「サウナ」で「血圧」も”ととのう”?注意点と健康的な楽しみ方を医師が解説!

サウナに入ると血圧はどう変化する?メディカルドック監修医が、サウナと血圧のメカニズムや、高血圧の人が注意すべきポイント、血管への影響と安全な対策を解説します。

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
目次 -INDEX-
サウナとは?
サウナとは、高温の室内で体を温め、発汗を促す入浴習慣のことです。起源はフィンランドで、寒冷な気候の中で体を温めて、疲れを取る目的から発展してきた文化として親しまれています。基本的な入り方は、体を洗って清潔にした後、適温のサウナ室で発汗を促し、その後水風呂や外気浴で体を冷やす「温冷交代」を繰り返すことが一般的です。
サウナの健康効果とは?
サウナで体を温めると血管が広がって血流が良くなるので、身体的な好影響が期待できます。また、自律神経を整える効果もあるとされています。
サウナの健康効果と血行促進のメカニズム
サウナで体を温めると、皮膚や筋肉の血管が広がり、全身の血流が増加します。これにより酸素や栄養が体のすみずみまで届きやすくなり、疲労物質の排出も促進されます。さらに、水風呂で体を冷やすことで血管が収縮し、その後の休憩で再び拡張するため、血管が柔軟に動くためのトレーニングにもなります。この温冷刺激が自律神経を整え、肩こりの改善や冷えの緩和、睡眠の質向上にもつながることが期待されます。
サウナを長期的に利用すると改善が期待できる症状
さまざまな不調の改善が期待できます。
- 肩こり・腰の重さ・冷え:血行不良が原因となって起きる症状なので、サウナによる血流改善により筋肉の緊張がほぐれやすくなり、症状改善が期待できます。
- 睡眠・ストレス:温冷刺激を繰り返すことで自律神経のバランスが整いますので、寝つきの悪さ、睡眠の質の低下、慢性的なストレスの軽減も期待できます。
サウナと血圧のメカニズム
サウナ中は、体温上昇に伴って血圧が変動します。サウナ中に起こる血圧の動きとそのメカニズムを解説します。
サウナに入っている最中の血圧はどうなる?
サウナに入ると体温が上昇し、皮膚や筋肉の血管が広がり、血管抵抗が下がるため、血圧は低下しやすくなります。しかしながら、この変化は健康人では生理的な範囲で、問題となることは少ないです。高温環境が続いて脱水が進むと、血圧が下がりすぎるため、立ちくらみやめまいが起こることもあります。
サウナ後の血圧は下がる?上がる?
サウナ後の血圧は、外気浴や休憩によって副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着くことで血圧が下がることが多いです。サウナ後に水風呂に入った直後は、寒冷刺激により血管が収縮するため、一時的に血圧が上がることもあります。
サウナは高血圧でも利用して大丈夫なのか?
高血圧の人でもサウナは利用できるのか、不安に感じる方は多いと思います。サウナでの血圧の変化や注意点を踏まえ、高血圧の方のサウナ利用の考え方を紹介します。
高血圧の人がサウナを利用するリスクとは?
注意すべきリスクは、血圧の急激な変動です。高温のサウナでは、急激な暑さによる自律神経活性化により心拍数が増えるため、心臓への負担が一時的に高まります。さらに、サウナ後の水風呂は、血管を収縮させるため、血圧が急激に上昇することがあり、動悸、めまい、不整脈を起こす可能性があります。
血圧がいくつ以上ならサウナを控えるべき?
高血圧に関連する学会が公式に「サウナは一律禁止」と定めている一律の血圧値はありません。しかしながら、高血圧に伴う合併症が起こりやすい「高血圧クライシス」に該当する高血圧患者はサウナを控えた方がよいでしょう。具体的には、収縮期180 mmHg以上/拡張期120 mmHg以上をさします。この基準に達していない場合でも、医学的な見地から、高血圧の人がサウナを利用する際には、ヒートショックや急激な血圧変動によるリスクを避めるため、主治医との相談が必要です。
高血圧以外でサウナを控えた方が良い人は?
