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「マグネシウムの多い食べ物」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる症状も解説!

 公開日:2025/03/19
「マグネシウムの多い食べ物」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる症状も解説!

マグネシウムの多い食べ物とは?Medical DOC監修医がマグネシウムの多い食べ物・一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

中島 三容子

監修管理栄養士
中島 三容子(管理栄養士)

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一般企業で約20年自動車部品の設計補助業務に従事したのち、栄養士の世界へ。2022年に管理栄養士資格取得後は、国家試験対策教材の制作サポートや食育コーディネートに携わる。また、持続血糖測定の管理事務および保健指導を行い、ひとりひとりの「なんとなくわかっちゃいるけど」に寄り添いアプローチする。

「マグネシウム」とは?

「亜鉛」とは?

マグネシウムは人体に必要なミネラルの一種です。成人では、体内に約20g~30gが存在し、その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在しています。300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。

マグネシウムの一日の摂取量

マグネシウムの一日の摂取量

【男性】マグネシウムの一日の摂取量

成人男性の推奨量
18~29歳:340mg/日
30~49歳:380mg/日
50~64歳:370mg/日

【女性】マグネシウムの一日の摂取量

成人女性の推奨量
18~29歳:280mg/日
30~64歳:290mg/日

【妊娠中の女性】マグネシウムの一日の摂取量

「成人女性の推奨量」+40mg/日
※妊娠期の除脂肪体重増加分を付加している

マグネシウムの効果

マグネシウムの効果

骨や歯の形成

マグネシウムは、骨や歯の形成に欠かせない重要な栄養素です。体内のマグネシウムの約6割は骨や歯に貯蔵されており、これにより骨の構造を安定させています。また、血液中のマグネシウムが不足すると、体は骨に蓄えられたマグネシウムを溶出させて血中濃度を維持します。この機能は、長期間の不足が続くと骨密度の低下につながる可能性があります。

補酵素として多くの代謝に関与

マグネシウムは、体内では酵素の補助因子としてエネルギー代謝など300種類以上の酵素反応に重要な役割を持っています。また、遺伝をつかさどる核酸の代謝やたんぱく質の合成にも必要です。

精神の安定

マグネシウムは、体内で神経の働きを調整しています。神経の興奮を抑えることから、「天然の精神安定剤」とも呼ばれています。

筋肉収縮の調整

マグネシウムは、カルシウムが筋肉の収縮を調整するのを助けています。カルシウムは筋肉が収縮(縮む)方向に作用し、マグネシウムは弛緩(ゆるむ)方向に作用します。

血圧のコントロール

マグネシウムは、カルシウムとともに血圧をコントロールしています。カルシウムが血管の筋肉を収縮させる(血管が縮む)ことで血圧が上がり、マグネシウムが血管の筋肉を弛緩させる(血管が拡がる)ことで血圧が下がります。

マグネシウムの多い食品

マグネシウムの多い食品

野菜

植物の葉緑素にマグネシウムが存在しているので、ほうれん草、小松菜、ケール、ブロッコリー、ゴーヤなど緑の濃い野菜はマグネシウムの多い食品の筆頭に挙げられます。例えば、ほうれん草(1食分1/4束=80g)にはマグネシウムが55mg含まれており、お浸しやソテーだけでなく、グラタンなどの具材としてもおすすめです。

穀類

玄米など精製していない穀類にマグネシウムは多く含まれています。玄米(小盛100g)で、マグネシウムを53mg摂ることができます。また、そば(乾燥1人前=80g)には80mgものマグネシウムが含まれています。

大豆、大豆食品

大豆や豆腐、納豆などの大豆食品にも多く含まれています。納豆(1パック50g)、絹ごし豆腐(1/3丁100g)には、それぞれ50mgのマグネシウムが含まれています。

海藻

海苔、昆布、わかめなど海藻類にも豊富です。特にあおさ(素干し)は食品100gあたりでは全食品で最も多く、3200mgものマグネシウムが含まれています。1食分では、あおさ(素干し2g)で64mg、カットわかめ(乾燥10g)で46mgのマグネシウムが摂れます。

魚介類

マグネシウムは魚介類にも多く、例えば、金目鯛(1切れ=100g)に73mg、あさり(10個)に80mg含まれています。

マグネシウムが不足すると現れる症状

マグネシウムが不足すると現れる症状

吐き気、嘔吐、眠気、脱力感

短期間では、マグネシウムの摂取量が少なすぎても明らかな症状は現れません。健康な人で摂取量が少ない場合には、腎臓が尿中へのマグネシウムの排出量を制限することで血液中のマグネシウムを保持しているからです。しかし、長期間マグネシウムの摂取が少ないと、低マグネシウム血症につながる可能性があります。エネルギーをうまく作ることができず、元気がなくなってしまい、その徴候として、食欲不振、吐き気、嘔吐、眠気、脱力感などがみられます。

