50~60代の「脂肪豊胸手術」は”恥ずかしくない” 手術が可能な年齢を医師が解説

脂肪豊胸手術に興味がある人のなかで、「自分の年齢でも受けることができるのか?」と気になっている人もいるかもしれません。一体、豊胸手術には年齢制限があるのでしょうか? 年齢別に見る手術の適応と注意点について、銀座3丁目・BANNAI美容クリニックの坂内先生にメディカルドック編集部が聞きました。

監修医師:
坂内 誠(銀座3丁目・BANNAI美容クリニック)
豊胸手術は何歳から可能?

編集部
豊胸手術は何歳から受けることができるのですか?
坂内先生
日本でおこなわれる豊胸手術は自由診療なので、法的な年齢制限はありません。しかし一般的には、だいたい18歳以上が対象になります。
編集部
18歳まで待たないといけないのでしょうか?
坂内先生
思春期の女の子のなかには、バストが小さいことにコンプレックスを感じている人もいるかもしれません。しかし、あまりに早いうちに豊胸手術をするのは焦り過ぎ。なぜなら、これからまだ成長が期待できるかもしれないからです。とはいえ、女性の成長期の開始は早いので、20歳を過ぎたあとにバストが大きくなる可能性はあまり高くありません。医療機関によっても考えは異なりますが、一例として当院では18歳から治療可能としています。
編集部
成長が落ち着いたら手術をすることができるのですね。
坂内先生
はい、「若いうちに脂肪豊胸手術を受けても大丈夫なの?」と心配になる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、脂肪豊胸自体は異物を使わず自分の脂肪を使用するので、体にとって負担が少なくて済みます。また、乳腺を傷つける手術ではないため乳腺の成長を阻害したり、授乳に影響したりすることもありません。麻酔の影響もほとんどないため、安心して受けていただくことができます。
編集部
保護者の同意は必要ですか?
坂内先生
はい。未成年が手術を受けるときには、親権者の同意が必要です。
何歳まで受けられる?

編集部
反対に、脂肪豊胸手術は何歳まで受けられるのでしょうか?
坂内先生
特に持病がなく、麻酔や手術の影響に耐えられる体力があれば、年齢に関係なくどなたでも受けられます。
編集部
高齢でも脂肪豊胸手術の効果が得られるのでしょうか? 脂肪の定着も期待できるのでしょうか?
坂内先生
はい、一例として当院では63歳の女性が脂肪豊胸手術を受けられたことがあります。結果も良好で、非常にご満足いただけました。もちろん個人差はありますが、「60歳以上だから脂肪豊胸手術を受けても無駄」などと考えず、まずは医師にご相談いただきたいと思います。
編集部
いくつになっても、脂肪豊胸手術は受けられるのですね。
坂内先生
女性は更年期に入ると女性ホルモンの分泌が減るため、乳腺がしぼんできます。するとバストのボリュームが下がり、下垂が生じてきます。そのようなときに有効なのが脂肪移植で、自分の脂肪を注入して移植することで、ボリュームを補うことができます。それによりいつまでも若々しいバストでいられるという効果があります。
編集部
60歳以上の人が豊胸手術を受けることで体に負担はないのでしょうか?
坂内先生
豊胸手術には主に、シリコンバッグを挿入する方法と自分の脂肪を注入する方法という2つがあります。そのうち、安全性が高く効果が期待できるのは脂肪を注入する方法。シリコンバッグによる豊胸手術の場合には、定期的にメンテナンスが必要ですし、発がん性を指摘され自主回収されたこともあります。また、シリコンバッグを挿入すると深呼吸をしづらくなったり、肋骨の変形が見られたりすることもあります。さらに、バストの形が不自然になりがちといったデメリットもあります。しかし脂肪豊胸手術であればそうした心配はありません。
年齢別に見る手術の注意点について

