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「心臓病の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

 更新日:2024/03/22
「心臓病の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

心臓病の原因とは?Medical DOC監修医が心臓病の原因・発症する可能性の高い食べもの・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

藤井 弘敦

監修医師
藤井 弘敦(医師)

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三重大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修、河北総合病院で外科研修を経て現在は菊名記念病院で心臓血管外科医として日々手術・重症者管理を行っている。医療用アプリの開発や在宅診療、海外で医療ボランティアを行うなど幅広く活動している。外科専門医、腹部ステントグラフト実施医/指導医、胸部ステントグラフト実施医、米国心臓病学会ACLSプロバイダー、日本救急医学会JATECプロバイダーの資格を有する。

「心臓病」とは?

心臓病は、一つの病気ではありません。心臓の構造や機能、つまり働きの異常により生じる病気をまとめた呼び方となります。
心臓病には、冠動脈疾患(虚血性心疾患)、心臓弁膜症、心筋症などが含まれます。
今回の記事では、心臓病の原因や発症する可能性の高い食べ物、そして心臓病の予防法を簡単に、かつわかりやすく解説していきます。

心臓病の種類

それでは、心臓病の種類について述べていきましょう。

冠動脈疾患

冠動脈疾患(かんどうみゃくしっかん)とは、冠動脈という心臓を栄養している太い血管を流れる血流が低下することで、心臓に血液や酸素が十分に送られなくなるという病気のことです。
冠動脈が狭くなることで、心筋(心臓を作っている筋肉)の酸素が不足し、胸の痛みが生じるのが狭心症です。冠動脈がつまっていても痛みを生じない、無症候性心筋虚血という病気もあります。
一方、冠動脈のつまりが進行し、心筋が壊死(えし;死んでしまうこと)してしまうことを、心筋梗塞と呼びます。
冠動脈疾患では、胸の中心あたりが圧迫され、締め付けられるような強い痛みが典型的といわれています。しかし、のどやあご、左肩や左腕、背中、歯が痛むという症状がみられることもあります。
狭心症では血流が自然に改善するので、症状は長くても15分程度安静にしているとおさまりますが、放置しておくと再発・進行する可能性があります。
ところが、心筋梗塞は血流が完全に途絶えてしまうので、持続する症状というのが特徴になります。
胸の痛みが数分以上続くという症状がある場合には、早急に循環器内科などを受診するようにしましょう。

弁膜症

心臓弁膜症は、心臓の弁が正常に機能しない状態です。心臓には4つの弁があり(僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁、大動脈弁)、これらの弁は血液が一方向に流れるように調整しています。心臓弁膜症は、これらの弁のうち一つ以上が狭窄(弁の開きが悪い状態)したり、逆流(血液が逆方向に流れる状態)を起こすことで発症します。この病気は先天的なものであることも、後天的な要因(感染症、加齢、他の心臓病など)で発症することもあります。
心臓弁膜症の症状は、息切れ、疲労感、不整脈、胸痛、めまいや失神などがあります。一方、無症状の弁膜症もあり、健康診断などで心雑音を指摘され診断されることもあります。
心臓弁膜症の疑いがある場合、内科や循環器内科を受診することがすすめられます。もしも心臓の手術が必要である場合には、心臓外科で治療が行われます。

心筋症

心筋症は、心臓の筋肉が何らかの原因で正常に機能しなくなってしまう病気の総称です。
大きく分けると、心室の収縮力が低下し心臓が風船のように広がってくる拡張型・心臓の壁が厚くなり膨らみにくくなる肥大型などがあります。
拡張型心筋症は、遺伝的な影響や免疫の異常、炎症、肥大型心筋症は遺伝的要因が強いといわれています。
心筋症の症状はさまざまですが、息切れやむくみ、疲労感、不整脈、胸の痛みなどが一般的とされています。遺伝性の場合には、子供のころから顔色不良、活発さの低下などの症状が出る場合もあります。
こうした症状がある場合には、小児科や循環器内科を受診することが必要です。
家族にも同じような病気がある場合には、遺伝的な影響の可能性もあります。そのような場合には、遺伝カウンセリングを受けることも勧められます。

