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「胸部X線検査の費用」はいくらかご存じですか?発見できる病気についても医師が解説!

 公開日:2025/10/06
「胸部X線検査の費用」はいくらかご存じですか?発見できる病気も医師が解説!

胸部X線検査を受けたい場合、いくらかかるのかご存じですか?メディカルドック監修医が保険適用、助成があるのか、検診の流れや注意点、発見できる病気・疾患についてご紹介します。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

胸部X線検査(レントゲン)とは?

胸部X線検査は、胸部に背後からX線を照射して肺や心臓、血管、骨などの状態を調べる画像検査です。放射線の量はごく少なく(約0.06mSv)、数分で終わるため、健康診断から緊急時まで幅広く活用されています。

胸部X線検査は何科でできる?

胸部X線検査は、以下のような場所で受けられます。
・健康診断・人間ドック
・呼吸器内科・循環器内科
・総合内科・外科
また、緊急の場合は救急外来でも実施可能です。特に、胸の痛みや呼吸のしづらさ、息苦しさなどの症状がある場合は、まず内科を受診し、必要に応じて専門科へ紹介されます。

胸部X線検査では何が見える?

胸部レントゲンでは主に以下が確認できます。
:肺炎、肺がん、気胸など
心臓:心拡大、心不全の兆候
血管:大動脈瘤、血管拡張
:肋骨骨折、脊柱の変形、鎖骨骨折
CT検査ほどの細かさはありませんが、短時間で全体像を把握できるのが特徴です。

胸部X線検査(レントゲン)の費用はいくらぐらい?

費用は、保険適用か自費診療か、または自治体の助成制度を利用するかによって変わります。

保険適用となった場合の胸部X線検査の費用

例えば咳や息切れ、胸痛、発熱などがあり、医師が必要と判断したときに保険適用となります。3割負担の方の場合、胸部X線1枚で630円、2枚で860円程度となります。この金額に、初診料や再診料などが別途加算されます。

自費診療となった場合の胸部X線検査の費用

次のようなケースでは自費になります。 ・健康診断で胸部レントゲンだけを希望する場合
・美容目的や証明書作成のための検査
費用は医療機関ごとに異なりますが、3,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。診断書が必要な場合は、追加で料金が発生します。なお、自治体によっては肺がん検診費用を一部負担している場合があります。また、年齢によっては無料で受けられることもあります。

胸部X線検査(レントゲン)の流れと注意点

当日に検査をスムーズに受けるため、以下のような点に注意しましょう。

胸部X線検査の流れ

どのような検査を行うのか流れとしては、以下のようになります。 1.金属類(ネックレス、ブラジャーのワイヤーなど)を外す 2.撮影台の前に立ち、息を大きく吸って止める 3.正面・側面など必要な方向から撮影 撮影自体は1〜2分で終わり、全体でも5〜10分程度です。

胸部X線検査の注意点

検査を受けたあとでも、通常は制限なく日常生活に戻れます。妊娠中の方は胎児への影響が懸念されることがあるため、検査を受ける前に申告が必要です。もしも異常が見つかった場合は、速やかに追加検査や専門科受診を行います。

胸部X線検査の見方と再検査が必要な胸部X線検査に関する結果

胸部X線検査の見方について解説していきます。

胸部X線検査の結果の見方・主な所見一覧

胸部X線検査では、以下のように判定がなされます。    
判定結果 意味、病気など
A判定異常(所見)なし
B判定 軽度異常(側弯などはあるが、特に心配はいらない程度のもの)
C判定 再検査(C3なら3ヶ月後、C6なら6ヶ月後、C12なら12ヶ月後が望ましい)(心臓が大きい、以前から指摘されている肺のブラ(嚢胞)などがある場合)
D判定 治療中

胸部X線検査で精密検査・再検査が必要な所見と内容

肺野の影や結節が認められた場合、肺炎や腫瘍の可能性があるため、早めに呼吸器内科を受診する必要があります。再検査はCTやMRI、喀痰検査などで行われ、緊急度は所見によって異なります。また、胸水が溜まっていることが疑われる場合、心不全や感染症、胸膜中皮腫などの悪性の病気によるものかもしれません。 気胸が疑われる場合にも、呼吸のしにくさなどの症状がある場合は緊急での処置が必要となるケースがあります。なお、気胸は肺の一部に穴が開き、肺が萎んでしまう状態です。呼吸器内科あるいは外科の受診が必要です。