編集部
10代など若いときに脂肪豊胸手術を受ける際の注意点はありますか?
坂内先生
若い女性の場合、皮膚にハリがあって硬いために、高さを出しづらいということがあります。だからといって、たくさん脂肪を注入するとしこりの原因になってしまいます。そのため、熟練の医師による手術を受けることをおすすめします。
編集部
一方、50~60代で受けるときに気をつけることはありますか?
坂内先生
50~60代の場合、糖尿病や高血圧、心疾患、脳疾患などの基礎疾患がある方は、脂肪豊胸手術を受けられないこともあります。そのため、カウンセリングで健康診断の結果が要求されることもあります。
編集部
やはり若い方と違って、50~60代で脂肪豊胸手術を受けるとダウンタイムが長くなったり、定着が悪くなったりするのですか?
坂内先生
年齢が上がるにつれて全身の代謝は衰えてきますから、若い方に比べて50~60代の人の方が、ダウンタイムが長引くのはやむを得ないことかもしれません。場合によっては若い方よりも手術後、脂肪の定着が悪いこともあります。しかし、脂肪豊胸手術は個人差が非常に大きい分野であり、50~60代でも満足のいく結果を得られている方は大勢いらっしゃいます。どうしても気になる場合はサイズ保証をしているクリニックもありますので、そちらで手術するといいでしょう。「脂肪豊胸手術を受けようか」と悩んでいる場合、少しでも早くに受ける方が望ましいことは間違いありません。年齢を理由にあきらめず、ぜひ、医師に相談してほしいと思います。
編集部
医師選びのポイントはありますか?
坂内先生
一口に「脂肪豊胸手術」といっても、医師によって目指すバストはそれぞれですし、患者さんも「見栄えよりも傷口を隠すことを優先」という人もいれば、「しこりのリスクよりもボリューム重視」「高さや形も整え、見た目の美しさを重視」という人もいます。どのタイプがよく、どのタイプが悪いということは一概には言えませんが、医療機関を選ぶときに大事なことは「私もこんなバストになりたいな」と思う症例写真をたくさん公開している熟練の医師を選ぶこと。カウンセリングでたくさん写真を見せてもらい、納得のいく医師を選んでほしいと思います。
編集部
医師選びが重要なのですね。
坂内先生
はい。ときどき「どんな願いも叶えます」「あなたの理想のバストを作ります」という宣伝文句を掲げている医療機関を見かけますが、そうした取っ付きやすそうな言葉を鵜呑みにするのはとても危険。希望を叶えるため、患者さんの言うとおりの脂肪豊胸手術をした結果、胸がおかしな形になるような失敗例が多発しているのも事実。宣伝文句にだまされず、慎重に医師を選ぶようにしましょう。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあれば。
坂内先生
ときどき「50代で脂肪豊胸手術を受けるのはみっともない」「恥ずかしい」という人もいますが、まったくそんなことはありません。脂肪豊胸手術に興味があり、「やってみたい」と思ったら、それはその人にとってベストなタイミング。ご自分の勝手な思い込みや偏見で、可能性に蓋をしないでいただきたいと思います。ただし、そのときに注意してほしいのがドクターの見極め。脂肪豊胸手術にはドクターの技術、経験、センスが如実に現れる分野であり、特に50~60代の場合には、もともとのバストが下垂していることも多いので、いかにして高さを出し、きれいな丸みを作るかは、医師の技術にかかっています。慎重に医師を選び、納得のいく脂肪豊胸手術を受けてほしいと思います。
編集部まとめ
脂肪豊胸手術はアンチエイジングのひとつ。バストが豊かになれば心も明るくなり、ポジティブな気持ちが芽生えてくるかもしれません。年齢を理由に手術をあきらめず、まずは信頼できる医師を探してみましょう。
医院情報
所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座3-7-16 銀座NSビル4階 |
アクセス | 東京メトロ「銀座駅」 徒歩1分 東京メトロ「東銀座駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 美容外科 |