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「頻脈性不整脈」の症状・原因・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2026/01/28
「頻脈性不整脈」の症状・原因・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が解説!

頻脈性不整脈とは?Medical DOC監修医が頻脈性不整脈の症状・原因・なりやすい人の特徴・心電図の特徴・放置するとどうなるか?・発症後に日常生活で気をつけたいことなどを解説します。

桑原 優大

監修医師
桑原 優大(医師)

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【経歴】
2010年昭和大学医学部卒業(2025年度時点で医師16年目です) 初期臨床研修修了後、都内病院にて心臓血管外科後期研修後、福井県で救急総合診療部で後期研修し、その後再度都内病院で心臓血管外科で医長として勤務。 現在(2025年度〜)は都内循環器クリニックにて地域医療に従事。
【保有資格】
循環器専門医 救急科専門医
外科専門医 心臓血管外科専門医
修練指導医 成人先天性心疾患専門医
難病指定医

「頻脈性不整脈(ひんみゃくふせいみゃく)」とは?

脈拍が1分間に100回以上になる状態を「頻脈」といいます。しかし、すべての頻脈が異常とは限りません。発熱・脱水・貧血・痛み・不安・低血糖・甲状腺機能亢進症などが原因の「洞性頻脈」は、体にとって正常な反応です。しかし、安静時に脈拍が150回/分以上になる場合は「頻脈性不整脈」の可能性が高まります。代表的な疾患には以下があります:
・心房細動
・心房粗動
・心房頻拍
・発作性上室頻拍
・心室頻拍
・心室細動

「頻脈性不整脈」と「心房細動」の違いとは?

心房細動は「頻脈性不整脈」の一種です。心房が細かく震える(細動)ことで、心室へ伝わる刺激が不規則になり、脈も不整になります。「脈がとびとび」「動悸がする」と感じることがあります。心房細動そのものは命に関わることは少ないものの、持続することで心房に血栓ができ、それが脳に飛ぶと脳梗塞を引き起こす恐れがあります。日本では全人口の約1~1.5%、80歳以上では5~8%の方が心房細動を患っているとされています。

頻脈性不整脈の代表的な症状

症状の特徴は、下記の通りです。
・動悸:「ドキドキドキ」「ドキドキ、ドックン」など、強く感じることがあります。
・めまい・ふらつき、息苦しさ・胸痛、血圧低下や失神もあり得ます。
・小児では腹痛や嘔吐を訴えることもあります。
無症状の場合も多く(特に心房細動では約半数)、健康診断で偶然発見されることも。

心室頻拍や心室細動は、数分で心肺停止に至る恐れもある重篤な不整脈です。

自宅でできる応急対応は限定的ですが、
・顔を冷たい水で洗う(迷走神経の刺激)
・Valsalva手技(息をこらえる):深く息を吸い、10〜30秒静止
ということが挙げられます。

ただし、これらは応急処置であり、効果は限定的。自己判断で繰り返すのは非常に危険です。特に、よく本などに記載のある頸動脈マッサージは血管プラーク等が飛び脳梗塞のリスクがあるため、自己判断では行わないでください。症状が強ければすぐに救急外来や救急車の利用を検討し、循環器内科や心電図の取れる内科に受診することを推奨します。

頻脈性不整脈の主な原因

心疾患(狭心症、心筋梗塞、心不全、心筋症、弁膜症、先天性心疾患、心臓手術後、ペースメーカー挿入後など)
これらの基礎疾患が背景にあると、不整脈が発症しやすいです。特に心筋梗塞後や心筋症をお持ちの方や、心臓手術後に方は注意が必要です。早期治療が必要な場合もありますので、循環器内科を早めに受診しましょう。

ホルモンや代謝異常(甲状腺機能亢進症・糖代謝異常など)

甲状腺ホルモンの過剰分泌は心拍数を増加させ、頻脈を招きます。
糖尿病患者さんの低血糖でも頻脈となることがあります。
これらの病気の場合、冷や汗をかくことがある、手が震える、めまいがする、体重減少がある、下痢をするなど他の全身症状も合併することがありますので、循環器内科や内分泌代謝内科などに相談が必要です。

高血圧・動脈硬化

心臓にかかる負担が増え、心臓自体が肥大していくなどのため、頻脈発症のリスクも高まります。循環器内科での心臓超音波検査等で心臓自体の変化がおきてきていないか時々確認することも大切です。

ストレス・緊張・疲労・睡眠不足など

交感神経の緊張が続くと頻脈を誘発しやすくなります。生活に支障が出てきた場合には、一度内科や精神科に相談が必要な場合もあります。

アルコール・カフェインの大量摂取、喫煙

これらは自律神経を乱し、頻脈リスクを上げます。節度をもって生活習慣を見直すことが大切です。

薬剤の副作用

特に気管支拡張薬、抗うつ薬、向精神薬、抗がん剤、免疫抑制薬などが頻脈を引き起こす可能性があります。薬の量が多い方は特に自身の内服薬の飲み合わせや副作用を整理しておきましょう。お薬手帳を持ち、薬剤師さんに聞いてみることも大切です。

