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「ビタミンAを過剰摂取すると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

 公開日:2024/11/28
「ビタミンAを過剰摂取すると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

ビタミンAを過剰摂取するとどうなる?Medical DOC監修管理栄養士がビタミンAを過剰摂取すると現れる症状・妊婦中に過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効率的な摂取方法などを解説します。

西澤 奈純

監修管理栄養士
西澤 奈純(管理栄養士)

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経歴
2017年至学館大学卒業 学生時代もスポーツ栄養の研究室でアスリートへの食事提供、実業団チームへの栄養サポート補助、大学生アスリートへの栄養アセスメント、スポーツジムでの健康栄養セミナー講師などを経験してまいりました。/ 2017年~2019年まで給食委託会社勤務 実業団陸上部スポーツ寮、特別養護老人ホームなどで給食管理、栄養管理業務に従事しました。 アスリートへの栄養サポートとして合宿帯同なども経験させていただきました。 / 2019年~管理栄養士として大学勤務 本格的にスポーツ栄養に携わるために転職いたしました。研究員としてスポーツ寮での食事提供、アスリートへの個別指導、集団セミナーなどに従事しました。 / 現在は食品メーカーにて調乳指導に従事し、月50名以上のお母様に指導をしております。また、料理専門の家事代行サービスでもお仕事しております。その他単発で業務委託でお仕事させていただいております。
主な研究内容・論文
大学女子体操競技選手に対する減量のための栄養サポート
保有免許・資格
管理栄養士
栄養士
普通自動車運転免許

「ビタミンA」とは?

「ビタミンA」とは?

ビタミンAとは、ビタミンの一種です。
ビタミンAの成分は主にレチノールとプロビタミンAであるカロテンの二種類です。ビタミンAには視覚や生殖等の機能を維持する働きと、皮膚や粘膜などを健康に保つ働き抵抗力を強める働きなどがあります。さらに、レチノールは、薄暗い場所で視力を保つために必要な物質の生成に関与しています。
ビタミンAは脂肪とともに体内に吸収されます。レチノールはすべて体内に吸収されますが、βカロテンは体内に必要な分だけビタミンAに変換されて吸収されます。
今回はビタミンAの一日の摂取量や過剰摂取した時の症状、多く含む食品、効率よく摂取する方法を順番にご紹介します。

ビタミンAの一日の摂取量

ビタミンAの一日の摂取量

ビタミンAの一日の摂取量は年齢や性別によって異なります。1日の摂取量は、レチノールだけでなくビタミンAの仲間に分類されるものをすべて合わせた『レチノール活性当量』として、マイクログラム(㎍)で表示されます。

ビタミンAの一日の摂取量は成人男性は900㎍RAE、成人女性700㎍RAEです。摂りすぎた場合は翌日以降の摂取量を調整するようにしましょう。

ビタミンAを過剰摂取すると現れる症状

ビタミンAを過剰摂取すると現れる症状

以下の症状が現れた場合は、ビタミンAを摂りすぎていないか確認しましょう。特に、サプリメントの摂取によってビタミンAが過剰に摂取されている可能性があります。

頭痛

頭痛は急性過剰症と慢性過剰症のどちらでもある症状です。症状が悪化した場合は脳神経外科、脳神経内科で受診しましょう。受診の際には、頭痛がいつからあるのか、頭痛の継続時間や痛みの種類などをしっかりと伝えられるよう、事前に整理しておくことが必要です。

腹痛

腹痛は急性過剰症の症状になります。症状が悪化した場合は内科、特に消化器内科や胃腸内科で診てもらいましょう。受診するときにはサプリメントの摂取や腹痛の部位、強さ、経過などを医師に明確に伝えることが大切です。

皮膚の乾燥

皮膚の乾燥は慢性過剰症の症状です。症状が悪化した場合は皮膚科で診察を受けてください。受診時のポイントはサプリメントの摂取や症状がいつからかをしっかり伝えることです。

脱毛

脱毛は慢性過剰症の症状になります。症状が悪化した場合は皮膚科で受診しましょう。受診時はサプリメントの摂取や症状がいつからあり、どのくらいのスピードで抜け毛が増えたのか伝えることが大切です。

食欲不振

食欲不振は慢性過剰症の症状です。症状が長く続く場合や悪化した場合は内科で診察をうけましょう。受診時のポイントはサプリメントの摂取や症状がいつからあるのかを伝えることです。

妊婦中にビタミンAを過剰摂取すると現れる症状

妊婦中にビタミンAを過剰摂取すると現れる症状

胎児の先天異常

妊娠中にビタミン A を過剰摂取することで先天奇形が増加することが報告されています。妊娠を計画する方や妊娠 3 か月以内の方は、レバーなどのビタミン A 含有量の多い食品やビタミン A を含む栄養機能食品やサプリメント等の継続的な大量摂取を避けることが重要です。

めまい

ビタミンAを過剰摂取するとめまいの症状がでます。症状が悪化した場合はまず内科で診察を受けてください。受診時はサプリメントの摂取や症状を詳しく伝えることが大切です。

嘔吐

ビタミンAを過剰摂取すると嘔吐の症状がでます。症状が悪化した場合は消化器内科を受診しましょう。受診時のポイントはサプリメントの摂取や症状がいつからあるのか伝えることです。

関節の痛み

ビタミンAを過剰摂取すると全身にある関節の一部に痛みが出る症状があります。症状が悪化したときや長く続く場合は整形外科で診察を受けてください。受診時はサプリメントの摂取や症状がいつからあるのか伝えることが大切です。

