「オリゴ糖の効果」はご存知ですか?過剰摂取すると現れる症状も解説!

オリゴ糖の効果とは?Medical DOC監修医がオリゴ糖の効果・一日の摂取量・種類・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
丸山 聡子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「オリゴ糖」とは?
オリゴ糖は、腸内の善玉菌を増殖させることで腸内環境の改善効果があるプレバイオティクスです。一部のオリゴ糖は難消化性の糖質で大腸まで届きます。そのため、エネルギーが低めになるというわけです。
オリゴ糖の一日の摂取量
オリゴ糖に関する一日の必要摂取量は『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では具体的に定められていません。しかし、健康食品には製品ごとの推奨摂取量が記載されていますので、表示されている目安量を参考に、個人の体調に合わせて摂取することをお勧めします。
オリゴ糖の種類
フラクトオリゴ糖
フラクトオリゴ糖は、てんさいなどから抽出される糖質で、砂糖に近い甘さを持ちながらエネルギーは砂糖の約半分。難消化性のため、そのまま大腸に届きます。フラクトオリゴ糖を含む製品の一部は、特定保健用食品として認可されています。
・フラクトオリゴ糖の効果・効能:腸内環境を改善、便通や便性状の改善、血糖値の上昇の抑制、脂質代謝の改善
・どんな食材・食品に多く含まれているか:バナナ、にんにく、ゴボウ、玉ねぎ、蜂蜜、てんさい
ガラクトオリゴ糖
ガラクトオリゴ糖は、乳糖を原料として作られるオリゴ糖です。甘味はくせがなく砂糖の約30%くらいで、エネルギーは砂糖より少な目です。母乳に含まれており、ガラクトオリゴ糖を含む製品の一部は、特定保健用食品として認可されています。
・ガラクトオリゴ糖の効果・効能:腸内環境の改善、低カロリー、虫歯になりにくい
・どんな食材・食品に多く含まれているか:天然の食品、特に乳製品に多く含まれています。
大豆オリゴ糖
文字通り、大豆に含まれるオリゴ糖の総称です。砂糖の70%くらいの甘味をもちエネルギーは砂糖の約半分。熱や酸に強い特徴があります。
・大豆オリゴ糖の効果・効能:腸内環境の改善、整腸作用、免疫機能の向上
・どんな食材・食品に多く含まれているか:大豆、豆腐、枝豆、きな粉
イソマルトオリゴ糖
イソマルトオリゴ糖は、トウモロコシやジャガイモのでん粉を原料とするオリゴ糖です。醤油、みりん、味噌、清酒などの発酵食品では、発酵過程でイソマルトオリゴ糖が精製されます。甘味は砂糖の半分以下で、まろやかなコクがあります。
・イソマルトオリゴ糖の効果・効能:加工食品の品質向上目的で利用
・どんな食材・食品に多く含まれているか:蜂蜜、醤油、みりん、味噌、清酒
ラフィノース
ラフィノースは別名ビートオリゴ糖ともいわれビートに含まれるオリゴ糖です。甘さは砂糖の約5分の1で、エネルギーは砂糖の約半分です。腸内環境を整えるプレバイオティクスの一種としての利用が主な目的です。
・ラフィノースの効果・効能:ラフィノースは天然の食品に含まれています。
・どんな食材・食品に多く含まれているか:大豆、キャベツ、ブロッコリー、アスパラガス
ラクチュロース
ラクチュロースは別名ミルクオリゴ糖ともいわれ乳糖を原料に作られるオリゴ糖です。甘さは砂糖の約60%程度で、エネルギーは砂糖の約半分です。腸内環境の改善の他に、肝臓病の治療薬として利用されます。
・ラクチュロースの効果・効能:マグネシウムやカルシウムの吸収を促進します。
・どんな食材・食品に多く含まれているか:自然界にほとんど存在しません。人工的に合成され、医薬品や機能性食品として利用されます。
オリゴ糖の効果
腸内環境の改善
第一に腸内環境の改善が見込まれます。オリゴ糖などのプレバイオティクスは、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌のエサとなり、善玉菌が増殖すれば、腸内のpHバランスが整い、腸内環境が改善されます。
便秘や下痢の解消
腸内環境が改善されることで、便秘や下痢の解消に繋がります。
免疫力の向上
また、ビフィズス菌の増殖を通じて、免疫システムが活性化される可能性があり、免疫力の向上も期待できます。
血糖コントロールの改善
一部のオリゴ糖は難消化性の糖質なので、消化されず大腸に届くため、砂糖に比べ血糖値の上昇を抑えることができます。
肝臓病の治療として
腸内細菌によって分解され有機酸を生成し、腸内でのアンモニアの産生や吸収を抑制し血液中のアンモニア濃度を低下させる効果があるとされているので、肝機能の改善も期待できます。
オリゴ糖を過剰摂取すると現れる症状
軟便・下痢
善玉菌が一時的に爆発的に増殖し、便を巻き込んで排出しようとするため、軟便や下痢の症状が出る恐れがあります。健康食品で摂取している場合、摂取量を見直し、摂取をやめるなどして、便の形状が改善するまで様子を見ることをお勧めします。下痢が止まらない、血便がでるなどの症状がある時は、医師に診察してもらいましょう。
腹痛や腹部膨満感
