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“重大な脳疾患”のサインかも!? 「頭痛」を甘く見てはいけないワケ【医師解説】

 公開日:2024/08/12

頭痛は多くの人が経験する一般的な症状ですが、ときには深刻な病気のサインということもあります。一体、どのような頭痛が受診の目安となるのでしょうか。今回は、頭痛の原因となる病気や受診の目安などについて、「工藤脳神経外科クリニック」の工藤琢巳先生に解説していただきました。

工藤 琢巳

監修医師
工藤 琢巳(工藤脳神経外科クリニック)

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東京医科歯科大学卒業。東京医科歯科大学脳神経外科、国立循環器病研究センター、ドイツ・ハイデルベルクGerman Cancer Research Center、彩の国東大宮メディカルセンターなどで経験を積む。2024年、埼玉県越谷市に位置する「工藤脳神経外科クリニック」の院長に就任。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医。

頭痛が起こる原因

頭痛が起こる原因

編集部編集部

なぜ、頭痛は起こるのでしょうか?

工藤 琢巳先生工藤先生

頭痛は頭全体、もしくは一部に痛みを感じる状態のことです。頭痛には様々な要因があり、大きく分けて脳の病気が原因で発生する「二次性頭痛」と、脳の病気とは関係ない「一次性頭痛」があります。二次性頭痛は原因が比較的明確であるのに対し、一次性頭痛には原因がはっきりしないものも含まれます。

編集部編集部

もう少し詳しく教えてください。

工藤 琢巳先生工藤先生

一次性頭痛の中で比較的よくみられるのが「緊張型頭痛」で、肩こりから発生することが多い頭痛の一種です。肩の筋肉の一部は後頭部まで伸びているため、肩こりがあると「後頭部が張る」「後頭部が重い」「こめかみが締めつけられる」といった症状が引き起こされることもあります。

編集部編集部

ほかにもありますか?

工藤 琢巳先生工藤先生

片頭痛」も、比較的多くみられます。左右どちらかに起こることが多いのですが、片側に起きる頭痛の全てが片頭痛というわけではありません。片頭痛には「ギザギザとした光や虹色の模様などが見える」「頭痛はズッキンズッキンと拍動する」「気持ち悪さや吐き気を伴うこともある」「光や音、においに過敏になる」 といった特徴があります。

編集部編集部

なるほど。

工藤 琢巳先生工藤先生

非常に強い頭痛が片側の目の周りからこめかみ辺りに出現し、15分~3時間程度でなくなる「群発頭痛」も一次性頭痛の一種です。目が充血したり、鼻が詰まったり、涙や鼻水が出たりします。

病気が隠れているかもしれない頭痛の特徴

病気が隠れているかもしれない頭痛の特徴

編集部編集部

二次性頭痛の原因には、どんなものがありますか?

工藤 琢巳先生工藤先生

数ある二次性頭痛の中で、最も危険な疾患は「くも膜下出血」です。典型的な症状は突然の激しい頭痛で、吐き気を伴うこともあります。くも膜下出血の頭痛は、「ハンマーで殴られたような頭痛」「雷鳴頭痛」などとも言われます。脳卒中全般に言えることですが、非常に危険な病態なので、このような頭痛が出現した場合は早急に医療機関を受診しましょう。

編集部編集部

脳の病気が原因の場合もあるのですね。

工藤 琢巳先生工藤先生

そうですね。ほかには、「脳腫瘍」が頭痛を引き起こしていることもあります。くも膜下出血のようなわかりやすい特徴はないのですが、運動障害や呂律障害、失語などの言語障害が出た場合は脳腫瘍の可能性があります。あとは「髄膜炎」も注意が必要です。頭痛や吐き気のほかに、ひどい発熱を伴うのが特徴です。こちらも早急に受診しましょう。

編集部編集部

ほかには、どんな原因がありますか?

工藤 琢巳先生工藤先生

片側の顔面にビリッと電気が一瞬走るような痛みを感じる「三叉神経痛」も考えられます。目の下あたりから耳に向かって、あるいは下の顎から耳に向かって起きることが多いですね。痛み自体は一瞬で生じて一瞬でなくなります。顔面の感覚を司る「三叉神経」に血管が接触することで症状が出現します。稀に脳腫瘍などが隠れていることもあるので、脳の検査が必要です。

編集部編集部

ちょっとした痛みでも、注意が必要なこともあるのですね。

工藤 琢巳先生工藤先生

はい。ほかにも、注意が必要な病態として「急性緑内障発作」があります。目の周りや頭全体が急に痛くなり、吐き気を伴う急性緑内障は、放っておくと数日で失明するリスクがあります。あとは「副鼻腔炎」ですね。鼻の上や奥、横など、ある特定の一部分に痛みが出るのが特徴です。

この頭痛は大丈夫? 受診する目安

この頭痛は大丈夫? 受診する目安

編集部編集部

頭痛で受診するかの判断はどうしたらいいでしょうか?

工藤 琢巳先生工藤先生

「普段は頭痛がなく、初めて頭痛を感じた」「もともと頭痛持ちだったけれど、数年ぶりに頭痛が起きた」といった場合は、速やかに受診することをおすすめします。また、緊張型頭痛や片頭痛は定期的に起こるけれど、いつもと違う性状の頭痛が生じた場合は、まったく新しい病気を発症しているかもしれないので、受診して検査をおこなう必要があります。一次性頭痛ではなく、二次性頭痛を発症した可能性があります。

編集部編集部

ほかにも判断基準はありますか?

工藤 琢巳先生工藤先生

突然の激しい頭痛のほか、吐き気・嘔吐、運動障害や呂律障害、失語、発熱などを伴った場合は、脳の病気という可能性もあるので受診しましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

工藤 琢巳先生工藤先生

一次性頭痛であれば、基本的には脳の重大な病気ではないので、急いで受診する必要はありません。ただ、一次性頭痛でも頭痛外来や頭痛専門医などに相談すると、ロキソニン以外の薬の調合や処方、頭痛体操の指導、予防薬などの治療法などを提案してもらえることもあります。効果には個人差がありますが、改善することが多いので、諦めずに相談してみてください。

編集部まとめ

「受診すべき頭痛の症状」について解説していただきました。頭痛は多くの人が経験する一般的な症状ですが、特定のタイプの頭痛は重大な健康問題の兆候である可能性があるので、速やかに医療機関を受診しましょう。また、一次性頭痛の場合でも、頭痛外来や頭痛専門医などに相談することで、改善する可能性も高いとのことでした。「頭痛持ちの体質だから」と我慢していた人も、諦めずに相談してみてくださいね。

医院情報

工藤脳神経外科クリニック

工藤脳神経外科クリニック
所在地 〒343-0015 埼玉県越谷市花田2-33-19
アクセス 東武スカイツリーライン「北越谷駅」 バスで6分
診療科目 脳神経外科、内科

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