビタミンC推奨量の付加量は45mgとされています。ビタミンCは母乳中にも含まれ、乳児の栄養になっています。妊娠中と同じく食事よりの摂取を心掛け、不足を感じたら補助的に利用されるとよいでしょう。

ビタミンCサプリを服用する際の注意点

ビタミンCサプリを服用する際の注意点

ビタミンCは水溶性で体内の滞留時間が短いのですが、持続型ビタミンCは脂肪酸のパルミチン酸と反応させたものや、リン脂質のリポソームにくるまれたものなどありビタミンC効果の時間が長くなっています。ビタミンCサプリを服用する際は服用中の薬との相互作用に注意が必要の様です。

摂取のタイミング

ビタミンCは水溶性で体内に蓄積が難しく、こまめにとることが良いといわれます。食事とともに摂ると穏やかに吸収されると考えられ、食後や就寝前がよいでしょう。 持続型のビタミンCは、水溶性と異なり吸収されると長時間体内に留まるため、朝・晩の2回に分けて飲むのがよいでしょう。

薬との相互作用の注意点

ビタミンCサプリメントは、服用している薬と相互作用が認められたり、またはその働きを阻害したりする可能性があります。化学療法や放射線療法などのがん治療や、ホルモン薬、利尿薬などを服用されている場合は医療スタッフと相談することをお勧めします。

ビタミンCサプリの服用に向いている人

ビタミンCサプリの服用に向いている人

ビタミンCは食事から摂ることが理想ですが、ライフスタイルや環境、生活習慣などで、取りにくいこともあるかもしれません。ビタミンCサプリの服用に性別や年齢などの差は少ないといわれますが、以下のようなときビタミンCサプリを服用するのもよいでしょう。

野菜や果物を摂取する機会が少ない

ビタミンCは野菜や果物、野菜ジュースにも多く含まれます。摂取の機会の少ないときやインスタント食品の摂取の多い時、風邪で食事のとれないときなどビタミンC摂取が見込めません。そんなときはビタミンCサプリをおすすめします。

ストレス

ビタミンCはストレスを和らげるホルモンに関係しています。肉体的・精神的ストレスの大きいときに服用することでストレス緩和につながることでしょう。

お肌のコンディション

季節の変わり目や体調のすぐれない時、妊娠中や授乳中などはお肌が乾燥しかさかさし、搔痒を感じるかもしれません。コラーゲン合成に関与しているビタミンCの服用により、お肌のコンディションを整えるとよいでしょう。

「ビタミンCのサプリ」についてよくある質問

「ビタミンCのサプリ」についてよくある質問

ここまでビタミンCのサプリについて紹介しました。ここでは「ビタミンCのサプリ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ビタミンCサプリのデメリットについて教えてください。

正留 昭子正留 昭子

ビタミンCサプリは過剰摂取により吐き気や下痢といった消化器症状の出る場合があります。へマクロトーシスや腎疾患などお持ちの方は影響を及ぼす可能性があるため、医療スタッフにお尋ねください。

ビタミンCサプリは朝と夜、いつ服用するのがよいですか?

正留 昭子正留 昭子

ビタミンCサプリの種類によります。水溶性のものは持続時間が短いため「朝・昼・夕」と3回に分けての服用が良いと考えられます。脂溶性で持続時間が長いものは、「朝・夕」もしくは「朝・眠前」での服用が良いといわれます。

ビタミンCサプリは毎日服用しても問題ないでしょうか?

正留 昭子正留 昭子

ビタミンCは水溶性であり、体内に蓄積されず、余剰分は尿として排泄されるため、適切な量であれば毎日服用しても問題ありません。ただし、一度に大量に摂取すると胃腸障害(吐き気や下痢など)が起こる可能性があるため、1回の服用量を守ることが大切です。また、こまめに摂取することで体内での効率的な利用が期待できます。サプリを使用する際は、製品ごとの推奨用量に従って服用しましょう。

編集部まとめ

ビタミンCサプリは野菜や果物など食事で摂りにくい時に手軽にビタミンC補給ができます。自分に合った形状や性状のものを上手に摂り、健康と美容を維持しましょう。

「ビタミンC」と関連する病気

「ビタミンC」と関連する病気は2個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

  • 感冒(風邪)
  • 壊血病

「ビタミンC」と関連する症状

「ビタミンC」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肌のくすみ・しわ・しみ
  • 歯茎の腫れや出血
  • 皮下出血
  • 関節痛
  • 創傷治癒遅延

この記事の監修管理栄養士