「ポリフェノールの効果」をご存じですか?過剰摂取すると現れる症状についても管理栄養士が解説!
公開日:2025/08/12

ポリフェノールの効果とは?Medical DOC監修医がポリフェノールの効果・一日の摂取量・カカオポリフェノールの効果・アカシアポリフェノールの効果・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
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介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
目次 -INDEX-
「ポリフェノール」とは?

ポリフェノールの一日の摂取量

ポリフェノールの効果

抗酸化作用
活性酸素は毒性があり、体内の細胞を酸化させ、老化や病気の原因になります。抗酸化作用とは活性酸素を除去する働きで、老化や病気の予防に役立ちます。視力回復
赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニンは、網膜に存在するロドプシンというタンパク質の再合成を助ける可能性が示唆されています。そのため、目の疲労軽減などの役割が期待されていますが、視力回復を直接保証するものではありません。血糖の上昇を抑える
お茶に含まれるカテキンは食後、腸からの糖の吸収を抑える働きがあります。血糖値はご飯やパン、麺類など糖質を多く含む食品や菓子類、果物などで上がります。血糖値は食後に上昇するので、食前に取り入れることで、腸からの糖の吸収が緩やかになります。更年期症状の緩和
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た構造を持つため、更年期症状の緩和に寄与する可能性があります。ただし、効果には個人差があり、過剰摂取は健康リスクを伴う場合もあるため、適量の摂取を心がけることが重要です。毛細血管強化作用
そばに含まれるルチンには毛細血管を強くする働きがあり、血流も良くなります。脳卒中の予防などに役立ちます。カカオポリフェノールの効果

血圧低下
血管に炎症があると血管が狭くなり血液の流れが悪くなりますが、カカオポリフェノールを摂取することで血管の炎症が軽くなり、血管を広げる作用が期待できます。動脈硬化予防
体内に生じる活性酸素によってコレステロールが酸化され、動脈硬化を引き起こす原因のひとつになると言われています。カカオポリフェノールは強い抗酸化力で、酸化を抑える働きが期待されています。美肌効果
しみやそばかすなどの原因は紫外線による活性酸素です。カカオポリフェノールには抗酸化作用があるので、活性酸素を除去し、肌のダメージを保護しますアレルギーの改善
カカオポリフェノールにはアレルゲンに対して抗体がつくられるのを防ぎ、肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを防ぎ、アレルギーの発症を防ぎます。脳の活性化
脳は加齢とともに記憶や学習などの認知機能が低下します。カカオポリフェノールは、脳の栄養といわれる「BDNF」に働きかけ、認知機能を高められる可能性があります。 ※BDNFとはBrain-derived neurotrophic factorの略称。脳由来神経栄養因子と呼ばれるたんぱく質の一種で、神経細胞の成長や再生を促す物質として知られています。アカシアポリフェノールの効果

血糖値を下げる
空腹時と食後の両方の血糖値を下げるのに効果的です。血圧をおだやかに下げる
活性酸素を除去し、血管が老化するのを抑えます。同時に末梢血管を広げて血圧を下げるNOというガスを活性酸素から保護し、血管をしなやかに広げる働きがあります。 血流がサラサラに改善されるため、血圧の低下に効果的です。内臓脂肪を減らす
アカシアポリフェノールが肝臓における脂肪の合成を抑えつつ、脂肪のエネルギー燃焼まで高めることが理由とされています。高脂肪の食事でも中性脂肪やコレステロールの上昇を抑えるなどの効果が認められています。糖の吸収を抑える
食後の急激な血糖値の上昇を緩和し、それに伴う健康リスクを低減させる可能性があるとされています。高血圧の改善
アカシアポリフェノールの高い抗酸化活性により、高血圧症状における高い血圧を下げるとされています。ポリフェノールを過剰摂取すると現れる症状

便秘や貧血
ポリフェノールの一種「タンニン」は、鉄の吸収を妨げたり腸の働きを抑制する効果があるため、摂り過ぎることで便秘や鉄欠乏貧血を引き起こしたりする可能性があります。胎児への影響
妊娠中、特に妊娠後期にポリフェノールを過剰に摂取することで、胎児の動脈管が早期に閉鎖する可能性があると指摘されています。この現象は一部の研究で示唆されていますが、詳細なエビデンスはまだ不十分です。ポリフェノールを多く含む飲料を過剰に摂取する習慣のある方は、医師や管理栄養士に相談してください。頭痛や不眠の原因
チョコレートにはポリフェノールが豊富なだけでなくカフェインも含まれているため、過剰摂取してしまうと、頭痛や不眠の原因になることもあります。ポリフェノールを多く含む食品

赤ワイン
原料のブドウには数種類のポリフェノールが含まれており、その果皮・種子・果肉を漬け込み発酵させる為たくさんのポリフェノールが果汁に溶け込んでいます。コーヒー
クロロゲン酸などの物質が含まれており、量も、赤ワインと同程度摂取することができます。また、ポリフェノールはインスタントコーヒーよりもレギュラーコーヒーに多く含まれています。緑茶・紅茶
紅茶は100mlあたり40〜100mg、緑茶は種類によってカフェインの量が変わります。煎茶は100mlあたり20mgと紅茶より含まれる量が少ないのに対して、玉露では60mlあたり160mgものカフェインが入っています。野菜・果物
ほとんどの野菜や果物にポリフェノールは含まれており、特に、皮に多く含まれます。そのため、できるだけ皮ごと食べるのがおすすめです。チョコレート・ココア
カカオポリフェノールは、カカオ豆を原料とするチョコレートやココアに多く含まれています。手軽に摂れる半面、脂質や砂糖も含まれているので、摂り過ぎには注意が必要です。ポリフェノールの効果的な摂取方法

ポリフェノールを多く含む食品の摂取
多くの果物や野菜の皮に含まれている為、皮ごと食べることでより多くのポリフェノールを摂取することができます。ポリフェノールと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
紅茶とレモンや、緑茶と柑橘類、赤ワインと食事を一緒に摂るなど、他の物質と一緒に摂ることで安定性が増し、体内への吸収が良くなる可能性があります。ポリフェノールを摂取するときに、抗酸化作用のある食品と組み合わせると効果を高めることが期待されます。ポリフェノールの効果を高める摂取タイミング
ポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、比較的短時間で作用します。一方で、余ったポリフェノールは尿と一緒に排出されてしまうため、効果はあまり持続しないと考えられています。よってポリフェノールは1度にまとめて摂るのではなく、少しずつこまめに摂るのがおすすめです。ただし、これについても個人差があり、具体的な最適摂取頻度についてはさらなる研究が必要です。「ポリフェノールの効果」についてよくある質問

ここまでポリフェノールの効果を紹介しました。ここでは「ポリフェノールの効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ポリフェノールは体のどこに効果がありますか?
都々地尾 ゆき
人間の体の中に活性酸素が増えると細胞を傷つけ、色々な病気を引き起こします。抗酸化作用を持つポリフェノールは、体内のさまざまな部分に効果があります。肌、目、血管などポリフェノールの種類により効果の違いがありますので、1種類に偏らず色々な種類を摂ることをおすすめします。