腸内細菌による発酵が促進され、腹部に膨満感や違和感が出ることがあります。発酵によるガスの発生が増加している可能性があるので、この場合も、軟便や下痢の症状同様に経過観察し、症状が改善されない時はかかりつけ医へ相談してください。
血糖値への影響
オリゴ糖は甘さが控えめで低カロリーのため、摂り過ぎることでエネルギー摂取が過剰になることは稀ですが、過剰摂取による胃腸の不快感(軟便や腹部膨満感)を引き起こす可能性があります。血糖値への影響は砂糖に比べて限定的ですが、糖尿病など血糖コントロールに課題がある方は注意が必要です。
オリゴ糖を多く含む食品
大豆、大豆製品
豆腐や旬の野菜が入った具沢山な味噌汁がおすすめです。夕食で多めに作ると、朝食で温めるだけで食べられますね。また、お酒のおつまみに枝豆も相性抜群です。
玉ねぎやアスパラガス、ゴボウ
どんな料理とも相性がよい玉ねぎはサラダや煮物、炒め物にも重宝です。アスパラガスは彩りよく茹でてサラダにしたり、ゴボウは筑前煮などの煮物にすると美味しく食べられます。
にんにく
夏バテや疲れがとれない時、にんにくスパイスを効かせたスタミナ料理は食欲がわきますね。
バナナ
そのまま食べても美味しいですが、ヨーグルトや豆乳を使ったバナナジュースがお勧めです。
蜂蜜
ヨーグルトに含まれる乳酸菌とオリゴ糖を組み合わせることで、相乗的に腸内環境を整える効果が高まります。
オリゴ糖の効果的な摂取方法
オリゴ糖を多く含む食品の摂取
健康食品から効率よく摂取できますが、スーパーに売っている食品を使って、毎日の食事からも摂取できます。
・具体的な食品名:豆腐、ゴボウ、玉ねぎ、味噌
摂取方法
オリゴ糖を多く含む食品としては、玉ねぎ、にんにく、ゴボウ、バナナなどが挙げられます。これらの食品を日常的に取り入れることで、腸内の善玉菌の増殖を促し、腸内環境の改善が期待できます。たとえば、玉ねぎやにんにくを炒め物やスープに加えたり、ゴボウをきんぴらや煮物にすることで、効果的にオリゴ糖を摂取できます。また、バナナはそのままでも、ヨーグルトやスムージーに加えても美味しく摂取できる食品です。
・具体的な食品名:玉ねぎ、にんにく、ゴボウ、バナナ
・具体的な摂取方法:炒め物、スープ、きんぴら、煮物、ヨーグルト、スムージー
・一緒に摂取するとどんな効果があるか:オリゴ糖を豊富に含む食品を積極的に取り入れることで、腸内環境が整い、便通の改善や免疫力の向上に役立ちます。
オリゴ糖の効果を高める摂取タイミング
食事と一緒に摂取することで、オリゴ糖の消化管内の滞留時間が長くなり、利用効率が高まる可能性があります。朝食に摂取すると、一日を通して腸内環境を整えることになりますし、就寝前に摂取すれば、夜間の腸内細菌の活動を促進し、翌朝の排便を促す効果が期待できます。ポイントは継続的な摂取です。ビフィズス菌や乳酸菌の餌となるオリゴ糖や水溶性食物繊維を一緒に摂ることで、相乗効果が期待できます。
「オリゴ糖の効果」についてよくある質問
ここまでオリゴ糖の効果を紹介しました。ここでは「オリゴ糖の効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修管理栄養士がお答えします。
オリゴ糖のメリット・デメリットについて教えてください。
丸山 聡子 医師
オリゴ糖は善玉菌の餌となり、ビフィズス菌や乳酸菌などの増殖を促進し腸内環境が整い便秘の改善をします。オリゴ糖の過剰摂取は一過性の下痢や腹痛をともなう場合があります。
その他に腸内環境が改善することで見られる効果
・間接的に肌荒れを防ぐ効果
・砂糖や蜂蜜と比較してカロリーが低いことからダイエット効果
・血糖値の急激な上昇を抑える効果
・カルシウムなどのミネラルの吸収を促進する効果
オリゴ糖と蜂蜜どちらの方が体に良いですか?
丸山 聡子 医師
目的によって異なります。便秘改善や減量が目的の場合、腸内環境を整え、低カロリーなので、オリゴ糖がおすすめです。疲労回復や即効性のある栄養補給が目的の場合、はちみつの方が適しています。体内で速やかにエネルギーとして利用されます。栄養価の高さを求める場合、蜂蜜の方が多様な栄養素を含んでいます。
編集部まとめ
オリゴ糖はプレバイオティクスとして、その機能が注目されている特定保健用食品です。腸内環境を整えることで排便コントロールにつながります。しかし、どれだけ食べればよいという基準はありません。
・記事に関する内容で強調したいこと
効果を得る分量は個人差があります。過剰摂取による症状が見られたら、摂取量を減らしたり、いったん摂取を取りやめ、症状が治まらなかったら、かかりつけ医に相談しましょう。
・記事のまとめ
オリゴ糖の適切な摂取量は定められていません。健康食品を摂取すれば、効率よく症状の改善が期待できます。一方食品からの摂取も可能ですので、メニューや組み合わせを工夫し摂取できれば、過剰摂取を防ぐことができると考えます。
必ず体調に合わせて摂取する分量をコントロールすることをお勧めします。
「オリゴ糖」と関連する病気
「オリゴ糖」と関連する病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「オリゴ糖」と関連する症状
「オリゴ糖」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 軟便
- 下痢
- 腹痛
- 腹部膨満感