「胸部X線検査」で発見できる病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「胸部X線検査」で発見できる病気・疾患を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスなどの感染によって肺に炎症が起こる病気です。 発熱、咳、痰、息切れが代表的な症状で、高齢者や基礎疾患のある方では重症化する危険もあります。 胸部X線検査では、浸潤影などが認められることがあります。治療は抗菌薬や抗ウイルス薬、酸素投与などで行われます。 高熱や呼吸困難がある場合は、早めに内科や呼吸器内科を受診しましょう。

肺がん

肺がんは、肺の細胞ががん化して異常に増殖する病気です。日本のがん死亡原因の上位を占めます。喫煙やアスベスト曝露歴などが主な原因とされています。症状は咳や血痰、体重減少などですが早期の段階では無症状のことも多いです。 治療は手術、放射線、抗がん薬や免疫療法など病期に応じて行われます。胸部X線で異常が疑われた場合は、速やかに呼吸器内科や呼吸器外科を受診してください。

気胸・肺気胸

気胸とは、肺に穴が開き、胸腔に空気が漏れて肺がしぼんでしまう病気です。突然の胸痛や息苦しさが特徴で、若い痩せ型の男性に多い自然気胸や、肺疾患に伴う続発性気胸があります。 軽症なら安静で改善することもありますが、多くは胸腔ドレナージが必要です。呼吸困難が強い場合は、救急外来や呼吸器外科の受診が必要です。

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。息切れやむくみ、体重増加が主な症状で、進行すると日常生活にも支障をきたします。胸部X線では心拡大や肺うっ血が確認できます。 治療は利尿薬や血管拡張薬、生活習慣の改善などです。 症状がある場合は循環器内科を早めに受診することが重要です。

脊柱変形

脊柱変形は、加齢や骨粗鬆症、外傷などが原因で背骨が曲がってしまう状態です。胸部X線では背骨の変形が確認でき、進行すると呼吸や心臓の働きにも影響を与えることがあります。 治療はリハビリや装具療法が中心で、重症例では手術も検討されます。背部の痛みを感じたり、姿勢の異常を周囲から指摘される場合は整形外科を受診してください。

肋骨骨折

肋骨骨折は、転倒や事故、強い咳などで胸の骨が折れる外傷です。胸の痛みや呼吸時の違和感が主な症状で、X線で診断されます。軽症では安静と鎮痛薬で治りますが、複数骨折や合併症がある場合は入院治療が必要になることもあります。胸部外傷後に強い痛みが続く場合は整形外科を受診しましょう。

「胸部X線検査の費用」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「 胸部X線検査の費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

胸部X線・レントゲン検査の費用は保険適用になりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

はい。咳が長引き発熱が続くケースや、胸の痛み・息苦しさなどの症状が続き、肺の状態を詳しく調べる必要がある場合は保険適用となります。

胸部レントゲン・X線検査の費用が10割負担の自費になることはありますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

健康診断の一環として胸部X線検査を受ける場合には10割負担で全額自費になることもあります。

胸部X線検査を受けて診断書を書いてもらう場合料金は高くなりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

はい。診断書を医師が作成する必要がある場合、その分の費用がかかります。

胸部X線検査で影が見つかり、再検査した場合の費用はいくらでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

肺がんなどを疑うケースでは、喀痰細胞診などが保険診療で行われます。この場合は約1,000円です。また、CT検査やPET-CT検査などを行う場合、数千円〜3万円ほど要することになるでしょう。

まとめ 胸部X線検査(レントゲン)の費用は数百円から数千円程度

胸部X線検査は、短時間で肺や心臓の状態を把握できる有用な検査です。費用は保険適用なら数百円〜1,000円台、自費でも数千円程度が一般的です。異常が見つかった場合は、追加検査や治療に進むことで早期発見・早期治療につながります。自治体の助成制度や保険適用の条件を確認し、必要に応じて積極的に受けることをおすすめします。

「胸部X線検査」の異常で考えられる病気

「胸部X線検査」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

呼吸器系の病気

循環器系の病気

骨・整形外科領域の病気

胸部X線検査は、短時間で肺や心臓、骨の異常を幅広く見つけられる重要な検査です。異常が見つかった場合は放置せず、医師の指示に従って精密検査や治療を受けることが、健康維持につながります。

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