目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 三大疾病
  4. がん
  5. 「白血病の再発率」は意外と高い?原因・見逃せない3つの症状・余命を医師が解説

「白血病の再発率」は意外と高い?原因・見逃せない3つの症状・余命を医師が解説

 公開日:2026/03/31
「白血病の再発率」は意外と高い?原因・見逃せない3つの症状・余命を医師が解説

白血病の再発率とは?メディカルドック監修医が白血病の種類・再発率・再発後の余命・症状・原因・治療法などを解説します。

今村 英利

監修医師
今村 英利(タイムルクリニック)

プロフィールをもっと見る
2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許を取得。2019年に日本医師免許を取得。神戸大学大学院(腫瘍・血液内科学講座)にて血液悪性腫瘍の研究に従事。2019年に日本医師免許と医学博士号を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院、新宿アイランド内科クリニック院長、在宅医療(訪問診療)などを歴任後、2024年9月タイムルクリニックに院長として着任。現在は、内科・皮膚科全般の疾患を幅広く診療している。

「白血病」とは?

白血球は、細菌やウイルスと戦って身体を感染症から守る重要な役割を担っています。この白血球は、骨の中にある骨髄で産生される造血幹細胞から分化・成熟し、血液中へと流れていきます。
白血病は、この白血球になるはずの細胞が何らかの原因でがん化し、白血病細胞として無制限に増殖してしまう血液のがんの一種です。

白血病の種類

白血病は、造血幹細胞のうち骨髄系幹細胞ががん化する「骨髄性」と、リンパ系幹細胞ががん化する「リンパ性」に大きく分けられます。そして、それぞれがさらに「急性」、「慢性」に分けられます。

急性骨髄性白血病(AML)

急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)は、骨髄系幹細胞の中でも骨髄芽球ががん化する病気です。AMLでは、骨髄芽球が無秩序に骨髄で増殖してしまうために、正常な造血機能が妨げられてしまいます。その結果、白血球減少、貧血、血小板減少が起こり、それによるいろいろな症状が現れます。適切に治療が行われない場合には、感染症や出血によって短期間でも死亡に至る可能性がある病気です。

急性リンパ性白血病(ALL)

急性リンパ性白血病は、リンパ球に分化する前のリンパ系幹細胞ががん化してしまう病気のことです。この異常な細胞はリンパ芽球と呼ばれています。骨髄の中にリンパ芽球が25%以上認められる場合には、ALLと診断されることが多いです。ALLは、中枢神経系への浸潤が起こりやすいことが知られています。

慢性骨髄性白血病(CML)

慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)は、多能性造血幹細胞の異常によって引き起こされる白血病です。CMLでは、フィラデルフィア染色体があることが特徴です。「慢性期」「移行期」「急性転化期」の3つのステージを経て進行していきます。

慢性リンパ性白血病(CLL)

慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)はBリンパ球系の腫瘍で、CD5とCD23というマークのようなものが細胞に発現しています。日本ではまれな疾患です。多くはゆっくりと進みますが、一部では進行が早く予後不良な症例もあります。

白血病の再発率はどれくらい?

白血病の再発率は、白血病の種類によっても異なります。
標準的な化学療法を受けた若年者のAMLでは、約40%が5年間再発なく経過するとされています。しかし、AMLの場合、60歳未満の患者の再発リスクは35〜80%となります。60歳以上の場合の3年での再発率は、予後良好の場合には60%程度、予後不良なケースでは85%を超えるとされています。一方で、治療後に5年以降に再発するケースは少ないとされています。
ALLは、成人と小児で再発率に違いがみられます。成人の場合、標準リスクの患者の3分の1、高リスク患者の3分の2が再発します。小児の再発率は約10%と報告されています。

白血病再発後の余命

白血病は再発すると、現時点では完全に治すことは困難とされています。
再発AML患者の全生存率は3年で10%未満と推定されています。また、ALL再発成人の全生存期間の中央値は4.5ヶ月、5年全生存率は10%とする報告があります。
小児のALL再発の場合、5年後全生存率は約50%という報告がありますが、乳児の場合には約20%程度となります。

白血病が再発する原因

白血病にはさまざまなタイプのものがありますが、以下のような要因があると予後が不良となる可能性が高まると考えられています。

高齢であること

AMLの場合、60歳以上は予後不良因子として知られています。また、全身状態が悪いことや合併症があることも、再発や予後を左右する重要な因子となります。血液内科や腫瘍内科での厳密な管理が必要であり、異常を感じた場合は直ちに受診すべきです。

