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もっと胸を大きくしたい! 「脂肪豊胸手術」は何回まで受けられる?【医師監修】

 公開日:2023/10/25

複数ある豊胸手術のなかでも、安全性・効果ともに高いとされる「脂肪豊胸手術」。なかには手術後「もっと大きくしたい」と考える人もいらっしゃいます。その場合、脂肪豊胸手術は何回まで再手術が可能なのでしょうか。また、脂肪豊胸手術を受ける上での注意点も気になるところです。「お茶の水美容形成クリニック」の吉井先生に、豊胸手術の疑問を解決していただきました。

吉井 健吾

監修医師
吉井 健吾(お茶の水美容形成クリニック)

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東京大学医学部医学科卒業。その後、佐久市立国保浅間総合病院初期研修医、東京大学医学部附属病院形成外科、埼玉医科大学国際医療センター形成外科/再建外科助教、新松戸中央総合病院形成外科、東京大学医学部附属病院形成外科特任臨床医を経て現職。日本形成外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会、日本マイクロサージャリー学会の各会員。

脂肪豊胸手術とは?

脂肪豊胸手術とは?

編集部編集部

脂肪豊胸手術とは?

吉井 健吾先生吉井先生

簡単に言うと、自分の脂肪を採取し、バストに注入することでバストアップをはかる手術のことです。

編集部編集部

豊胸手術には、脂肪豊胸手術以外にも種類があるのでしょうか?

吉井 健吾先生吉井先生

はい。「シリコンバッグ豊胸」「ヒアルロン酸豊胸」「アクアフィリング豊胸」などがあります。シリコンバッグ豊胸は、シリコンバッグを胸に入れて豊胸する方法で、バッグの大きさを調整することで理想のサイズアップを叶えられるというメリットがあります。しかしその反面、場合によってはシリコンバッグの周囲に薄い膜が作られ、それが硬くなったり変形したりする「被膜拘縮(ひまくこうしゅく)」の問題が起きることもあります。

編集部編集部

ヒアルロン酸豊胸やアクアフィリング豊胸についてはいかがですか?

吉井 健吾先生吉井先生

ヒアルロン酸を胸に注入したり、アクアフィリングというゼリー状の注入剤を胸に注射したりするだけなので、非常に手軽というメリットがあります。

編集部編集部

その反面、トラブルもあるのですか?

吉井 健吾先生吉井先生

そうですね。ヒアルロン酸豊胸の場合には、ヒアルロン酸の周囲に被膜ができ、厚くなってしこりになったり、仕上がりが固くなったりと、多くのトラブルがあります。また、アクアフィリング豊胸は、乳腺炎を発症したとき、全身に感染が広がることもあるというリスクがあります。

編集部編集部

さまざまなトラブルが起こり得るのですね。

吉井 健吾先生吉井先生

はい。そのため、日本美容外科学会ではヒアルロン酸豊胸やアクアフィリング豊胸をおこなわないことを推奨しています。また、これらの手術をおこなった後、シリコンバッグ豊胸や脂肪豊胸をしたいと思っても切り替えるのが難しく、再手術の難易度が上がるため注意しましょう。

編集部編集部

一方で、脂肪豊胸手術は安全なのですか?

吉井 健吾先生吉井先生

脂肪豊胸はヒアルロン酸やアクアフィリングなどの注入系と違って異物を使わないため、体にとって安全というメリットがあります。また、脂肪を減らしたい部分から採取して胸へ移動させることができますし、シリコンバッグ豊胸手術と比較しても、触り心地がとても自然です。

脂肪豊胸手術は何回まで再手術できる?

脂肪豊胸手術は何回まで再手術できる?

編集部編集部

脂肪豊胸手術のデメリットについても教えてください。

吉井 健吾先生吉井先生

注入した脂肪の分だけバストアップできると考えられがちなのですが、実際は定着するのに限度があります。過度に脂肪を注入しても定着できませんし、定着しなかった脂肪はしこりになってしまうリスクがあります。

編集部編集部

そうなると、極端なバストアップは望めないということでしょうか?

