「子宮頸管ポリープ」で”悪性になると変わる症状”とは?切除法や費用も医師が解説!

子宮頸管ポリープとは?メディカルドック監修医が子宮頸管ポリープの症状・悪性の症状・原因・触ってわかるか?・検査法・切除法・切除費用・切除後の注意点などを解説します。

監修医師:
阿部 一也(医師)
目次 -INDEX-
「子宮頸管ポリープ」とは?
子宮頸管ポリープは、子宮の頸管の粘膜が増殖した腫瘍で、ほとんどが良性です。症状がないことがほとんどです。この記事では、子宮頸管ポリープについて詳しく解説します。
子宮頸管ポリープの主な症状
子宮頸管ポリープの多くは無症状です。しかし、以下のような症状が現れることがあります。
月経過多
子宮頸管ポリープは出血しやすく、月経時には経血が増加することがあります。医学的には経血が150ml/日を超えたり、8日以上月経が続いたりする場合を過多月経と呼びます。経血の量が多い場合には、一度婦人科を受診するようにしましょう。
腟分泌物の異常
子宮頸管ポリープに感染が伴うと、腟分泌物つまり「おりもの」の性状が変わることがあります。例えば、腟分泌物が悪臭を放ったり、白色や黄色に変化したりする場合には、感染を伴っていることを示唆しているかもしれません。おりものの匂いがきつい、といった症状があれば、産婦人科を受診するようにしましょう。
性行為後の出血
子宮頸管ポリープは容易に出血するため、性行為の後に出血がみられることもあります。性行為後の出血が続く場合には、一度産婦人科で診察を受けるようにすると良いでしょう。
子宮頸管ポリープの悪性の症状
子宮頸管ポリープが悪性の確率はとても低いとされています。一方で、ポリープ全体で約0.1%が悪性だった、約0.5%に異形成がみられたという報告もあります。また、子宮頸部のポリープ状の病変は、ポリープ状に発育する子宮頸がんなどの悪性腫瘍との鑑別が必要です。また、色や形だけで悪性かどうかを判断することは難しいです。
ここでは、子宮頸管ポリープが悪性である可能性を示唆する症状を紹介します。
多量の出血
子宮頸部にできたポリープが子宮頸がんなどの悪性の病変だった場合、病変からの出血が多量となる可能性があります。月経時の出血量が多い場合、あるいは月経とは関係なく出血(不正性器出血)が続く場合には早めに産婦人科を受診するようにしましょう。
骨盤や下腹部の痛み
子宮頸部にできたポリープが悪性腫瘍の場合、子宮の外にも病変が広がり、骨盤や下腹部の痛みが生じることがあります。なんとなく違和感が続くような場合、躊躇うことなく産婦人科を受診しましょう。
尿や便に血が混じる/疼痛
子宮頸部のポリープ状の病変が悪性腫瘍の場合、尿の通り道である尿道や、便の通り道である直腸にも浸潤することがあります。その場合、尿や便にも血が混じるということが生じえます。また同時に排尿痛、排便痛や性交時痛も来すこともあります。こうした症状が出た場合には、速やかに消化器内科、婦人科や泌尿器科を受診するようにしましょう。
子宮頸管ポリープができる原因
子宮頸管ポリープができる正確な原因は不明ですが、以下のようなものが考えられています。
子宮頸部の血管のうっ血
子宮頸部の血管でうっ血が生じることが原因の一つという説があります。つまり、血管で血液が流れにくくなり、一箇所にたまるような状態になることがポリープの発生につながるということです。
子宮頸部の感染や慢性的な炎症
子宮頸部に感染や慢性的な炎症が起こることもポリープの原因となる可能性があります。例えば、性感染症や細菌感染などがあります。
エストロゲンに対する反応
女性ホルモンであるエストロゲンレベルの上昇に対する反応も子宮頸管ポリープの発生につながる可能性が示唆されています。エストロゲンの上昇に対する反応が子宮頸部の組織の過剰な成長を引き起こし、子宮内膜増殖症とも関連している可能性もあります。
子宮頸管ポリープは触ってわかる?
