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「ウォシュレット」が原因で「大腸がん」を発症することはある?医師が徹底解説!

 公開日:2024/10/15
「ウォシュレット」が原因で「大腸がん」を発症することはある?医師が徹底解説!

ウォシュレットが原因で大腸がんを発症することはある?Medical DOC監修医がウォシュレットで肛門を洗いすぎによる病気・疾患・ウォシュレットの正しい使い方・間違った使い方・大腸がんの原因・予防する食生活・予防法などを解説します。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

「大腸がん」とは?

大腸がんは、大腸にできるがんの総称です。大腸は、盲腸、結腸、直腸からなり、それぞれにがんが発生します。初期段階では自覚症状が少ないため、便潜血検査や大腸内視鏡検査などによる早期発見が重要です。 進行すると、血便、腹痛、便秘、下痢などの症状が現れます。 治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なりますが、手術、化学療法、放射線療法などが行われます。

「ウォシュレット」が原因で「大腸がん」を発症することはある?

結論から言うと、ウォシュレットの使用と大腸がんの発症に直接的な因果関係はありません。 ウォシュレットは、肛門を清潔に保つための有効な手段であり、適切に使用することで肛門周囲の感染症などを予防する効果も期待できます。ただし、過度な使用や誤った使い方によって、肛門周囲の皮膚を傷つけたり、必要な常在菌まで洗い流してしまう可能性があります。 これにより、皮膚の炎症や感染症のリスクが高まる可能性はありますが、大腸がんの発症に直接つながるわけではありません。

ウォシュレットで肛門を洗いすぎるとどんな病気・疾患になる?

ウォシュレット症候群

ウォシュレット症候群とは、ウォシュレットの過度な使用によって肛門周囲に生じる皮膚炎や炎症性疾患の総称です。 肛門周囲の皮膚はデリケートなため、強い水圧や高温の温水で洗いすぎると、皮膚のバリア機能が損なわれ、炎症を起こしやすくなります。主な症状としては、かゆみ、痛み、腫れ、出血などが挙げられます。対策としてウォシュレットの使用を短時間に控え、肛門周囲を清潔に保つことが重要です。 症状が強い場合は、ステロイド外用薬や保湿剤などを使用することもあります。症状が改善しない場合や悪化した場合は、肛門科や皮膚科への受診をおすすめします。

肛門周囲炎

肛門周囲炎は、肛門周囲の皮膚に細菌感染が起こり、炎症を引き起こす病気です。 ウォシュレットの誤った使用や過度な使用により、肛門周囲の皮膚が傷つき、細菌感染しやすくなることがあります。抗生物質の外用や患部の洗浄などが行われます。肛門周囲に痛みや腫れ、発熱などの症状がある場合は、肛門科や外科を受診してください。

ウォシュレットの正しい使い方

水圧と温度を適切に調節する

水圧は「弱」または「中」に設定し、温水温度は体温に近い37℃前後に設定しましょう。 強すぎる水圧や高温の温水は、肛門周囲の皮膚を傷つける可能性があります。

肛門に直接当てない

ノズルを肛門に直接当てずに、少し離れた位置から洗浄しましょう。 肛門に直接ノズルを当てると、粘膜を傷つける可能性があります。

洗浄時間は短くする

ウォシュレットのメーカーが推奨する洗浄時間は10秒〜20秒程度です。 長時間洗浄すると、皮膚に必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮膚炎や痔核の悪化につながる可能性があります。

ウォシュレットの間違った使い方

強すぎる水圧で洗浄する

強すぎる水圧で洗浄すると、肛門周囲の皮膚を傷つけ、炎症や出血を引き起こす可能性があります。

高温の温水で洗浄する

高温の温水は、肛門周囲の皮膚を刺激し、やけどや炎症を引き起こす可能性があります。

ノズルを肛門に直接当てる

ノズルを肛門に直接当てると、粘膜を傷つけ、痛みや出血を引き起こす可能性があります。

大腸がんの主な原因

大腸がんとウォシュレットの直接の因果関係はありません。ここでは現段階でわかっている大腸がんの原因について解説します。

喫煙

喫煙は、大腸がんを含む様々ながんのリスクを高めることが知られています。 タバコの煙に含まれる発がん物質が、大腸の細胞に悪影響を与える可能性があります。禁煙外来などで禁煙のサポートを受けることができます。

