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「脳ドック」にかかる費用はご存じですか? 受けた方がいい人の特徴も医師が解説!

 公開日:2024/11/19

脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの「脳卒中」は、突然発症します。そして、一瞬にして命を奪ったり、言語障害や手足の麻痺などの重い後遺症が残ったりして、これまで普通に生活していた人のその後の人生を大きく変えてしまうことがあります。今回は、脳に特化した健康診断である「脳ドック」について「北村脳神経クリニック」の北村先生に解説していただきました。

北村 高之

監修医師
北村 高之(北村脳神経クリニック)

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順天堂大学医学部卒業。その後、順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科入局、同大学の附属および関連病院にて経験を積む。2024年5月、神奈川県横浜市に「北村脳神経クリニック」を開院。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医。

脳ドックとは? 普通の健康診断と何が違う?

脳ドックとは? 普通の健康診断と何が違う?

編集部編集部

まず、脳ドックについて教えてください。

北村 高之先生北村先生

脳ドックは、脳に特化した健康診断と考えていただければイメージしやすいと思います。脳の病気を早期に発見するだけでなく、今後、脳血管障害などを発症する危険因子があれば、発症リスクを減らすためのアドバイスをおこないます。脳ドックは、脳の健康を維持することを目的としています。

編集部編集部

職場の健康診断は毎年受けているのですが……。

北村 高之先生北村先生

一般の健康診断や人間ドックには、血圧や血液検査はあっても、脳の検査は含まれていません。そのため、普段から定期的に健康診断を受けて「異常なし」と言われていた人が、ある日突然脳の病気で倒れてしまうというケースも実際にあるのです。

編集部編集部

どのような病気やリスクがわかるのですか?

北村 高之先生北村先生

検査項目にもよりますが、例えば脳腫瘍や一部の脳梗塞・脳出血などは、無症状で発症・進行していることもあり、脳ドックで初めて発見されることがあります。また、将来的な脳血管障害のリスクが高いと言われる脳動脈瘤や脳血管奇形などもわかります。

編集部編集部

ほかにもありますか?

北村 高之先生北村先生

脳血管疾患との関連が深いとされている動脈硬化の進行状況や血管の閉塞・狭窄を確認することもできます。これにより、様々な脳疾患のリスクがわかります。また、認知症の早期発見にも有用です。

認知症の早期発見にも脳ドックは有用

認知症の早期発見にも脳ドックは有用

編集部編集部

認知症の早期発見もできるのですか?

北村 高之先生北村先生

はい。こちらも検査項目の種類によるのですが、脳ドックによって認知症の発見や予防につなげることも可能です。

編集部編集部

もう少し詳しく教えてください。

北村 高之先生北村先生

認知症の原因で最も多いのは「アルツハイマー型認知症」ですが、これは脳が萎縮してしまうという特徴があります。脳ドックでは、MRIで脳萎縮の有無を確認し、認知機能検査や採血検査をおこなうことで、アルツハイマー型認知症発症のリスクや認知症の前段階である軽度認知障害の早期発見が期待できます。脳萎縮の程度に関しても、VSRAD(ブイエスラド)というプログラムを用いた解析や、近年ではAI画像解析を用いて記憶を司る海馬の体積を測定し、認知症を含めた将来の脳の老化を防ぐための指標、アドバイスを提供することができるようになってきています。

編集部編集部

脳ドックは認知症の早期発見にも有用なのですね。

北村 高之先生北村先生

アルツハイマー型認知症だけではありません。アルツハイマー型認知症の次に多い「脳血管性認知症」の予防にも役立ちます。脳血管性認知症は脳血管障害に伴って発症することが非常に多いので、脳血管障害を予防することが、脳血管性認知症の予防につながるのです。脳ドックを受けてご自身の危険因子を知り、早期に適切に対応することで、脳血管性認知症の発症を防ぐことにもなります。

脳ドックの費用は? 脳ドックが受けられない人もいる?

脳ドックの費用は? 脳ドックが受けられない人もいる?

編集部編集部

脳ドックは誰でも受けられるのですか?

北村 高之先生北村先生

基本的には、どんな人でも受けられますが、検査項目によっては受けられない人もいます。例えば、MRI検査では強力な磁力が使われるため、検査室に金属を持ち込むことができません。そのため、心臓ペースメーカーや人工内耳などの金属製の医療機器を装着している人は、基本的にMRI検査を受けられません。

編集部編集部

費用についても気になります。

北村 高之先生北村先生

脳ドックは自由診療で、医療機関によって価格が異なるため、事前の確認が必要です。例えば当院の場合、脳のMRI/MRAと頚動脈のMRAのシンプルなコースで約3万円です。これに、血液検査や尿検査、認知症検査などが加わると、数千円〜2万円が加算されていきます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

北村 高之先生北村先生

脳疾患は40歳を過ぎた頃からリスクが高まり、自覚症状が全くないまま突然起こることも多くあります。そのため、自覚症状がなくても40歳を過ぎたら一度は脳ドックを受けて、ご自分の脳の状態をしっかり把握しておくと安心です。人生100年時代、みなさんの健康寿命を少しでも長く保つために、脳ドックがお役に立てることを切に願っています。

編集部まとめ

脳ドックでわかる脳の病気や費用の目安などについて解説していただきました。脳ドックは、脳の健康状態や将来的な脳疾患や認知症のリスクなどをチェックするうえで非常に有効な手段です。脳疾患は、自覚症状のないまま突然起こることも多いとのことでした。費用は施設や検査内容によって異なるようですが、自分の健康を守るための投資と考え、早めの受診を検討してみてはいかがでしょうか。

医院情報

北村脳神経クリニック

北村脳神経クリニック
所在地 〒247-0007 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-5-4本郷台駅前メディカルモールA1区画
アクセス JR「本郷台駅」 徒歩3分
診療科目 脳神経外科

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