「大腸がんのセルフチェック法」はご存知ですか?初期症状や原因も解説!
日本人の三大疾病はがん、心疾患、脳血管疾患といわれています。そのがんのなかでも、大腸がんは日本人のがんによる死因の第3位の疾患です。
どのようなことが、がん発生の要因となるのか知ることで、少しでも予防ができるといいでしょう。ご自身の異常に気が付くことがが大切ながんでもあります。
どのような症状が出るのかわからないと異変に気付けませんので、ぜひ最後まで読み参考にしてください。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
大腸がんとは?
大腸は1.5m〜2m程の臓器で、食べ物の最後の通り道です。直腸がんと結腸がんにわけることもできます。大腸がんは50歳代から年齢が上がるにつれて罹患率が高くなるがんです。
男性の死亡率第3位、女性の死亡率第1位のがんでもあります。ただし男性の方が女性に比べて罹患率、死亡率は2倍程高いです。大腸がんのほとんどは良性ポリープである腺腫が、がん化してできるものだといわれています。
大腸ポリープは粘膜の一部がイボのように盛り上がることによってできます。小さいうちは腺腫と呼ばれる良性なできものですが、大きくなるに従い、性質が変わり腺がん化するのです。その他にも、正常な粘膜から直接できるものとがあります。
直接粘膜にがんができるので、表面が平らだったり、へこんだ形をしていることがほとんどです。これはデノボがんといわれています。粘膜表面に直接できるので、早い時期から周囲組織への浸潤をすることがほとんどです。
大腸がんは粘膜下層までにとどまるものを早期大腸がん、粘膜下層より深くに浸潤しているものを進行大腸がんといいます。がんのステージでいうと、早期大腸がんはステージIの粘膜下層の浅い浸潤のものをさします。ステージIのなかでも粘膜下層の深い浸潤のもの、ステージII以降は進行がんです。
診断までの流れは、健康診断で便潜血が陽性だったり、血便の症状があったりと大腸がんが疑われる場合に大腸内視鏡検査を行います。その検査でがんと疑わしい組織を採取し、病理検査にかけ、がん細胞の有無や状態を詳しく調べます。
それにより大腸がんと診断されたときには、がんの位置や深さ、転移の有無を調べる検査を行うのです。その検査とは、大腸造影検査や超音波検査、CT・MRI検査です。ここまで精密に調べて、大腸がんの病期を確定し、治療方針が決められます。
早期大腸がんの治療は、内視鏡治療を行うことが一般的です。進行がん以上では患者さんの身体状態やがんの形状などを考慮し、手術や薬物療法、放射線療法を行います。
大腸がんの原因・危険因子
大腸がんの原因と危険因子には、下記のものが考えられています。
推奨の摂取量や計算方法も記載しましたので確認し、ご自身の生活を振り返ってみてください。
運動不足
運動不足になると腸の動きが低下した結果、腸内に便が長くとどまります。
腸が便に含まれる発がん性物質にさらされる時間が長くなるのが原因と考えられています。1日40分程度の軽い運動を心がけましょう。
野菜・果物の摂取不足
食物繊維の摂取は、大腸がんのリスクを下げる可能性があるといわれていますので、摂取不足はがんのリスクを高める可能性があります。
世界がん研究基金・米国がん研究協会では、1日400g程度の野菜と果物を摂取することを勧めています。
肥満
肥満だと大腸がんのリスクが高くなります。痩せすぎはがん全体のリスクをあげることになります。
BMIの計算方法は体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)です。男性はBMI値21~27、女性は21~25の範囲の適正体重になるように体重管理をするのがよいでしょう。
飲酒
男女ともに一日に純アルコール量23g以上の飲酒をする人は、大腸がんが発生するリスクが高くなります。
純アルコール23gとは日本酒なら180ml、ビールなら633ml、ワインなら200mlが目安です。
加齢
大腸がんと診断された人のほとんどは60歳代以上ですが、大腸がんにかかる人は40歳から増え始めます。高齢になる程リスクは高くなります。
大腸がんの初期症状
大腸がんの初期症状をまとめました。日頃の排便状態や身体状態について振り返ってみてください。また、これからのご自身の体調を知るための参考にしてください。
早期には症状がほとんどないといわれている
大腸がんそのものでは、腹痛や違和感が出現することはありません。がんが進行することで、がんが出血し便に血液が混ざったり、便が出にくくなったりすることで症状を自覚することが少なくないです。
痛みを伴うときには、腸管の通りが妨げられることで痛みが出現したり、痛みを感じなかったりします。
血便になる
