「乳がん検診のマンモグラフィ」が受けられない人とは?3D検査の違いも医師が解説!

乳がん検診のマンモグラフィとは?メディカルドック監修医が、年代別の推奨時期や3Dマンモの特徴、費用などについて詳しく解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
婦人科のマンモグラフィ検査(乳房X線検査)とは?
乳がん検診で中心となるのがマンモグラフィ検査です。乳房専用のX線装置を用いて撮影し、触診では分からない小さな病変を見つけることを目的とします。ここでは検査の仕組みと、見つかる代表的な所見について解説します。
マンモグラフィ検査の目的と方法
マンモグラフィは、乳房を圧迫板で挟み、薄く伸ばした状態でX線撮影を行う検査です。上下方向と斜め方向から撮影し、乳腺の重なりを減らすことで微小ながんや石灰化を描出します。乳がん死亡率減少効果が科学的に示されている検診方法であり、40歳以上の女性に2年に1回の受診が推奨されています。
マンモグラフィ検査で見つかる乳房の石灰化とは?
石灰化とは、乳腺内にカルシウム成分が沈着し白く写る所見です。多くは良性変化ですが、細かく不規則に集まる微細石灰化は乳がんの初期変化であることがあります。触っても分からない段階で異常を捉えられる点がマンモグラフィの大きな特徴です。
乳がん検診はマンモグラフィ検査とエコー検査どちらが良い?
乳がん検診では、マンモグラフィと乳腺エコー(超音波)検査が行われることが多いです。それぞれ得意とする病変が異なるため、年齢や乳腺の状態に応じた選択が重要です。
20代・30代の乳がん検診はエコー検査
マンモグラフィ以外にも、乳がん検診として乳腺超音波検査(エコー検査)が実施されています。乳腺のエコー検査は、乳房表面に超音波プローブ(超音波の送受信をする器械)をあて、はね返ってくる超音波を画像として映す検査で、検査時間は10から20分です。
現時点では、マンモグラフィとの併用・エコー単独検査ともに、一般住民を対象とした死亡減少効果は示されていません。一方、高濃度乳房の方においては病変を検出しやすいという特徴もあります。30代は乳腺が発達している「高濃度乳房」が多く、マンモグラフィでは病変が見えにくい場合があるため、エコー検査が適しているとされます。通常、乳腺外科や検診センターの外来で受診可能です。
40代以上の乳がん検診はマンモグラフィ検査
40代以降は乳腺が徐々に脂肪化し、マンモグラフィで病変が描出されやすくなります。厚生労働省も40歳以上に2年に1回の受診を推奨しています。死亡率減少効果が確認されている点が根拠となっています。自治体のがん検診などで広く実施されており、基本的には外来での検査となります。
60代以上の乳がん検診はマンモグラフィ検査
60代は乳腺が萎縮し脂肪組織が増えるため、マンモグラフィ検査が特に有効と考えられます。一方で、60代の方のがん検診の受診率は40・50代の方よりも低下するというデータもあります。体調や基礎疾患を考慮しながら継続的な受診を検討することが求められます。
年齢に関係なくマンモグラフィ検査が推奨される人
家族歴がある方、過去に乳腺疾患を指摘された方、放射線治療歴がある方などは年齢に関係なく医師と相談のうえ検査を検討します。リスクが高い場合、エコーやMRIとの併用が選択されることもあります。
3Dマンモグラフィは通常の2D検査とどう違う?
近年導入が進む3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)は、乳房を断層状に撮影する技術です。従来法との違いを理解することが重要です。
3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)の特徴
複数方向から撮影し、乳房を薄いスライス画像として再構成します。乳腺の重なりによる見落としを減らす効果が期待されます。2Dでは判別が難しい腫瘤の評価に役立つことがあります。
3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)の痛み
トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)は、従来の2Dマンモグラフィと比較して「必ずしも痛くない(痛みが少ない)」とは言い切れず、痛みの感じ方は人による、あるいは撮影時間が長くなるため負担が増える場合があるというのが現状です。トモシンセシスは複数の角度から撮影するため、2Dよりも乳房を圧迫している時間が長くなります。そのため、痛みに敏感な方にとっては、むしろトモシンセシスの方が負担に感じられる場合があります。痛みに弱いというような場合は、事前に検診を受ける医療機関に相談しておくと不安の解消につながるでしょう。
3Dマンモグラフィの被ばく量は安全?
