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「小児がんの生存率」はご存知ですか?症状・治療法も徹底解説!

 更新日:2023/10/30
「小児がんの生存率」はご存知ですか?症状・治療法も徹底解説!

子どものがんの生存率はどのくらいなのか、気になるという人は多いのではないでしょうか。

子どものがんと診断されてからの5年先・10年先の子どもが生きている確率・小児がんになったらどのような症状が出るのか・治療法にはどのようなものがあるかを解説していきます。

小児がんの症状・治療法が気になるという人は、この記事を読めば把握できるためチェックをしてみてください。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

小児がんとは?

小児がんとは、15歳以下の子どもに発現する悪性のがんといわれています。主に分類されるのは12種類で、さらに細かく分けると47種類のがんがあります。そのうちの3分の1が白血病に分類され、残りががんです。固まってできる固形がんは小児がんでは脳にできることが多いといわれます。
いわゆる脳腫瘍と呼ばれているものですが、これもさらに細分化されるのです。子どものがんは固形がんの場合、体の上皮にできる成人と異なり体中の至るところで発現します。

小児がんの生存率

小児がんと診断された場合の5年・10年の生存率を解説していきます。子どものがんの生存率は、1993年以降改善しているといわれており、全体で見ると確率は5年で80パーセント・10年で70パーセントです。しかし、脳腫瘍の場合は10年で50パーセントといわれています。これは1993年以前から変化しておらず、現在も有効な治療法がないか研究されています。

小児がんの症状

小児がんを発症した子どもにはどのような症状が出るといわれているのでしょうか。子どものがんを発症した場合の症状は、白血病の場合には、発熱・頭痛・リンパ節の腫れ・骨や関節の痛み、出血、顔色不良などがあります。
なぜそのような症状が出るかの解説をしていきます。ただし、このような症状が出たからといって必ず子どもががんを発症したわけではないため、注意をしてください。

発熱

小児がんの症状には発熱というものがあります。咳やくしゃみをしているわけではないのに、体温が高いままになっているいわゆる不明熱が1週間以上続いた場合、専門の医師は小児がん及び自己免疫疾患にかかっているのではと疑うケースがあるます。どちらにも当てはまらず、薬を飲んだら治ったということも充分あり得ることです。しかし、1週間以上熱が続いている時は必ず病院に行って診察をしてもらいましょう。

頭痛

頭痛という症状も、子どものがんの症状の1つです。脳腫瘍を発症すると、神経が圧迫され頭痛の症状が出ます。注意すべきなのは、頭痛がすると子どもが訴えてきたから脳腫瘍だというわけではないということです。多くの場合、脳腫瘍を発症すると朝の頭痛と吐き気のほか、めまいや歩行困難、しびれ、視野障害など、神経症状が出現することが多いです。
そのときは早めに専門の医師に相談してください。また、頭痛が続くという場合も診察をしてもらいましょう。

リンパ節の腫れ

リンパ節の腫れという症状が出るのも、子どものがんの症状ではないかといわれている症状です。子どもの首のまわり・耳の後ろ・足の付け根をよく観察してみてください。腫れているからただちにがんというわけではありません。リンパ節が腫れている原因ががんだということはごく一部ですが、がんではないと判断することも困難といわれます。
リンパ節が腫れているのはがんではないと判断するのは、リンパ節を手術によって摘出し、がん細胞が見つからなかったときだといわれているのです。

骨や関節の痛み

子どものがんの症状で1番頻度が高いのは骨や関節の痛みといわれています。骨から発現したがんや、骨にがんが転移した場合に関節や骨の痛みを訴えることがあるのです。子どもが夜眠れないほど骨や関節が痛いと訴えてきた場合は、すぐに専門の医師に相談して診察をしてもらいましょう。

小児がんの治療

小児がんの治療法にはどのようなものがあるのかを解説していきます。子どものがんの治療には、手術・薬物・放射線・造血幹細胞移植と4つあります。それぞれどのような治療法なのか紹介するので、チェックをしてみてください。

手術治療

子どものがんは手術で取り除くことができる可能性があります。腫瘍や、がんが発現した臓器を一部取り除くなどの処置を行うのです。手術を行うがんの種類は脳腫瘍・神経芽腫・腎芽腫といった固形がんとなります。がんの種類によっては泌尿器科・整形外科の医師も手術に加わり治療することもあるため、子どもががんと診断された場合には、どのような手術の流れになるかを専門の医師に尋ねてみてください。
不安に思う点があれば、質問をすることがおすすめです。

