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「心臓病に悪い食べ物」はご存知ですか?予防する可能性の高い食べ物も医師が解説!

 公開日:2024/09/27
「心臓病に悪い食べ物」はご存知ですか?予防する可能性の高い食べ物も医師が解説!

心臓病に悪い食べ物とは?Medical DOC監修医が心臓病に悪い食べ物・食事メニュー・予防する可能性の高い食べ物・食事メニュー・予防のために大切な生活習慣などを解説します。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「心臓病」とは?

心臓病とは、心臓の構造や働きの異常によって起こる、さまざまな心臓疾患の総称です。主な要因は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病です。これらの要因が長期にわたると、心臓に悪影響を及ぼし、心臓病が起こります。心臓疾患を大きく分類すると、以下の5つになるでしょう。冠動脈疾患、弁膜症、心筋疾患、心不全、不整脈です。中でも、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患が代表です。

心臓病に悪い食べ物・食事メニュー

心臓病に悪い食べ物・食事メニューには以下のようなものがあります。日常生活でおなじみのものばかりです。

高塩分食品

具体的な食品として、漬物、加工肉(ハム、ソーセージ)、調味料などです。これらの食品には、塩分が多く含まれています。過剰な塩分は、血液量を増やすため、高血圧が起こりやすくなります。高血圧は、余分な血液を体に押し出すため、ポンプ機能としての心臓に余分な負担を与えます。また、動脈硬化を進展させる大きな要因のため血管を傷めます。予防として塩分6g/日未満を推奨します。

過剰なアルコール

アルコールの過剰摂取は、心臓の筋肉を弱らせるため、心臓の働きを低下させます。また、血管を傷めるため、血圧をあげるリスクにもなります。1日の適量は、男性で1合、女性は0.5合です。1合はさまざまなアルコールに換算すると、ビール中びん1本、ウイスキーダブル1杯、焼酎0.6合です。

加工食品

具体的な食品として、ファーストフード(ハンバーガー、フライドポテト)、スナック(ポテトチップス、クラッカー)などです。これらの食品は、塩分、糖質、脂肪分が高いです。加えて、保存料や添加物が多く含まれています。そのため、炎症という病態を体内に起こし、心臓や血管を傷めるため、心臓病のリスクがあがります。

高糖質食

具体的な食品として、ソフトドリンク、ケーキなどです。これらの食品は、摂取後、血糖値を急上昇させます。血糖値を低下させるためには、インスリンというホルモンが必要です。でも、血糖値が高い状態が長く続くと、インスリンの効きが悪くなってきます。インスリン抵抗性という状態です。この状態は、糖尿病を起こす大きなリスクです。糖尿病になると、心臓や血管に悪影響を及ぼします。

飽和脂肪酸が多い食品

具体的な食品として、バター、 揚げ物、脂肪の多い肉(ステーキ、ポークチョップ)などです。いずれの食品も、飽和脂肪酸が多く含まれています。飽和脂肪酸は、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、動脈硬化を促進させます。そのため、血管を傷め、心臓病のリスクを高めます。

心臓病を予防する可能性の高い食べ物・食事メニュー

心臓病を予防する可能性の高い食べ物・食事メニューには以下のようなものがあります。日常生活で積極的に取り入れましょう。

野菜と果物

具体的な食品として、ほうれん草、ブロッコリー、りんご、オレンジなどです。これらの食品は、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質などが豊富です。これらの物質は、心臓を保護します。加えて、食物繊維も豊富なため、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を下げて、動脈硬化の進展を抑えます。

具体的な食品として、 サーモン、サバ、イワシなどの魚です。これらの食品には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれているため、血の塊である血栓の形成を防ぎ、血液をサラサラにします。心臓病の中でも、特に冠動脈疾患の予防となります。さらに、オメガ3脂肪酸は脂質異常を改善する働きもありますので、動脈硬化が進むのを抑えます。加えて、体内で起こる炎症を抑える働きもあるため、心臓を保護します。

低脂肪乳製品

具体的な食品として、低脂肪ヨーグルトや低脂肪チーズなどです。これらの食品には、カルシウム、ビタミンD、タンパク質が豊富に含まれており、血圧を正常に保持する働きが期待できます。その結果、動脈硬化の進展を抑制します。

全粒穀物

具体的な食品として、 オートミール、玄米などです。これらの食品には、食物繊維、ビタミンB群、マグネシウムなどの物質が豊富です。中でも、食物繊維は、脂質異常を改善したり、血糖を良好にコントロールしたりする作用があり、動脈硬化の進展を抑えます。

ナッツと種子

具体的な食品として、アーモンドやウォールナッツなどです。これらの食品には、不飽和脂肪酸と抗酸化物質が豊富に含まれています。そのため、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を低下させたり、体内の炎症を抑えたりする効果があるため、心臓と血管を保護します。

