「銃で撃たれた場合の応急処置」とは?撃たれても映画のように動けることもある?
公開日:2025/04/17

多くのアクション映画やドラマでは銃撃シーンが登場しますが、もし実際に銃撃された方がいたらどう対処すればよいのでしょうか。 今回は実際に撃たれたらどのような状況になるのか、必要な応急処置について解説していきます。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
プロフィールをもっと見る
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
銃で撃たれた場合の応急処置方法
銃で撃たれた場合の応急処置方法は、撃たれた部位によって詳細な手順は異なります。万が一誰かが銃で撃たれた場合にできる応急処置とは、どのようなものがあるのでしょうか。頭を打たれた場合
頭を撃たれた場合大切なのは、気道確保と脈拍の確認です。呼吸や脈が確認できなければ、心肺蘇生を試みます。体内に入った銃弾は、重要な血管の裂け目をうまく塞いでいる可能性もあります。銃弾を見かけても決して銃弾には触れないように注意し、可能であれば圧迫止血を図りましょう。
四肢を打たれた場合
四肢を撃たれた場合は、速やかな止血が必要です。止血に役立つような身の回りのものに、ベルトやタオルがあります。出血箇所より心臓近くの場所にタオルを当て、上からベルトや紐できつく固定しましょう。ベルトやタオルなどのアイテムがない場合は、ハンカチなどを傷口に当てて体重をかけて圧迫止血しましょう。
意識消失や呼吸が止まった場合は、ただちに心臓マッサージを行います。頭を撃たれたときと同様に、銃弾が見えても決して触れないようにしましょう。
腹部を撃たれた場合
腹部を撃たれた場合の、肝心な応急処置は圧迫止血と循環確保です。出血があるのを確認したら意識状態、脈拍を確認します。頸動脈に触れて脈拍を触知できなければ、ただちに心臓マッサージやAEDの準備が必要です。腹部には、身体の主要臓器が多数あります。
特に肝臓や腎臓の損傷は、大量出血を招き命に関わるため圧迫止血が必要です。止血の際は、自分の体重をかけてしっかり圧迫する必要があります。
胸部を撃たれた場合
胸部を撃たれた場合は、頸動脈を触知し脈拍の確認をすることが大切です。脈拍が感じられない場合は心肺停止となっている可能性が高いため、すぐにAEDの準備と心臓マッサージを開始します。AEDが見つからない場合は、心臓マッサージを優先しましょう。出血を見つけたら圧迫止血を行いますが、脈拍を触知できていない場合は心臓マッサージを優先します。
銃で撃たれた場合の痛みは?
銃で撃たれた場合、意識があると痛みや熱感を感じます。弾道の速さは秒速600m以上に及ぶものもあり、撃たれる瞬間はほんの一瞬です。撃たれた後に、痛みや熱感を感じていくとされています。
銃で撃たれても映画のように動けることもある?
映画同様の反応をする場合もあります。四肢を負傷すると映画のように動けるケースもあれば、主要臓器を撃たれた場合はドラマの描写と同様に意識を失います。しかし映画の描写はいくつもパターンがあり、反応は傷病者によってさまざまです。
まとめ
応急処置を行ううえで大切な心肺蘇生法は銃で撃たれた傷病者だけでなく、災害時や交通事故の際にも役立ちます。
これを機に、自治体や病院などで開催している心肺蘇生に関する講習を受けてみるのはいかがでしょうか。