染色体核型・遺伝子変異

AMLの場合には、染色体のタイプが予後不良因子となる場合があります。3q異常や5番・7番染色体の欠失または長腕欠失などがあります。また、遺伝子変異としてFLT3-ITD変異というものも知られています。これらは精密な血液検査や骨髄検査によって判明します。

治療に対する反応性(治療回数)

寛解に至るまでに2回以上治療を要することは予後不良因子となります。初回治療での反応が十分でない場合、再発リスクが高まると考えられており、早期の段階から移植などのより強力な治療法が検討されることもあります。

白血病が再発するとどんな症状が現れる?

白血病の再発時に現れる症状としては以下のようなものがあります。

疲れやすくなる・貧血症状

骨髄で白血球や赤血球などの正常な血液細胞が作られるのが妨げられるために、貧血がみられることもあります。その結果、疲れやすくなる、動悸、息切れなどの症状が起こる場合があります。これらの症状は徐々に進行することが多いため、日々の体調変化に注意が必要です。

感染症がなかなか治らない

正常な白血球が減少するため、ウイルスや細菌などに対する免疫力が低下する場合があります。微熱が続く、風邪が治りにくいなどの兆候がある場合は、血液内科を受診して血液検査を受ける必要があります。

中枢神経症状(頭痛や吐き気)

白血病は髄液といって脳や脊髄の周りを満たす液体に再発することもあります。すると、頭痛や吐き気、ものが二重に見えるなどの症状が出現する場合もあります。こうした症状がある場合には、緊急性が高いこともあるため、早めに主治医に相談するようにしましょう。

白血病が再発した後の治療法

白血病が再発した後の治療法には以下のようなものがあります。

救援化学療法(強力化学療法)

再発したAMLに対し、若い方ではシタラビン(AraC)大量投与をメインとした救援化学療法によって完全寛解に導入することを目指します。アントラサイクリンが併用されることが多いです。一般的には約3〜5割の方で再度寛解に至ることができるとされています。血液内科や腫瘍内科が行い、入院が必要な場合が多いと考えられます。

同種造血幹細胞移植

再発AMLに対し、前述の救援化学療法を行って完全寛解に導入した後、適切な症例に造血幹細胞移植を施行することが推奨されています。また、再発・難治性のCLLに対しても造血幹細胞移植が考慮されます。高度な無菌管理が必要なため、専門の設備がある病院に入院して行われます。

非強力化学療法

体力の面などから強力化学療法が適応とならない症例では、AraC低用量療法、ゲムツズマブオゾガマイシンなどの非強力化学療法が検討されます。化学療法は一般的には入院で行われ、血液内科や腫瘍内科が主科になる場合が多いと考えられます。

「白血病の再発率」についてよくある質問

ここまで白血病の再発率を紹介しました。ここでは「白血病の再発率」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

白血病は最初に発症してから何年後に再発しますか?

今村 英利医師今村 英利(医師)

AMLの場合には、最初の診断後3年以内に再発するケースが多いとされています。

白血病が完治する確率について教えてください。

今村 英利医師今村 英利(医師)

白血病が寛解するかどうかは、白血病の種類や行うことができた治療によって異なります。成人AML患者の80%が最初の導入化学療法後に完全寛解に至ることができるとされていますが、再発率は高い病気です。

まとめ

今回の記事では、白血病の種類や再発率、再発後の治療について解説しました。
白血病は再発すると、特に成人の場合には治癒が難しいとされています。しかし、さまざまな治療法の研究も進んでいます。また、再発後の生存率などには個人差もあります。
白血病の初回治療後は、定期的な経過観察を行い再発の兆候がないかをチェックしていきます。何か気になる症状などがあれば、きちんと主治医に報告していきましょう。

「白血病」に関連する病気

「白血病」から医師が考えられる病気は20個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

血液内科の病気

白血病を含め、血液のがん(造血器腫瘍)にはさまざまなものがあります。

「白血病」に関連する症状

「白血病」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

血液の異常サイン

  • 疲労感
  • 微熱
  • 感染しやすくなる
  • 血が止まりにくくなる
  • 腹部膨満感
  • リンパ節の腫れ
  • ふらつき
  • ものが二重に見える

白血病ではこれらのような症状が現れることがあります。気になる症状があれば、医療機関を受診してください。

この記事の監修医師