「マンモグラフィ検査で胸が挟めない」ことはあるのか?注意点や対処法も医師が解説!

マンモグラフィで挟めないことはある?メディカルドック監修医が、マンモグラフィで胸を挟む際の工夫や、どうしても挟めない場合・痛みが苦手な方におすすめの検査方法について解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
乳がん検診で行われるマンモグラフィとは?
マンモグラフィは、乳房を専用の装置で挟みながらX線撮影を行い、乳がんの早期発見を目的とした検査です。触診では分かりにくい小さな病変や石灰化の検出に優れており、乳がん検診の中心的な役割を担っています。
マンモグラフィ検査の目的と特徴
マンモグラフィは、乳腺内の微細な変化を画像として捉える検査です。特に石灰化や腫瘤の有無を確認できる点が特徴で、無症状の段階で乳がんを見つけることに役立ちます。視触診やエコーでは見逃される可能性のある初期病変の検出に有用とされています。
なぜマンモグラフィ検査は胸を薄く潰して挟む必要があるの?
乳房を圧迫するのは、画像の精度を高めるためです。乳房を薄く広げることで組織の重なりを減らし、小さな異常を見つけやすくします。また、動きを抑えてブレを防ぐことで再撮影を減らす効果もあります。さらに、放射線量を抑える目的もあります。
マンモグラフィ検査で胸が挟めないことはあるの?
「胸が小さいと挟めないのでは」と不安に感じる方は多いですが、実際には多くのケースで撮影は可能です。
胸が小さくてもマンモグラフィ検査は受けられる?
乳房が小さい場合でも、技師が乳腺を集めて圧迫するため、多くは撮影できます。装置の圧迫板も調整可能で、体型に合わせた対応が行われます。男性でも乳腺があれば検査は可能です。どうしても難しい場合は、無理に行わず別の検査を検討することもあります。
豊胸手術をしている人のマンモはどうなる?
シリコンバッグなどを用いた豊胸術後では、圧迫により破損するリスクが指摘されています。そのため、事前に申告し、専用の撮影法や他の検査(エコーやMRI)に切り替えることが重要です。申告せずに検査を受けるのは避けるようにしましょう。
マンモグラフィ検査を受けられない人の特徴は?
妊娠中の方や強い痛みで圧迫が困難な場合は実施を見送ることがあります。また、術後直後や強い炎症がある場合も適さないケースがあります。こうした場合は、医師と相談し検査方法を選択します。
マンモグラフィ検査の痛みを和らげるコツと注意点
圧迫による痛みは個人差がありますが、工夫によって軽減できる場合があります。
生理前にマンモグラフィの検査は避ける
月経前は乳房が張りやすく、痛みを感じやすい時期です。検査は月経終了後〜排卵前の期間に行うと、不快感が軽減されることがあります。
マンモグラフィ検査はリラックスして受ける
緊張して筋肉に力が入ると、痛みを強く感じやすくなります。呼吸を整え、力を抜いて受けることが重要です。また、技師に痛みの不安を伝えることで圧迫の調整が可能な場合もあります。
「マンモグラフィ検査」の見方と再検査が必要な結果
マンモグラフィの結果はカテゴリー分類で評価され、必要に応じて精密検査が行われます。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「マンモグラフィ検査」の結果の見方
一般的にカテゴリー1〜5で評価され、数値が高いほど悪性の可能性が高くなります。カテゴリー3以上では追加検査が検討されることが多く、結果に応じた対応が求められます。
「マンモグラフィ検査」の再検査基準と内容
マンモグラフィで「要精密検査」と判定された場合でも、すぐに乳がんと診断されるわけではありません。多くは良性の変化ですが、画像だけでは判断が難しいため、追加の検査で詳しく評価する必要があります。
再検査では、まず乳腺エコー(超音波検査)が行われることが一般的です。エコーはしこりの内部構造や性状を確認しやすく、マンモグラフィでは評価しにくい病変の補完に役立ちます。また、必要に応じてマンモグラフィの追加撮影や、より詳細な評価を目的としたMRI検査が行われることもあります。さらに、悪性が疑われる場合には、細胞診や針生検によって実際に組織を採取し、確定診断へと進みます。
検査費用は多くの場合、保険適用となります。自己負担3割の目安としては、マンモグラフィは1,500〜2,000円前後、乳腺エコーは1,000円前後、MRI検査は内容により3,000〜6,000円程度となることが一般的です。細胞診は数百円程度で実施されることが多いですが、針生検を行う場合にはさらに費用が加わり、数千円から1万円程度になることもあります。これらに加えて初診料や再診料が必要になる点にも留意が必要です。
再検査は、検診を受けた施設から紹介状をもとに、乳腺外科などの専門医療機関で行われることが一般的です。専門医が在籍する施設で精密検査を受けることで、より適切な評価とその後の対応につながります。「要精密検査」と言われると不安を感じやすいものですが、過度に急ぐ必要はない一方で、先延ばしにするのも避けるべきです。目安としては1か月以内に受診することが推奨されており、早期の確認が安心につながります。
再検査の結果、良性と判断された場合は経過観察となることが多いですが、悪性の可能性がある場合には、手術や薬物療法などの治療方針が検討されます。診断確定後は、病期や腫瘍の性質に応じて個別に治療が進められます。