子宮頸管ポリープは触ってわかるものなのかについて説明しましょう。
子宮頸管ポリープは、婦人科診察で医師が触診や内診をすることで発見することが可能です。ただし、小さいポリープや初期の段階では触診のみでは見逃されることもあるので、正確な診断のために追加の検査が行われることがあります。
一方、患者さんが触ってわかることはほとんどの場合難しいでしょう。子宮頸管は腟のより奥に位置しているため、自分の指で直接触れるのは難しいためです。
子宮頸管ポリープの検査法
子宮頸管ポリープの検査方法について解説します。
検査法
腟鏡診(ちつきょうしん)が子宮頸管ポリープの検査方法としては一般的です。腟鏡という器具を腟の中に挿入し、腟内や子宮の入口の状態を観察することができる検査です。腟鏡診では、子宮頸管内にポリープ状の病変がみられます。検査は産婦人科で行われ、外来でも可能です。
超音波検査
子宮頸管ポリープはほとんどが良性ですが、まれに悪性であることもあります。そのため、腟鏡診の際にポリープの一部を切除し組織学的な検査を行うこともあります。切除したポリープの細胞や組織を顕微鏡で詳しく調べ、良性か悪性かを診断する検査です。婦人科で行われ、外来でも可能です。検査の結果が出るまでには1週間から2週間程度の時間を要することが多いかと思われます。
子宮頸管ポリープの切除法
子宮頸管ポリープは、原則的には切除し組織学的検査を行います。ポリープの大きさにより、以下のような方法が選択されます。
捻除術
捻除術(ねんじょじゅつ)は、ポリープの茎の根本の部分をペアン鉗子などで挟み、一方向に回転させて切除する方法です。出血はそれほど多くはないため、抗菌薬や止血剤の投与は不要な場合が多いです。しかし出血が多い場合には、ガーゼタンポンなどで圧迫止血を行います。通常、婦人科の外来で行うことができます。
結紮・切除術
結紮・切除(けっさつ・せつじょ)術は、ポリープの茎が太い場合に行われます。ポリープの茎を糸で結び、血行を途絶えさせます。そして、メスやハサミで切除します。ポリープの根本が広く、手術が難しい事が予想される場合には、入院し麻酔下での切除処置が考慮されます。入院するケースでは、1泊2日または、2泊3日程度が一般的です。
焼却切除術
ポリープの茎がはっきりしない場合や、根本が子宮の奥にあって見えない場合、また内膜ポリープとの鑑別が難しいポリープなどで選択されます。レゼクトスコープという、内視鏡と電気メスが一体になった器械(子宮鏡)を子宮に腟から挿入し、子宮内の状態をみながら電気メスやレーザーメスで焼却切除します。通常は産婦人科に入院して行います。
子宮頸管ポリープの切除費用
それではここからは、子宮頸管ポリープの切除費用や保険がおりる[香木1] のかどうか、などについて解説していきます。
自費の場合
子宮頸管ポリープ切除は、通常は保険診療となります。しかし、ポリープの根元がはっきりしない場合や、子宮の奥にあり見えづらい場合には子宮鏡を用いた切除術が行われる場合があります。子宮鏡を用いた手術は、子宮筋腫の摘出術や内膜症の治療、子宮内膜ポリープ、子宮中隔切除術や子宮内腔癒着切除術などには保険適用があります。[香木1] しかし、子宮頸管ポリープに対する手術は現状保険適用とはならないため、自費診療になる場合があります。費用については、治療を受けようとする医療機関によっても異なるため、事前に問い合わせしておくことが大切です。
保険適用の場合
子宮頸管ポリープ捻除術は外来で行うことができ、保険適用となります。保険点数は1,190点です。[香木1] これに初診料や病理組織検査を加えると、約7,000円ほどとなるでしょう。入院の場合には、これにベッド代や入院費用が上乗せされます。
子宮頸管ポリープは日帰り手術できる?