3D撮影では2D単独より線量が増える場合がありますが、近年は低線量化が進んでいます。自然放射線と比較しても健康影響は小さいとされます。施設によって撮影方法が異なるため、説明を受けて確認しましょう。
乳がん検診のマンモグラフィ検査を受けられない人の特徴
妊娠中の方、授乳中で乳房が強く張っている方、豊胸術直後の方などは実施できない場合があります。乳房に強い痛みや炎症がある場合も延期を検討します。ペースメーカーを装着している方も、破損の恐れがあるため事前の申告が必要です。
「乳がん検診」で見つかる病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「乳がん検診」で見つかる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
乳がん
乳がんは乳管や小葉に発生する悪性腫瘍です。女性ホルモンの影響、家族歴、初経が早い・閉経が遅いなどがリスク因子とされています。初期は無症状のことも多く、しこりや乳頭分泌、皮膚のひきつれで気づく場合もあります。治療は手術、放射線治療、薬物療法(ホルモン療法・抗がん剤・分子標的薬など)を組み合わせます。胸のしこりや血性分泌を認めた場合は早めに乳腺外科の受診が望まれます。
乳房石灰化
乳房石灰化は乳腺内にカルシウムが沈着する状態で、多くは良性変化です。加齢や乳腺の炎症、分泌物の変化などが原因とされます。一方で、微細で不規則に集まる石灰化は乳がんの初期変化であることがあります。多くは経過観察ですが、形状によっては精密検査(拡大撮影や生検)が必要です。検診で指摘された場合は、乳腺外科での評価を受けましょう。
乳腺症
乳腺症は女性ホルモンの変動に伴う乳腺の良性変化で、月経前の張りや痛み、しこり感が特徴です。30〜40代に多くみられます。基本的には経過観察で、症状が強い場合は鎮痛薬やホルモン調整を行うことがあります。しこりが急に大きくなる、片側のみ強い痛みがある場合は他疾患との鑑別が必要です。気になる症状が続く場合は乳腺外科を受診します。
乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫は若年女性に多い良性腫瘍で、弾力がありよく動くしこりとして触れることが特徴です。女性ホルモンとの関連が指摘されています。多くは経過観察で問題ありませんが、急速に大きくなる場合や画像上で判断が難しい場合は摘出を検討します。しこりを触れた場合は自己判断せず、乳腺外科で画像検査を受けることが大切です。
乳がん検診の費用と受診の目安は?
費用は自治体検診か自費かで異なります。制度を理解して受診しましょう。
乳がん検診にかかる「費用」の目安
自治体の対策型検診では無料または数千円程度の自己負担で受診できます。例として東京都の渋谷区では、40歳から2年に1回、乳がん検診を無料で実施しています。自費での人間ドック等は1万円前後が目安です。自覚症状がある場合や、検診後の精密検査は保険適用となります。お住まいの自治体によってクーポン券の配布や助成制度が異なるため、公式ホームページ等で確認してください。
乳がん検診・マンモグラフィ検査の頻度
40歳以上は2年に1回が推奨間隔です。リスクが高い場合は医師の判断で毎年検査を行うこともあります。30代は一律の推奨はなく、個別判断が基本です。
「乳がん検診のマンモグラフィ検査」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「乳がん検診のマンモグラフィ検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
30代でもマンモグラフィ検査を受けた方がいいですか?
木村 香菜 医師
30代は対策型検診の推奨対象ではありません。乳腺が発達している方が多く、マンモグラフィでは病変が見えにくい場合があります。一般的には症状がある場合や家族歴などリスクが高い場合に、医師と相談のうえ検査を検討します。無症状でリスクが高くない場合は、エコー検査を含めた個別判断が基本となります。
マンモを受けた結果胸に石灰化があると言われた場合、再検査は必要ですか?
木村 香菜 医師
石灰化の多くは良性変化です。ただし、形や分布によっては精密検査が必要となる場合があります。微細で不規則に集まる石灰化は注意が必要です。検診で「要精密検査」と判定された場合は、放置せず乳腺外科で再評価を受けましょう。経過観察のみで済むケースも少なくありません。
乳がん検診で石灰化の指摘を受けた場合、対処法はありますか?
木村 香菜 医師
石灰化自体に対する治療は通常行いません。重要なのは、その石灰化が良性か悪性の可能性があるかを判断することです。必要に応じて拡大撮影や針生検を行います。精密検査の結果に基づき、経過観察か治療かを決定します。不安が強い場合は遠慮せず担当医に説明を求めましょう。
乳がん検診はマンモグラフィと超音波検査は両方受けるべきですか?
木村 香菜 医師
年齢や乳腺の状態によります。40歳以上ではマンモグラフィが基本です。一方で高濃度乳房の方ではエコーを併用することで検出率が向上する可能性があります。ただし、一般住民全体での死亡率減少効果が確立しているのはマンモグラフィです。自身のリスクに応じて医師と相談することが重要です。
まとめ 乳がん検診は自分に合った方法を選ぼう!
マンモグラフィは、乳がん死亡率減少効果が示されている検査です。特に40歳以上の女性では、2年に1回の受診が推奨されています。一方で、乳腺の濃度や年齢、家族歴などにより適した検査方法は異なります。
石灰化やしこりを指摘された場合でも、必ずしもがんとは限りません。大切なのは、結果を正しく理解し、必要な精密検査を受けることです。
乳がんは早期発見で治療選択肢が広がる病気です。定期的な検診を習慣にし、自分の年齢やリスクに合った方法を選択していきましょう。
「マンモグラフィ検査」に関連する病気
「マンモグラフィ検査」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
一言:マンモグラフィでは、触診では分からない初期の乳がんや微細な石灰化を検出できる場合があります。ただし、画像所見だけでは良性か悪性かを断定できないこともあり、必要に応じて精密検査を行います。検診結果に「要精密検査」と記載があった場合は、乳腺外科での評価を受けましょう。
「マンモグラフィ検査」に関連する症状
「マンモグラフィ検査」と関連する症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
乳房の異常サイン
- 乳房のしこり
- 胸が張る
- 乳頭分泌
- 乳房の痛み
- 乳房の皮膚のひきつれ
一言:これらの症状がある場合、乳がんをはじめとする乳腺疾患の可能性があります。ただし、多くは良性疾患によるものです。自己判断せず、気になる症状が続く場合は乳腺外科での診察と画像検査を受けることが重要です。