サウナは健康に良い一方、すべての人に安全とは限りません。以下に該当する方は、利用を控えるか医師に相談してください。
- 心臓疾患のある方:心不全や不整脈がある場合、急激な温度変化が心臓に過度な負担をかけます。
- 呼吸器疾患のある方:高温多湿な環境が呼吸に負担をかける場合があります。
- 急性疾患・発熱中の方:炎症を悪化させる恐れがあります。
- 飲酒後の方:脱水症状や転倒のリスクが非常に高く、極めて危険です。
「サウナと血圧」関連で健康リスクのある病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「血圧とサウナ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
ヒートショック
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、失神、心筋梗塞、脳卒中などを起こす状態です。血管が急に拡張・収縮することが主な原因と言われています。対処法は、入浴前に脱衣所を暖める、湯温を高くしすぎない、急に立ち上がらないことが重要です。意識障害、強いめまい、胸痛、片側の手足のしびれが出た場合は早急に医療機関を受診してください。受診先は内科が基本で、症状により循環器内科や脳神経内科が適しています。
高血圧
高血圧とは、血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。主に遺伝、過剰な食塩摂取、肥満、運動不足、ストレスなどが原因となります。自覚症状が無い場合も多いので、放置する方が多いです。放置すると、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病のリスクが高まります。対処法は減塩や運動などの生活改善と薬物治療です。受診科は内科や循環器科が適しています。
心筋梗塞
心筋梗塞とは、心臓を栄養する冠動脈が詰まり、心筋に血液が届かなくなる病気です。主な原因は動脈硬化で、高血圧、糖尿病、喫煙などが危険因子です。胸痛、胸部圧迫感、冷や汗などの症状が突然起こり持続することが特徴となっています。治療は、できるだけ早期に冠動脈の血流を再開させることが重要で、カテーテル治療や薬物療法が行われます。受診科は、救急科や循環器内科です。
脳梗塞
脳梗塞とは、脳の血管が詰まり、脳細胞に血液や酸素が届かなくなる病気です。動脈硬化や心房細動などによる血栓が原因です。片側の手足のまひ、ろれつが回らない、視野が欠けるなどの症状が突然起こります。治療は、早期に血栓を溶かす薬やカテーテル治療などがあります。これらの症状が起きたら、すぐに救急車を要請しましょう。受診先は、脳神経内科や脳神経外科です。
起立性低血圧・立ちくらみ
起立性低血圧・立ちくらみとは、立ち上がった時に血圧が急に下がり、脳への血流が一過性に不足する状態です。原因として、脱水、自律神経の乱れ、加齢、薬物などがあります。対処法として、急に立ち上がらない、水分や塩分を適切に補給することが重要です。失神や頻繁な立ちくらみが起こる場合は医療機関の受診が必要です。内科、循環器科、神経内科を受診しましょう。
血圧が心配な人でもサウナを健康的に楽しむ方法とは?
血圧が気になると「サウナに入っても大丈夫?」と不安になりますよね。無理なく安全にサウナを楽しむための考え方や工夫を紹介します。
高血圧の人でも実践できる安全なサウナの入り方
高血圧の人がサウナを利用する場合、血圧を急激に変動させない入り方が重要です。まず、体調が問題ないかを確認します。次に、入室前に十分な水分補給を行い、無理に我慢せず、低温(80℃前後)・短時間(5〜8分)を目安としましょう。医学的な統一基準は無いため、この基準は、無理することによる体調不良を防ぐための目安と考えて下さい。サウナ中に少しでも異変を感じたら中断することが肝要です。サウナ後に水風呂に入る場合は、足先からゆっくり冷やすように入ります。その後は、椅子に座って外気浴を行い、急に立ち上がらないよう注意しましょう。サウナに入る前に、事前に医師へ相談することが安心につながります。
サウナの水分補給のタイミングと体調管理のポイント
血圧が気になる方がサウナを利用する際は、水分補給と体調管理を意識することが重要です。入室前にはコップ1杯程度の水やお茶を飲み、脱水を防いでからサウナに入ります。サウナ後も発汗によって失われた水分を早めに補給し、必要に応じて休憩中にも少量ずつ水分を取るとよいでしょう。また、体調がすぐれない日は利用を控え、無理しないことが大切です。
「サウナと血圧」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「サウナと血圧」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
サウナ後の水風呂で血圧が急激に下がるのは大丈夫でしょうか?
佐藤 浩樹 医師
一般的に、健康な人であれば、この変化は生理的な反応が多く、休息によって回復することが多いです。しかし、高血圧や心疾患を有する人では、血圧が急激に下がると同時に、めまい、動悸、立ちくらみを起こすことがあるので注意しましょう。
降圧薬を飲んでいる人がサウナに入るのは危険ですか?
佐藤 浩樹 医師
降圧薬を服用している人でも、体調が安定していれば必ずしもサウナを避ける必要はありません。しかし、降圧薬は血圧を下げる作用があるため、サウナによる発汗や血管拡張が重なると、血圧が下がりすぎて、めまい、立ちくらみ、ふらつきが起こることがあります。サウナに入る前に、水分補給を十分に行う、低温サウナを心がける、我慢して長時間入らない、などを念頭に置き利用することが大切です。
サウナと比べて高温ではない岩盤浴も血圧には悪影響がありますか?
佐藤 浩樹 医師
岩盤浴はサウナより温度が低く体内への影響は少ないですが、血圧への影響が全くないわけではありません。岩盤浴でも、発汗が続いた場合は、脱水や血管拡張により血圧が下がりすぎ、めまいやふらつきを感じることがあります。こまめな水分補給と休憩を心がけ、無理をせず短時間から利用することが大切です。
サウナを長期的に利用すると血管に負担がかかるのでしょうか?
佐藤 浩樹 医師
サウナを長期的に利用しても、無理のない入り方であれば血管に負担がかかる可能性は低いです。逆に、血管の拡張と回復を繰り返すことで、血管の柔軟性を保つ刺激になる可能性もあります。
まとめ サウナと血圧の関係は“正しい入り方を知ること”が大切!
サウナと血圧の関係で大切なのは、無理をしないことです。めまい、動悸、立ちくらみなどの症状は体からの危険信号です。我慢せず中断する必要があります。血圧が気になる人は、短時間と十分な休憩、水分補給を意識し、自分の体調を最優先にサウナを利用しましょう。
「血圧」に関連する病気
「血圧」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
精神・神経系の疾患
血圧の異常は、高血圧や低血圧だけでなく、脳や心臓の重大な病気につながることがあります。小さな変化でも放置せず、体からの注意サインであることを自覚することが大切です。
「血圧」に関連する症状
「血圧」から医師が考えられる症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
血圧の異常は、頭痛、めまい、動悸など身近な症状として現れることがあります。軽い不調でも見逃さず、続く場合は早めに医療機関へ相談することが大切です。