筋肉の痙攣、ふるえ、こむら返り

マグネシウムの欠乏が進むと、筋肉の痙攣、ふるえなどの症状があらわれることがあります。マグネシウムが不足することにより、筋肉の収縮・弛緩の調整がうまくいかなくなることが原因で、「こむら返り」としてあらわれることもあります。

神経過敏、抑うつ感

マグネシウムの欠乏が進むと、神経情報の伝達がスムーズにいかず、イライラするなど神経過敏になったり抑うつ感があらわれる場合があります。

マグネシウムを過剰摂取すると現れる症状

マグネシウムを過剰摂取すると現れる症状

軟便、下痢

腎機能が正常であれば、余分なマグネシウムは尿中に排出されるため、通常の食事では過剰摂取の心配はありません。ただし、腎臓に疾患がある場合や通常の食事以外にサプリメントや薬でマグネシウムを摂り過ぎると、軟便や下痢を起こすことがあります。そのため、サプリメントや薬など通常の食事以外からの摂取による耐用上限量が設定されており、成人の場合は350mg未満/日となっています。なお、軟便や下痢の症状のほとんどは一過性に治まりますが、長引いたり心配な場合は主治医へご相談ください。

筋肉麻痺

腎機能の障害と重なった場合などにマグネシウムを過剰に摂取すると、体に力が入らないなど筋肉麻痺を起こす可能性があります。サプリメントや薬の服用を中止し、ただちに主治医や薬剤師へ相談しましょう。

低血圧

腎機能の障害と重なった場合などにマグネシウムを過剰に摂取すると、立ちくらみがするなど低血圧を起こす可能性があります。サプリメントや薬の服用を中止し、ただちに主治医や薬剤師へ相談しましょう。

マグネシウムの効率的な摂取方法

マグネシウムの効率的な摂取方法

マグネシウムと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

マグネシウムを効率よく吸収するためには、カルシウムとマグネシウムの摂取量のバランスが2対1になるのが理想的とされています。また、ビタミンB群とともに糖質、脂質、たんぱく質といった3大栄養素の代謝を助けるため、マグネシウムを含む食品は毎食必ず摂取するようにしましょう。例えば、雑穀ごはんに魚料理と野菜を一品、またはわかめや油揚げなどの味噌汁といった和食にすると、体に必要なマグネシウムを自然に摂ることができます。

マグネシウムと一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品

アルコールを摂取するとマグネシウムの尿中排泄量が増えるため、アルコールを多飲すると不足を招きます。また、ストレスが多い人は必要量が増えるので注意が必要です。

マグネシウムの効果を高める摂取タイミング

酸化マグネシウムは、便秘症の治療に用いられる場合があります。この場合、医師の指示に従い、通常は1日1回、寝る前に水またはぬるま湯と一緒に服用することで、翌朝の排便を促す効果が期待されます。ただし、使用方法や適量は医師の指導に基づくことが重要です。

「マグネシウムの食べ物」についてよくある質問

「マグネシウムの食べ物」についてよくある質問

ここまでマグネシウムの食べ物などを紹介しました。ここでは「マグネシウムの食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

マグネシウムを手軽に摂取できる食材を教えてください。

中島 三容子中島 三容子

マグネシウムは種実類にも多く含まれているので、アーモンドや(カカオ豆から作られる)チョコレート、コーヒーも手軽にマグネシウムを補給するのに役立つ食材といえます。ただし、エネルギーや砂糖の過剰摂取にならないように摂りすぎには注意が必要です。

編集部まとめ

マグネシウムは様々な働きをもつ人体にとって大切な多量ミネラルのひとつであり、適切な摂取が健康に寄与します。
日常の食事にマグネシウムを意識的に取り入れ、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。個人の判断で安易にサプリメントに頼ることは過剰摂取のリスクがあるため、不安がある場合は医療機関を受診して、必要な対策を講じることをお勧めします。

「マグネシウム」と関連する病気

「マグネシウム」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

循環器科の病気

内科の病気

神経内科の病気

  • 神経過敏症

消化器内科の病気

  • 便秘症

「マグネシウム」と関連する症状

「マグネシウム」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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この記事の監修管理栄養士

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