心臓病の主な原因

ではここからは、心臓病の主な原因について解説します。

冠動脈の狭窄

冠動脈は、心筋へ酸素や栄養を送る大切な血管です。この冠動脈が狭窄(きょうさく;せまくなること)してしまうと、狭心症や心筋梗塞の原因となります。
冠動脈の狭窄は、主にアテローム性動脈硬化(コレステロールや脂肪のプラークが動脈壁に蓄積する状態)によって引き起こされます。

高血圧

長期間にわたる高血圧は、心臓に負担をかけ、心臓病を引き起こす可能性があります。
高血圧は収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合とされています。
高血圧は無症状であることが多いのですが、放置しておくと狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、そして脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)、認知症などの脳疾患のリスクになります。健康診断などで高血圧を指摘された場合には、減塩や運動など生活習慣改善につとめ、自宅で血圧を測定し、内科を受診しましょう。

喫煙

喫煙は、冠動脈を損傷し、心臓病のリスクを高めます。
受動喫煙であっても、冠動脈に影響を与えます。一方、禁煙すれば比較的早くリスクの低下が見られ、禁煙後1年で冠動脈疾患の危険性は大きく低下し、再発率も低くなります。

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖が高いままになってしまう病気です。糖尿病は、心臓病のリスクを増加させます。
糖尿病の合併症として、大きな血管の動脈硬化症が起こるということがあります。これが、冠動脈にも起こるのです。さらに、糖尿病の方は高血圧や脂質異常症、腎機能障害、肥満など他の動脈硬化を起こす危険因子を持ち合わせていることが多いため、さらに心臓病のリスクが高くなると考えられています。

遺伝と家族歴

心筋症など一部の心臓病には、遺伝性の疾患があります。
そのため、家族に心臓病の方がいる場合には、心臓病のリスクが高まる場合があります。

心臓病の原因となる可能性の高い食べもの

それでは、摂りすぎることで心臓病の原因となる可能性が高い食べ物について解説していきます。

加工された赤肉(ハム、ソーセージ、ベーコン)(特に高脂肪の部位)

加工肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン)は飽和脂肪酸とナトリウムが多く含まれているため、これらを多量に摂取することは、コレステロール値の上昇や高血圧のリスクを高める可能性があります。

トランス脂肪を含む食品(マーガリン、ショートニング)

マーガリン、ショートニング、一部の揚げ物やパッケージされたスナック食品に含まれるトランス脂肪は、悪玉コレステロール(LDL)を増加させるとともに、善玉コレステロール(HDL)を減少させることが知られており、心臓病のリスクを増加させます。

高コレステロール食品(卵黄、高脂肪乳製品、内臓肉)

動物性脂肪が多い食品(卵黄、高脂肪の乳製品、内臓肉)はコレステロール含有量が多いため、これらの食品の過剰な摂取は血中コレステロール値を上昇させ、心臓病のリスクを高める可能性があります。

心臓病を予防する可能性の高い食べもの

心臓病の中でも重要な冠動脈疾患は、動脈硬化が原因となるものが多くみられます。また、高血圧や高血糖状態も動脈にダメージを与えます。そのため、食事におけるポイントとしては、エネルギーを適切に保ち、タンパク質や脂質、炭水化物をバランスよく摂取し、さらにビタミンやミネラルもとるようにすることです。ここからは、心臓病の予防に役立つ可能性のある食べ物をご紹介します。

サバ・サンマ・イワシなどの青魚

EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸は、血液中の中性脂肪を下げ、不整脈を防ぎ、血管の老化を防ぐ効果があるとされています。また、DHAには動脈硬化や高血圧の予防、LDLコレステロールを下げる働きがあります。EPAには血栓予防の効果もあります。

アボカドやほうれん草などの野菜、キウイなどの果物

野菜や果物には、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は消化を助け、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。また、食物繊維はコレステロールの吸収を減らし、冠動脈疾患のリスクを下げる可能性があります。
また、ブルーベリー、イチゴ、ケール、ほうれん草、トマトなどには抗酸化物質が含まれています。炎症や酸化は動脈硬化などの心臓病のリスク要因と関連していますが、抗酸化物質を摂取することで血管の炎症を抑える効果が期待できます。

豆腐や納豆などの大豆製品

豆腐や納豆などの大豆製品は、低脂肪でありながら、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。
マグネシウムは、カルシウムと一緒に摂ることで、血圧を下げる効果があります。さらに、納豆に含まれる納豆キナーゼには血栓を溶かす作用があり、動脈硬化をはじめとした心臓病の予防にも役立ちます。しかし、ビタミンKを摂ると効果が低下してしまう、ワーファリンなどの抗血液凝固薬を飲んでいる方は、納豆は控えるようにしましょう。

