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「白血病」を予防する「食べ物」はあるの?発症後に食事面で気を付けるべきことも解説!

 更新日:2025/07/03
「白血病」を予防する「食べ物」はあるの?発症後に食事面で気を付けるべきことも解説!

白血病を予防する可能性の高い食べ物はあるの?Medical DOC監修医が白血病発症後に食事面で気を付けるべきこと・発症のリスクを上げやすい食べ物・がん予防のために大切な生活習慣などを解説します。

今村 英利

監修医師
今村 英利(タイムルクリニック)

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2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許を取得。2019年に日本医師免許を取得。神戸大学大学院(腫瘍・血液内科学講座)にて血液悪性腫瘍の研究に従事。2019年に日本医師免許と医学博士号を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院、新宿アイランド内科クリニック院長、在宅医療(訪問診療)などを歴任後、2024年9月タイムルクリニックに院長として着任。現在は、内科・皮膚科全般の疾患を幅広く診療している。

「白血病」とは?

白血病は、骨髄にある造血幹細胞が血球となる途中でがん化することで発症します。白血病にはがん化した細胞が急激に増殖する急性白血病と、色んな段階での細胞がゆっくり増殖する慢性白血病があります。また、これらの白血病は、リンパ性白血病と骨髄性白血病と2種類に分類されます。白血球の一種であるリンパ球になる前の細胞ががん化したものがリンパ性白血病、骨髄芽球に異常が起こったものが骨髄性白血病と言います。

白血病を予防する可能性の高い食べ物はあるの?

残念ながら、現在のところ白血病を予防するとはっきりと結論が出ている食べ物はありません。今回は一部の白血病において、白血病を予防する可能性があると思われる食べ物についてご紹介いたします。

コーヒー

緑茶やコーヒーには抗酸化作用のあるカフェインやポリフェノールが含まれています。このため、いくつかのがんにおいて予防効果が報告されています。白血病においても、その予防効果が期待されていますが、まだはっきりと結論は出ていません。血液疾患の一つで急性骨髄性白血病に一部移行する事のある骨髄異形成症候群という病気があります。男性でコーヒーの摂取量が多い場合、この骨髄異形成症候群の発症が低くなる傾向がみられました。また、非喫煙者の男性においては、コーヒーの摂取量が多い人では急性骨髄性白血病のリスクが低くなる傾向であったと報告されています。現在のところ、はっきりとした結論は出ておらず、今後の研究結果が待たれます。コーヒーの飲みすぎは胃炎などの胃腸障害を引き起こす可能性もあるため、適量で楽しみましょう。

白血病を発症した後に食事面で気を付けるべきこと

白血病を発症した後には、その病期や治療により正常な白血球が減少していることが考えられます。白血球が減少したときには、感染に対しての防御ができなくなってしまうため、以下のようなことに気をつけなければなりません。

生ものを避ける

生肉、生卵、刺身、貝類などは雑菌や食中毒の原因となる可能性があります。特に白血球が少なく感染に対し防御ができない時期には生ものを避け、加熱した食事を食べるように心がけましょう。

雑菌が繁殖しやすいものを避ける

糖分が多く雑菌が繁殖しやすいドライフルーツ、乾燥芋(かんそういも)などは避けた方が良いでしょう。自家製のものも危険ですが、購入したものでも保管方法により雑菌の繁殖する危険性が高いです。

自家製の発酵食品などを避ける

自家製の漬物やヨーグルト、味噌など発酵食品は製造の過程で雑菌が混ざる可能性があり、感染症を引き起こすことがあります。これらの食品は控えましょう。

十分に加熱する

食材を加熱することで、雑菌を死滅させる効果があります。食中毒などを予防するためにも、しっかりと食材を加熱しましょう。目安としては、食べ物の中心温度が75℃で1分以上です。
また、よく手を洗って調理をすること、また加熱後には早めに食べきる事も大切です。

個包装、缶詰、レトルトなどを選ぶ

開封後には空気中の雑菌が入る可能性があるため、なるべく個包装の食品を選びましょう。また、缶詰やレトルトパックなどは滅菌処理されているため、感染においての安全性が高いです。これらの食材を組み合わせて食事をすることも良いでしょう。

白血病の治療の経過により注意すべき点が異なる可能性もあります。主治医に良く確認をして食材を選びましょう。

がん発症のリスクを上げやすい食べ物

ここでは、がんを予防するための一般的な食事についての注意点を解説します。がんと言っても、いろいろな種類のがんがあり、それぞれにより危険因子は異なります。ここでは、全般的にリスクがある食品についてあげますので、それぞれのがんについて知りたい場合には、そのがんについての危険因子を調べましょう。

加工肉

加工肉の摂取量が多いグループは、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の発症のリスクが高いと報告されています[陽伊1] 。また、胃がんや大腸がんでも同様にがんのリスクをあげる可能性があると言われています。なるべく加工肉が多くならないように普段の食事から気をつけましょう。

