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「胃がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2024/02/03
「胃がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

胃がんの原因とは?Medical DOC監修医が胃がんの原因・胃がんになりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「胃がん」とは?

胃は食道から続いているふくろ状の臓器で、主な働きは食べ物の消化です。胃がんは、胃の内側の粘膜の細胞がさまざまなリスクや原因によってがん細胞となり、発生します。2019年の部位別がん罹患数(病気にかかった人数)は、男性で第3位、女性で第4位とされています。

胃がんの原因

胃がんの原因として有名なのはピロリ菌ですが、他にもいくつか考えられています。
胃がんの主な診療科は消化器内科です。胃がんの初期の段階では自覚症状はほとんどなく、緊急性もありませんが、胃もたれなどの症状を認め、長期化する場合には医療機関を受診しましょう。

ヘリコバクター・ピロリ菌

胃がんの主な原因として、ピロリ菌が挙げられます。ピロリ菌は、胃の粘膜に感染するらせん状の細菌で、正式名称はヘリコバクター・ピロリです。感染経路は、口を介した経口感染や井戸水などの摂取が考えられており、感染するのは主に5,6歳以下の免疫力の低い時期の幼児とされています。ピロリ菌に感染していない胃がんは全体の1%前後と、胃がんの原因のほとんどがピロリ菌と報告されています。
ピロリ菌に感染した場合には胃に炎症(胃炎)が起こりますが、多くの場合、自覚症状はありません。ただし、胃炎が長期化した場合には胃もたれや胸やけなどの症状をきたす可能性があります。
消化器内科では、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で胃炎の有無を確認した上で、ピロリ菌の検査を行います。

喫煙

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですが、ピロリ菌以外に喫煙も発症リスクであるとされています。

暴飲暴食

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですが、ピロリ菌以外に暴飲暴食も胃がんのリスクとなるとされています。アルコールはもちろんですが、塩分や辛いものなどの刺激物など、食生活の乱れが胃に炎症を起こし、胃がんの発生につながります。

ストレス

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですが、ピロリ菌以外にストレスも胃がんのリスクとなるとされています。

胃がんになりやすい人の特徴

50歳以上の男性

胃がんの男女比は、2:1と男性に多いことが知られています。年齢は男女ともに50歳以上の方に多く、飲酒や喫煙などの生活習慣がリスクを増加させることが知られています。

肥満

BMI(体重と身長から算出される肥満度を示す体格指数)が27以上の肥満の男性に胃がんが多いことが報告されています。

胃がんの予防法

ピロリ菌の治療

胃がんの原因のほとんどがピロリ菌であることが知られており、ピロリ菌の治療が胃がんの予防法として最も有効であるといわれています。治療の内容は、胃酸の分泌を抑える薬(1種類)と抗生物質(2種類)を1日2回7日間内服することで、除菌治療とよばれています。内服終了後、約2ヶ月後に尿素呼気試験という検査を行い、ピロリ菌の治療が成功したかどうかの判定を行います。除菌治療の成功率は約90%と報告されていますが、成功しなかった場合には薬の種類を変更した上で再度の内服治療を行います。

食生活の改善

塩分や揚げ物などの刺激の強い食べ物の摂りすぎが、胃がんの原因となる場合があります。また肥満の男性に胃がんが多いことも報告されています。その他過度のアルコール摂取も胃がんのリスクを高めるとされており、節酒を含めた食生活の改善が胃がんの予防につながります。

禁煙

喫煙が胃がんのリスクを高めることが知られており、禁煙をすることが胃がんの予防法となります。

「胃がんの原因」についてよくある質問

ここまで胃がんの原因を紹介しました。ここでは「胃がんの原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃がんの原因となる可能性の高い食べ物について教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

刺激の強い食べ物をとりすぎた場合には、胃に炎症が起こり胃がんの原因となる場合があります。具体的には塩分の多い食事や、揚げ物などが挙げられます。また、過度のアルコール摂取も胃がんのリスクを高めることが知られています。

ピロリ菌が体内にいなくても胃がんを発症することはありますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

胃がんのほとんどがピロリ菌によるもので、ピロリ菌の治療(除菌治療といって薬を1週間飲みます)を行うことで胃がんのリスクは約1/3程度に減少するとされています。ただし、ピロリ菌の治療が成功し、ピロリ菌が体内からいなくなっても、胃の炎症は残存することがあり、胃がんを発症することがあります。これを「除菌後発見胃がん」といい、治療後10年以上経過した後に発症するケースもあります。

編集部まとめ

胃がんの原因のほとんどがピロリ菌とされており、治療を行うことで胃がんのリスクを下げることができます。ただし、ピロリ菌の感染による症状は乏しい場合が多く、健康診断などでのバリウム検査や胃カメラ検査を受けていただき、ピロリ菌の感染の有無を確認しましょう。また、ピロリ菌の治療後も胃がんを発症することがありますので、年1回の定期的な胃カメラ検査などを受けるようにしましょう。

「胃がんの原因」と関連する病気

「胃がんの原因」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内分泌・代謝科の病気

精神科の病気

胃がんは胃に発生するがんであることから、主に胃に関連する病気が多く考えられます。胃がんの主な原因であるピロリ菌の感染によって胃潰瘍が生じることがあり、胃ポリープががん化する場合もあります。また肥満や過度のアルコール摂取が胃がんのリスクとなることもあります。

「胃がんの原因」と関連する症状

「胃がんの原因」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胃もたれがする
  • 胸やけがする
  • ゲップが出る

胃もたれ、胸やけ、ゲップが出るなどの症状がある場合には胃がんの原因となる、胃炎の可能性があります。また胃がんが進行し、腫瘍が腸を圧迫した場合には便通障害が起こり便秘となる場合があります。複数の症状が併発している場合や長期化している場合には必ず医療機関を受診しましょう。

参考文献

この記事の監修医師