心臓病予防のために大切な生活習慣

心臓病は悪い生活習慣が原因となることが多いです。従って、日常生活を振り返り、生活習慣を改善することが大切です。以下の項目を参考にして下さい。

禁煙

タバコには多くの有害物質が含まれておりおります。これらは、血管の収縮、血栓の形成などを促進するため、血管を傷めます。結果、動脈硬化の進展や血圧上昇により心臓に負担をかけるため、心臓病になりやすくなります。禁煙しましょう。また、受動喫煙も一次喫煙(喫煙者自身が吸うタバコの煙)と同様に、体に悪影響を与えますので注意しましょう。

適度な運動習慣

定期的な有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング)が有効です。有酸素運動の目安として、週に3~5回、30分以上行うことを目標として下さい。筋力トレーニングも有効です。目安として、週に2~3回行うことを目標とすると良いでしょう。これらの運動習慣は、血圧を下げることが期待でき、その結果、心臓を保護します。心臓の機能強化にもつながるでしょう。

健康的な食事

塩分、脂肪、糖質が高い食品を多量摂取している不健康な生活習慣は、動脈硬化を促進し、心臓病を起こしやすい状態にします。したがって、食生活を見直しして、健康的な食事に切り替えることが重要です。具体的には、野菜、果物、魚、低脂肪乳製品の摂取を意識して、バランスの取れた食事を取ることです。加えて、加工食品やアルコールの過剰摂取を控えることも意識しましょう。これにより、血圧、脂質、血糖などの生活習慣病因子は良好にコレステロールされ、心臓病のリスクが低下します。

適切な体重管理

肥満は心臓に負担がかかり、心臓病の発症リスクを上げます。適正体重を目指しましょう。適正体重は、心臓への負担が減ると同時に生活習慣病の発症を減らします。一般的に、適正体重の目標値は、BMI(Body Mass Index)が22となる体重です。バランスの取れた食事と定期的な運動を心がけ、目標値を目指しましょう。

ストレス管理

高ストレスの状態が継続すると心臓病のリスクが上がります。過剰なストレスは、交感神経を活性化させるため、脈が速くなったり、血圧を上げたり、心臓の筋肉に酸素不足を起こしたりするため、心臓や血管を傷めます。不整脈の原因ともなります。自分なりのリラックス法(瞑想、深呼吸、ヨガなど)を取り入れることが大切です。加えて、充分な睡眠を心がけることも重要です。

「心臓病に悪い食べ物」についてよくある質問

ここまで心臓病に悪い食べ物などを紹介しました。ここでは「心臓病に悪い食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

心臓病を発症した場合、バナナや納豆は控えた方がいいですか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

必ずしも控える必要はありませんが、状況に応じて注意が必要です。バナナはカリウムが豊富です。体内の過剰なカリウムは尿にて排出されます。しかし、腎機能の低下がある場合は、体内にカリウムが溜まり、不整脈の原因となります。腎機能が低下している患者さんは、医師と相談のうえ、摂取量の指示をもらいましょう。納豆については、ワーファリンを内服している患者さんは摂取できません。ワーファリンは、体内のビタミンKの働きを妨げることにより、血液をサラサラにして血栓形成を抑えています。ところが、納豆には、ビタミンKや、大腸でビタミンKを産生する納豆菌が豊富に含まれているため、血液を固まりにくくする作用を弱めてしまいます。このため、納豆は禁食となります。

心臓や心臓病に良いフルーツはどんなものがありますか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

具体的な食品として、りんご、オレンジ、バナナなどです。これらの食品には、ビタミンや抗酸化物質などの物質が豊富であり、心臓を保護する働きがあります。その他、食物繊維はLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を下げる作用があるため、動脈硬化の進展を抑えます。結果、心臓を保護します。しかし、腎臓の悪い方は、摂取が不可の場合もありますので、摂取前に医師にご相談下さい。

編集部まとめ 日常生活を見直し、心臓病を予防しよう!

心臓病は日常生活の工夫により発症リスクを抑えることができます。バランスの取れた食事、有酸素運動を中心とした定期的な運動、ストレス管理を中心とした健康的な生活習慣を心がけて下さい。

「心臓病に悪い食べ物」と関連する病気

「心臓病に悪い食べ物」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

呼吸器科の病気

上記の疾患は心臓病に関連する代表疾患です。いずれも、悪い生活習慣が原因となることが多いです。予防として、良い生活習慣に心がけましょう。また、重症化すると、命に関わることも多い疾患なので、適切な治療を継続して受けることが重要です。

「心臓病に悪い食べ物」と関連する症状

「心臓病に悪い食べ物」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胸部圧迫感
  • 胸痛
  • 呼吸困難
  • 息切れ
  • むくみ

いずれも心臓病でよくみられる症状です。心臓病は手遅れになると命を落とすこともあります。これらの症状が起きた際は、早めの医療機関の受診をお勧めします。

この記事の監修医師