過度の飲酒

過度の飲酒は、大腸がんのリスクを高めることが知られています。 アルコールは、体内でアセトアルデヒドという発がん物質に分解され、大腸の細胞に悪影響を与える可能性があります。アルコール依存状態がなければ、特に受診の必要はありませんが、節酒を心がけましょう。

遺伝的要因

家族に大腸がん患者がいる場合は、遺伝的に大腸がんのリスクが高くなる可能性があります。濃厚な家族歴をお持ちの方は消化器内科で遺伝カウンセリングについて相談しましょう。

食生活の欧米化

高脂肪・低繊維の食生活は、大腸がんのリスクを高める要因の一つと考えられています。 肉類や脂質の多い食事は、腸内環境を悪化させ、発がん物質を増加させる可能性があります。特に受診の必要はありませんが、食生活の改善を心がけましょう。

運動不足

運動不足は、腸の蠕動運動を低下させ、便秘を引き起こしやすくなります。 便秘は、大腸がんのリスクを高める要因の一つと考えられています。特に受診の必要はありませんが、適度な運動を心がけましょう。

大腸がんを予防する可能性の高い食べ物・食生活

食物繊維を豊富に摂取する

食物繊維は、腸内環境を整え、発がん物質を排出する効果があります。 また、便通を改善し、便秘を予防する効果も期待できます。野菜、果物、海藻、きのこ、豆類などを多く摂取しましょう。

発酵食品を摂取する

発酵食品には、腸内環境を整える善玉菌が多く含まれています。 腸内環境の改善は、大腸がんの予防につながる可能性があります。ヨーグルト、納豆、味噌、漬物など、適量を摂取しましょう。

大腸がんの予防法

禁煙・節酒をする

大腸がんの原因になる喫煙や飲酒を抑えることで大腸がんのリスクを下げることができます。必要時は禁煙外来などで医師の診察や指導を受けることをおすすめします。

定期的な運動

定期的な運動をすることで、適切な血糖のコントロールや肥満の予防、免疫力の増強、腸管蠕動の促進がその要因と考えられています。減量についてはすべての人に勧められるわけではありませんが、特に男性で、BMIが27以上の肥満の傾向がある方は減量することで、大腸がんのリスクを低下させられる可能性があります。

大腸がん検診を受ける

大腸がん検診では問診と便潜血検査を行います。便潜血検査が陽性であれば、大腸カメラで大腸がんや大腸ポリープの有無を検査します。便潜血検査や大腸カメラを行うことで死亡率が低下することがわかっています。がんは一度の検査で見つからない場合もあるので、定期的な受診が必要です。

「ウォシュレットと大腸がん」についてよくある質問

ここまでウォシュレットと大腸がんなどを紹介しました。ここでは「ウォシュレットと大腸がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ウォシュレットを使うことで大腸菌に感染することはありますか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

ウォシュレットの使用によって、大腸菌による感染症が起きる可能性は非常に低いですが、全くないと断言するのは難しいです。そのためにも、ウォシュレットの適正利用として、直腸内に水圧をかけるような使い方や長時間の利用は避けましょう。

編集部まとめ ウォシュレットを正しく使って健康を守ろう!

ウォシュレットを適切に使用することで、快適さと衛生面を向上させることができます。適正利用のために、使用時間や水圧、水温など注意点を理解しておきましょう。これらに注意できれば、皮膚や健康に悪影響を与えるリスクを軽減することができます。

「大腸がん」と関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

血液科の病気

婦人科の病気

大腸がんと症状が似ている病気は多くあります。初期の症状はあまりないことも多く、注意が必要です。気になる症状がある場合には、早めに内科を消化器内科を受診しましょう。

「大腸がん」と関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

上記の症状がみられた場合には、大腸がんも疑われます。しかし、他の病気でも同様の症状がみられることもあり、症状のみでは区別がつきません。症状がある場合には、放置せずまず内科、もしくは消化器内科で相談をしましょう。

この記事の監修医師