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どのくらい「血圧が高い」と”頭痛”は起きやすい?痛みの特徴と注意点を医師が解説!

 公開日:2026/03/17
どのくらい「血圧が高い」と”頭痛”は起きやすい?痛みの特徴と注意点を医師が解説!

血圧が高いと頭痛がするのはなぜ?メディカルドック監修医が高血圧による頭痛の特徴、放置してはいけない危険なサインについて解説します。

大沼 善正

監修医師
大沼 善正(医師)

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昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、関東労災病院を経て、現在はイムス富士見総合病院勤務。総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、医学博士。

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なぜ血圧が高いと頭痛が起こるの?

ゆっくり血圧が上昇する場合や、慢性的な高血圧では頭痛を起こすことはほとんどありません。
これは、「血圧が変動しても脳への血流を一定の範囲内に保つ機能」(脳血流自動調節機能)が正常に働いているためです。
しかし、急激な血圧の上昇では血管に過度な負担がかかり、 血液中の水分が血管の外にしみ出します。その結果、血管の周囲や脳のまわりの組織がむくみます。
脳は頭蓋骨に包まれているため圧力の逃げ場がなく、脳を包む膜や神経が刺激されることで、頭痛が起きます。

血圧上昇が脳の血管に及ぼす影響とは?

血圧が上昇すると、脳血流自動調節機能が働き、脳への血流量を一定の範囲内に保つように調整されます。
徐々に血圧が上昇した場合には、この調節機能のために、とくに症状を感じないことがほとんどです。多くの高血圧で自覚症状がないのも、そのためです。
ただし、急激に血圧が上昇した場合には、この調節機能が追いつかなくなります。
脳の血管には、血液中の水分や物質が勝手に脳組織へ漏れ出さないよう、細胞同士が密着した「血液脳関門(BBB)」というバリアがあります。急な血圧上昇により、このバリアにわずかな隙間ができると、その間から血液中の水分が血管の外に漏れて、脳のまわりの組織がむくんでしまいます。
さらに血管の外にしみ出た成分が神経を刺激し、炎症が起こります。
これにより神経が過敏な状態となり、血管の拍動などの刺激で頭痛を起こすようになります。
まとめますと、以下のようになります。

  1. 脳の周りの組織がむくむ
  2. むくみの刺激で炎症が起こり、周囲の神経が過敏になる
  3. 過敏になった神経が、血管の拍動などの刺激を痛みとして感じ、頭痛が起こる

血圧がいくつ以上になると頭痛が起きやすい?

収縮期血圧が 180mmHg以上、または拡張期血圧が 120mmHg以上になると、頭痛が起きやすいとされています。
ただし、数値そのものよりも、血圧がどれだけ急に上昇したかが重要です。
たとえば、もともと収縮期血圧が 160mmHg の人が 180mmHg になっても、頭痛は起きにくいことがあります。
一方で、普段 120mmHg 前後の人が 180mmHg まで上昇すると、頭痛が起きやすいと考えられます。

高血圧による頭痛の特徴は?

血圧が高いだけでは、頭痛は起こらないとされています。
急激に上昇した場合や、血圧が非常に高い状態(収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上)で高血圧性頭痛が起こるといわれています。

高血圧による頭痛で痛みが現れやすい場所は?

側頭部や後頭部に現れやすいといわれていますが、とくに決まった場所はなく、頭全体に痛みを感じることもあります。

高血圧による頭痛はどんな痛みが起きる?

重く締めつけられるという鈍い痛みを感じます。また、ズキズキと拍動するような痛みを感じることもあります。

高血圧による頭痛は治療できる?放置すると健康リスクも

高血圧による頭痛は適切な治療によって改善することができます。
ただし、そのままにしておくと脳出血や心血管疾患などの重大な病気に発展する可能性があります。

高血圧による頭痛を放置するとどんな健康リスクが発生する?

