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【女性必見】甲状腺疾患になりやすい人の特徴はご存じですか? 「橋本病」や「バセドウ病」の症状も医師が解説!

 公開日:2024/04/05

バセドウ病」や「橋本病」などで知られている甲状腺疾患は、男性よりも女性に多く発症することがわかっています。一体なぜ、そのような男女差が生じるのでしょうか。また、疾患を発症しやすい人に、共通の特徴があるのかも気になります。甲状腺疾患に関する疑問を「そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院」の薗田先生に投げかけました。

薗田 憲司

監修医師
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)

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日本医科大学卒業後、東京臨海病院初期研修、東京都済生会中央病院勤務を経て、2023年そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院を開院。高校時代、糖尿病になり苦しんでいる父親を救いたいという思いから糖尿病専門医を志す。外来診療で伝えきれないダイエットや血糖値改善のための食事や運動の方法を親しみやすい医師「血糖おじさん」としてYouTubeやInstagram、書籍、メディアを通じて広く情報発信している。日本内科学会内科認定医。日本糖尿病学会糖尿病専門医。

なぜ、甲状腺疾患は女性に多い?

なぜ、甲状腺疾患は女性に多い?

編集部編集部

「甲状腺疾患は女性に多く発症する」と聞きました。本当ですか?

薗田 憲司先生薗田先生

はい、本当です。一般的に、甲状腺疾患は「男性と比べて、女性の発症率は約3倍高い」と言われています。

編集部編集部

甲状腺疾患について詳しく教えてください。

薗田 憲司先生薗田先生

よく知られている甲状腺疾患にバセドウ病と橋本病がありますが、どちらも女性に多く発症すると言われています。橋本病と比べると、バセドウ病は男性にみられることもありますが、それでも男女比を考えると、やはり女性に多く発症します。

編集部編集部

一体なぜ、女性に多く発症するのですか?

薗田 憲司先生薗田先生

残念ながら、今のところ原因は明らかになっていません。しかし、これらの疾患は自己免疫疾患という免疫異常によって起きています。自己免疫疾患は、全体的に男性よりも女性に多く発症することがわかっています。そのため、橋本病やバセドウ病も女性が多いのではないかと考えられています。

編集部編集部

なぜ、自己免疫疾患は女性に多いのですか?

薗田 憲司先生薗田先生

様々な意見がありますが、エストロゲンなど女性ホルモンの影響や、X染色体の影響を受け、女性に多く発症するのではないかと考えられています。特に、女性ホルモンは自己抗体の働きを活発にしたり、「サイトカイン」という免疫反応を促すタンパク質を活性したりする働きがあることから、女性に自己免疫疾患が多いと言われています。

甲状腺疾患を発症しやすい人の特徴は?

甲状腺疾患を発症しやすい人の特徴は?

編集部編集部

甲状腺疾患を発症しやすい人には、何か特徴があるのですか?

薗田 憲司先生薗田先生

1つは、年齢が挙げられます。一般に、橋本病を発症しやすいのは20歳代半ば~40歳代の女性と言われています。一方、バセドウ病はもう少し若年層の女性に多く発症します。

編集部編集部

若い女性にも多いのですね。

薗田 憲司先生薗田先生

はい。最近だと、妊活をしている女性が不妊治療の一環として、甲状腺ホルモンの数値を測ったときに、甲状腺疾患が発見されるケースも多くなっています。

編集部編集部

甲状腺の疾患は遺伝するのですか?

薗田 憲司先生薗田先生

バセドウ病や橋本病は、遺伝的な因子が深く関与していることが研究で明らかになっており、「親、兄弟、祖父母がバセドウ病の場合には、一般の人と比べて20~40倍バセドウ病を発症しやすい(※)」とされています。ただし、身内に甲状腺疾患の患者がいるからといって、必ず発症するわけではありません。

※日本内分泌学会「バセドウ病は遺伝するのですか」
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40

編集部編集部

もう少し詳しく教えてください。

薗田 憲司先生薗田先生

疾患の発症には、遺伝的因子のほかに環境的因子があります。例えば、甲状腺疾患の遺伝的因子を持っている人が、日常生活で強いストレスを抱えたり、感染症にかかったり、妊娠・出産などを経験したりしたとき、それらがきっかけとなって疾患を発症することがあります。

編集部編集部

男性が発症する確率はどれくらいですか?