子宮頸管ポリープは、捻除術で治療を行う場合には外来で処置でき入院は必要ありません。しかし、結紮術や子宮鏡を用いた手術を行う場合には、入院しての処置が必要となります。
子宮頸管ポリープ切除後の注意点
子宮頸管ポリープ切除後の生活や仕事についての注意点を述べていきます。
少量の出血を認める場合がある
子宮頸管ポリープを切除した後は、術後1週間ほどの少量の出血を認める場合があります。必要であれば、生理用のナプキンなどを着用すると良いでしょう。
術後1週間はシャワーにする
膣からお腹の中への感染を防ぐため、術後約1週間は入浴を避け、シャワーにしておきましょう。
性生活についても術後1週間ほどは避ける
腟からの感染を防ぐため、性生活も術後1週間は避けるようにしましょう。
体調に応じて通常の生活に戻す
ポリープ切除術の術後には軽い腹痛がしばらく続くこともあります。そうした症状が落ち着けば、徐々に通常の生活に戻していきましょう。ただし、激しい運動や飲酒は避けるようにしましょう。
体調によっては手術翌日から職場復帰可能
発熱や下腹部痛を感じないようであれば、職場復帰も可能です。しかし、仕事の内容や負担度にもよりますので、詳しくは担当医または主治医と相談してから仕事に復帰するかどうかを決定しましょう。
「子宮頸管ポリープ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「子宮頸管ポリープ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
子宮頸管ポリープはとった方がいいのでしょうか?
阿部 一也 医師
子宮頸管ポリープは、原則的には切除して組織学的検査を行うことが望ましいです。ほとんどは良性なのですが、まれに悪性のことがあるためです。
子宮頸管ポリープを放置するとどうなりますか?
阿部 一也 医師
症状がなく、悪性病変の可能性が否定でき、組織学的検査を行わない場合には経過観察する場合もあります。しかし、出血やおりものの異常などの症状が現れたりする可能性もあります。また、妊娠中に子宮頸管ポリープを放置しておくと、早産や炎症などの誘因となる可能性があるとする報告もあります。
子宮頸管ポリープはがん化するのでしょうか?
阿部 一也 医師
子宮頸管ポリープの中には、約0.1%に悪性、約0.5%に異形成のものが含まれるとする報告があります。腺がんや肉腫成分を含むポリープ状病変もまれにあるとされています。そのため、原則的には切除して組織学的な検査を行うことが勧められます。
子宮頸管ポリープの切除中は痛みを感じるのでしょうか?
阿部 一也 医師
子宮頸管ポリープの切除中に感じる痛みは、ほとんどの場合軽く、多くの患者さんにとって耐えられる程度のものです。痛みの感じ方は個人差があり、特に痛みに敏感な方は切除が痛かったら[香木1] どうしようと不安を感じることもあるかもしれません。その場合は、事前に医師に相談し、適切な麻酔や処置を選んでもらうことをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、子宮頸管ポリープの症状や原因、悪性を疑う所見、検査方法や切除方法について解説しました。
子宮頸管ポリープは出血などの症状があって発見されることもありますが、婦人科検診などで偶発的に見つかることも多い疾患です。症状があれば産婦人科を受診するようにし、定期的な検診を受けることも大切です。
「子宮頸管ポリープ」と関連する病気
「子宮頸管ポリープ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
子宮頸管ポリープは、上記の病気との鑑別が必要になることがあります。基本的には切除し、組織を調べることが必要となります。
「子宮頸管ポリープ」と関連する症状
「子宮頸管ポリープ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
子宮頸管の異常サイン
- 膣からの不規則な出血
- 膣からの多量の出血
- 月経困難症
- 閉経後の出血
- 悪臭のある膣分泌物
これらの症状は、子宮頸管ポリープの他にも子宮筋腫や子宮頸がんなどを示唆する場合があります。気になる症状があれば、産婦人科を受診するようにしましょう。