アルコール

過剰なアルコールは、口腔がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんなどのリスク因子です。また、アルコールを多く飲むことが高血圧や肝炎などの病気を引き起こす原因でもあります。飲酒により体に取り込まれたエタノールは、発がん性のあるアセトアルデヒドに代謝されるため、がんの原因となると考えられています。過剰なアルコール節酒は健康を害する危険性が高く、適度な量でとどめるべきです。
1日当たりのエタノール量として23g程度(日本酒1合程度)としましょう。

過剰な塩分

塩蔵食品は胃がんの危険因子となります。高濃度の塩分は胃粘膜を障害し、胃粘膜の炎症やピロリ菌の感染を引き起こすと言われています。日本人は食事の塩分摂取が多く、漬物や塩漬けの魚卵、塩辛など塩蔵食品もよく食べます。これらの塩分が多い食事は胃がんだけではなく、高血圧も引き起こし様々な心血管疾患の原因ともなります。塩分は適量にとどめ、高血圧などの生活習慣病を持つ方では1日6g以下にとどめましょう。

過食

多く食事を食べすぎ、肥満をきたすことはさまざまながんの危険因子となります。例えば、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん、子宮体がん、腎臓がんでは肥満が危険因子であると報告されています。肥満によりインスリンが十分に働かなくなるため、インスリンが過剰に分泌されることががん発症のリスクになるのではないかと考えられています。
また、肥満は高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病の危険因子でもあります。健康維持のために過食を避け、適切な食事量としましょう。

がん予防のために大切な生活習慣

国立がんセンターをはじめとする研究グループでは、これらの研究結果から「日本人のためのがん予防法(5+1)」を提唱しています。これについて詳しく解説をいたします。

タバコを吸わない

タバコは肺がんをはじめとする、さまざまながん(食道がん、膵臓がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、子宮頸がん、頭頚部がん、膀胱がんなど)の危険因子です。また、受動喫煙でもがんのリスクが上昇するとわかっています。自分はもちろん周囲の人のためにもタバコは吸わないことが肝心です。

節酒する

先に述べたように、アルコールを多く飲むことはがんの危険因子となり得ます。一日の目安としてエタノール換算23g(日本酒1合、ビール大瓶1本、焼酎ハイボールで2/3合、ワイングラスグラス2杯)程度までの適量までにとどめましょう。

バランスの良い食事

これまでの報告から「塩分過多、塩蔵食品」「野菜や果物の摂取不足」「熱すぎる食べ物をとる事」「加工肉の摂りすぎ」はがんの原因になるということが分かっています。がんの発症を予防するためにも、バランスの良い食事をとるようにしましょう。

適度な運動

仕事や運動などで活動量が多い人ほどがんになるリスクは低下すると言われています。男性では大腸がん、女性では乳がんでこの傾向がみられます。適度な運動をすることは健康寿命を延ばすコツでもあります。日頃から、散歩など有酸素運動を取り入れるようにしましょう。

適正体重を保つ

これまでの研究で、肥満度(BMI)が男性では21~26.9、女性で21~24.9でがんの死亡リスクが低いことが示されています。適正体重を維持することも、がんを予防するために大切です。

感染症の検査を受ける

がんの主要な原因の一つに感染症が挙げられます。例えば、B型、C型肝炎ウイルスは肝細胞がん、ピロリ菌は胃がん、HPVウイルスは子宮頸がん、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病リンパ腫の原因となります。これらの感染が必ずがんになるわけではありませんが、感染状況に応じた対応、治療によりがんを防ぐことができます。感染を疑ったら、医療機関や保健所などで相談をしてみましょう。

「白血病を予防する可能性の高い食べ物」についてよくある質問

ここまで白血病を予防する可能性の高い食べ物などを紹介しました。ここでは「白血病を予防する可能性の高い食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

白血病予防にコーヒーは期待できますか?

今村 英利今村 英利 医師

白血病すべてにコーヒーの予防効果は期待できません。しかし、一部の白血病(急性骨髄性白血病)や骨髄異形成症候群でコーヒーの予防効果の可能性を示す報告もあります。今後のさらなる研究報告が待たれます。

編集部まとめ 生活を見直すことからがんの発症を予防しよう!

白血病そのものを予防する食べ物は現在のところ分かっていません。一部の白血病でコーヒーに予防効果があるという報告がありますが、まだはっきりせず今後の報告が待たれます。しかし、白血病のみならず様々ながんから自分の身を守るために、日本人を対象とした研究結果から、「日本人のためのがん予防法(5+1)」が提唱されています。①禁煙する②節酒する③食生活を見直す④体を動かす⑤適正体重を維持する⑥感染症の検査を受けるです。これらの予防法を参考にしながら健康に気を付けて生活しましょう。

「白血病」と関連する病気

「白血病」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

これらの疾患は血液所見のみではなかなか区別がつきずらいです。貧血や白血球の異常など血液の異常がみられた場合には、血液内科を受診して相談をしましょう。

「白血病」と関連する症状

「白血病」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 貧血
  • 息切れ
  • あざができやすい
  • 鼻出血が出やすい
  • リンパ節の腫れ

これらの症状は血液の病気が発症したときにみられやすいです。症状のみでは白血病の診断はつけられません。これらの気になる症状がみられた場合には、まず内科を受診して相談してみましょう。

この記事の監修医師