薗田 憲司先生薗田先生

疾患によって異なり、橋本病の男女比は1:20~30くらいと、圧倒的に女性が多いのですが、バセドウ病の男女比は1:3~5くらいと言われています。そのため、男性でも油断は禁物です。もし気になる症状がみられたら、早めに専門医の診察を受けるようにしましょう。

バセドウ病と橋本病、それぞれの症状

バセドウ病と橋本病、それぞれの症状

編集部編集部

それぞれ、どのような症状に注意したらいいのでしょうか?

薗田 憲司先生薗田先生

まずバセドウ病の場合には、以下の症状が表れます。

  • 何もしていなくても動悸が激しい
  • 汗が多い
  • 暑がりになってきた
  • 手が震える
  • 細かい文字が書きにくい
  • 体重が理由なく減ってきた
  • 身体に力が入らなくなってきた
  • 疲れやすくなってきた
  • 長期間、下痢症になってきた
  • 微熱が続いている
  • イライラする
  • 眠れなくなってきた
  • 目が飛び出てきた
  • 首が腫れてきた
  • 月経が来なくなった
  • 月経周期が不順になった
  • 不妊

編集部編集部

橋本病についてはいかがですか?

薗田 憲司先生薗田先生

以下の症状がみられることが多いとされています。

  • 足がつりやすい
  • 皮膚にかゆみを覚えやすい
  • 乾燥しやすい
  • 寒く感じるようになった
  • 疲れやすくなってきた
  • 無気力になる
  • 体重が増えてきた
  • むくみやすい
  • 便秘
  • 月経周期が不順になった
  • 流産
  • 不妊

編集部編集部

症状が非常に多岐にわたるのですね。

薗田 憲司先生薗田先生

そうです。そのため、更年期障害と勘違いするケースや、橋本病の場合はうつのような症状がみられることも多いため、精神疾患と混同するケースが少なくありません。当院でも、心療内科からの紹介で受診をした患者さんを検査したら、「実はバセドウ病だった」というケースが多くなっています。

編集部編集部

ほかの疾患と混同されることもあるのですね。

薗田 憲司先生薗田先生

はい。甲状腺疾患は正確に診断し、適切に治療をすれば症状の改善を期待できる疾患です。放置すると重症化し、様々な症状が深刻になることもありますから、もし気になる症状がある場合には早めに専門医を受診し、検査を受けることが必要です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

薗田 憲司先生薗田先生

甲状腺疾患の症状は多岐にわたりますが、例えば「うつっぽい」「いくら食べても太らない」「異常にお腹が空く」といった症状がみられる場合には、早めに専門医を受診しましょう。また、「脈が速い」というのはバセドウ病の典型的な症状です。病院では甲状腺のホルモン検査やエコー検査をおこなうのが一般的ですが、当院をはじめ、医療機関のなかには受診当日、それらの検査をおこなえるところもあり、結果がスピーディにわかります。特にうつのような状態が続くことは、本人にとってもつらいことだと思うので、もし気になる症状があれば、早めに専門医にご相談ください。

編集部まとめ

甲状腺疾患は女性に多い病気。そう知っておくだけで、気になる症状がみられたら「もしかして……」と疑うことができます。特に、親や姉妹などに甲状腺疾患を発症したことがある人がいる場合には要注意。適切に治療をすれば症状の改善が期待できますから、気になることがあれば早めに受診しましょう。

医院情報

そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院

そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院
所在地 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-30-4 玉久ビル2F
アクセス JR・東京メトロ「渋谷駅」 徒歩1分
診療科目 内科、糖尿病内科

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