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「白内障」「緑内障」の対策を眼科医が伝授! 中年層必見の“目の衰え”から身を守る方法とは

 公開日:2024/08/01

中年層になると、目のちょっとした症状が気になる人は増え、目の健康に対する関心が高まります。特に、白内障や緑内障は中年以降の人に多くみられる疾患です。今回は、中年以降に多い目の疾患とその治療法、白内障・緑内障などから目を守るための具体的な方法などについて、「稲毛海岸やすだ眼科」の安田先生に解説していただきました。

安田 健作

監修医師
安田 健作(稲毛海岸やすだ眼科)

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昭和大学卒業。その後、昭和大学医学部眼科学講座入局、昭和大学関連病院などで経験を積む。2023年、千葉県千葉市に「稲毛海岸やすだ眼科」を開院。日本眼科学会専門医・水晶体嚢拡張リング認定医。日本眼科医会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本緑内障学会、日本眼科手術学会の各会員。

中年層は特に要注意! 白内障・緑内障とは?

中年層は特に要注意!白内障・緑内障とは?

編集部編集部

加齢とともに、目のトラブルが気になります。

安田 健作先生安田先生

そうですよね。年齢を重ねるにつれて、目に様々な変化が生じるのは、どんなに気をつけていてもある程度避けられないと思います。

編集部編集部

加齢に伴って増加する目の病気にはどんなものがありますか?

安田 健作先生安田先生

目の中の水晶体が濁って視力が低下する「白内障」が代表的です。50代頃から徐々に発症する人が増え、高齢者のほとんどにみられる病気です。

編集部編集部

ほかには、どのような疾患がありますか?

安田 健作先生安田先生

緑内障」も加齢が要因で発症します。緑内障は、目の中の水(房水)が眼外に排出されにくい状態になり、眼圧が上がることで視神経が障害され、視野が狭くなる病気で、こちらも加齢に伴って増えてきます。緑内障は近視が強い人や、家族歴がある人では特に注意が必要です。

編集部編集部

加齢が原因の目の疾患は多岐にわたるのですね。

安田 健作先生安田先生

そうですね。ほかにも、網膜の中心部分である黄斑が損傷を受け、視力が低下する「加齢黄斑変性(AMD)」や涙の分泌が減少し、目が乾燥してしまう「ドライアイ」なども中高年に多くみられます。さらに、もともと糖尿病や高血圧のある人は、血糖値や血圧が高い期間が長くなるにつれ、「糖尿病網膜症」や「網膜静脈閉塞症」などのリスクが上がってきます。

中高年の目の病気、どんな治療法がある?

中高年の目の病気、どんな治療法がある?

編集部編集部

それぞれ、どのような治療があるのでしょうか?

安田 健作先生安田先生

白内障は、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを挿入する手術しか治療法はありません。その一方、緑内障は眼圧を下げる点眼薬やレーザー治療をおこない、改善しなければ手術などの治療法を検討します。

編集部編集部

加齢黄斑変性についてはいかがでしょうか?

安田 健作先生安田先生

最も多くおこなわれているのが「抗VEGF療法(抗VEGF薬硝子体内注射)」という、注射による治療です。ほかには、初期であればルテインのサプリメントや、光感受性物質を体内に注入し、それに反応するレーザー光を当てる「光線力学療法(PDT)」などの治療もあります。

編集部編集部

ドライアイについても教えてください。

安田 健作先生安田先生

目薬や瞼を温める「温罨法(おんあんぽう)」、それでも改善が乏しい場合には手術療法(涙点プラグ)などがあります。あとは、保険適用外になりますが「IPL治療」という光エネルギーを使った治療法もあります。

中年層が目を健康に保つ秘訣を教えて!

中年層が目を健康に保つ秘訣を教えて!

編集部編集部

手術や注射などが必要なケースが多いのですね。

安田 健作先生安田先生

はい。例えば、白内障だと一度白く濁った水晶体を透明に戻すことはできません。そのため、手術で濁った水晶体を取り除き、水晶体の代わりとなる眼内レンズを挿入するしかありません。どの疾患にも言えることですが、大事なのは予防や早期発見です。

編集部編集部

目の疾患を防ぐ方法があれば教えてください。

安田 健作先生安田先生

「これさえやっていれば大丈夫」といった予防法はありませんが、例えば白内障であれば、サングラスで紫外線を避ける、AMDであればまずは禁煙、そして、高脂肪食を避けて緑黄色野菜を積極的に摂るなどが大事です。また、ドライアイについてはスマートフォンやパソコンの長時間使用・コンタクトレンズの長時間装用を避けることが予防につながります。ただし、どれも完全に予防してくれるわけではないので、疾患により適切な対応が必要です。

編集部編集部

早期発見のためにはどうしたらいいですか?

安田 健作先生安田先生

症状がなくても、定期的に検診を受けることが大事です。緑内障のリスクが高いとされている「40歳以上」「家族歴のある人」「近視の強い人」などは、特に意識して検診を受けていただきたいですね。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

安田 健作先生安田先生

加齢に伴って目の疾患が増えるのは、ある程度は避けられないことです。目に負担をかけないことに加え、症状がなくても定期的に検診を受けること、そして気になる症状がある際は我慢して様子を見ず、気軽に眼科に相談にきてほしいと思います。また、「老眼で眼鏡はかけるのが煩わしい」と言い、かけたがらない人もいらっしゃいます。老眼も白内障手術で目の中に入れる眼内レンズにより、治療が可能になってきています。老眼でお困りの際も、一度眼科に受診することをおすすめします。ちょっとしたことでも意識していくと、先々の見え方に大きな差が出ます。

編集部まとめ

中高年以降に、白内障や緑内障から目を守る方法について解説していただきました。日常生活で簡単に取り入れられる予防法もあったので、ぜひ参考にしてみてください。定期的に眼科検診を受けることで、病気の早期発見・早期治療につなげることができます。日頃の予防と早めの対策で、目の健康を長く保ちましょう。

医院情報

稲毛海岸やすだ眼科

稲毛海岸やすだ眼科
所在地 〒261-0004 千葉県千葉市美浜区高州3-23-1 ペリエメディカルビル美浜2F-B
アクセス JR「稲毛海岸駅」 徒歩1分
診療科目 眼科

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