ビタミンAを多く含む食品

ビタミンAを多く含む食品

レバー

レバーはビタミンAであるレチノールを多く含む食品です。特に鶏レバーは100gあたり14,000μg、豚レバーは100gあたり13,000μgのレチノールを保有しています。

成人が一日で必要とするビタミンAをレバー50gで賄えます。レバーに含まれているのはビタミンAそのものであるため、ビタミンAを直接的に吸収することが可能です。

効率的に摂取するためには、ビタミンAが脂溶性ビタミンであるため油で炒めることでより吸収率が高まります。

ウナギ

ウナギは、ビタミンAのレチノールを多く含む魚です。ウナギの蒲焼きは1串100gあたり1,500㎍のレチノールが含まれています。ウナギは脂身がある魚のためビタミンAを摂取するうえで大変相性のよい食材です。うなぎは炒め物など少しの油で調理するとよりビタミンAの吸収率があがります。

ニンジン

ニンジンはビタミンAの仲間であるβカロテンを多く含む食品です。
ニンジンにはβカロテンが100gあたり7,500㎍含まれていて、レチノールに換算すると720㎍含まれている計算になります。

ニンジンに含まれているカロテンは水には溶けず、油に溶けやすい性質を持っているため、炒め物や揚げ物などの油を使う調理方法によって効果的に摂取できます。

ホウレンソウ

ホウレンソウはビタミンAの一種であるβカロテンを多く含む食品です。ホウレンソウにはβカロテンが100gあたり5,400㎍含まれていて、レチノールに換算すると450㎍になります。

ホウレンソウにはβカロテン以外にもビタミンCや鉄なども含まれています。栄養素を逃さず効率的に摂るためには、電子レンジで加熱するか炒め物など油を使用した調理をしましょう。

春菊

春菊はビタミンAの仲間であるβカロテンを多く含む食べ物です。春菊にはβカロテンが100gあたり5,300㎍含まれていて、レチノールに換算すると440㎍含まれていることになります。

春菊は多くの栄養素を含んでいます。栄養素を逃さず効率的に摂るためには、サラダなどの生のまま食べるか電子レンジ調理炒め物など油を使用した調理をすることです。

ビタミンAを効率よく摂取する方法

ビタミンAを効率よく摂取する方法

ビタミンAを多く含む食品の摂取

ビタミンAを多く含む食品の一例は以下のとおりです。

  • レバー
  • ウナギ
  • ニンジン
  • ホウレンソウ
  • 春菊
  • 西洋カボチャ

動物由来と植物由来のビタミンAがありますが、吸収効率に大きな差があります。吸収効率は動物由来より植物由来が約6分の1少ないです。

ビタミンAと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

ビタミンAはほかの栄養素と一緒に摂取することで抗酸化力があがります。特にビタミンEは目の健康に関する効果を高め、亜鉛は体内のビタミンAの代謝を促し、ビタミンAの抗酸化作用を活性化させることがわかっているため、積極的に摂取する必要があります。ビタミンEが多く含まれる食品の一例です。

  • アーモンド
  • 落花生
  • ヒマワリ油
  • たらこ
  • モロヘイヤ

ビタミンEは熱や酸によるビタミンEの減少はほとんどないといわれているので、どのような調理にも適しています。
次に亜鉛が多く含まれる食品の一例です。

  • 牡蠣
  • いわし
  • 豚レバー
  • かぼちゃ
  • ごま

亜鉛は水に溶けやすい性質をもつため焼くか生のままの調理をおすすめします。普段の食事にプラスしてビタミンAの効果を高めましょう。

ビタミンAの効果を高める摂取タイミング

ビタミンAの効果を高める摂取タイミングは特にありません。ただ、ビタミンAは油・脂質と一緒に摂取すると吸収率があがるため食事や間食などで一緒に摂るようにしましょう。もしサプリメントでビタミンAを摂取するのであれば食後がおすすめです。

「ビタミンAの過剰摂取」についてよくある質問

「ビタミンAの過剰摂取」についてよくある質問

ここまでビタミンAの過剰摂取を紹介しました。ここでは「ビタミンAの過剰摂取」についてよくある質問に、Medical DOC監修管理栄養士がお答えします。

過剰摂取すると体に影響を及ぼすビタミンについて教えてください。

西澤 奈純西澤 奈純 医師

どのビタミンも適量を摂取することが大切です。しかし、特に過剰摂取に注意すべきビタミンは、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kになります。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので注意が必要です。ビタミンのサプリメントを摂取されている方は特に気を付けてください。

編集部まとめ

編集部まとめ

この記事ではビタミンAの一日の摂取量や過剰摂取したときの症状についてお伝えしました。

過剰摂取による症状は頭痛や腹痛・皮膚の乾燥、脱毛などあり、妊娠中には胎児にも影響を与えかねないことをわかっていただけましたでしょうか。

ビタミンAの効果を高めるためにはビタミンEや亜鉛を同時に摂取することが大切です。ビタミンEはなるべく焼くか生で摂取することで効果が高まります。

そして、規則正しい生活とバランスの良い食事が健康と美容の基本です。

ビタミンAをはじめとする他の栄養素について正しい知識を身につけ、健康的な食事を心がけることで、何歳になっても元気で美しく過ごせるようにしましょう!

「ビタミンA」と関連する病気

「ビタミンA」と関連する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科の病気

  • 肝毒性

整形外科の病気

  • 骨粗しょう症

小児科の病気

  • 頭蓋内圧上昇による泉門の隆起

循環器科の病気

  • 脂肪代謝

「ビタミンA」と関連する症状

「ビタミンA」と関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 暗いところでものが見にくくなる
  • 皮膚の角質化
  • 免疫能力の低下

この記事の監修管理栄養士