血便とは、腸内のどこかで出血が起き、排泄されたものです。便に混ざる血液が赤いものとは限りません。腸がんの場合は、便が大腸を通るときに腫瘍を傷つけ、血液が混ざることで血便となります。
黒い便や赤黒い便、粘稠度の高い便が出ることもあります。気を付けるべきなのは血便になる原因は大腸がんと限らないことです。潰瘍性大腸炎や大腸憩室症、虚血性大腸炎などほかの疾患も考えられます。
また、出血した地点が肛門から遠いかどうかで色が違うことがあります。血便があることは身体のどこかでトラブルが起きているサインです。早急に病院を受診しましょう。
便秘・下痢・便が細くなる
大腸の主な役割は、腸内の食物の水分を吸収することです。大腸での水分吸収が不十分になると、便が緩くなったり、下痢を起こしたりします。大腸にできたがんにより、便の通過が妨げられ便秘になることもあります。
大腸がんのなかでも、左側結腸である下降結腸から直腸のどこかにがんができた場合によくあらわれる症状です。
残便感・お腹のハリが生じる
残便感とは、排便した後も便をすべて出し切れていない、残っているように感じがするという状態です。
お腹が張っているのに便が出ないと感じる方もいるでしょう。上記の項目で述べたように、大腸にがんができることで、便が出づらくなりこのような症状につながります。
貧血になる
大腸がんが進行すると、がん表面の粘膜が脆くなり、便が通過する刺激で出血をします。
がんから慢性的に出血することで貧血になります。貧血が起きることで、鉄分が奪われ、鉄欠乏性貧血になるのです。
大腸がんのセルフチェック方法は?
以下にセルフチェック項目を記載しますので確認してみてください。
- 40歳以上だが、大腸がん検診を定期的に受けていない
- 便秘と下痢を繰り返すようになった
- 便が残っていると感じることがある
- 便に血や粘液が混ざっている
- お腹が張ったり、痛みや重だるさを感じたりする
- 食欲がなくなったり、体重が減ったりする
- 貧血が続く
- 検便で異常を指摘されたことがある
これらに該当する方は大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
大腸がんのセルフチェックについてよくある質問
ここまで大腸がんの症状やセルフチェック項目などを紹介しました。ここでは「大腸がんのセルフチェック」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
セルフチェックで問題がなければ大腸検査を受けなくても大丈夫ですか?
中路 幸之助(医師)
若い方はセルフチェックに一つも該当しなければ、大腸検査を受けなくてもよいといえるでしょう。もし一つでも当てはまれば、検査を受けることを前向きに検討してください。大腸がんになる人が増える40歳を過ぎたら、年に一度は大腸検査を行いましょう。厚生労働省もそのように勧めています。昨年検査をしたからといって必ずしも安心できません。がんができてしまっていたり、昨年の検査が偽陰性で大腸がんを見逃してしまっていたりすることも考えられます。
大腸がんの危険を高める悪い生活習慣を教えてください。
中路 幸之助(医師)
- 野菜や果物をあまり食べない
- 肉類(赤身肉・ハム・ソーセージなどの加工肉)をよく食べる
- お酒をよく飲む
- 肥満である
- 運動をあまりしない
これらの生活習慣は、大腸がんの危険性を高めるといわれています。一度ご自身の生活習慣を見直してみてください。
編集部まとめ
これまでお話ししてきたように、大腸がんは早期の発見が難しいとされています。
ご自身の身体の違和感に対して敏感になり、その違和感を放っておかないことが大切です。少しでも変だと感じたら、病院を受診するようにしましょう。
また、大腸がん検診を受けることで、大腸がんによって死亡する確率を約60~80%減らせるという調査報告があります。自覚症状がなくても、定期的に検診を受けるようにしましょう。
大腸がんと関連する病気
「大腸がん」と関連する病気は5個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの疾患の症状は、大腸がんと似ているところがあります。身体の内部を内視鏡検査などで確認しないと診断ができませんので、ご自身で疾患を決めつけるのではなく、病院を受診するようにしましょう。
大腸がんと関連する症状
「大腸がん」と関連している、似ている症状は7個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
ご自身の腹部症状、排便状態を毎日きちんと確認しましょう。毎日症状が出ないからと気を緩めるのではなく、少しでも異変を感じたら消化器内科や肛門科などを受診するようにしましょう。