心臓発作の予防法

心臓発作の予防のためには、生活習慣に気を付けることが大切です。以下はその効果と食事や生活習慣で気を付けるべきポイントを3つ紹介します。

適度な運動

定期的な運動は、体重管理、血圧の低下、LDLコレステロールの低下、血糖値の安定に役立ちます。これにより、心臓発作のリスクを減らすことができます。
週に1日30分以上、週3回以上(できれば毎日)、または週に150分の中強度の有酸素運動(歩行、ジョギング、サイクリングなど)を行うことが一般的に推奨されています。

バランスの取れた食事

バランスの取れた食事は、血中の悪玉コレステロールを減らし、血圧を下げ、体重管理に役立ちます。
日本食は、海藻や大豆・大豆製品が豊富に含まれています。他にも、食物繊維や不飽和脂肪酸を含むナッツ類を摂取すると良いでしょう。

禁煙とアルコールの摂取制限

喫煙は心臓病の重要なリスク因子です。禁煙することで、冠動脈を含む血管の状態を改善し、心臓発作のリスクを大幅に減らすことが期待できます。心臓発作を予防するためには完全に禁煙しましょう。また、多量飲酒は避け、アルコール摂取は純アルコール換算で25 g/日以下、あるいはできるだけ減らすことが望ましいです。

「心臓病の原因」についてよくある質問

ここまで心臓病の原因を紹介しました。ここでは「心臓病の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスが原因で心臓病を発症することはありますか?

藤井 弘敦藤井 弘敦 医師

ストレスは心臓病のリスクとなる可能性があります。ストレス時には、体はアドレナリンなどのホルモンを放出し、心拍数と血圧を一時的に上げます。そして、長期間にわたるストレスは、心臓病の原因でもある高血圧の発症につながる可能性があります。
また、ストレスが多いと、不健康な食事、運動不足、過度のアルコール摂取や喫煙など、心臓に悪影響を及ぼす生活習慣につながります。

心臓に負担をかける生活習慣はありますか?

藤井 弘敦藤井 弘敦 医師

不健康な食事や運動不足、喫煙、過度のアルコール摂取・ストレス、睡眠不足といった生活習慣は、心臓に負担をかける可能性があります。健康的な食事、定期的な運動、禁煙、適度なアルコール摂取、ストレス管理、そして十分な睡眠を心がけることで、心臓病のリスクを減らすことができます。

心臓病を発症しやすい人の特徴を教えてください。

藤井 弘敦藤井 弘敦 医師

高齢や男性、心臓病の家族歴がある方、喫煙、高血圧、高血圧、高LDLコレステロール、肥満、不規則な食生活や運動不足、ストレス過多、さらに過度の飲酒をしている方は心臓病を発症しやすいと考えられます。

編集部まとめ

今回の記事では、心臓病の原因や、心臓病のリスクをあげたり下げたりする生活習慣について解説しました。
心臓病の中でも、冠動脈疾患は動脈硬化や高血圧、糖尿病などが原因となることが多いです。そのため、生活習慣を見直し、改善できるポイントがないか気をつけてみましょう。

「心臓病の原因」と関連する病気

「心臓病の原因」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

  • アテローム性動脈硬化
  • 高血圧症
  • 心房細動

内分泌科の病気

  • 高LDLコレステロール血症
  • 肥満症

腎臓内科の病気

心臓病の原因と関連する病気には、循環器系の病気の他にも内分泌系の病気や腎臓の病気もあります。これらは、高塩分食やハイカロリーな食事、喫煙、大量飲酒、運動不足などの生活習慣が関わっていることもあります。

「心臓病の原因」と関連する症状

「心臓病の原因」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胸の圧迫感
  • 胸の焼けるような感じ
  • 呼吸がしづらい
  • 下半身がむくむ
  • 疲労感
  • 脈がとぶ感じやドキドキする
  • めまいや失神
  • 歯やあごの痛み
  • 冷や汗

心臓病の原因と関連している症状には、狭心症や心筋梗塞などの病気によるものや、不整脈によるものなどがあります。こうした症状が現れた場合には、医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師