頻脈性不整脈になりやすい人の特徴

一般には女性より男性が起こりやすいといわれますが、原因は多種多様であるため、一概には言えないかもしれません。

加齢や心血管疾患の既往がある中高年男性はリスクが高まります。Brugada症候群など一部はアジア人男性に多く遺伝的な背景もあります。ご自身の家系で突然死を起こした方がいたり、原因不明で死亡した方がいる場合には、特に注意が必要なことがあります。

不摂生な生活(睡眠不足・暴飲暴食・深酒・ストレス)は自律神経が乱れ、肥満が進むと血圧も上昇するため、頻脈を起こしやすい状態になります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病も不整脈の素因となりえると思います。
逆に言えば、生活習慣が整っている・管理されている方は頻脈性不整脈を起こしにくい傾向にあると考えます。

心臓の基礎疾患を持つ人(心筋症・弁膜症・心不全・Ebstein病など)

心臓に構造的・機能的な問題があると、不整脈の発生リスクが高まりますが、定期的に診察を継続していれば、頻脈性不整脈を未然に防げることもあると思います。

頻脈性不整脈を発症すると心電図にどのような特徴が現れる?

発作性上室性頻拍では、突然心拍が速くなり、QRS波は正常幅のものが多いです。
心房粗動では、心電図上「ノコギリ波(鋸歯状波)」が特徴的です。
心房細動では、P波が消失し、不規則なRR間隔、細かく揺れる線条(f波)が見られます。
心室頻拍では、幅の広いQRS波が頻拍で出現し、血圧低下や意識消失の危険があります。
心室細動は、心電図上で規則性のない細かい波が続き、生命に直結する状態です。

頻脈性不整脈を放置するとどうなる?

頻脈性不整脈を放置すると、心臓の壁が拡大し、弁に負担がかかり心不全になります。
また、脳梗塞などの塞栓症を発症したり、突然死の原因になることもあります。

頻脈性不整脈を発症した際に日常生活で気をつけたいこと

規則正しい生活習慣

十分な睡眠とバランスのよい食事、適切な休養を心がけましょう。

ストレス管理

リラックスする時間や趣味を取り入れ、自律神経を整えることも重要です。

適度な運動

過度ではないウォーキングやストレッチなどの軽度な運動は心臓にも良い影響を与えます。目安は30分程度の運動を週3回です。

スマートウォッチなどで脈の変化をチェック

連続心電図を記録できるウェアラブル機器で異常に気づけることも増えています。特に心房細動を検出してくれるデバイスが多いですが、過信しすぎてはいけません。これらで測定できるのは心電図の一部です。定期的な心電図検査が大切です。

「頻脈性不整脈」についてよくある質問

ここまで頻脈性不整脈について紹介しました。ここでは「頻脈性不整脈」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

頻脈性不整脈で亡くなることはありますか?

桑原 優大桑原 優大 医師

はい、稀ではありますが命に関わるケースもあります。特に 心室頻拍・心室細動は迅速な蘇生や除細動が必要で、一歩手遅れになると心肺停止につながります。
原因不明の突然死の家族歴をお持ちの方、心筋梗塞後、心臓手術後、先天性心疾患の方などは特に注意が必要です。
また、心房細動が長く続くと 心不全や脳梗塞など重大な合併症のリスクが高まるため、早期の診断・治療が重要です。

まとめ

頻脈性不整脈とは、1分間の心拍数が100回以上になる状態で、意識障害や失神、心不全・突然死につながる可能性もある不整脈の総称です。

心房細動はその一種で、多くは命に直接影響しませんが、放置すると脳梗塞など重大な合併症のリスクがあります。原因は多岐にわたり、心疾患、甲状腺機能亢進、ストレス、生活習慣、薬剤などが関係します。
心電図で診断し、症状に応じて治療法(薬物療法/カテーテルアブレーション)が選択されます。頻脈を繰り返す・症状がある場合は、早めに循環器内科の受診を。日常生活では 規則正しい生活・ストレス管理・適度な運動、そして脈のモニタリングが効果的です。

「頻脈性不整脈」と関連する病気

「頻脈性不整脈」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系

不整脈によって心機能の低下や脳梗塞など他の臓器への影響が起こることもあります。

「頻脈性不整脈」と関連する症状

「頻脈性不整脈」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

この記事が 頻脈性不整脈への理解と気づきを促し、適切な対処につながる一助となれば幸いです。

参考文献

  • 最新ガイドラインに基づく循環器疾患 診療指針(2024-2025) 総合医学社
  • もう困らない救急・当直 日本医事新報社

この記事の監修医師