「マンモグラフィ検査」で見つかる病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「マンモグラフィ検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
乳がん
乳がんは、乳腺に発生する悪性腫瘍で、マンモグラフィでは石灰化や腫瘤として見つかることがあります。初期の段階では自覚症状がないことも多く、検診で初めて指摘されるケースも少なくありません。進行すると、しこりの増大や皮膚のひきつれ、乳頭からの分泌物などがみられることがあります。発症には女性ホルモンの影響や遺伝的要因などが関与すると考えられており、早期発見により治療の選択肢が広がります。異常を指摘された場合は、速やかに乳腺外科を受診し、精密検査を受けることが重要です。
乳腺症
乳腺症は、女性ホルモンの影響によって乳腺が変化する良性の状態で、しこりや痛み、乳房の張りとして感じられることがあります。マンモグラフィでは、乳腺の密度の変化や小さな嚢胞様の所見として認められることがあります。月経周期に伴って症状が変動することが多く、閉経に近づくと自然に軽快する傾向があります。基本的には治療を必要としないことが多いですが、症状が強い場合や他の疾患との鑑別が必要な場合には、医療機関での評価が勧められます。
乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫は、若年女性に多くみられる良性腫瘍で、弾力のあるしこりとして触れることがあります。マンモグラフィでは、境界が比較的はっきりした腫瘤として描出されることがあり、エコー検査と組み合わせて評価されることが一般的です。多くは経過観察で問題ありませんが、大きくなる場合や形状に変化がみられる場合には、切除が検討されることもあります。急激な増大や痛みを伴う場合には、早めの受診が望まれます。
乳管内乳頭腫
乳管内乳頭腫は、乳管の中にできる良性腫瘍で、乳頭からの分泌物、とくに血性分泌の原因となることがあります。マンモグラフィでは明確に描出されないこともありますが、乳管の拡張や周囲の変化として疑われる場合があります。診断にはエコーや乳管造影、場合によっては組織検査が行われます。症状がある場合や悪性との鑑別が必要な場合には、外科的切除が検討されます。
マンモグラフィ検査の痛みが不安・受けられない人はどうすれば良い?
痛みや圧迫がどうしても難しい場合は、代替検査の選択が可能です。乳腺エコーは圧迫を伴わず、小さな乳房でも観察しやすい検査です。また、DWIBS(ドゥイブス・サーチ、無痛MRI乳がん検診)は圧迫なしで全体を評価できる方法として注目されています。乳房をMRIで撮影する方法で、痛みなく乳房全体を評価できる点が特徴です。ただし、それぞれ得意・不得意があるため、単独ではなく組み合わせて行うことが推奨される場合もあります。
「マンモグラフィで挟めない」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「マンモグラフィで挟めない」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
マンモグラフィ検査では、具体的にどのように胸のお肉を集めて挟むのでしょうか?
木村 香菜 医師
乳房全体を前方に引き出し、乳腺を均一に広げるように配置します。これにより死角を減らし、精度を高めます。
マンモグラフィでうまく挟めない場合、検査結果が不正確になることはありますか?
木村 香菜 医師
圧迫が不十分だと画像の重なりが増え、評価が難しくなることがあります。その場合は再撮影や別検査が行われます。
マンモグラフィ検査の痛みが苦手な場合、胸を挟まないエコー検査だけでも乳がんは見つけられますか?
木村 香菜 医師
エコーは有用ですが、石灰化の検出は苦手です。単独では不十分な場合もあるため、目的に応じた使い分けが重要です。
無痛MRI乳がん検診は本当にマンモのように胸を挟まなくて良いのでしょうか?
木村 香菜 医師
圧迫は不要で痛みは少ない検査です。ただし、検診としての位置づけや費用面は施設によって異なるため確認が必要です。
まとめ
マンモグラフィは胸の大きさに関係なく、多くの場合で実施可能な検査です。挟めないのではと不安に感じる方でも、技師の工夫により対応できるケースがほとんどです。それでも難しい場合や痛みが強い場合は、エコーやMRIなど別の方法を検討できます。重要なのは検査を避けることではなく、自分に合った方法で継続的に乳がん検診を受けることです。
「マンモグラフィ検査」の異常で考えられる病気
「マンモグラフィ検査」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
乳腺外科系の病気
マンモグラフィの異常所見は、必ずしも悪性とは限らず、良性疾患や生理的変化が背景となることもあります。過度に不安にならず、必要に応じて精密検査で確認することが重要です。
「マンモグラフィ検査」に関連する症状
「マンモグラフィ検査」に関連する症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 乳房のしこり
- 乳房の張りや痛み
- 乳頭からの分泌物
- 乳房の左右差や変形
- 皮膚のひきつれやくぼみ
こうした症状がある場合は、検診結果に関わらず医療機関での評価が勧められます。早めに相談することで、安心につながります。
参考文献