脳へのダメージとしては、高血圧性脳症への進行、脳出血やくも膜下出血などがあります。
また頭痛を起こすほどの高血圧を放置した場合、心臓・腎臓などの全身の血管への悪影響が考えられます。
起こり得る病気としては、脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、心不全、大動脈解離、腎不全などがあります。

高血圧や頭痛以外にもどんな症状があれば病院を受診すべき?

高血圧性脳症を発症した場合、重篤になることがあり注意が必要です。
また、高血圧により脳出血やくも膜下出血を発症する可能性もあるため、以下に挙げたような症状が出たときは、速やかに医療機関を受診しましょう。

  1. ・意識がなくなる、またはボーっとする
  2. ・痙攣している
  3. ・視界がぼやける、見えづらい
  4. ・しゃべりにくい、呂律が回らない
  5. ・吐き気が強く、嘔吐を繰り返す
  6. ・立っていられないほどのめまいがある

「高血圧と頭痛」で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「高血圧と頭痛」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高血圧・高血圧性脳症

高血圧は多くの場合無症状ですが、高血圧性脳症といわれる状態になると、脳血流自動調節機能が破綻するために、脳にむくみを生じることがあります。
症状としては、頭痛に加え、意識を失う、痙攣する、嘔吐する、目が見えづらいなどがあります。そのような場合には、救急車の要請を含めて、速やかに医療機関を受診しましょう。

脳出血

脳出血は脳を栄養している血管が破れて、脳内に出血を起こす病気です。
高血圧が一因になりますが、生活習慣病である糖尿病や脂質異常症などで動脈硬化があると、発症のリスクが高まります。
症状としては以下のものがあります。

  1. ・意識が低下する
  2. ・手足が動かない
  3. ・ろれつが回らない
  4. ・突然のめまいやふらつきで歩けない

このような症状は、速やかな治療が必要となります。救急車の要請をし、脳神経内科や脳神経外科のある専門病院を救急受診しましょう。
急性期の治療としては降圧薬により血圧を下げることや、脳のむくみをとる薬を使用することがあります。また血腫(血の塊)が脳を圧迫している場合、それを取り除く手術が行われることがあります。

くも膜下出血

脳の動脈が破れて出血し、脳を包む膜の間(くも膜と軟膜の間)の「くも膜下腔」という場所に、血液がたまる病気です。
原因としては、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう。血管の一部が風船のように膨らんだ状態)の破裂が最も多いとされています。高血圧があると、脳動脈瘤ができる可能性や破れるリスクが高まります。
症状は、「突然の今までにない激しい頭痛」が特徴的です。そのほか、吐き気、嘔吐、痙攣などを伴うことがあります。
上記の症状がある場合は、緊急性があるため、脳出血の時と同様に救急車を要請し、速やかに医療機関を受診しましょう。
急性期の治療としては、動脈瘤をクリップで閉じたり、コイルで詰めたりして、出血しないようにします。

「血圧が高くて頭痛」がするときの正しい対処法は?

頭痛が起きたらまずは安静を保ち、血圧を測定する

頭痛がしたときには、楽な姿勢で安静を保、血圧を測定しましょう。血圧が非常に高い場合(収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上)のときには、高血圧が原因のことがあります。
また血圧が高くない場合には、他の原因による頭痛の可能性があります。

生活習慣の見直し

高血圧が原因の頭痛であると診断された場合には、生活習慣の見直しが必要です。
食事としては、減塩(6g/日以下が目標)、飽和脂肪酸やコレステロールを控える(赤身肉や加工肉を控え、魚を中心とした食事)といったことを心がけましょう。野菜、果物、海藻や大豆製品、ナッツ類を積極的に取り入れるとよいと思われます。
1日30分程度の有酸素運動(散歩・速歩など)も合わせて行うと効果的です。