吉井 健吾先生吉井先生

脂肪豊胸の場合、一度に大きくできるのは1~2カップ程度のサイズアップが一般的です。もっと大きくしたい場合には、脂肪豊胸手術を繰り返す必要があります。

編集部編集部

何回まで繰り返すことができるのですか?

吉井 健吾先生吉井先生

理論的には、何回でも繰り返すことができます。ただし、ご自分の体から脂肪を採取するため、痩せ型の人は何度もおこなうのが難しいかもしれません。

編集部編集部

2回目をおこなう場合、どれくらい期間を空けたらいいのでしょうか?

吉井 健吾先生吉井先生

一度目の手術を受けてから、半年後くらいに受けるのがいいと思います。しっかり脂肪が定着していない状態で再手術をおこなうと、脂肪が壊死する可能性もあります。そのため、患部が落ち着いてから再度、手術を受けることをおすすめします。

脂肪豊胸手術を受ける際の注意点

脂肪豊胸手術を受ける際の注意点

編集部編集部

脂肪豊胸手術の注意点を教えてください。

吉井 健吾先生吉井先生

術後のダウンタイムがあります。脂肪豊胸手術では、脂肪を採取した部分と注入した部分に多少の傷ができますが、痛みなどを引き起こすのは脂肪を採取した部分です。腫れや痛みなどは時間の経過とともに落ち着いていきますが、完全に落ち着くまで1カ月程度かかります。

編集部編集部

ダウンタイムで気をつけることはありますか?

吉井 健吾先生吉井先生

術後、ダウンタイムを短くして腫れを抑えるためには、脂肪を採取した部分をしっかり圧迫することが必要です。例えば太ももから脂肪を採取した場合、採取した量にもよりますが少なくとも1週間、脂肪をたくさん採取した場合には1カ月程度、弾性ストッキングを着用しましょう。

編集部編集部

ほかには、どのようなことに注意が必要ですか?

吉井 健吾先生吉井先生

脂肪豊胸手術による脂肪の定着率には個人差があります。一度の手術で満足できるくらいバストアップが実現する人もいますし、反対に満足いく結果に至るまでには複数回の治療が必要になることもあります。そのようなリスクも事前に理解していただきたいと思います。

編集部編集部

手術後の注意点もあれば教えてください。

吉井 健吾先生吉井先生

手術後はダイエットをおこなわないようにしましょう。術後にダイエットをすると、栄養不足や血流不足が起こり、脂肪に栄養が届かなくなってしっかり定着しない恐れがあります。また、喫煙は脂肪の定着率を低下させるので、少なくとも術後3カ月は禁煙しましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉井 健吾先生吉井先生

脂肪豊胸手術は何度でも繰り返すことができますが、大きくサイズアップをしたいなら、シリコンバッグ豊胸も視野に入れてみてほしいと思います。また、例えば当院のように、シリコンバッグの周囲に脂肪を注入して、サイズアップと自然な柔らかさを同時に実現するハイブリッドの術式をおこなっているクリニックもあります。「しっかりバストアップしたい人はシリコン豊胸」「自然な柔らかさを実現したいなら脂肪豊胸」「しっかりバストアップもしたいけれど、極力自然にしたいならハイブリッド」というように、目的によって術式は変わります。「豊胸手術を受けたいけれど、どの術式がいいかわからない」という場合には、複数の治療法を用意しているクリニックを受診し、カウンセリングを受けたうえで術式を選択することをおすすめします。

編集部まとめ

最近では豊胸手術を手軽に受けられるようになりましたが、なかにはトラブルが多い術式があるのも事実。やり直しができるとはいえ、なかには難易度が高かったり、体に負担となったりすることもありますから、できるだけ一度で理想を叶えるために、慎重にクリニックを選ぶようにしましょう。

医院情報

お茶の水美容形成クリニック

お茶の水美容形成クリニック
所在地 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-2-4 MPR御茶ノ水駅前ビル9F
アクセス JR「御茶ノ水駅」 徒歩1分
診療科目 美容皮膚科、美容外科、形成外科

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