薬物療法

薬物療法という治療法でがんを治療する方法があります。がん治療薬には、がんの細胞が増殖するのを妨げる細胞障害性抗がん薬・がん細胞を攻撃する分子標的薬の2種類があります。小児がんの治療法で薬物療法が用いられる理由としては、成人のがん患者さんと異なり、小児がん患者さんは薬物療法の効果が高く出るといわれているからです。
複数の薬剤を組み合わせた薬物療法を用いる方法もあるため、薬物療法をすると専門の医師から聞いたときはどのような流れかを尋ねてみてください。

放射線治療

がんが発現している部分に放射線を当てて治療する放射線治療法も用いられます。放射線治療は、手術療法や薬物療法と異なって、補助的な役割で用いられるのです。小児がんの患者さんに放射線治療を用いると、成人のがん患者さんと異なり高い効果を発揮します。ただし、放射線を長期的に当てると臓器の働きを低下させてしまう懸念もあります。放射線を当てて、臓器の働きが低下していないか定期的に経過観察をしていかなければなりません。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植は、薬物療法などの化学療法ではがんが治癒する確率が低いと判断されたがん患者さんに対して用いられる治療法となります。骨髄不全・免疫不全症にも用いられている治療法です。自分の細胞を使って治療することもあれば、自分以外の人から移植してもらうこともあります。

小児がんの種類

子どものがんの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。小児がんには白血病・リンパ腫・脳腫瘍と3つの種類があります。それぞれの詳細について解説していくので、チェックをしてみてください。

白血病

白血病は小児がんの種類の1つです。血液細胞の白血球ががん細胞に変化してしまうと白血病と診断されます。白血病は、子どものがんの中で最も多い種類といわれているのです。日本では、1年間に約1000人の子どもが白血病を発症しているといわれています。

リンパ腫

血液細胞由来のがん、それがリンパ腫です。リンパ腫は全身に張り巡らされているリンパ系組織から発現するがんです。小児リンパ腫は子どものがんの7〜10パーセントを占めており、白血病や脳腫瘍と比較すると割合は少ないがんといわれています。

脳腫瘍

脳腫瘍は白血病の2番目に多い子どもが発症するがんといわれています。脳や脊髄に発現するがんで、腫瘍が良性か悪性かに関わらず高度な治療が必要となります。脳腫瘍と判断される子どもは、1年間で約500〜750人といわれているのです。

編集部まとめ

子どもがかかるがんとはどういう病気なのか・生存の確率はどれくらいなのか・症状にはどのようなものがあるかなどを解説しました。

また子どもがかかるがんについてのよくある質問で手術は必要か否か・がんは完治するのかも併せて紹介したため、回答かをチェックし、参考にしてみてください。

必ずしも、頭痛や原因不明の発熱があるからといって子どもががんであるというわけではありませんが、専門の医師に診断をしてもらってがんなどの異常がないと分かった方が安心です。

また、診断をしてもらった結果子どもががんに発症したと分かった場合には、どのような治療法を施すかなどを詳しく尋ねてみてください。

「小児がんの生存率」と関連する病気

「小児がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

造血系の病気

  • 造血系
  • リンパ腫
  • ランゲルハンス細胞組織球症

固形系の病気

  • 神経芽腫

脳神経系の病気

小児がんは普段子どもが訴える頭痛・腹痛で見つかることもありますが、詳しい検査をしないと早期に発見することができない病でもあります。特に子どもの場合自分の体の具合をうまく説明できない場合もあるため、子どもの頭痛や腹痛が続くようであればすぐに内科を受診し、異常がないか診断してもらいましょう。

「小児がんの生存率」と関連する症状

「小児がん」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 頭痛
  • 食欲減退
  • 体重が極端に減る
  • 機嫌が悪くなる
  • 骨や関節の痛み
  • 歩くのが苦痛
  • 筋肉や胸や腹部のしこり

小児がんは子どもが発症するがんであり、子ども自身なかなか症状を言語化することが難しいものです。子どもの様子を観察して、気になることがあったら専門の医師の指示を仰いでください。

この記事の監修医師