市販の頭痛薬に頼らず医療機関へ

一般的に、頭痛に対してロキソプロフェン(ロキソニン)、イブプロフェン、アスピリンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やアセトアミノフェン(カロナール)が主に使用されています。
ただし、NSAIDsは腎臓の血管を収縮させ、塩分や水分の排泄を抑制する作用があり、血圧を上昇させるリスクがあるため、使用には注意が必要です。
アセトアミノフェンであれば比較的安全に使用できます。
ただし、高血圧による頭痛の場合には血圧を下げることが根本的な治療であるため、市販の薬を使用せず、まずは医療機関を受診しましょう。

「血圧が高いと起こる頭痛」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧が高いと起こる頭痛」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

なぜ血圧が高いと頭痛が起こるのでしょうか?

大沼 善正大沼 善正(医師)

血圧が高いだけでは、頭痛は起こりにくいとされています。しかし、血圧が急激に上昇した場合や非常に高い状態(収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上)では、頭痛が起こることがあります。血圧が上がると、脳は血管の収縮・拡張を調整して、血流を一定に保とうとする方向に働きます。これを、「脳血流自動調節機能」といいます。血圧が急に上昇した場合や、非常に高くなったときは、その機能が追いつかなくなり、血管に強い負担がかかります。すると、脳の血管のバリア(血液脳関門)に隙間ができ、血液中の水分が血管の外にしみ出し、脳のまわりの組織がむくむことがあります。脳は硬い頭蓋骨に囲まれているため、むくみによる圧力の逃げ場がありません。その結果、脳を包む膜や周囲の神経が刺激され、頭痛として感じられます。

どれくらい血圧の値が高いと頭痛が起こるのでしょうか?

大沼 善正大沼 善正(医師)

収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上で起こりやすいとされています。

水分をたくさん摂ることで高めの血圧は下がりますか?

大沼 善正大沼 善正(医師)

水分をたくさん摂ることによる高血圧改善効果はありませんが、水分をとることで脱水が改善し、血圧が安定することは考えられます。とくに夏場ではのどが渇く前にこまめに水分補給をすることは、脱水の予防のために大切です。心疾患や腎臓病の方は、水分を摂りすぎるとむくみや持病の悪化につながる可能性があるため、医師と相談して水分量を決めましょう。

血圧が高めで頻繁に頭・こめかみが痛くなるときは何科を受診したら良いですか?

大沼 善正大沼 善正(医師)

まずは一般内科、循環器内科を受診するのがよいと思われます。血圧が高くて頭痛がする場合には、高血圧による頭痛のほかに、褐色細胞腫、自律神経反射、妊娠中に起こるものなどいろいろな原因があるため、まずはその鑑別が必要となります。頭痛だけでなく、意識が低下する、目の見えづらさがある、手足のしびれがある場合には、脳神経内科・脳神経外科を受診しましょう。

まとめ「血圧が高いと起こる頭痛」で健康リスクに注意!

高血圧は多くの場合無症状ですが、強い頭痛や神経症状を認めるようであれば、治療が必要です。高血圧性脳症となると、脳がむくむために意識が悪くなったり、痙攣を起こしたりします。
高血圧を指摘された場合には、症状がなくても早期の治療介入が必要です。そのため、放置せずに、指摘された段階で医療機関を受診し、生活習慣の見直しや必要に応じた薬物療法を行いましょう。

「高血圧と頭痛」に関連する病気

「高血圧と頭痛」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器・内科系の病気

脳神経・腎臓・産婦人科系の病気

高血圧は自覚症状がなく、放置されることが多い病気ですが、脳疾患、心臓病、腎臓病の危険因子となるため、早期発見・早期治療を心がけましょう。

「高血圧と頭痛」に関連する症状

「高血圧と頭痛」から医師が考えられる症状は4個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

高血圧に伴う危険サイン

  • 意識障害
  • 立ち眩み
  • 手足のしびれ

血圧が高く、頭痛以外にも症状がある場合には速やかに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師