脂肪豊胸手術はバストのどこに傷が残る? ダウンタイムは? 経過状況を医師が解説

脂肪豊胸手術に興味はあっても、「ダウンタイムが気になる」という人も多いのでは? そこで、ダウンタイムの経過や傷跡などについて、銀座3丁目・BANNAI美容クリニックの坂内先生にメディカルドック編集部が詳しく聞きました。

監修医師:
坂内 誠(銀座3丁目・BANNAI美容クリニック)
脂肪豊胸手術のダウンタイムとは?

編集部
脂肪豊胸手術とはどのようなものですか?
坂内先生
お腹や太もも、お尻などから自分の脂肪を吸引してバストに注入することを言います。自分の細胞を利用するのでアレルギー反応が起きず、安全性が高いという特徴があります。また、仕上がりも自然で、触り心地や動きなどに違和感はありません。痩せなければ効果は半永久的というのもメリットと言えます。
編集部
しかし、手術後にはダウンタイムがあるのですよね。
坂内先生
はい。どうしても脂肪を体内から抽出したり、それを胸に注入したりするので、手術後にはダウンタイムが生じます。脂肪豊胸の場合には脂肪を吸引したところと、脂肪を注入したところに症状が出ます。
編集部
具体的にどのような症状が出るのですか?
坂内先生
- 患部の腫れ
- 内出血
- 痛み
- 脂肪を吸引した部分の皮膚の拘縮 など
編集部
それらの症状はどれくらい続くのですか?
坂内先生
脂肪を注入した部分のダウンタイムはそれほど長くなく、胸の痛みは2~3日程度で治まることが多いとされています。痛みが問題になることはあまりないので、こちらは特に気にしなくて大丈夫だと思います。
編集部
脂肪を吸引した部分はどうですか?
坂内先生
脂肪を吸引した部分の痛みは、もう少し長く続きます。痛みのピークは翌日で、そこから徐々に軽くなり、術後3日前後にはピーク時の6〜7割くらい、術後7日前後にはピーク時の2〜5割ほどに治まるという人が目立ちます。
編集部
完全に痛みがなくなるまではどれくらいかかるのですか?
坂内先生
多くの患者さんの話を総合すると、痛みが気にならなくなるのは術後1週間から10日程度です。完全に痛みがなくなるには3週間程度かかる人が多いと思います。内出血は術後1週間くらいがピーク、腫れは術後3日くらいがピークで、その後、少しずつ改善していきます。
脂肪吸引器が進化し、ダウンタイムも短くなった

編集部
どうしてもダウンタイムが起きるのですね。
坂内先生
そうですね。しかしながら、現在では脂肪豊胸手術の技術が進化したことにより、以前に比べてダウンタイムは格段に短くなりました。たとえばこれまでは、脂肪を吸引・注入する量は200〜250ccくらいが相場とされており、それ以上注入するとバストは大きくなるけれど、しこりも残るとされていました。しかし当院を例にすると、140ccくらいの注入量でも200cc注入したのと同じくらい、高さを出せるようになりました。脂肪を抽出する量が少ないということは、その分ダウンタイムも短くて済むということ。このように、医療技術の進化によってダウンタイムは短縮されているのです。
編集部
傷跡はどうですか? やはり目立つのでしょうか?
坂内先生
当院の場合、吸引した部分は5mm、注入した部分は4mm程度です。若干の差はあるかもしれませんが、これくらいの傷跡が一般的ではないかと思います。
編集部
傷跡はどこに残るのですか?
坂内先生
脂肪を注入する際、どこからおこなったかによって異なります。一般には脇のシワに沿っておこなったり、乳輪に沿っておこなったり、あるいは乳房の外側からおこなったりしますが、たとえば当院では、ブラジャーのラインで隠れるところから注入をしています。術後6カ月くらいは色素沈着などでやや目立ちますが、徐々に薄くなって白い線が残る程度になるので、ご安心いただけます。
編集部
どうしても傷が残ってしまうのですか?
坂内先生
どうしても傷跡が気になるという場合には、リジェネラというオプションもあります。これは自分の皮膚(真皮)を米粒大で数個採取し、専用の機械で細かく砕いて注射することで皮膚や脂肪組織を活性化させる治療法。定着率の向上を見込めると同時に傷跡も綺麗にすることができます。傷跡が気になる人は、医師に相談してみてください。効果には個人差があります。
脂肪豊胸は手術後どれくらい保てるのか? 手術後の注意点は?

編集部
脂肪豊胸の効果はどれくらい保てるのですか?
坂内先生
脂肪豊胸手術の場合、痩せることがなければ効果は半永久的に持続します。また、「もっと大きくしたい」という場合には手術を繰り返すこともできます。
編集部
ダウンタイム中に気をつけることはありますか?
坂内先生
術後、少なくとも2日はあまり動かない方がよいでしょう。安静にしておくことで再出血を予防することもできますし、ダウンタイムの短縮にもつながります。術後は思ったほど痛みを感じないため、活発に動いてしまう人も多いのですが、そうなると腫れや内出血が起こり、ダウンタイムが長引いてしまうこともあります。ダウンタイムを短くするには、そもそも腫れや内出血を起こさないことが肝心。少なくとも術後2日間はおとなしく過ごした方がよいでしょう。
編集部
そのほかに気をつけることはありますか?
坂内先生
ダウンタイムの長さは、脂肪吸引の機械が新しいかどうかによっても変わってきます。脂肪吸引の機械が旧式だと、吸引器具も鋭利になりますし、吸引孔も大きくなりがち。そうなれば自ずとダウンタイムも長引きます。脂肪豊胸手術を受ける際には、新しい医療機器を導入している医療機関を選ぶようにしましょう。
編集部
最後にメディカルドック読者へのメッセージがあれば。
坂内先生
ときどき、「脂肪豊胸手術を受けたいけれど、ダウンタイムが気になる」という患者さんがいらっしゃいます。お話をお聞きすると、「一昔前におこなわれていた脂肪吸引手術のイメージが強く、術後の痛みや腫れがひどいのではないか」と心配されているのです。しかし、脂肪豊胸手術の医療機器は目覚ましく進化しています。また、痩身のための脂肪吸引ではリットル単位で脂肪を採りますが、脂肪豊胸手術の場合にはわずか数百ccです。吸引する量もこれだけ違うのですから、術後のダウンタイムがまったく異なるのも当然と言えば当然。誤った情報に惑わされず、迷うことがあればぜひ、脂肪豊胸手術を専門におこなっている医療機関へご相談いただきたいと思います。
編集部まとめ
脂肪豊胸手術を受けてみたいけれど、ダウンタイムが長いのは嫌……。そんな人も多いと思います。しかし現在では医療技術が目覚ましく進化しており、ダウンタイムも著しく短縮しています。錯綜している情報に振り回されず、まずは専門医に相談してみては?
医院情報

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| 診療科目 | 美容外科 |




